エネがえるBCP・レジリエンスガイド
BUSINESS CONTINUITY × ENERGY

医療・介護のBCP|電源・水・人員を一体で守る

患者・利用者の安全と必須サービスを優先し、費用対効果は条件を満たす案どうしで比較します。

2026年9月22日確認・更新|国際航業 エネがえる

最初に決める継続水準

生命維持、医療機器、医療ガス、給水、空調、情報、職員の到着は相互に依存します。一般的な蓄電池容量計算だけで診療の継続可否を判定しません。

停電と業務回復は別。安全停止、部分再開、品質確認を経て復旧する概念図
独自作成の概念図。数値・設備接続の認証図ではありません。

業務ごとのBIA着眼点

業務・施設優先する負荷停止による影響対策の始点再開判定
総合病院生命維持・医療ガス・給水・通信診療中断と患者移送患者安全を金額とは別の必須条件にする医療安全責任者と電気主任技術者
診療所保冷・電子カルテ・照明診療延期と薬剤廃棄安全終了と患者連絡を優先診療再開判断
透析施設水処理・透析・空調治療中断と転院調整電源だけでなく水と搬送先を確認医療機関の専門手順
歯科医院診療台・吸引・滅菌・IT診療停止と再滅菌安全な処置終了と予約振替滅菌・機器確認
調剤薬局医薬品冷蔵・レセコン温度逸脱と供給停止保冷時間と代替供給を確保温度記録と薬剤師判断
介護施設空調・給水・見守り・調理避難負担と生活機能停止電源・水・トイレ・介助者を一体化入居者状態と受入先
障害福祉施設福祉機器・空調・連絡支援中断と個別配慮利用者ごとの必要機器を台帳化個別支援計画
検査・研究施設超低温庫・換気・監視試料喪失と再試験試料優先度と避難保管先を決める試料品質・封じ込め

3案を同じ業務目標で比較する

実施内容評価の焦点
運用・代替手段手順、連絡、別拠点、手動処理、在庫・予約の振替人員の実行可能性、品質、移行時間。設備費が少なくても訓練費を含める
既存電源の整備対象回路、始動・切替試験、燃料、UPS電池、保守契約既存設備が実際に守れる範囲を現状値に反映する
PV・蓄電池等を追加日常の自家消費と重要負荷への自立給電を設計追加で減る停止・損失を評価。水・物流等による残余停止を残す

現場ヒアリングと見積依頼に使う項目

各項目に「責任者・根拠資料・現状・対策後・未確認事項・次の確認日」を付けます。売上だけでなく、廃棄品の評価額、再起動の外注費、振替・後日回復が可能な割合を経理・現場で確認してください。

季節・時間帯・規模を変える

最低3条件で検討します。①通常営業時間の短い停電、②休日夜間から始まる長い停電、③繁忙期または厳しい気温での広域障害です。同時に発生する損失を二重に加算せず、同じ施設でも必要負荷と復旧手順を条件別に設定します。

小規模拠点では操作担当者が到着できない条件、中規模拠点では複数盤にまたがる供給範囲、大規模拠点では系統・建物・物流の共通障害を重点的に調べます。規模区分は法令上の分類ではなく、検討上の複雑さの目安です。

社内説明の作り方

「守る機能」「許容中断」「現状の復旧時間」「対策後の残余停止」「追加投資と運用費」「金額に含めない必須条件」を1枚にまとめます。期待損失の低減が小さくても、必須条件の達成に必要な費用として比較することができます。

よくある質問

業種のテンプレートのまま設備を選べますか?

テンプレートは聞き取りの起点です。実測負荷、電源品質、回路、設備メーカーの要件と、各業界の専門手順を確認してから設計します。

電力使用量が未計測でも始められますか?

重要機器台帳と停止・復旧の聞き取りから開始できます。エネがえるBizの業種別ロードカーブ等は日常需要の初期検討に役立ちますが、非常時重要負荷の実測や瞬時起動電力を代替しません。

投資効果がマイナスなら対策は不要ですか?

この判断にはなりません。生命・安全・契約上の必須条件を先に満たし、その中で費用を抑える案や段階導入を比較します。

根拠と確認範囲

  1. 内閣府|事業継続の取組の必要性 — 自然災害以外も含む重要業務の継続・復旧。
  2. NIST SP 1190|建物・インフラの継続目標 — 社会・経済機能の回復目標と依存関係。抄録確認。
  3. NIST SP 1197|レジリエンス投資の経済評価 — 現状維持と対策の費用・便益・損失回避・非市場価値・不確実性の比較。抄録確認。
  4. NLR(旧NREL)|REoptの計算範囲 — 重要負荷・電源構成・開始時刻・継続時間を分ける。米国の技術経済分析ツール。

公開一次資料を2026年9月22日時点で確認。業種別の着眼点、図解、チェックリスト、試算は本ガイドの編集・計算モデルです。特定拠点の災害確率や設計適合を証明するものではありません。資料の公表年と災害の発生年を区別しています。

次の判断に進む

拠点の条件を、実行できる比較案へ。

所在地、業種、守りたい業務、既存電源、30分値があれば、検討の出発点を整理できます。需要家の導入相談、EPC・電力会社・商社の提案支援も受け付けています。

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