太陽光発電と切っても切れない関係の蓄電池、そのベストな選択とは

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太陽光発電と切っても切れない関係の蓄電池、そのベストな選択とは

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11月はおでんと熱燗。デジタルエネルギーチーム樋口です。

太陽光発電で発電された電力を一時的にためるのが、蓄電池の役割です。太陽光パネルの発電能力も重要ですが、一緒に長く使うことになる蓄電池についても、深く考えてみるのは大切なことです。ただ単に蓄電するだけの機器として、容量や価格、メーカーブランドなど単一の側面からだけで安易に決めてはいませんか? 蓄電池について、その機能や特徴、方向性などを、現状の太陽光発電の動向とあわせて再認識しておきましょう。

太陽光発電で利用される蓄電池について

まずは、その種類や特性について整理してみましょう。

大きくわけて2種類、その特徴

蓄電池は、鉛電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、NAS電池などの種類にわけられます。その中で、太陽光発電に使われる蓄電池は、大きくわけて2種類です。それぞれの特性は以下のとおりです。

  • 鉛蓄電池

蓄電量あたりの容積は大きなものが求められ、その点では小型化には不向き。可搬性などの確保は難しくなります。充放電の繰り返しによる劣化は比較的少なく、寿命が長いのが特長です。そして、最大のメリットは価格が安いことで、kWh(キロワットアワー)あたり5万円となっています。

  • リチウムイオン蓄電池

鉛畜電池とは正反対の特性があり、蓄電量あたりの容積は小さくてすむため、小型化や軽量化が可能です。そのため可搬性も確保でき、さまざまな用途向けの蓄電池が今後は誕生していくでしょう。ただし、充放電による劣化が大きく、耐用年数は鉛蓄電池よりも短くなってしまいます。また、価格も高価で、kWhあたり20万円と、鉛蓄電池の4倍になります。

基本特性だけをみても、鉛蓄電池とリチウムイオン蓄電池の差は甲乙つけがたいところです。しかし、技術開発は常に進んでいるので、小型化や軽量化にメリットがあるリチウムイオン電池も、長寿命化と容積あたりの蓄電量の大容量化、そして普及するにしたがっての価格低下が期待できます。販売面では、利用者の用途や予算にあわせての提案や、組み合わせを考えたいものです。

太陽光発電用の蓄電池の価格推移と相場

太陽光発電装置とセットで考えれば、蓄電池の購入には補助金が活用できます。これは最大のメリットであり、補助金の分を差し引いて予算組みすることもできます。また、蓄電池は普及するにしたがいメーカーの定価も下がることが期待できます。

技術開発と普及で価格は下がる

どのような製品も、概ね販売価格は下がる傾向にあります。ひとつの要因は、その機器の普及の度合いです。また、技術の進歩による機能あたりの単価の低下や、参入メーカーの増加もあげられます。太陽光発電用の蓄電池は、この3つがそろっています。さらに、再生可能エネルギーへの注目や政府の後押しが手伝い、これからも価格の低下は進み、より販売しやすくなると考えてよいでしょう

家庭用蓄電池本体の価格は、仕様や用途、前述の鉛電池方式かリチウムイオン電池方式かなどで価格がまちまちです。販売統計はありませんが、最近の製品のラインナップを俯瞰(ふかん)すると、最低価格では100万円を切り、相場は概ね150~200万円前後が多くなってきました。

補助金や固定価格買取制度の価格との関係

今後も、容量あたりの単価などは下がる方向にあると見るべきです。しかし底値はないので、買い時はいつかと考えれば、太陽光発電を導入することのメリットを優先し、いつでも買い時であると考えるべきでしょう。そして重要なことは、国の補助金や固定価格買取制度は、太陽光発電が普及するまでの基礎を築くためのものであるということです。こちらは逆に、将来に向かって支援は薄らいでいくことになります。

太陽光発電を導入する人が増えるよう、発電した電力を安定した固定価格で電力会社が買い取るようにルール化したのが固定価格買取制度です。経済産業省の2018年3月23日の発表によると、住宅用太陽光発電量10kW未満では、2017年度は1時間のkWあたり28円、2018年度は26円、2019年度は24円となっています。太陽光発電の買取価格は、毎年1時間のkWあたり2円程度の下げ幅ですが、将来の普及と事業者の拡大にあわせて、下降率が大きくならないとも限りません。これから先も必ずあるという保障はない補助金。制度の充実しているうちや、電力の固定買取価格が大きく下がる前に太陽光発電システムと蓄電池をセットで買うことを考えれば、今が買い得といえるかもしれません。

長期使用を想定、蓄電池の寿命について

気になる太陽光発電用の蓄電池の寿命はどうでしょう。高価なだけに、寿命は長いほど助かるのは事実です。

電子部品の寿命

説明したとおり、鉛電池とリチウムイオン電池の違いでも寿命は異なります。しかし結論からいえば、家庭用蓄電池の寿命は、10年を目安に考えるといいでしょう。多くの家電品や自動車などでも、たいがい寿命は10年と考えられています。車に関していえば、エンジンという一番重要な部分が持ちこたえたとしても、それを動かすための電子部品の寿命が10年といわれています。洗濯機や冷蔵庫も、部品が壊れなければ10年以上の使用が可能ですが、古い製品では部品の在庫がなく、どこかが故障した時点で修理不能か、かなり高価な修理代金になってしまいます。そしてもうひとつ重要な視点が、10年で基本機能の向上があるということです。古い家電を使い続けることで、消費電力が割高になるといわれています。つまり、10年を目途に買い替えることで、新しい製品の機能を享受できるのです。

長く使うことだけが得策ではない

太陽光発電の家庭用の蓄電池にも、同じことがいえるのではないでしょうか。幸いなことに蓄電池の場合、保障を10年とするメーカーが多く、寿命前のトラブルはカバーされる率が高いと考えると、10年間は安心して使えることになるでしょう。そして、10年を過ぎても部品類の故障がなければ使い続けることが可能です。しかし、蓄電池の宿命である充放電の回数による蓄電容量の低下は進むため、パフォーマンスの悪化が懸念されます。

これらを総合して考えると、技術の進歩・販売価格の低下などから、10年を超える前に早めに買い替えるサイクルも検討が必要です。

蓄電池の交換や増設のメリット・デメリット

では、蓄電池の交換や追加導入、あるいは予算の関係で太陽光発電システムに後づけするという場合はどうでしょう。

デメリットだけではない、追加や交換時に運用の見直しも

蓄電池の交換は、10年を過ぎてから検討することが多いでしょう。また、それを待たずに買い替えたり、交換ではなく補助として追加設置をしたりする方法もあります。ここで一番重要なのは、どの方法がその顧客にとってベストかということです。そのためには、データによる裏づけが必要で、現在利用している機器と自家消費する電力、売電量と価格、今後の発電量と売電量の見込みなどをシミュレーションし、単なる蓄電池の寿命や故障による交換という一面的な考えはしないほうがいいでしょう。蓄電池の交換や増設は、顧客にとっても販売側にとっても、現在の発電と蓄電機材とその運営方法のよい見直しの機会にしたいものです。

また、購入という方法以外にも、レンタルやリースで機材を調達することも検討できます。利用料金にはメンテナンス費も含まれているため、故障の場合、利用上の問題によるものでなければ、修理や交換の責任はレンタルやリースの会社にあります。早めに最新の機材を使いたいと考えるのならば、レンタルやリースという選択もありえます。

トータルソリューションでメリットを

以前は、予算の関係で、太陽光発電を設置後に蓄電池を後づけするといったケースもありました。しかし現在は、深夜電力の利用などを考えると、蓄電池と込みで購入するほうが得策です。むしろ、HEMS(家庭用ホーム・エネルギー・マネジメントシステム)とペアで、蓄電池を省エネのツールという位置づけで考えることが大切です。やむを得ず後づけにする場合も、このようなトータルでの運用を考え、シミュレーションを活用しつつ進めていくのがポイントです。

まとめ

ただ単に、蓄電容量や機能、ブランドだけを重視して蓄電池を顧客にすすめるのではなく、システムとしてトータルで運用した場合を考え、状況にあわせたベストな蓄電池を選択することがポイントです。初期のころに導入した蓄電池が寿命を迎える時期でもあり、交換や追加導入の際には、これまでの運用実績の分析を行い、課題の克服や新たな目標値の設定などをして、トータル的なソリューションとして提供することが、これからの蓄電池の販売スタイルです。

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参考: