EV・PHV用コンセント型普通充電器のメリットや設置のタイミングは?工事の流れも解説

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国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

EV・PHV用コンセント型普通充電器のメリットや設置のタイミングは?工事の流れも解説

EV・PHVを自宅で充電できると、充電のたびに外出せずに済み便利です。自宅に設置可能な充電設備はいくつかありますが、多くの家庭はEV・PHV用コンセント型普通充電器を選んでいます。

 

この記事では、EV・PHV用コンセント型普通充電器を選ぶメリットや、設置のタイミング、工事の流れなどを解説します。ぜひ参考にしてください。

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【コンセント以外にもある】EV・PHVを充電する4つの設備

一般家庭には、多くの場合コンセント型普通充電器が設置してあります。選択肢として、他の充電設備も知っておきましょう。

 

1.EV・PHV用コンセント型普通充電器

EV・PHV用コンセント型普通充電器(以下、EV・PHV用コンセント)は、コンセントに車載充電ケーブルを挿して充電します。家電用のコンセントでは、EV・PHVを充電できない点にご注意ください。EV・PHVを家庭で充電するためには、工事により専用のコンセントを設置する必要があります。

 

EV・PHV用コンセントのメリットは、本体および設置費用が安く済み、それほど工事に手間がかからないことです。EV・PHV用コンセントの費用面や工事面のメリットは、のちほど詳しく解説します。

 

2.EV・PHV用ケーブル一体型普通充電器

EV・PHV用ケーブル一体型普通充電器は、充電器に充電用ケーブルが内蔵されています。ケーブル一体型普通充電器は、特徴的な形状からスタンド型・ポール型などとも呼ばれます。ケーブル一体型普通充電器のメリットは、充電スピードの速さです。ケーブル一体型普通充電器は高出力で、EV・PHV用コンセントよりも短時間で充電できます。

 

3.V2H

V2H(Vehicle to Home)とは、搭載するパワコン(パワーコンディショナー)により、直流電流と交流電流を変換するシステムです。V2Hがあると、家庭とEV・PHVの双方向で電気のやり取りが可能です。

 

V2Hを設置するとEV・PHVが蓄電池代わりになるため、停電時もV2Hを通じて車から家庭に電気を供給できます。電気代が安い時間に車に電気を貯めておけば、電気代の節約にもつながります。また、EV・PHV用コンセントと比べると、V2Hも充電スピードが速い傾向です。

 

4.EV・PHV用急速充電器

EV・PHV用急速充電器を家庭に設置するためには、高額な費用がかかります。そのため、急速充電器は、一般家庭ではほぼ見られません。

 

急速充電器は、高速道路のサービスエリアや商業施設、公共施設の駐車場などに設置されています。急速充電器のメリットは、普通充電器よりも出力が高く、短時間で充電できることです。急速充電器の出力と充電スピードの関係については、のちほど詳しく解説します。

 

EV・PHV用コンセント型普通充電器を選ぶメリット

上述したように、EV・PHV用コンセントは、本体および設置費用が安く、取りつけ工事が他の設備よりも簡単です。EV・PHV用コンセントを選ぶメリットをより理解するために、設置費用の相場や、政府の取り組みを把握しましょう。

 

【新築時がお得】EV・PHV用コンセントの設置費用相場

オンラインの事例をいくつか見ると、EV・PHV用コンセント本体の相場は、数千~1万円程度でした。また、設置費用の相場は、新築時なら1万~数万円程度で、後付けなら数万~十万円程度かかります。EV・PHV用コンセントを使う予定があれば、新築時に設置するとお得です。

 

日本政府はEV・PHVの普及を後押し

「脱炭素社会」の実現に向け、日本政府はEV・PHVの普及を後押ししています。脱炭素とは、温室効果ガスの発生量をゼロにする取り組みです。具体的な政策として、エコカー減税、グリーン化特例などが挙げられます。

 

費用面・工事面から手軽に設置できるEV・PHV用コンセントなら、将来的なEV・PHVの普及に対応しやすいと考えられます。

 

安全に充電するためにはEV・PHV用の充電設備が必須

そもそも、家庭用のコンセントではEV・PHVを安全に充電できません。家庭で高出力の200Vを契約している場合でも、EV・PHVの充電には大量の電流を必要とするため、ブレーカーが落ちてしまう可能性があります。

 

EV・PHV用コンセントは、日本配線システム工業会規格に準拠しています。規格に合わないコンセントを使うと事故の恐れがあるため、必ずEV・PHV用の充電設備を導入しましょう。

 

EV・PHV用コンセントの設置前に知っておきたい基礎知識

ある程度は知識がある方が、施工業者などとスムーズにやり取りできます。EV・PHV用コンセントの基礎知識を解説します。

 

充電口の種類

普通充電と急速充電では、EV・PHV用コンセントの充電口の形状が異なります。車種によっては、普通充電と急速充電のどちらかにしか対応できないものもあります。

 

また、海外製のEV・PHVは、日本製とは充電口が異なる場合があるためご注意ください。日本用に充電口が換装されていない場合は、充電用コネクターに専用のアダプターを被せないと充電できません。

 

出力と充電スピードの関係

充電器の電圧が大きいほど高出力となり、EV・PHVの充電スピードは速くなります。EV・PHV用コンセントの電圧は、100Vと200Vから選べます。100Vでも充電はできますが、充電スピードが遅すぎるため通常は200Vを選択します。

 

また、急速充電器の出力は、高出力普通充電器の10倍程度です。そのため、高出力普通充電器では数時間かかる充電が、急速充電では1時間足らずで終わります。

 

電費と燃費の関係

「km/kWh」で表される電費は、ガソリン車の燃費に相当します。電費の数値が大きいEVほど同じ充電量でも長距離を走れるため、電気代を節約可能です。

 

例えば、電力量料金単価が25円/kWhのとき、6km/kWhのEVで1万kmを走るには、(1万km÷6km/kWh)×25円/kWhで約41,667円必要です。一方、7km/kWhのEVで1万kmを走る際の電気代は、約35,714円で済みます。

 

EV・PHV用コンセントを設置するときの注意点

EV・PHV用コンセントを設置する際の注意点を解説します。安全面はもちろん、施工業者の選定などにも配慮が必要です。

 

有資格者しか設置できない

EV・PHV用コンセントは、第二種電気工事士以上の資格を持つ人しか設置できません。住宅環境によって、適切な工事の内容は変わります。専門知識・技術がない人がEV・PHV用コンセントを取りつけると、感電事故や漏電による火災の恐れがあります。

 

EV・PHV充電用のコンセントを選ぶ必要がある

「屋外用のコンセントを設置したい」というだけでは、ハウスメーカーや施工会社などに通じない場合があります。屋外に家庭用のコンセントを設置しても、ほとんどは出力が100Vであるため、EV・PHVの充電には利用できません。「EV・PHV充電用のコンセントを設置したい」と、明確に要望を伝えましょう。

 

集合住宅の場合はオーナーや管理会社に連絡を取る

EV・PHV用コンセントに限りませんが、充電設備を設置できる環境は、基本的に戸建てに限られます。

 

マンションなど集合住宅の場合は、最初から充電設備が搭載されている場合も見られます。仮に充電設備がない場合は、オーナーや管理会社の同意がなければ勝手に充電設備を設置できません。なお、賃貸物件の場合でも、交渉により充電設備を設置できた事例があります。

 

配線の太さや分電盤の種類に注意する

配線が太いほど、高出力に対応しやすく安全に電流を流せます。家庭の配線が細ければ、EV・PHV用コンセントの設置にあたって、配線の工事が必要です。家庭の分電盤が200Vに対応していなければ、分電盤の交換も必要になります。工事の工程が増えるほど、設置費用がかさむことを理解しておきましょう。

 

EV・PHV用コンセントを設置する手順

EV・PHV用コンセントの設置手順を、施工業者選びから現地調査、契約・施工にかけて解説します。

 

1.施行業者選び

EV・PHV用コンセントの施工業者選びでは、第二種電気工事士以上の専門資格を持つ作業員がいるかがポイントです。施工経験は十分か、施工料金は相場と同程度かもチェックして施工業者を選びましょう。

 

2.現地調査

施工業者に現地調査をしてもらい、見積もりを出してもらいます。現地調査で確認する内容は以下のとおりです。

 

・EV・PHV用コンセントの設置予定場所

・分電盤の種類と空き回路の有無

・ブレーカーの容量とサイズ

・分電盤から、コンセントの設置予定場所までの配線ルート

 

3.契約・施工

施工内容と見積もりに納得したうえで、契約を交わします。EV・PHV用コンセントの施工にかかる時間は半日程度で、配線を通し通電確認をして終了します。

 

まとめ

EV・PHV用の充電設備として、多くの家庭はコンセント型を設置しています。EV・PHV用コンセントは本体や設置費用が安く、取りつけが簡単です。EV・PHVに乗り換える予定があれば、エネがえるのシミュレーションがおすすめです。

 

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著者プロフィール(太陽光・蓄電池シミュレーションエキスパート)

会社名:国際航業株式会社
部署名:公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG
執筆者名:樋口 悟

執筆者の略歴:国際航業株式会社エネルギー部デジタルエネルギーグループ。エネルギー診断クラウドサービス「エネがえる」担当。1996年東京学芸大学教育学部人間科学課程スポーツコーチ学科卒業。1997年上場大手コールセンター会社に入社、2000年大手上場小売企業グループのインターネット関連会社で最年少役員に就任。2011年に独立起業。大企業向けにSNSマーケティングやアンバサダーマーケティングを提供するAsian Linked Marketingを設立。30以上の大手上場企業のプロジェクトを担当。5年で挫折。2016年国際航業株式会社新規事業開発部に入社しエネルギー領域の事業開発、エネがえる事業開発を担当。

太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションの国内唯一のエキスパートとして、大手電力・ガス会社、有名太陽光・蓄電池メーカー、全国販売施工店・工務店など約700社以上と、最近ではエネルギー政策立案サイド(国・官公庁・地方自治体)で太陽光・蓄電池推進政策をしている方々へもエネがえるを活用した太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションやアドバイスを提供している。

執筆記事:https://energy-shift.com/news/author/71cbba7e-dbbc-4728-9349-9cdbed975c6e

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