電力自由化の仕組みや特徴と電力会社比較時のポイント

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国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

電力自由化の仕組みや特徴と電力会社比較時のポイント

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もう11月になっちゃいました。あの猛暑はなんだったのでしょうね?最近、気候変動関連プロジェクトにも参加していろいろ突飛なアイデア考えてるデジタルエネルギーチームの樋口です。

2016年4月1日から、住宅向け電力に関しても電力自由化が始まりました。これまで顧客は、各地域にある大手電力会社からの電力供給・契約のみしか選択肢がなく、企業側も一般利用者向けの電力事業には制限がかけられていました。しかし、電力自由化後は電力系列以外の企業も電力事業に新規参入することが可能になり、電気料金プランなどを自由に設計・提案・販売することができるようになりました。そこで今回は、電力自由化が市場に与える影響やそのメリット・デメリットについて紹介していきます。

電力自由化によって市場が開放された

電力自由化を知る前に、2016年4月1日以前の電力供給や契約について知っておく必要があります。電力自由化(正確には電力小売全面自由化)前は、一般の住宅や商店(低圧区分されている建物)に対して、各地域の電力会社だけが電力供給から、販売・契約まで一括して行っていました。

そして、電力自由化後は、大手電力会社以外も低圧区分に指定された住宅や商店へ電力の販売事業を行うことが可能となりました。また、新規参入企業の業種についても制限はなく、最近ではIT企業やガス販売会社が、通信やガスをセットとした契約プランを提供する事例もあり、さまざまな電気料金プランやサービスが販売されています。

電力会社を切り替えることで得られるメリット・デメリット

電力自由化によって、得られるメリットやデメリットについて紹介していきます。まずは、メリットについて説明します。

  • 料金低下が見込まれる
  • 新しいサービスの提供が期待できる

これまで各地域で1社のみが電力供給していたことで、消費者は料金プランやサービスを選択することができず、市場も固定化していましたが、電力自由化によりさまざまな企業が参入することで競争原理が働き、結果的に料金の低価格化が見込まれるようになりました。また、競争原理によって企業側は顧客のニーズにそった多様な料金プランや新しいサービスの提供ができるようになっています。

つづいて、電力自由化によって考えられるデメリットを紹介します。

  • 契約期間満了による違約金などのトラブルが発生する可能性がある
  • 消費者が自分にあったプランを探す手間が生じる

これまでのように大手電力会社で契約している場合には、契約期間満了はありませんでした。しかし、電力自由化によって契約内容も多様化しており、新規参入する企業のなかには契約期間を定めているところもあります。そうすると、違約金が発生することに気づかず契約期間中に契約を切り替えてしまうなど、契約上のトラブルが増える可能性も考えられます。

また、消費者自らが、自身のライフスタイルや使用量に適したプランを検討することが必要になります。数多く存在する電力小売事業者から、自分にあった料金プランやサービスを見極めるのは難しく、比較検討に頭を悩ませる消費者が増えることは容易に想像できます。

電力自由化で変わったこと

電力自由化で大きく変わったことといえば、消費者が電力会社を自由に選べるようになったことではないでしょうか。また、事業者側も既存の自社サービスとセットで販売するなど独自のプランが設計できるため、消費者のニーズにあわせた幅広い提案が可能となります。また、再生可能エネルギーで発電した電気をプランに組み込むことで、火力・原子力発電をメインとした大手電力会社に対して差別化を図ることができます。

電力会社の比較や提案方法

電力自由化によって、新たな電力小売事業者が参入できる環境となりました。そこで、顧客に対しての提案方法や電力会社の比較について気をつける点を紹介します。

提案方法の注意点

まず、利用者が契約内容や詳細な電気料金プランの検討に慣れていない点について考慮する必要があります。大手電力会社との契約時には料金プランについて深く考える必要はなかったため、消費者にとって関心度が低い項目となり、結果的に電力自由化後の新たなプランについて受け入れにくい状況となっています。

また、太陽光発電をメインとした新しいプランも提供できて、従来よりもお得になるような電気料金サービスを届けることが可能となっていますが、利用者からすると、これまで発電コストやエネルギー源・売電や買電の収支バランス・発電効率などについて触れる機会がなかったため、複雑と感じて契約をためらうケースもあるでしょう。

比較する際の注意点

次に、比較方法のポイントですが、まずは各電力会社が提示している料金プランの方向性を確認することです。新規参入している電力会社の多くが、電気使用量を多く使用する契約者を対象としています。したがって、料金プランを比較する際には、電気使用料の方向性が違う企業別にまとめる必要があります。また、電力自由化によって、多数の企業がさまざまなサービスを提供できるようになりました。膨大な数のプランのなかから、比較・整理するには時間がかかる点にも注意が必要です。単純な料金プランだけでなく、契約対象者がどのようなライフスタイルで、これまでどの程度電気を使用してきたかを確認しつつ比較することも大切。太陽光や蓄電池といった再生可能エネルギーと各社の電気料金プランを導入した場合、収支バランスが保てるかの比較計算やシミュレーションも必要でしょう。

まとめ

電力自由化によって大手電力会社以外の企業が参入できるだけでなく、再生可能エネルギーや自社サービスとのセット販売など、サービスの多様化が期待できます。だからこそ、これまでよりも一層、顧客のニーズを把握し、それにそったプランを提案する必要があります。

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国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

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