太陽光発電の補助金はどうなる?今後の動向を徹底分析!

エネがえる Mag

太陽光発電の補助金はどうなる?今後の動向を徹底分析!

7_10169000888.jpg

ZEHってなんて読むんだろう?と悩み続けて最近読み方をしったデジタルエネルギーチーム樋口です。ズィーイーエイッチではありませんよ。ゼッチと読みます。

国としての住宅用太陽光発電への補助金は、2014年3月31日で終了しています。2009年には7万円/kWあった補助金も、2013年には1.5万円/kWと金額が下がり続け、ついには終了することになってしまいました。

しかし、太陽光発電に関する補助金がすべてなくなってしまったわけではありません。いくつかの地方自治体では補助金を支給していますし、太陽光発電を含む新しい考え方ZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などへの補助金も存在します。

住宅などに太陽光発電を導入する場合、補助金は動機づけとしても大変重要です。太陽光発電の補助金が今後どうなっていくのか、その動向を分析してみましょう。

太陽光発電の補助金、国と自治体の背景

太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの普及は、エネルギー自給率が低い日本にとって重要な課題です。国としても、電力の固定価格買取制度を設けて支援しています。しかし、一番資金を必要とする導入時の補助金が廃止されてしまいました。これにはどのような事情があるのでしょうか。

国の補助金がなくなった背景

日本で住宅用太陽光発電が販売されはじめたのは、1993年ごろからです。当時のシステム価格は370万円/kWと大変高額でした。翌年には200万円/kWと大幅に下がりましたが、一般の家庭で導入できる価格ではなく、普及も進みませんでした。

1994年からは国の補助金がスタートし、システム価格は技術の向上とともに急速に下がりはじめます。微増を続けてきた太陽光発電の転機となるのは2009年、余剰電力買取制度を国が打ち出したころです。2008年には約50万世帯だった導入数が2012年には倍増し、100万世帯を突破。2014年には、160万世帯以上となりました。システム価格も、海外メーカー参入の影響などもあり、現在では1kWあたり30万円を切る状況です。

このように住宅用太陽光発電システムの普及が進み、新規導入の価格も下がったことから、国は補助金の終了を決定しました。補助金の目的は、クリーンエネルギーの普及に向けて初期投資を軽減することだったため、固定買取価格制度と引き換えに終了することは仕方ないという側面もあります。

一部の自治体には、まだ補助金がある

地方自治体も国と同様に太陽光発電システムの普及には力を入れてきました。独自の補助金を創設してシステムの導入を支援している自治体もあります。

国の補助金が終了したことで、自治体もこの方針に同調する動きが見られますが、一部の自治体ではまだ補助金制度を継続しています。システム導入時に、該当の自治体で補助金の交付があるかどうかを確認してみましょう。補助金が適用されるうちに、導入の方向性を決めていくことが大切になります。

補助金の終了は設置時の費用を考えれば確かに足かせになりますが、デメリットだけではありません。売電価格には好影響も与えています。

経済産業省の調達価格等算定委員会は、補助金がないものとして売電価格を算定することを決定しています。つまり、いままでは補助金を考慮して売電価格を決定していましたが、今後はそれを考慮しないということです。売電価格が下がり続ける中、若干ですが、下げ幅が少なくなるようです。

補助金を利用するための手続きと注意点

太陽光発電を導入する際には、自治体でどのような手続きをすればよいのでしょうか。一般的な手続きの流れと、どのようなことに注意するべきかをご紹介していきます。

補助金申請の手続き

自治体による補助金は都道府県で行うもの、市町村で行うものがあります。それぞれの自治体によって、申請できる条件や金額も大きく違ってきます。

一般的には、まず申請資格があるかを自治体のホームページや担当課で調べるところからスタートします。資格がある場合は、申請書類を用意します。主な書類は以下の通りです。

  • 自治体が指定する申請書
  • 納税証明書
  • 機器の設置にかかわる見積書、内訳書
  • 機器のパンフレットなど
  • 太陽電池パネルの配置図

このほかにも、建物の登記事項証明など、自治体によって提出する書類は変わってきます。申請が受理されると、審査が行われ、確定すれば決定通知が郵送されてきます。

ここで申請が終了ではなく、設置工事後には完了報告書や設置写真、領収書などを提出します。再度審査が行われ、問題がなければ、補助金が支給されます。

補助金申請の注意点

前述したように、申請については自治体により違いがあります。設置前に申請するのか、設置後に申請するのか、必要書類は何かといった点については必ず確認しておきましょう。

また、そのほかに重要な注意点が二つあります。一つ目は施工業者です。自治体の中には、地域の経済活性を目的として、同じ市区町内の施工業者が施工することを条件にしている場合があります。施工をする側としては気をつけたい点です。二つ目は、補助金制度はあるものの、予算が決まっていたり、件数の上限が決められていたりする場合です。このような場合、締め切りの期日前に予告なく打ち切られてしまう場合もあるため注意が必要です。

補助金を支給している自治体の事例

この章では太陽光発電に対して補助金を支給している自治体の具体例を見てみましょう。

東京都板橋区

最大出力10kW未満の太陽光発電システムに対して、1kW当たり25,000円の補助が受けられます。上限は100,000円です。

設置前に補助金交付申請をして、設置後に設置完了報告を行います。法人の場合は法人住民税を、個人の場合は住民税と軽自動車税を滞納していないことが要件となります。国や東京都が行う補助金事業との併用も可能です。

北海道札幌市

太陽電池モジュールが1.5kW以上のものについて、1kW当たり45,000円の補助が受けられます。上限は449,000円(9.99kW)となります。工事が完了してからの申請となりますが、交付が受けられるかどうかは抽選で決定されます。

市税の滞納がないことが応募条件です。また、法定耐用年数期間内に対象機器を処分する場合は許可申請をして、残り期間分の補助金を返還することになります。国などが支給する補助金制度との併用も可能です。

大阪府和泉市

太陽光発電システムの設置に対して、1kWあたり15,000円の補助が受けられます。上限は60,000円です。システムの設置後に申請し、応募が予算の1,200万円を超える場合は抽選となります。

今年度から補助金が減額されていますので、2017年12月31日以前に設置している場合は、1kWあたり20,000円、上限は80,000円となります。

太陽光発電の補助金は今後どうなるのか

太陽光発電は、クリーンエネルギーの中でも一般住宅で容易に発電できるものです。2016年には、累計の住宅用太陽光発電導入数は200万件を突破していますが、新規導入件数は2013年にピークを迎え、以降、減少に転じています。これは、国の補助金が終了したことも大きく影響していますが、市場自体が「導入したい人は導入済み」という飽和状態に陥っていることも考えられます。

新規導入が減少すれば、自治体の補助金も国の方針と同様に終了していくものと予想されます。実際に、国の補助金終了以降に同様の措置をとった自治体は多くあります。最終的には太陽光発電単独での補助金はなくなることも考えられるので、補助金を考えている顧客には早めにアドバイスをしたほうがよいでしょう。

しかし、太陽光発電にかかわるすべての補助金がなくなってしまうわけではありません。国は、太陽光発電にHEMSや蓄電池などの省エネ設備を複合させたZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関して、来る2020年度までに新築住宅導入率50%を目指し、補助金事業を展開しています。今後の太陽光発電への補助金は、トータル的な設備導入に対して行われることになるのです。

まとめ

太陽光発電システム単独での補助金は、国としては終了し、自治体においても終了する傾向が強まっています。設備価格の下落や新規導入の縮小などにより、将来的にはなくなることも考えられます。

しかし、ZEHなど太陽光発電システムを含めたトータル的な設備に対しては、補助金などの優遇措置は継続されていきます。新たなシステムを念頭に置き、省エネ効率のシミュレーションなどを実施していけば、顧客への訴求力もアップしていくのではないでしょうか。

▼お役立ち資料が無料ダウンロードはこちら | 太陽光・蓄電池の経済効果シミュレーションシステム「エネがえる」
https://www.enegaeru.com/document/

参考: