エネがえるBCP・レジリエンスガイド
BUSINESS CONTINUITY × ENERGY

物流・小売のBCP|温度・在庫・出荷を守る

商品保全と出荷・販売の継続を分け、倉庫や店の規模に合う縮退運用を設計します。

2026年9月22日確認・更新|国際航業 エネがえる

最初に決める継続水準

冷却設備の定格電力だけでなく、庫内温度、扉開閉、外気温、商品量によって保冷時間が変わります。全量廃棄とせず、商品別の判定基準と実測温度を残します。

停電と業務回復は別。安全停止、部分再開、品質確認を経て復旧する概念図
独自作成の概念図。数値・設備接続の認証図ではありません。

業務ごとのBIA着眼点

業務・施設優先する負荷停止による影響対策の始点再開判定
常温物流倉庫WMS・照明・シャッター出荷停止と滞留手動出庫と照合を訓練在庫整合と安全動線
冷凍冷蔵倉庫冷凍機・監視・扉温度逸脱と商品廃棄扉開閉を減らし温度で判断庫内温度と商品判定
食品スーパー冷ケース・POS・照明商品廃棄と販売停止保冷と決済の優先回路を分ける食品安全と現金対応
コンビニ冷蔵・通信・照明廃棄と地域供給停止継続販売できる品目を決める衛生・防犯・本部連絡
ドラッグストア冷蔵・POS・通信医薬品管理と販売停止医薬品と一般商品の優先度を区別薬剤管理と供給
百貨店・商業施設防災・誘導・昇降機・館内通信閉館とテナント損失安全退館と営業継続の回路を分離防災センターの確認
ECフルフィルメント搬送・ロボット・WMS出荷遅延と誤出荷部分稼働と注文振替を検討システム整合と搬送安全
卸売市場冷蔵・製氷・決済・物流鮮度低下と取引停止保冷・衛生・荷役を一体評価温度・水・搬出先

3案を同じ業務目標で比較する

実施内容評価の焦点
運用・代替手段手順、連絡、別拠点、手動処理、在庫・予約の振替人員の実行可能性、品質、移行時間。設備費が少なくても訓練費を含める
既存電源の整備対象回路、始動・切替試験、燃料、UPS電池、保守契約既存設備が実際に守れる範囲を現状値に反映する
PV・蓄電池等を追加日常の自家消費と重要負荷への自立給電を設計追加で減る停止・損失を評価。水・物流等による残余停止を残す

現場ヒアリングと見積依頼に使う項目

各項目に「責任者・根拠資料・現状・対策後・未確認事項・次の確認日」を付けます。売上だけでなく、廃棄品の評価額、再起動の外注費、振替・後日回復が可能な割合を経理・現場で確認してください。

季節・時間帯・規模を変える

最低3条件で検討します。①通常営業時間の短い停電、②休日夜間から始まる長い停電、③繁忙期または厳しい気温での広域障害です。同時に発生する損失を二重に加算せず、同じ施設でも必要負荷と復旧手順を条件別に設定します。

小規模拠点では操作担当者が到着できない条件、中規模拠点では複数盤にまたがる供給範囲、大規模拠点では系統・建物・物流の共通障害を重点的に調べます。規模区分は法令上の分類ではなく、検討上の複雑さの目安です。

社内説明の作り方

「守る機能」「許容中断」「現状の復旧時間」「対策後の残余停止」「追加投資と運用費」「金額に含めない必須条件」を1枚にまとめます。期待損失の低減が小さくても、必須条件の達成に必要な費用として比較することができます。

よくある質問

業種のテンプレートのまま設備を選べますか?

テンプレートは聞き取りの起点です。実測負荷、電源品質、回路、設備メーカーの要件と、各業界の専門手順を確認してから設計します。

電力使用量が未計測でも始められますか?

重要機器台帳と停止・復旧の聞き取りから開始できます。エネがえるBizの業種別ロードカーブ等は日常需要の初期検討に役立ちますが、非常時重要負荷の実測や瞬時起動電力を代替しません。

投資効果がマイナスなら対策は不要ですか?

この判断にはなりません。生命・安全・契約上の必須条件を先に満たし、その中で費用を抑える案や段階導入を比較します。

根拠と確認範囲

  1. 内閣府|事業継続の取組の必要性 — 自然災害以外も含む重要業務の継続・復旧。
  2. NIST SP 1190|建物・インフラの継続目標 — 社会・経済機能の回復目標と依存関係。抄録確認。
  3. NIST SP 1197|レジリエンス投資の経済評価 — 現状維持と対策の費用・便益・損失回避・非市場価値・不確実性の比較。抄録確認。
  4. NLR(旧NREL)|REoptの計算範囲 — 重要負荷・電源構成・開始時刻・継続時間を分ける。米国の技術経済分析ツール。

公開一次資料を2026年9月22日時点で確認。業種別の着眼点、図解、チェックリスト、試算は本ガイドの編集・計算モデルです。特定拠点の災害確率や設計適合を証明するものではありません。資料の公表年と災害の発生年を区別しています。

次の判断に進む

拠点の条件を、実行できる比較案へ。

所在地、業種、守りたい業務、既存電源、30分値があれば、検討の出発点を整理できます。需要家の導入相談、EPC・電力会社・商社の提案支援も受け付けています。

本サイトの簡易モデルは独立した検討支援です。エネがえるの停電回避価値の評価機能は今後開発予定で、ご関心・ご要望を相談いただけます。