お話を伺った方
株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー 環境エネルギーデザイン部 平田様、松澤様
業種
エネルギー
公共施設向けのオンサイトPPA提案では、シミュレーションの速さが、そのまま商談の前進スピードを左右します。
しかし、実際の現場では、デマンドデータの回収待ち、Excelでの煩雑な試算、担当者ごとのやり方の違いなどがボトルネックとなり、「提案したいのに、すぐ動けない」という悩みを抱える企業も少なくありません。
NTT-MEも、まさにその課題に直面していました。
公共施設・自治体を中心にオンサイトPPA提案を本格展開する中で、引合件数は増加。一方で、従来のExcelベースのシミュレーションでは、1案件あたり約3時間を要し、再試算のたびにデータ取得や設定確認が必要になるなど、提案業務の負荷が高まっていたのです。
そうした状況を変えるために導入したのが、「エネがえるBiz」でした。
導入後、シミュレーション作成時間は、約3時間から30分程度へ大幅短縮。さらに、デマンドデータがそろわない段階でも概算提案を前に進めやすくなり、営業活動全体の機動力向上にもつながっています。
今回は、エネがえるBiz導入を主導した平田氏と、日々の業務で活用する松澤氏に、導入前の課題、選定理由、導入後の変化、そして今後の展望について伺いました。
NTT-MEについて
NTT-ME(エヌ・ティ・ティ エムイー株式会社)は、「これからのつなぐを創る」をミッションに掲げた、地域に根差した総合エンジニアリング企業です。長年にわたり通信インフラの提供で培った技術力と現場力を基盤に、End-EndトータルでのICT環境の構築やサポート、DXソリューションの提供、さらに社会インフラ・環境エネルギー分野まで幅広い事業を展開しています。
同社の環境エネルギーデザイン部では、NTT東日本グループが長年培ってきた地域とのリレーションを生かし、2024年度より太陽光発電のオンサイトPPA事業を本格展開。現在は公共施設・自治体を中心に、月間15件程度のPPA引合に対応し、10自治体への採択実績を積み重ねています。
目的
・ シミュレーション業務の効率化・属人化の解消
・ 提案件数増加に対応できる体制の構築
・ デマンドデータ未取得時の概算提案を可能にする
・ 蓄電池を含む精緻なシミュレーションへの対応
課題
・ Excelベースのシミュレーションに提案1案件あたり半日(約3時間)を要していた
・ 気象データ取得・設定ミス確認・再試算に都度時間がかかっていた
・ デマンドデータがなければ自家消費シミュレーション自体が困難だった
・ 担当者ごとにシミュレーション手法がばらつく属人化が問題化していた
・ 引合増加に伴い、既存ツールでは対応件数を捌ける限界が見えていた
効果
・ シミュレーション所要時間が半日(約3時間)→ 約30分に大幅短縮
・ デマンドデータなしでもデマンドテンプレートを活用した概算提案が可能に
・ 蓄電池込みの事業性シミュレーションができるようになり提案精度が向上
・ 30名に展開・チーム全体での提案力の底上げと平準化を推進中
・ 施設一覧のグルーピング機能により複数施設案件の管理効率が向上
公共PPA提案では、スピードと確からしさの両方が必要でした
まず、御社の太陽光PPA事業の概要を教えてください。
平田氏:
弊社はNTT東日本の100%出資会社で、これまで電気通信工事を主軸に事業を展開してきました。近年は、培ってきたエンジニアリング力を生かした新規事業にも力を入れており、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー事業もその一つです。なかでもオンサイトPPAは、現在の主力サービスの一つになっています。
PPA事業の位置づけとしては、NTT東日本グループとして掲げる「地域循環型社会の実現」に紐づくものです。これまで通信インフラを通じて地域とつながってきましたが、今後はエネルギーの面でも地域循環に貢献できると考えています。地域から電気代として流出するお金を少しでも減らし、地域内でエネルギーを循環させる。その一端を担うのが、私たちの役割だと捉えています。
主なお客様はどのような層ですか。
平田氏:
主な顧客は公共施設・自治体で、全体の8割以上を占めます。提案もプロポーザル形式が多いですね。民間企業向けの提案もありますが、現時点では公共が中心です。自治体のお客様では、初期投資を伴う自家消費型より、予算負担を平準化しやすいオンサイトPPAのニーズが高いと感じています。
お客様が重視されるポイントは何でしょうか。
平田氏:
大きくは、経済性と防災性です。脱炭素の必要性は十分認識されていても、議会説明や費用負担の観点から、経済合理性は欠かせません。特に公共施設では、「今の電気代より大きく上がらないか」「BCPの観点で意味があるか」がよく見られます。
また、PPAは20年規模の長期契約になることも多いため、サービス内容だけでなく、「この会社は20年先まで安心して任せられるか」という信用力も重要な選定要素になります。
Excel試算では、案件増加に対応しきれなくなっていた
エネがえるBiz導入前は、どのように試算していたのでしょうか。
平田氏:
もともとは技術チームが他社ソフトでシミュレーションしていたのですが、詳細な入力が必要なため、フロント案件を都度依頼していては追いつかない状況でした。そこで、フロントチーム側でExcelツールを自作し、概算試算を回す体制にしていたんです。
ただ、引合件数が増えてくると、そのやり方では限界が見えてきました。
1案件のシミュレーションに、慣れているメンバーでも3〜4時間。角度を少し変えて再試算するだけでも、データ取得からやり直しになる。結果に違和感が出た時は、どこで計算がずれたのかをExcel上で追わなければならない。こうした積み重ねが、提案スピードを大きく下げていました。
どの工程が特にネックでしたか。
平田氏:
気象データの取得と設定確認ですね。細かい条件を間違えていないか、その確認に想像以上に時間を取るんです。やり直すたびに、またそこに戻る必要がある。
もう一つは、デマンドデータの問題です。自家消費シミュレーションには施設のデマンドデータが必要ですが、お客様からすぐにいただけないケースも少なくありません。そうなると、提案の入口で止まってしまう。ここはずっと課題でした。
属人化も課題だったそうですね。
平田氏:
はい。フロントは約10名で、それぞれが複数案件を持って一気通貫で提案しています。だからこそ、担当者ごとに試算のやり方が少しずつ違うと、提案品質にもばらつきが出やすい。新しいメンバーが入っても、Excelの作法から覚える必要があり、体制を広げにくい面がありました。
「このままでは回らない」という危機感は、かなり強かったですね。
展示会で出会い、「これは課題にはまる」と感じた
エネがえるBizを知ったきっかけを教えてください。
平田氏:
展示会です。脱炭素系の展示会を歩いていた中で、ちょうど自分たちの課題感にはまるサービスとして目に留まりました。
フロントでも使える、ライトだけれど実務で十分使えるシミュレーションツールを探していたのですが、その観点ではなかなか他に見当たらなかったんです。
導入の決め手は何でしたか。
平田氏:
大きく2つあります。
一つは、デマンドテンプレートがあることです。デマンドデータをまだもらえていない段階でも、施設種別に応じたテンプレートを活用して概算シミュレーションができる。これは、私たちが営業の初動で一番困っていたポイントをそのまま解決してくれるものでした。
もう一つは、蓄電池を含む事業性シミュレーションができることです。PPA事業では、発電量や自家消費量だけでなく、蓄電池容量も事業性に影響します。これをフロント側で扱うのは難しかったのですが、エネがえるBizなら概算段階からそこまで視野に入れられる。正式見積もりとの乖離を抑えやすくなる点も、大きかったです。
トライアルでは何を確認しましたか。
平田氏:
1か月ほど、既存のExcelツールと並行して使い比べました。操作性は、ウェブマニュアルを見れば直感的に分かるレベルだったので、主に見たのは「実務上ちゃんと使えるか」「精度が既存試算と大きくずれないか」という点です。そこが確認できたので、導入の意思決定につながりました。
松澤氏:
私も、最初は勉強会というより、使いながら覚えていく感覚でした。流れが分かりやすいので、触りながら理解しやすい。分からないところは確認すれば丁寧に答えていただけるので、学習ハードルは高くなかったです。
半日かかっていた試算が30分に。商談を前に進める力がついた
導入後、最も大きな変化は何でしたか。
平田氏:
やはり時間ですね。1案件のシミュレーションに半日、3時間程度かかっていたものが、約30分でできるようになりました。
特に自治体案件では、1案件で複数施設を試算することが多く、10施設対応するだけでも以前は1週間ほど準備にかかることがありました。それが大きく短縮できたのは、現場として非常に大きいです。
それは営業活動にも影響しましたか。
平田氏:
大きく影響しています。単純な工数削減だけではなく、空いた時間を提案の本質的な部分に使えるようになりました。
また、私たちは単なる機器提案だけでなく、お客様と一緒に地域のエネルギー事業のあり方を考えるような相談も受けます。そうした場面で、以前は「発電量はどうなんだろう」で話が止まりがちだったものが、今はその場に近いスピードで試算を見せながら議論を進めやすくなった。提案活動全体の機動力が上がったと感じています。
デマンドテンプレートは、どのような場面で役立っていますか。
平田氏:
デマンドデータをすぐ出していただけないお客様に対して、テンプレートを使った概算を先に提示できるのは大きいですね。
具体的な数字を見せると、担当者の方だけでなく、課長クラス以上の方にも話が届きやすくなります。結果として、商談の温度感を落とさずに前へ進められる。正式見積もりには実データが必要ですが、初動段階の壁を越えやすくなりました。
「便利だから使う」が広がる。提案品質の平準化にも期待
チームへの展開状況はいかがですか。
松澤氏:
私は自分でどんどん使って学ぶタイプなので、分からないことは調べながら習得しました。最近はチームメンバーから質問を受けることも増えて、社内の“エネがえるBiz係”みたいになっています(笑)。
でも、結局はシンプルで、便利だから使うんですよね。使ってみると早いし、分かりやすい。だから自然と使うようになる。その流れはできつつあると思います。
平田氏:
現在は30アカウントを展開していますが、まだ本格活用は一部メンバーが中心です。今後は全員にもっと使い倒してもらいたいと考えています。
これまではExcelに慣れたやり方で継続していた案件もあるのですが、今後は勉強会なども含めて移行を進め、組織全体で提案品質を底上げしていきたいです。属人化を抑え、誰でも一定品質で提案できる体制に近づけることを期待しています。
サポート面の印象はいかがでしたか。
松澤氏:
とても丁寧です。毎回安心して問い合わせできますし、こちらの要望に対するレスポンスも早いです。特に、複数施設をグループ化して管理しやすくする機能を要望した際、かなり早く対応いただけたのは印象的でした。現場の声をしっかり受け止めてくれる安心感があります。
今後は複数施設の合算や比較機能にも期待
今後、エネがえるBizに期待することはありますか。
平田氏:
自治体向け提案では複数施設をまとめて提案することが多いため、グループ合算で自家消費量や電気代削減効果を見られるようになると、さらに実務にフィットすると思います。
また、同じ施設で条件を変えたパターン比較もできると、容量設計の議論がしやすくなります。どの規模が最適かを視覚的に比べられると、お客様との合意形成にも役立ちそうです。
松澤氏:
私は雪国での提案もあるので、特定の月だけ発電量を落として試算できるようになると助かります。いまはExcelで調整してから取り込んでいますが、それがエネがえるBiz上で完結するとかなり楽になります。
垂直パネルや追尾型など、今後増えていく設置パターンへの対応にも期待しています。ペロブスカイト太陽電池のような新しい流れが広がると、シミュレーションの柔軟性はより重要になってくると思います。
今後の事業展開についてはいかがですか。
平田氏:
オンサイトPPAは引き続き拡大していきます。加えて、グループ会社とも連携しながら、アグリゲーションビジネスなど、太陽光導入にとどまらない提案にも広げていきたいと考えています。そうした広がりの中でも、初期検討を素早く進められる仕組みはますます重要になると思います。
エネがえるBizを検討している企業へのメッセージ
平田氏:
エネがえるBizを導入して、業務の効率化は確実に実現できています。シミュレーション工数が大きく下がり、これまで難しかった、デマンドデータなしでの概算提案や蓄電池込みのシミュレーションにも対応できるようになりました。
また、チームとしてのスキル平準化という観点でも価値を感じています。属人化を解消したい企業や、新人・他部署メンバーも含めて提案体制を広げていきたい企業にとって、有力な選択肢になるのではないでしょうか。サポートも丁寧で、安心して使い続けられるツールだと思います。
まとめ
シミュレーションに時間がかかる。
デマンドデータがそろわず、初回提案が前に進まない。
担当者ごとにやり方が異なり、提案品質がばらつく。
産業用太陽光やオンサイトPPAの提案現場では、こうした悩みは決して珍しくありません。
NTT-MEは、エネがえるBizの導入によって、そのボトルネックを着実に解消しつつあります。Excelベースでは3時間程度かかっていた試算を30分に短縮し、デマンドデータがない段階でも概算提案を前に進め、営業活動全体の機動力を高めてきました。
エネがえるBizは、単なる試算ツールではありません。
提案の初動を速くし、商談を止めず、チーム全体の提案力を底上げするための実務基盤です。
「試算に時間がかかりすぎる」
「Excel運用から抜け出せない」
「デマンドデータ待ちで提案が進まない」
そんな課題を抱える企業にとって、エネがえるBizは、提案活動を次の段階へ進める有力な一手になるはずです。
Excel試算3時間を30分に。NTT-MEがエネがえるBizで実現した、公共PPA提案の営業体制
企業概要 会社名: 株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー 事業内容: 環境・エネルギー事業 サイト https://www.ntt-me.co.jp/
