蓄電池の容量を決めるには?さまざまな選び方や重要なポイントを紹介

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国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

蓄電池の容量を決めるには?さまざまな選び方や重要なポイントを紹介

太陽光発電を採用するケースが増えるにつれて、蓄電池の需要が高まっています。ただ、蓄電池の容量には多くの種類があり、どの容量の蓄電池を選べばよいか悩む人もいるでしょう。この記事では、蓄電池の容量を中心に解説しています。蓄電池の導入を検討している人は、参考にしてください。

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蓄電池とは

繰り返し何度も使える、充電式の電池です。使い捨ての一次電池に対して蓄電池は二次電池と呼ばれ、そのなかでも家庭用蓄電池と産業用蓄電池にわけられます。家庭用電池としては、多くの場合リチウムイオン電池が使われています。蓄電池があれば、停電など災害にあった際にも電気を使えることが強みです。

 

蓄電池の容量の概要

蓄電池の容量は、どのように表示されるのでしょうか。容量の単位と、定格蓄電容量と使用可能な容量について解説します。

 

蓄電できる容量の単位

電池内にどれだけの量の電気を蓄えられるかは「Wh(ワットアワー)」または「kWh(キロワットアワー)」という単位で表されます。一方、電気の出力は「kW(キロワット)」という単位で表されます。消費電力が1kWの機器を1時間使用すると、電力消費量は1kWhです。

 

そのため、たとえば3kWh=3,000Whの蓄電池で60Wの電球を灯す場合、3,000÷60となり50時間使用できます。

 

定格蓄電容量と使用可能な容量とは

リチウムイオン電池は、容量が100%や0%にならないように設定されています。過充電や過放電に弱いためです。また多くの場合、「定格蓄電容量」と呼ばれる蓄電池に記載されている容量よりも、使用可能な容量は少なくなります。実際に使用可能な容量は、「初期実効容量」と呼ばれます。

 

蓄電池の容量の選び方

蓄電池にはさまざまな容量のものがありますが、どのように選べばよいのでしょうか。4つの選び方を解説します。

 

1日の電気使用量から選ぶ

家庭で1日にどのくらいの電力を使用しているのか、という点から選ぶ方法です。4人家族の場合、1日あたり必要最低限でも6.5~7kWh必要といわれます。これ以上の容量があれば、1日停電になってもある程度家電を使って生活できます。この数字を目安に、実際にどれだけの容量が必要か考えて選びましょう。

 

太陽光パネルの容量から選ぶ

蓄電池には主に、太陽光パネルで発電した電力のうち、売電するもの以外を蓄えるという役割があります。天候に左右されるものの、平均すると太陽光パネルに設定されている容量の約3倍を1日に発電できます。1日の発電量から、昼間に消費する電力を差し引いた分を蓄えておける蓄電池を選ぶのが一般的です。

 

停電時に使用する容量から選ぶ

蓄電池があると、停電した場合も電気を使えます。停電したときに、どのような生活を送りたいかで容量を選ぶ方法があります。たとえば冷蔵庫や電灯といった最低限の電力が賄えたらよいのか、エアコンやIHなど普段通りの生活を送りたいのかで必要な容量が変わるためです。普段どおりに使いたいのであれば、大容量の蓄電池が必要です。

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用途に適した容量から選ぶ

蓄電池は用途に応じて「独立型」、「連携型」、「EV対応型」の3つにわけられます。独立型は電力会社から購入した電気を貯めておけ、連携型は太陽光発電した電気も貯めておけます。EV対応型は電気自動車への充電、放電が可能です。求める用途によって、適した容量の蓄電池を選びましょう。

 

蓄電池の容量ごとの特徴

容量ごとにどのような特徴があるのでしょうか。容量の大きさごとに3つにわけ、解説します。

 

5kWh未満の蓄電池

一番の特徴はコンパクトなサイズです。一般的なエアコンの室外機と同サイズのため、あまり場所を選ばず設置しやすくなっています。なかには、キャスターが付いており、室内に設置して掃除の際には移動できるものもあります。電気の消費量が少なかったり、太陽光パネルを設置していて充電しておくべき量が少なかったりするとおすすめです。

 

5~8kWh未満の蓄電池

家庭用の蓄電池として、一般的な容量です。もっとも需要が高く多くのメーカーが製造しているため、多くの選択肢から選ぶことができます。停電時にも困ることの少ない容量で、金額とのバランスがよいことが特徴です。個性的な機能が付いたものもあります。設置できる場所は、メーカーによって異なります。

 

8kWh以上の蓄電池

電気の使用量が多い場合におすすめです。エアコンや冷蔵庫、電子レンジなど消費量の多い家電製品を使った場合の、1日あたりの消費電力に近い容量とされています。深夜の電力を充電し、昼間に消費することも可能です。なお、リチウムイオン電池の最大容量は17.76kwhと、消防法で決められています。

 

容量の小さな蓄電池のメリット・デメリット

容量の小さな蓄電池は基本的に安価で、サイズが小さいことがメリットです。小さいため、屋内にも狭い場所にも設置できます。ただし、100Vの機器しか使用できない蓄電池が多いことはデメリットでしょう。

 

容量の大きな蓄電池のメリット・デメリット

容量の大きな蓄電池は、200Vの機器も使用できる製品が多くなっていることがメリットです。また、大人数の家族や一軒家でも電力をまかなえ、停電時でも電力の心配がいりません。ただし、基本的に高価で、サイズが大きく、壁付けなどの設置工事が必要なことはデメリットでしょう。

 

容量以外での蓄電池の選び方

容量以外では、どのように蓄電池を選べばよいのでしょうか。3つの選び方を解説します。

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充放電可能な回数

蓄電池にはそれぞれ、充放電回数が設定されています。充放電の回数は、蓄電池の寿命に大きく関わります。回数が多いほど数多くの充放電ができ、寿命が長くなるためです。定められた充放電回数に達すると、徐々に蓄電できる容量が少なくなっていくため、買い替え時期の目安となります。

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保証期間

国内メーカーの場合、一般的な保証期間は10~15年ほどです。メーカーによって、保証期間や内容の違いがあります。蓄電池は長期にわたって使用するもののため、複数のメーカーで比較するとよいでしょう。

 

アフターサービス

アフターサービスの内容は、メーカーによって異なります。見守りサポートや定期点検、Webでのモニタリングサービスなど、必要とするアフターサービスが付いたメーカーを選ぶと安心です。

 

蓄電池の100V対応と200V対応とは

蓄電池には、100V対応のものと200V対応のものがあり、100Vタイプの製品が多くなっています。エアコンや出力の高いIHなどを使用するには、200V対応の蓄電池が必要なため注意が必要です。

 

全負荷型と特定負荷型、コンセント型とは

蓄電池の放電機能モデルには、3つの種類があります。全負担型は、停電時にもすべての機器に電気を供給可能です。特定負荷型は、停電時には事前に決めていたコンセントにのみ電気を供給できます。

コンセント型は、専用のコンセントに接続した機器のみに電気を供給できます。一般的に、100Vタイプは特定負荷型やコンセント型、200Vタイプは全負荷型となっている場合が多いようです。

 

まとめ

太陽光発電の浸透につれて、蓄電池の需要が増しています。容量は「Wh(ワットアワー)」または「kWh(キロワットアワー)」という単位で表され、5kWh未満から8kWh以上のものまでさまざまな製品があります。1日の電気使用料や停電時の使用量など、適したものを選ぶとよいでしょう。

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著者プロフィール(太陽光・蓄電池シミュレーションエキスパート)

会社名:国際航業株式会社
部署名:公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG
執筆者名:樋口 悟

執筆者の略歴:国際航業株式会社エネルギー部デジタルエネルギーグループ。エネルギー診断クラウドサービス「エネがえる」担当。1996年東京学芸大学教育学部人間科学課程スポーツコーチ学科卒業。1997年上場大手コールセンター会社に入社、2000年大手上場小売企業グループのインターネット関連会社で最年少役員に就任。2011年に独立起業。大企業向けにSNSマーケティングやアンバサダーマーケティングを提供するAsian Linked Marketingを設立。30以上の大手上場企業のプロジェクトを担当。5年で挫折。2016年国際航業株式会社新規事業開発部に入社しエネルギー領域の事業開発、エネがえる事業開発を担当。

太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションの国内唯一のエキスパートとして、大手電力・ガス会社、有名太陽光・蓄電池メーカー、全国販売施工店・工務店など約700社以上と、最近ではエネルギー政策立案サイド(国・官公庁・地方自治体)で太陽光・蓄電池推進政策をしている方々へもエネがえるを活用した太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションやアドバイスを提供している。

執筆記事:https://energy-shift.com/news/author/71cbba7e-dbbc-4728-9349-9cdbed975c6e

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