蓄電池とは?選ぶ基準やメリットデメリット、将来性や補助金について徹底解説

著者情報

国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

蓄電池とは?選ぶ基準やメリットデメリット、将来性や補助金について徹底解説

家庭用の蓄電池(蓄電システム)は、使用用途や用いられる素材によりさまざまな種類から選択が可能です。この記事では、家庭用の蓄電池を導入しようと考える人に向けて、蓄電池の種類や選び方、蓄電池を使用するメリットについて解説します。蓄電池の将来性や導入の補助金についても述べるので、家庭用蓄電池を取り入れたい人は参考にしてください。

pexels-pixabay-280222.jpg

 

蓄電池の概要

蓄電池とはどのようなものを指すのでしょう。ここでは、蓄電池の概要と家庭用蓄電池について解説します。

 

蓄電池とは?

蓄電池は充電すれば複数回使用できる電池で、二次電池と呼ばれます。家庭用と産業用があり、使用用途は、スマートフォンのバッテリーや電気自動車のバッテリーなどです。電池が無くなった場合は、家庭のコンセントから充電できます。一方で、一般的な単三電池やボタン電池などは一次電池と呼ばれ、使い切りです。

 

家庭用蓄電池とは?

家庭用蓄電池は、蓄電池の中でも、太陽光パネルで発電した電気や電力会社から購入した電気を一時的に貯められる電池を指します。家庭用蓄電池の名はついていますが、家庭用蓄電池と産業用蓄電池に明確な違いはありません。一般的に、容量が大きい蓄電池を産業用蓄電池とする傾向にあります。

 

家庭用蓄電池の充電方法

家庭用蓄電池は、電力会社から提供される電気を購入して充電する方法と、太陽光発電で蓄えた電気で発電する方法があります。それぞれの充電方法について、詳しく解説します。

 

電力会社の電気を使用する

電力会社から購入した電気を使用し、コンセントを経由して蓄電池充電する方法です。大掛かりな工事が不要で、単独型とも呼ばれます。深夜帯の電気代が割引になるプランに加入すれば、電気代が抑えられます。

 

太陽光発電の電気を使用する

太陽光発電を使用する方法では、蓄電池にパワーコンディショナーと呼ばれる充放電出力を変換する装置を使用します。自宅の分電盤に接続して、充電を行います。電気代がかからないため、電気料金の値上げや節電政策の影響を受けません。また、パワーコンディショナーには、太陽光発電の電気を蓄えられるため、蓄電器の代用にもなります。

 

蓄電池の種類とは

蓄電池は、材料となる物質により種類が分類され、それぞれ、適した使用用途が異なります。主な使用用途は以下の通りです。

 

・ニカド電池:コードレス電話や髭剃り

・ニッケル水素電池:ハイブリッド車

・リチウムイオン電池:モバイル機器や電気自動車のバッテリー

・鉛蓄電池:非常用電源やフォークリフトの電源

・NAS電池:規模が大きい電力貯蔵施設

 

蓄電池の選び方とは

蓄電池は使用する場面や費用などを加味して、適したものを選びましょう。蓄電池の選び方を解説します。

 

必要な容量から選ぶ

蓄電池を容量から選ぶ場合は、生活に必要な蓄電容量を算出します。生活スタイルや家族の人数などにより、必要な電力量は異なります。電力量を算出する場合は、どの電化製品をどれくらい使用したいのかを加味して、計算しましょう。4人家族の1日の平均的な電力消費量は10kWhのため、7kWhの容量がある蓄電池を選ぶとよいでしょう。

 

※参考:4人家族の場合、どれくらいの容量の蓄電池がよいですか? | 家庭用・産業用蓄電池の価格比較・無料一括見積もりサービス【エコ発蓄電池 】

?

負荷型の違いで選ぶ

家庭用蓄電池は、「全負荷タイプ」と「部分負荷(特定負荷)タイプ」の2種類に分けられます。全負荷タイプは、自宅のすべての部屋に蓄電した電気を供給できますが、部分負荷タイプは指定した特定エリアのみしか、蓄電した電気を供給できません。全負荷タイプは、どの部屋でも電気が使用できて便利な半面、部分負荷タイプよりも設置費用がかかります。

 

サイズで選ぶ

蓄電池のサイズは蓄電池メーカーにより異なるため、設置場所のスペースを事前に確認しておきましょう。設置予定場所の広さを先に計測して、適正サイズのものを選ぶ方法もあります。屋内に設置する場合、高さの制限もあるため注意が必要です。

 

蓄電池のメリットとは

蓄電池を導入すると、電気代が節約できたり、災害時に電気を使用したりできるなどのメリットにつながります。それぞれ詳しく解説します。

 

電気代が節約できる

蓄電池は、電気代が安い夜間に電力を貯めておき、昼間に使用すれば電気代の節約につながります。蓄電に太陽光発電を利用すれば、電気会社から購入する電気量が減り、電気料金の節約になるでしょう。

 

停電のときも電気が使用できる

家庭用蓄電池があれば、災害やトラブルなどで広域で停電が起きても、蓄電した電気を使用できます。停電が起きても、エアコンや電気ストーブ、電灯やテレビなどが使用できるので、安心感につながります。

 

太陽光発電と併用できる

蓄電池と太陽光発電を併せて使用すれば、電気料金の削減につながります。太陽光発電システムを設置しておけば、余った電気を蓄電池に貯めておいて必要なときに使用できます。

 

蓄電池のデメリットとは

蓄電池は、コスト面で3つのデメリットがあります。それぞれのデメリットを詳しく解説します。

 

設置にコストがかかる

家庭用蓄電池には、移動式蓄電池と定置式蓄電池の2種類があります。容量を求めるなら本格的な定置式蓄電池がおすすめですが、設置費用が必要です。太陽光発電で蓄電した電気を売却しても、設置費用は賄えません。2022年現在の売電価格は以下の通りです。

 

・10kW未満:17円/kWh

・10~50kW未満:11円/kWh

・50kW以上:10円/kWh

 

※参考:買取価格・期間等 FIT・FIP制度 なっとく!再生可能エネルギー|経済産業省 資源エネルギー庁

 

10年から15年で寿命になる

蓄電池は、電気を貯める「充電」と、使用する「放電」の繰り返しにより、少しずつ劣化します。蓄電池は、種類によりますが一生使用はできず、寿命があります。蓄電池の1つであるリチウムイオン電池は、10年から15年で寿命が来るといわれています。

 

※参考:蓄電池のメリット・デメリット!おすすめする人・しない人一覧表付| 和上マガジン

 

蓄積できる電気量に限界がある

蓄電池は、種類により貯められる電気量が異なります。蓄電池の最大容量が過程での使用量を下回る場合、1日や数日おきに何度も充電を繰り返す必要があり、電池の寿命が短くなる原因につながります。また、移動式や小型の蓄電池は容量が少ないため、災害時に必要な電気を賄えない可能性も出るでしょう。

 

蓄電池の将来性とは

蓄電池の使用規模は拡大傾向です。蓄電池の経済効果や住宅事情と併せて解説します。

 

二次電池の世界規模は拡大傾向

太陽光余剰買い取り制度が順次満期になるのに伴い、太陽光発電で発生した電気を自宅で使用する自家消費の傾向が拡大しています。蓄電池市場も自家消費トレンドに伴い、拡大が続くと考えられています。2030年までに、全世界の蓄電池の市場規模は1.2兆円まで拡大するとの予測もあります。

 

※参考:分野・製品別に二次電池世界市場を調査| 富士経済グループ

 

蓄電池のコスト低下による経済効果が生まれる

設置費用がかかる据え置き型の蓄電池のコストは、2030年までに最大66%の低下が見込まれています。蓄電容量の増加に伴い、家庭用蓄電池を導入する家庭が増えるため、経済効果も期待されています。

 

※参考:電力貯蔵技術と再生可能エネルギー:2030年に向けたコストと市場|国際再生可能エネルギー機関

 

新築住宅におけるZEHやZEBの実現

2030年までに新築住宅をZEH(ゼッチ)にする目標が立てられています。ZEHとは、1年間で家庭で消費する電力以上の電気を作る住宅のことを指し、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。ビルは、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)で表します。ZEHは必須ではありませんが、実現には蓄電池が欠かせないため、蓄電池がそれぞれの家庭に必要になるでしょう。

 

分散型エネルギーシステムの実現

火力発電や原子力発電に代わる発電方法、「分散型エネルギーシステム」が注目を浴びています。地域の特色をもとに、再生可能エネルギーやコージェネレーションシステムを活用する分散型エネルギーシステムの実現には蓄電池の役割も欠かせません。今後は「2050年カーボンニュートラル」や電力インフラのレジリエンス強化への貢献が期待されています。

 

蓄電池の費用

蓄電池は、本体価格のほかに設置費用や電気作業工賃が必要です。蓄電池や負荷型の種類により、かかる費用が異なるため、蓄電池を選ぶときは費用も参考にしましょう。据え置き型の蓄電池の場合、大きさやメーカーなどにより異なりますが、本体+工事費込みで約80~200万円が相場です。

 

※参考:【2022年度版】家庭用蓄電池の価格/値段の相場!補助金やおすすめメーカー/商品もご紹介 | リショップナビ

 

蓄電池の補助金とは

蓄電池の購入には、国や自治体の補助金制度が利用できる場合があるので、事前に確認しましょう。国の補助金には、分散型エネルギーリソース(Distributed Energy Resources)の頭文字をとったDER補助金があります。DER補助金の費用は、Sii(環境共創イニシアチブ)から交付されます。

 

まとめ

蓄電池は、電気を一時的に貯めて複数回使用できる電池を指します。蓄電池は、家族の人数を考えて容量を決めたり、設置場所から蓄電池のタイプを選んだりしましょう。電気代が節約でき、災害時にも電気が使用できる蓄電池の世界規模は、自家発電の流行により拡大傾向です。今後、分散型エネルギーシステムの実現や、家庭用蓄電池の普及による経済効果も期待されています。

(参考記事)蓄電池購入者1,090人アンケート調査結果 – 太陽光 蓄電池 経済効果シミュレーションで約6割の顧客が販売店への信頼度アップ・約5割は蓄電池購入意欲アップ?

経済効果シミュレーション効果02.png

 

国際航業株式会社では、大手電力、太陽光・蓄電池メーカー・ランクTOPの販売施工店など約700社以上が導入しているエネがえるを運営しています。家庭用蓄電池は、業界TOPクラスの導入シェアを誇るエネがえるをご検討ください。

long_term_simulation_of_the_photovoltaic_power_generation_in_TOKYO_electric_power_area.jpg

無料で15日全機能を試す(ASP)

無料で30日全機能を試す(Biz)

 

著者プロフィール(太陽光・蓄電池シミュレーションエキスパート)

会社名:国際航業株式会社
部署名:公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG
執筆者名:樋口 悟

執筆者の略歴:国際航業株式会社エネルギー部デジタルエネルギーグループ。エネルギー診断クラウドサービス「エネがえる」担当。1996年東京学芸大学教育学部人間科学課程スポーツコーチ学科卒業。1997年上場大手コールセンター会社に入社、2000年大手上場小売企業グループのインターネット関連会社で最年少役員に就任。2011年に独立起業。大企業向けにSNSマーケティングやアンバサダーマーケティングを提供するAsian Linked Marketingを設立。30以上の大手上場企業のプロジェクトを担当。5年で挫折。2016年国際航業株式会社新規事業開発部に入社しエネルギー領域の事業開発、エネがえる事業開発を担当。

太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションの国内唯一のエキスパートとして、大手電力・ガス会社、有名太陽光・蓄電池メーカー、全国販売施工店・工務店など約700社以上と、最近ではエネルギー政策立案サイド(国・官公庁・地方自治体)で太陽光・蓄電池推進政策をしている方々へもエネがえるを活用した太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションやアドバイスを提供している。

執筆記事:https://energy-shift.com/news/author/71cbba7e-dbbc-4728-9349-9cdbed975c6e

author01.jpg

執筆者のSNS:

Twitter:@satoruhiguchi

LinkedInプロフィール:https://www.linkedin.com/in/satoruhiguchi/

Sansan名刺交換:https://ap.sansan.com/v/vc/bu56hqnjvw5upna463tcfvkxka/

むずかしいシミュレーションを
誰でもカンタンに。

国内No1とNo2の販売施工店がエネがえるを導入。登録不要で今すぐオンラインデモで操作を体験する

著者情報

国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

たった15秒でシミュレーション完了!誰でもすぐに太陽光・蓄電池の提案が可能!
たった15秒でシミュレーション完了!
誰でもすぐに太陽光・蓄電池の提案が可能!