太陽光発電量推計・シミュレーションや日射量の計算式やロジックは? – エネがえる

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国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

太陽光発電量シミュレーションや日射量の計算式やロジックは? – エネがえる

よくあるご質問にお答えします。

質問内容)エネがえるASPで使っている太陽光発電量推計・シミュレーションや日射量はどうやって計算してますか?

ご回答)以下の2つの計算式・データベースを参照して太陽光発電量推計・シミュレーションや地域性を加味した日射量を参照して計算結果に反映しています。

1)太陽光発電量予測式は「JIS C 8907:2005 太陽光発電システムの発電電力量推定方法」 を参照

2)地域性を加味した日射量(時間別日射量)はNEDOのMETPV20を参照

1)太陽光発電量予測式:「JIS C 8907:2005 太陽光発電システムの発電電力量推定方法」

「JIS C 8907:2005 太陽光発電システムの発電電力量推定方法」 を参照したロジックとなっています。

レポートの見方マニュアル①_エネがえる_pages-to-jpg-0012.jpg

計算式は以下を参照ください。

【計算式】Ep=K‘ × K × P × H ÷ G

・Ep:時間システム発電発電量(時間別の発電量)

・K‘:基本設計係数(JIS推奨値は「0.7562」。メーカー予測値を考慮した設定を別途行うことが可能。上限は0.99)
※エネがえるの初期値は0.76。必要に応じて詳細入力画面の太陽光のタブで変更可。

・K:温度補正係数(「最大出力温度係数」や「設置形態」によって算定)

・P:太陽電池アレイ出力(「モジュール出力」×「パネル枚数」または「出力値」。但し、最大値は「PCS出力値」)

・H:時間別傾斜日射量(「観測地点」「方位角」などから算出)

・G:標準試験条件における日射強度(1とします)

上記の基本設計係数と発電量推計の関係性について

エネがえるで、太陽光発電量をシミュレーションする場合、以下の2通りの方法があります。

1)年間発電量予測値/実績値(kWh)を入力する

→この場合は、その値を元にエネがえるが裏側で365日時間別の発電量に分解した上で、シミュレーションします。

2)1)が不明な場合は、太陽光パネル出力(kW)と方位角・傾斜角等を最大3面までセットして推計

→この2)の推計の場合に発電量が少ないなと感じるケースの場合は、家庭向けエネがえるの推計では、基本設計係数がJISの推奨値0.76にプリセット(※産業用のエネがえるBizでは0.85に補正しています)されているためです。発電効率の良いメーカーのパネルの場合は0.8~0.9で推計すると実際の発電量の近似値となります。その場合は、エネがえるの「詳細入力」の「太陽光のタブ」にて基本設計係数を「初期数値の0.76から0.8~0.9に変更」し発電量推計を修正してみてください。

●日射量:時間別日射量はNEDOのMETPV20の水平面データ(平均年)を使用して時間別傾斜日射量を算出。過去20年間の観測データより、月単位で平均的な天候であった日照量単位を組み合わせて12ヶ月間のデータに構成されたデータで、時間ごとの天候変化が加味。全国837地点の観測データより選択。

温度補正係数:最大出力温度係数は「結晶系」「化合物」「薄膜ハイブリッド」「アモルファス」の選択により係数決定。設置形態は「架台設置」「屋根置き」「建材一体」から係数決定。

方位角・傾斜角:1度単位で手動で設定が可能。

設置面:同時に3面張りまで設定可能。

2)日射量データベースについて(地域性を加味)

・日射量データベースはNEDOのMETPV-20を参照しています。METPV-20は全国835地点のデータを参照しています。エネがえるでは2021年春までMETPV-11(旧データ)を参照していましたが2021年夏より最新版データのMET-PV20の日射量データを参照するようにバージョンアップしています。

・METPV-20 とは?

NEDO_MET-PV20.PNG統計期間 2010 年~2018 年の全国 835 地点における平均年、多照年、寡 照年の毎時の推定値を収録したNEDOが提供するデータベースです。気象庁が日射量を観測している地点は約50カ所ですので、観測を行っていない地点は日本気象協会が開発した「日照時間等から全天日射量 を推定するモデル」を用いて日射量を算出・推定しています。

・エネがえる及びエネがえるBizでは時間帯別料金プランや太陽光発電量、蓄電池充放電など精度高くシミュレーションするため、システム側でエネがえるユーザーが入力した1ヶ月分の電気消費量(kWh)や朝型・昼型・夜型・オール電化型などのロードカーブ、対象エリアを元にして「365日1時毎の消費量データに推計」した上でシミュレーション結果を計算しています。そのため、日射量DBも月平均値を用いるMONSOLA-20(多くの簡易シミュレータが採用)ではなく、時間別で値を計算できるMET^PV20を採用し発電量推計に利用しています。

▼NEDO METPV-20の詳細(解説書):https://www.nedo.go.jp/content/100930737.pdf

METPV20作成方法.PNG

(METPV-20の仕様)

・統計期間:2010年~2018年
・データ種別:9年間の月平均値(推定値)
・地点数:地点:日照時間を観測している全国835地点
・収集されるデータ:気温、降水量、風向・風速、日照時間 日射量(日射量を観測している気象官署のみ)
・日射量の推定方法:日照時間等から全天日射量を推定 するモデル+ひまわり8号データ から推定した日射量分布
・データの特徴:METPV-20 は、代表年(平均年、多照年、寡照年)における時別データ。代表年における時別 データとは、各地点における長期間の観測資料から月毎に最も日射量が平均的な年(平均年)、多い 年(多照年)、少ない年(寡照年)を抽出し、それらを 1 年間分つなぎ合わせた人工的なデータを意味します。
→エネがえる及びエネがえるBizでは、このうちの平均的な年(平均年)のデータを採用。

※過去に使っていたNEDOのMETPV-11の詳細はこちらをご参照ください。
https://www.nedo.go.jp/library/nissharyou.html
・現在参照しているMET-PV20と従来のMET-PV11の違いは以下を参照ください。

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・エネがえるとは別途個別有償サービスとして、独自の衛星気象データ解析による日射量DB全国15万地点(5kmメッシュ)も提供可能です。
・より高精度な日射量・発電量の過去実績データや予測サービスをAPIサービスで大手蓄電池メーカー等(産業用自家消費シミュレーションや各種最適制御向け)に提供しております。ご興味ある方は別途個別にご相談ください。

▼発電量・日射量に関するよくあるご質問と答えのURL

・太陽光の発電量シミュレーションの日射量推計方法は?地域性は加味はされていますか? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
https://faq.enegaeru.com/ja/articles/2412193

・エネがえるの太陽光発電量算出の根拠は? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
https://faq.enegaeru.com/ja/articles/3838053

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