電気自動車の燃費(電費)とは?平均や計算方法から燃費を抑える方法も

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国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

電気自動車の燃費とは?平均や計算方法から燃費を抑える方法も

車の購入を検討する際、燃費を重視する人も多いのではないでしょうか。それは、電気自動車でも同じであり、1kWhの電力でどれだけ走れるのか、1km走るのにどれだけの電力が必要なのかを知っておくことが大切です。この記事では、電気自動車の燃費(電費)について基本から注意点などを解説します。電気自動車の購入を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。

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電気自動車の燃費について

電気自動車の燃費は、エンジン車とは違う概念です。ここでは、燃費のおさらいから電費について解説します。

 

エンジン車の燃費とは

エンジン車の燃費は、1L(リットル)の燃料で何km走ることができるのかを示したものです。ガソリンエンジン車のカタログには、「15km/L」などと記載されています。これは、ガソリン1Lで15km走行できることを意味しています。

 

エンジン車の燃費は、数字が大きいほど「燃費が良い車」です。カタログの燃費は、自動車メーカーが発表している数値であり、定められた走行パターンから測定されています。公道を走った数値ではないため、実際の数値とは異なりますが、車を購入する目安になります。エンジン車を所有している人の中には、実際の燃費を計算している人も少なくありません。

 

電気自動車の燃費とは

エンジン車の燃費を電気自動車に当てはめるには、ガソリンや軽油などの「L(リットル)」を電力の単位にしなければなりません。電気の単位はW(ワット)です。電力量は、電気の大きさと時間で表すため、「Wh(ワットアワー)」となります。

 

エンジン車の燃費である1Lに近づけるために、電力での燃費は1,000Wh(1kWh)で何km走れるかが燃費として扱われていることが現状です。しかし、電力は燃料ではないため、「電費」といわれる場合が少なくありません。電費については、次に紹介する解釈が一般的になりつつあり、国際基準になりつつあります。

 

電気自動車は電費が主流に

電気自動車は電力で走行するため、車メーカーのカタログでは、燃費ではなく電費を載せるケースが主流になりつつあります。国際基準になりつつある電費は、1km走るのにどれだけの電力が必要かを示す交流電力量消費率です。現在では、多くの電気自動車カタログに、交流電力量消費率または、電費として掲載されています。

 

電費の単位は「Wh/km」で表されるのが一般的であり、本記事でも「電費=交流電力量消費率」として記事を進めます。電費は燃費とは逆に、数値が小さいほど「電費が良い車」です。

 

燃費と電費の計算方法

燃費と電費では、計算方法が異なります。ここでは、それぞれの計算方法について解説します。?

 

燃費の計算方法

エンジン車の燃費の計算は、1Lの燃料でどれだけの距離を走れたかを表します。例えば、10Lのガソリンで80kmを走行できた場合は、この車の燃費は8km/Lです。計算式は次のようになります。

 

【エンジン車の燃費の計算式】

燃費=走行距離÷消費燃料量(電力量)

 

電気自動車の場合の燃費は、電力(1kWh)でどれだけ走行できたかを表します。

 

電費の計算方法

電費は、1km走るのに必要な電力を表します。電費を計算するためには、走行距離と充電量が必要です。計算式は次のようになります。

 

【電気自動車の電費の計算方法】

電費=充電した電力量÷走行距離

 

例えば、満充電で100km走行し、満充電までに10,000Wh必要だった場合は、次のようになります。

10,000Wh÷100km=100Wh/km

 

この場合、電気自動車の電費は100Wh/kmです。一般道での走行のため、カタログに記載されている電費とは異なります。

 

電気自動車はエンジン車よりも安く走る

エンジン車の燃費と電気自動車の電費を比較する際は、走行距離は用いません。1km走るのにどれだけの費用が必要であるかを比較する方法が適当です。理由は単位が異なるからであり、エンジン車の場合は「L(リットル)」、電気自動車は「(キロワットアワー)」となります。費用で換算すると単位が同じになり、直接的で分かりやすいでしょう。

 

【例】

・エンジン車(ガソリン車とする)の標準的な燃費を15km/L

・電気自動車の標準的な電費を150Wh/km

・ガソリン代は150円/L

・電気代は25円/kWh

 

この場合、エンジン車が1km走るのに必要なガソリンは、0.07Lです。ガソリン代は9.8円となります。

1kmあたり0.07×140円=9.8円

 

電気自動車の電気代は、1kmあたり3.75円です。

1kmあたり155Wh×0.025円=3.875円

 

このように、電気自動車は、エンジン車よりも安く走れます。ソーラー発電などを利用すれば、もっと安価な走行が可能です。また、一般的にガソリンや軽油の価格は、ニューヨーク商業取引所の原油先物価格の影響を受け、変動が激しくなります。電気代については、値上げを行う際に政府の許可が必要です。結果として電気自動車は、エンジン車と比べて安価で安定した走行ができることを示しています。?

 

電気自動車の燃費と電費の平均

電気自動車の燃費の平均は、6~7km/kwhです。次の代表的な電気自動車の燃費を確認することで分かります。

 

【代表的な電気自動車の燃費】

電気自動車の車種

燃費

日産 リーフ

約6~7km/kwh

ホンダ Honda e

約7km/kwh

マツダ MX-30

約6.4km/kwh

 

一方、電気自動車の電費の平均は約172Wh/kmです。燃費同様に代表的な車種の電費を確認することで分かります。

 

【代表的な電気自動車の電費】

電気自動車の車種

電費

日産リーフ(バッテリー容量40kWh)

155Wh/km

日産リーフ(バッテリー容量62kWh)

161Wh/km

ホンダ Honda e

131Wh/km

マツダ MX-30

145Wh/km

メルセデス・ベンツ EQC

245Wh/km

アウディ e-tron 50 クワトロ

237Wh/km

プジョー e-208

131Wh/km

 

上記の表により、電気自動車の電費は、車種によって大きく異なることも分かります。パワーがあり重量が重い車ほど燃費が悪くなる傾向です 。しかし、電気自動車は急速に開発が進んでいるため、将来的には、これまで以上に燃費・電費が良い車種が登場する可能性は高いでしょう。

 

電気自動車の電費をよくするための注意点

電気自動車の電費は、季節や走り方などによって大きく変わります。ここでは、電費を良くするための注意点について解説します。

 

暖房は電気を多く消費する

電費は、利用環境や利用方法によっても数値が変化します。大きく影響を与えるのが、エアコンの使用状況です。エアコンはバッテリーに貯めた電気を使うため、使えば使うほど走るための電気が減っていきます。エアコン以外にもカーナビゲーションやオーディオなどの使用により、電気の使用量が増えれば増えるほど走行に使う電気が減り、電費が悪くなるのです。

 

電気の消費量が大きいものが、エアコンの中でも暖房です。エンジン車の暖房は、エンジンが熱源となっているため電気は風を送る程度です。エンジン車の感覚で暖房を使用しないように注意しましょう。

 

急加速や急ブレーキは大量に電気を消費

電気自動車は、速度を上げたり、坂を登ったりする際に大量の電気を使います。急加速や急ブレーキ、人や荷物などの重量増加も電費を悪化させる原因です。これらの行為は、モーターにたくさんの電気を送るため大量の電力が必要になります。

 

電気自動車の大きな特徴は回生電力です。回生電力は走行中のエネルギーを電気に変換することで、電費を良くする大きな要因となります。急ブレーキは、回生電力の回収効率が下がるため、電費を悪化させる原因となるので注意しましょう。電気自動車は、安全運転を心がけ、ゆっくり加速し、早めの穏やかな減速により、電費を良くすることができます。

 

電費を良くする運転のポイント

電気自動車の電費は、電気自動車の運転方法や利用方法によって良くなります。次のポイントを実践して、電費が良い運転や利用を心がけましょう。

 

【電費を良くする運転・利用方法のポイント】

・基本的にエコ運転モードを使用する

・穏やかな運転を心がけ急加速・急減速を控える

・カーナビゲーションを利用して渋滞を回避

・速度を抑えてアクセル操作を一定に保つ

・エアコンは必要でなければ使用しない

・必要以外の荷物は積まない

・タイヤの空気圧をこまめに点検

・暑い日は内気循環モードに設定する

・寒い日はシートヒーターやステアリングヒーターを利用する

 

前述しましたが、電気自動車の電費を悪化させる大きな要因は暖房です。家庭のエアコン同様、冬の暖房対策で電費が良くなります。

 

まとめ

電気自動車の燃費は、エンジン車と同じ計算式で求められます。しかし、電気自動車では電費が一般的になりつつあります。電費は、1km走るのにどれだけの電力が必要かを示す交流電力量消費率です。電気自動車は、エンジン車よりも安価で走行できる特徴があります。電気自動車の蓄電池は、非常時に家庭で利用することも可能です。

 

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著者プロフィール(太陽光・蓄電池シミュレーションエキスパート)

会社名:国際航業株式会社
部署名:公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG
執筆者名:樋口 悟

執筆者の略歴:国際航業株式会社エネルギー部デジタルエネルギーグループ。エネルギー診断クラウドサービス「エネがえる」担当。1996年東京学芸大学教育学部人間科学課程スポーツコーチ学科卒業。1997年上場大手コールセンター会社に入社、2000年大手上場小売企業グループのインターネット関連会社で最年少役員に就任。2011年に独立起業。大企業向けにSNSマーケティングやアンバサダーマーケティングを提供するAsian Linked Marketingを設立。30以上の大手上場企業のプロジェクトを担当。5年で挫折。2016年国際航業株式会社新規事業開発部に入社しエネルギー領域の事業開発、エネがえる事業開発を担当。

太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションの国内唯一のエキスパートとして、大手電力・ガス会社、有名太陽光・蓄電池メーカー、全国販売施工店・工務店など約700社以上と、最近ではエネルギー政策立案サイド(国・官公庁・地方自治体)で太陽光・蓄電池推進政策をしている方々へもエネがえるを活用した太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションやアドバイスを提供している。

執筆記事:https://energy-shift.com/news/author/71cbba7e-dbbc-4728-9349-9cdbed975c6e

執筆者のSNS:
・Twitter:@satoruhiguchi
・LinkedInプロフィール:https://www.linkedin.com/in/satoruhiguchi/
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