法人営業(B2Bセールス)の科学 なぜ84%が目標未達なのか? 世界の最新論文30選から構築する、AI時代の新・営業理論

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国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。環境省、トヨタ自働車、東京ガス、パナソニック、オムロン、シャープ、伊藤忠商事、東急不動産、ソフトバンク、村田製作所など大手企業や全国中小工務店、販売施工店など国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。再エネ設備導入効果シミュレーション及び再エネ関連事業の事業戦略・マーケティング・セールス・生成AIに関するエキスパート。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。Xアカウント:@satoruhiguchi。お仕事・新規事業・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

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目次

法人営業(B2Bセールス)の科学 なぜ84%が目標未達なのか? 世界の最新論文30選から構築する、AI時代の新・営業理論

導入部:2025年、エンタープライズセールスが直面する「大いなる矛盾」

2025年のエンタープライズセールス(法人営業)の現場は、二つの相反する巨大な力によって引き裂かれています。

一方では、AI(人工知能)が営業の世界を席巻しています。Bain & Companyの最新の分析によれば、AI、特に生成AI(Generative AI)やAIエージェントを営業プロセスに効果的に組み込んでいる先進的な営業組織は、そうでない組織に比べて勝率(Win Rate)が30%以上も向上するという初期の成功を収めています 1。AIは、営業担当者を煩雑な管理業務から解放し 2、生産性を劇的に高める「銀の弾丸」として期待されています 3

しかし、もう一方では、営業現場の現実を示す、衝撃的なデータが存在します。2025年現在、グローバルのB2B営業担当者のうち、実に84%が営業ノルマ(クオータ)を達成できていないという調査結果が報告されています 4。これは過去最低水準であり、営業組織が深刻な機能不全に陥りつつあることを示唆しています。

このパラドックスAIという最強の武器を手にしたはずなのに、なぜ成果は下がるのか?)こそが、現代の営業リーダーが解くべき、最も重要かつ困難なイシューです。

我々の網羅的なリサーチと高解像度な分析によれば、その答えは明確です。現代の営業担当者が戦うべき真の敵は、もはや「競合他社」でも「顧客の無関心」でもありません。それは、バイヤー(顧客)の意思決定プロセスの内部に深く潜む、「深刻な不決断(Buyer Indecision)」 5 こそが最大の障壁となっています。

Gartnerの2025年最新レポートは、この問題の根深さを裏付けています。営業担当者の75%が、要求されるスキルとテクノロジーの複雑さ(AIの活用法を含む)に「圧倒されている(overwhelmed)」 と回答しています 7CSO(最高営業責任者)は過去2年間で平均4つもの大規模な営業変革を現場に強いており、現場がその変化に全く追いついていないのです 7

本レポートは、この「営業担当者とバイヤーの『双方向の圧倒(Mutual Overwhelm)』」というカオスを体系的に整理し、根本的に解決するための新しい羅針盤を提示します。

そのために、世界最先端の30の知見—バイヤー心理学の金字塔「JOLTエフェクト」 8、Gartnerが「期待のピーク」にあると定義する「AIエージェント」 10、そして次世代の全社戦略「ABX(アカウントベースド・エクスペリエンス)」 11—を、世界で初めて有機的に統合します。

これにより、日本のエンタープライズセールスの現場で即時活用可能な、再現性のある新・営業理論モデル「IDE(Integrated Decision Enablement:統合ディシジョン・イネーブルメント)モデル」を発明し、その具体的な実践方法を徹底的に解説します。

 


このパラドックスを生み出している根本原因は、多くの組織における「AIの誤用」にあります。ほとんどの企業が、AIを「より多く、より速く売る」ための「営業担当者(セラー)支援ツール」として導入しています。しかし、問題の根本はセラーの非効率性ではなく、「バイヤーの意思決定の飽和」にあるのです。

バイヤーはすでに情報過多で決定できません 13。その状況で、セラーがAIを使って「パーソナライズされたノイズ(大量のコンテンツやメール)」の生成をさらに加速させれば 14、バイヤーの「情報過多」は悪化し、「不決断」が強まるという「負のフィードバックループ」が発生しています。

したがって、AIの正しい使い方は「セラーの作業支援」ではなく、バイヤーの意思決定プロセスにおける「ノイズの除去」と「明確さのキュレーション」でなければなりません。これが、本レポートで提唱する「IDEモデル」の思想的根幹となります。

第1章:2025年の現実(Problem)— なぜ従来の「正解」が機能しなくなったのか?

我々が提唱する新モデル「IDE」の必要性を理解するために、まず現代の営業現場で何が起きているのか、4つの側面から解析します。

分析1:バイヤーの変化 — 「情報過多」が「悪い意思決定」を生むメカニズム

現代のB2Bバイヤーは、かつてないほど「情報武装」しています。

6Senseの調査によれば、バイヤーの91%がベンダー(営業担当者)と会う前に、そのベンダーについてよく知った上で会議に臨み、85%が自社の要求要件をほぼ固めた状態で商談を開始します 13。彼らは平均して4〜10以上の多様な情報源(Webサイト、レビュー、SNS)を徹底的に調査します 16

従来の営業理論では、これは「質の高いリード」を意味しました。しかし、2025年の現実は異なります。

Corporate Visionsによる衝撃的な分析 13 によれば、この「十分な準備」は「より良い意思決定」に全く結びついていないことが判明しました。情報過多はむしろ「悪い意思決定」を誘発しています。その決定的証拠に、セラーとバイヤーの間で「解決すべき核心的な問題」の認識が、平均で54.5%もズレているのです 13バイヤーは「情報」は持っていても、「何を解決すべきか」を真に理解しているわけではない、という「自信と有効性のギャップ」 13 が発生しています。

このギャップの結果は悲惨です。B2Bの営業プロセスの86%が停滞(ストール)し 13、営業サイクル全体は過去5年間で25%も長期化しています 17バイヤーが停滞の理由として挙げる「予算不足」や「内部プロセスの複雑さ」 18 は、多くの場合、この「問題定義のズレ」と「情報過多による混乱」を隠すための表面的な言い訳に過ぎないのです。

分析2:心理学的な障壁 — 現代の不決断は「FOMU(失敗への恐怖)」から生まれる

多くの営業リーダーは、失注の最大の敵を「顧客の現状維持バイアス(Status Quo Bias)」、つまり「何もしない」という選択だと考えています。

しかし、『チャレンジャー・セールス』の著者マシュー・ディクソンらが、250万件以上の営業会話データをAIで解析した最新の研究(『The JOLT Effect』) 19 によると、この常識は根本から覆されました。

分析対象となった「失注(No-Decision)」案件のうち、実に56%は「現状維持」が理由ではありませんでした。驚くべきことに、これらのバイヤーは営業担当者に対し、口頭で「進めたい」「契約したい」と明確な意思表示をした後で、「不決断」に陥っていたのです 6

この「不決断」の正体こそが、現代の営業が戦うべき真の敵です。それは、行動経済学でいう「FOMU(Fear Of Messing Up:しくじることへの恐怖)9 です。

人間は、「何か新しいものを得る喜び(FOMO:Fear Of Missing Out、見逃す恐怖)」よりも、「今あるものを失う痛み」を2倍以上強く感じる(損失回避性)生き物です 9。さらに、「行動した結果の失敗(コミッション・バイアス)」は、「行動しなかった結果の失敗(オミッション・バイアス)」よりも、はるかに深刻な後悔を生み出します 6

エンタープライズ(大企業)における複雑な購買は、まさにこの「FOMU」の塊です。バイヤーは「新ソリューション導入のメリット(FOMO)」よりも、「もしこの高額な導入に失敗したら、自分のキャリアはどうなるのか?」という「しくじる恐怖(FOMU)」に支配されています。この心理的障壁を乗り越えさせない限り、どれだけ優れた製品やインサイトを提示しても、契約書にサインがなされることはありません。


分析3:テクノロジーの罠 — AIが営業担当者を「支援」するのではなく「圧倒」する

バイヤーが「情報過多」と「FOMU」に圧倒されている一方で、営業担当者もまた「テクノロジー」に圧倒されています。

前述のGartnerの警鐘(営業担当者の75%が「圧倒されている」) 7 は、AI導入が現場の負担軽減につながっていない現実を示しています。AIを使いこなすための新しいスキルセット、次々と導入される新しいツール、そして「AIが自分の仕事を奪うかもしれない」という潜在的ストレスが、現場の疲弊を招いています。

MIT Sloan(マサチューセッツ工科大学)の分析 22 は、この「AIによる燃え尽き」の危険なメカニズムを明らかにしています。AIがEメール作成や簡単な問い合わせ対応といった「簡単なタスク」を自動化すればするほど、人間に残される仕事は「最も困難で、感情的な負荷が高く、複雑な例外的なケース」ばかりになる可能性を指摘しています 22

これにより、営業担当者は常に高難易度の問題解決を要求され続け、結果として「燃え尽き(バーンアウト)」が加速するという、皮肉な現実が待っているのです。AIは営業担当者を助けるどころか、彼らを精神的に追い詰める「負荷増幅装置」になりかねません。

分析4:方法論の限界 — 「チャレンジャー・セールス」はなぜ「不決断」に効かないのか?

2011年に提唱され、エンタープライズセールスのバイブルとなった「チャレンジャー・セールス」 23(奇しくもJOLTの著者ディクソン氏によるものです)は、現代において重大な限界に直面しています。

チャレンジャー・モデルの前提は、「顧客は間違った答えを持っている(あるいは問題に気づいていない)」というものでした。そこで営業担当者は、「独自のインサイトを教え(Teach)、議論を主導(Take Control)する23 ことで価値を生み出す、と定義されました。

しかし、2025年のバイヤー 13 は、「間違った答え」を持っているのではなく、情報過多で「そもそも答え(問題定義)を持てない」状態にあります。

このアプローチの限界は、学術的な批評によっても裏付けられています。複数の学術論文では、チャレンジャーの役割は高度な「ナレッジブローカー(知識の仲介者)」であると定義されています 24。しかし、この役割を完璧に遂行するには「達成不可能なレベルのドメイン専門性(almost unattainable level of domain expertise)」が必要であると、複数の研究者によってその困難さが指摘されています 27

チャレンジャー・モデルの最大の「限界点」は、ここにあります。情報過多で混乱し、FOMU(しくじる恐怖) 9 に怯えているバイヤーに対し、さらに「あなたは間違っている」と「建設的な緊張(Constructive Tension)」 5 を与えるという「教える」アプローチは、バイヤーの認知負荷(Cognitive Load)を限界まで高めてしまいます。その結果、バイヤーは思考を停止し、「決定回避(Decision Avoidance)」 28 という最悪の結果(=失注)を選択してしまう危険性が高いのです。

この分析は、「チャレンジャー・セールス」と「JOLTエフェクト」が「矛盾」していることを意味するものではありません。むしろ、これらは同じ著者(マシュー・ディクソン)によって書かれた、意図的な「理論の進化」 19 を示しています。

2011年の「チャレンジャー」は、営業がバイヤーに「Why(なぜ変革すべきか)」を教える(Teach) 23 ことに焦点を当て、営業の「付加価値」を再定義しました。しかし、バイヤーに「Why」を教えても、バイヤーが「FOMU」 9 によって行動(契約)できない、という「最後の壁(The Last Mile Problem)」が残りました。

2022年の「JOLT」は、まさにこの「最後の壁」=「不決断」を乗り越えるための、「How(どう恐怖を乗り越え決定するか)」を扱う、心理学的な実行(Execution)のプレイブックとして生まれたのです 30

したがって、現代の営業は「チャレンジャー(インサイトの提供)」と「JOLT(不決断の克服)」の両方を実行する必要があります。我々が発明した「IDEモデル」は、AIとABXという最新の戦略を加え、この二つを初めて「実行可能なシステム」として統合します。

第2章:世界最高水準の知見(Insights)— 新理論モデルを構築する「TOP30」の構成要素

新理論モデル「IDE」は、場当たり的なテクニックの寄せ集めではありません。世界中の研究機関やトップファームが2024年から2025年にかけて発表した最新の知見(インサイト)を構造的に統合したものです。ここでは、その中核となる「TOP30」の知見を4つのクラスタに分類して提示します。

知見クラスタA:【バイヤー心理学】「不決断」を科学する(JOLTエフェクト)

  • 知見1-5(問題の特定:選択過多): バイヤーは「選択過多(Choice Overload)」 28、すなわち多すぎる選択肢と情報に直面すると、認知的な限界を迎え、「分析麻痺(Analysis Paralysis)」 28「決定回避(Decision Avoidance)」 21 という防衛反応を起こします。

  • 知見6(JOLT-J: 判定): マシュー・ディクソン氏が提唱するJOLTエフェクトの第一歩は、バイヤーの「不決断のタイプ」を診断(Judge)することです 8。彼は不決断の主要因として「情報不足(評価軸が分からない)」「評価困難(選択肢が似すぎている)」「結果の不確実性(失敗が怖い)」の3つを挙げています 8

  • 知見7(JOLT-O: 推奨): 営業は、選択肢を増やして「どれがいいですか?」と尋ねるのではなく、「私ならこうします」という明確な「推奨(Offer Recommendation)」を行うべきです 30。これはバイヤーの認知負荷を劇的に下げ、営業担当者を「専門家」として位置づけます 32

  • 知見8(JOLT-L: 限定): 営業は、バイヤーが際限なく行う「情報探索(Limit Exploration)」を意図的に制限し、管理すべきです 30。バイヤーの不安を煽るのではなく、信頼をベースに「これ以上の比較は不要です」と導くことが求められます。

  • 知見9(JOLT-T: 除去): 最終的に、営業はバイヤーのFOMU(しくじる恐怖)を払拭するため、心理的・金銭的な「リスクを除去(Take Risk Off the Table)」しなければなりません 30

  • 知見10(JOLTとチャレンジャーの補完): チャレンジャー・モデルが提唱する「何もしないことのコスト(Cost of Inaction)」 5 の定量化は、JOLTの「L(限定)」と「T(除去)」を実践する上で、バイヤーに緊急性を持たせる最も強力な論理的武器となります。

知見クラスタB:【テクノロジー】「AIエージェント」による営業の再定義

  • 知見11-13(AIの現在地:リセット): Gartner(2025年)によれば、「AIエージェント(AI Agents for Sales)」は、現在「過度な期待のピーク(Peak of Inflated Expectations)」に位置しています 10。これは、技術が過剰に宣伝されている段階を意味します。Forrester(2026年予測)も、2025年の「過度に熱狂的なAIへの野心」は終わり、2026年は「現実的なリセット(pragmatic reset)」の年になる、と予測しています 34。このリセットを経て、AIは「約束」から「証明(Proof)」のフェーズに入ります。

  • 知見14(AIエージェントの定義): 「AIエージェント」とは、単なるチャットボットや分析ツールとは根本的に異なります。LLM(大規模言語モデル)を搭載し、人間から目標を与えられると、「自律的にタスクを計画・実行(Plan and Execute)」できるソフトウェア・エンティティです 10

  • 知見15(AIの実証効果:管理): 2025年10月に発表された学術論文(Emerald) 2 の実証研究によれば、ヘルスケア企業の営業担当者を対象とした調査で、GenAIの活用は「管理効率(Administrative Efficiency)」(例:CRM入力、レポート作成)を有意に向上させることが統計的に確認されました。

  • 知見16(AIの実証効果:業績): 同論文 2 は、GenAIの活用が「販売プロセスの有効性(Sales Process Effectiveness)」と「販売実績(Sales Performance)」にも直接的かつ肯定的な影響を与えることを実証しました。Bain(2025年)のレポートも、AI活用による勝率30%改善という初期の成功事例を報告しています 1

  • 知見17(AIのユースケース): 具体的な活用例は、営業ライフサイクル全体をカバーします。リードの生成と優先順位付け 37、パーソナライズされたアウトリーチ、ROI計算、提案書作成、ディールクロージングの加速、さらには顧客の利用データに基づく「解約リスクの特定」や「アップセル機会の創出」まで、極めて広範です 37

  • 知見18(AIと人間の未来:オーケストレーター): AIは営業担当者を「置き換える」のではなく、彼らの役割をより高度なものへと進化させます。特にSDR(インサイドセールス)の役割は、自ら電話をかけたりメールを書いたりする「実行者」から、AIエージェントの群れに指示を出し、そのパフォーマンスを管理・最適化する「オーケストレーター(指揮者)」へと進化するでしょう 39

  • 知見19(日本の状況:慎重な導入): GMO Research(2025年5月)の調査 40 によれば、日本のAI導入は米国に比べて「慎重なペース」で進んでいます。これは、日本企業特有の「リスク管理と精密なテスト」を重視する文化(と合意形成プロセス)を反映しています。この特性は、米国型の「スピード重視」のAI導入戦略とは異なる、本レポートで提唱するような「体系的アプローチ(IDEモデル)」が日本市場で求められることを示唆しています 40

知見クラスタC:【戦略】「ABM」から「ABX(アカウントベースド・エクスペリエンス)」へ

  • 知見20(ABMの限界): 従来のアカウントベースド・マーケティング(ABM)は、特定の重要アカウントをターゲットにする優れた戦略ですが、その主な焦点は「新規獲得(Acquisition)」にありました 11。これはマーケティング部門が主導する「キャンペーン」ベースの活動になりがちでした。

  • 知見21(ABXへの進化): 次世代の戦略である「ABX(Account-Based Experience)11 は、その焦点を「顧客ライフサイクル全体」へと劇的に広げます。ABXは「顧客体験(CX)」を戦略のど真ん中に据え、新規獲得からオンボーディング、活用促進、契約更新、アップセル/クロスセルまで、一貫した良質な体験をデザインする「全社的なGo-to-Market戦略」です 11

  • 知見22(ABXの連携:CSの参加): ABMが「マーケティングと営業」の連携だったのに対し、ABXは「マーケティング、営業、そして『顧客成功(Customer Success, CS)』」の三部門のサイロ(組織の壁)を破壊し、完全に連携することを要求します 41

  • 知見23(ABXのKPI:NRRとCLV): この戦略シフトは、KPI(重要業績評価指標)の根本的な変更を意味します。ABXの成功は、MQL(リード数)や商談数(Pipeline)では測りません。ABXの最重要KPIは「NRR(Net Revenue Retention:売上維持率)」と「CLV(Customer Lifetime Value:顧客生涯価値)」です 41

  • 知見24(チャレンジャーとABMの親和性): 既存の知見として、チャレンジャー・セールスの「インサイトを教える」アプローチは、ABMの「特定アカウントへのパーソナライズ」と非常に相性が良い(”Challenger on steroids”、チャレンジャーを異常に強化するもの)とされています 46

  • 知見25(AIとABM/ABXの融合): AIは、ABM/ABX戦略を加速させる中核技術です。アカウント選定の予測分析、Web上の「バイイングシグナル(購買兆候)」の補足、そして顧客体験を司るハイパー・パーソナライゼーションの実行において、AIは不可欠な存在です 47


【図表3:戦略の進化:ABMからABXへのパラダイムシフト】

比較項目 ABM(アカウントベースド・マーケティング) ABX(アカウントベースド・エクスペリエンス)
焦点(Focus) 新規顧客の**「獲得(Acquisition)」**

顧客ライフサイクル全体の**「体験(Experience)」** 11

連携部門 マーケティング + 営業

マーケティング + 営業 + 顧客成功(CS) 41

主要KPI MQL, SQL, パイプライン(商談数)

NRR(売上維持率), CLV(顧客生涯価値) 41

実行期間 「キャンペーン」ベース(一時的)

「ライフサイクル」ベース(恒久的) 11

  • 出典: 11


知見クラスタD:【イネーブルメント】「AI拡張型ナレッジブローカー」の育成

  • 知見26(パーソナライズドラーニング): 営業担当者を「圧倒」 7 させるのではなく、効果的に「イネーブルメント(能力開花)」する必要があります。McKinsey(2024年)の調査によれば、「AIによるパーソナライズド・ラーニング」は、従来の画一的な研修に比べ、エンゲージメントを67%、スキル定着率を56%も向上させることが判明しました 50

  • 知見27(マイクロラーニング): その具体的な実施方法として、AIが個々の営業担当者の通話録音や商談データからスキルギャップ(例:異議処理が弱い)を特定し、5〜10分の短時間で学べる「マイクロラーニング」モジュール(動画、シミュレーション)をLMS(学習管理システム)経由で自動的に推奨する、といった形が主流になります 50

  • 知見28(GoConsensusのデモ戦略): バイヤーの「不決断」を解消するコンテンツとは何か? GoConsensus(2025年)が600万件以上のB2Bバイヤーのインタラクションを分析したレポート 51 によれば、バイヤーは長く単一的なデモンストレーションを好みません。鍵は「短く、モジュール化されたコンテンツ(インタラクティブ・デモ)」です 51

  • 知見29(驚異的なデータ:8-10倍): 同分析 51 が明らかにした最も驚くべき事実は、これらの「モジュール型デモ」がバイヤーの意思決定グループ内で共有され、「9回以上視聴された」案件は、そうでない案件に比べ「成約率が8〜10倍」に達したことです。これは、モジュール型コンテンツがバイヤーの「内部共有」、すなわち「合意形成プロセス」を劇的に促進することを示唆しています。

  • 知見30(AI時代の人間的価値:EPOCH): AIが分析や管理タスクをすべて自動化する未来 52 において、人間に残される本質的な価値とは何か? MIT Sloan(2025年3月) 53 は、AIには代替できない人間固有の5つの能力として「EPOCHフレームワーク」を提唱しました。それは、Empathy(共感)、Presence(存在感・ネットワーキング)、Opinion(意見・倫理的判断)、Creativity(創造性)、Hope(希望・ビジョン)の5つです。

これらの知見を分析する中で、これまで誰も指摘してこなかった、極めて強力な「実行上の連携」が明らかになりました。

それは、「JOLTエフェクト」の最終関門である「T(Take Risk Off:リスクの除去)30 と、「ABX」戦略の核心である「Customer Success(CS)部門の関与41 との間の連携です。

バイヤーが直面する最大の「FOMU(しくじる恐怖)」 9 とは、突き詰めれば「契約後 に放置され、期待した価値が実現されないこと」です。従来の営業は、この恐怖を「値引き」や「口頭での説得」で乗り越えようとして失敗してきました。

しかし、この「リスク」を本質的に、かつ構造的に除去する唯一の方法があります。それは、営業担当者がCS部門を商談の最終段階(あるいは中盤)に引き入れ、オンボーディングや価値実現のプロセスを「事前に」確約させることです。

「T(リスクの除去)」は、営業担当者という「販売の専門家」ではなく、CSという「価値実現の専門家」によって実行されるべきであり、「JOLT」と「ABX」は同じ戦略の「表と裏」なのです。この発見こそが、次に提唱する「IDEモデル」の最強の根幹です。

第3章:新・理論モデルの発明(Solution)— 「統合ディシジョン・イネーブルメント(IDE)モデル」

前章で解析した30の最先端の知見を、日本のエンタープライズセールス現場で即時活用可能な「最小努力・最大成果」のシステムとして有機的に統合したものが、新・営業理論モデル「IDE(Integrated Decision Enablement:統合ディシジョン・イネーブルメント)」です。

モデルの定義(IDE: Integrated Decision Enablement)

IDEモデルとは、2025年のエンタープライズセールスにおいて、営業担当者の役割を、従来の「説得者(Persuader)」や「受注者(Closer)」から、「意思決定アーキテクト(Decision Architect)」へと根本的に再定義する、再現可能な営業オペレーティング・システムです。

このモデルにおいて、営業の目的は「売ること」ではありません。営業の真の目的は、「バイヤーが『FOMU(しくじる恐怖)』 9 を乗り越え、自信をもって『最良の意思決定』を行えるよう、そのプロセス全体を設計・支援(Enablement)すること」と再定義されます。

そのために、バイヤーの「不決断」という最大の障壁に対し、「心理学(JOLT)」「テクノロジー(AI Agents)」「戦略(ABX)」という三位一体の知見を統合(Integrated)して対処します。

モデルの2大原則

IDEモデルは、二つの先進的な思考様式を土台としています。

  1. 原則1:カオスを管理する(Systems Thinking): エンタープライズセールスは、予測不可能な多数のステークホルダーが関与し、動的に変化する「複雑系システム」です 54。IDEモデルは、バイヤー、営業、AI、CSといった個別の「要素」ではなく、その「相互作用(Interaction)」をデザインするシステム思考 54 に基づきます。個別のファインプレーに頼るのではなく、「勝つ仕組み」を設計します。

  2. 原則2:代替案を創造する(Lateral Thinking): バイヤーが「導入する vs 何もしない」という二元論(Binary Choice)でスタック(停滞)している時、営業は「導入する」側へ強く押す(従来のセールス)べきではありません。それは「何もしない」(オミッション・バイアス 9)を選択させるだけです。「意思決定アーキテクト」は、ラテラルシンキング(水平思考) 56 を用い、「リスクを限定した第三の実行可能な代替案(例:部門限定パイロット、価値連動型契約、機能限定スタート)」を創造的に提示し、意思決定のハードルそのものをデザインし直します。

モデルの核:意思決定アーキテクトの「新・4JOLTサイクル」

IDEモデルの具体的なオペレーションは、「JOLTエフェクト」 30 をベースに、チャレンジャー 5、AI 38、ABX 41 の知見を統合し、実用的なサイクルへと昇華させた「新・4JOLTサイクル」によって実行されます。

Stage 1: Judge(判定):バイヤーの「不決断タイプ」を診断する

  • ベース知見 (JOLT): バイヤーの不決断のタイプ(情報不足、評価困難、結果不確実)を診断します 8

  • IDEの実践: 従来の営業担当者の「勘」に頼りません。AIエージェント 10 を活用し、バイヤーのペルソナ、業界、過去のメールのやり取り、商談中の発言の傾向(Gartnerが注目する感情AI 10)を分析します。そして、「このバイヤーは『評価軸』を求めているのか、それとも『失敗の恐怖』に怯えているのか?」科学的に判定します。この診断の精度が、以降の全てのステージの成否を分けます。

Stage 2: Orchestrate(編成):AIで「明確さ」を編成し、「教える」

  • ベース知見 (Challenger, GoConsensus): バイヤーに「商業的インサイト」を教えます 5。ただし、そのコンテンツは「短く、モジュール化」されていなければなりません 51

  • IDEの実践: 「教える」ために、情報を「追加」してはいけません。バイヤーはすでに情報過多です。IDEモデルでは、営業担当者は「AIオーケストレーター39 として機能します。AIエージェント 38 を使い、Stage 1の診断結果に基づき、自社の膨大なコンテンツ(白書、事例、動画)から最適な「モジュール」をAIに「編成(Orchestrate)」させます。そして、バイヤーの「明確さ」に貢献する最小限のインサイト(=チャレンジャー・インサイト)だけを提供し、ノイズを徹底的に排除します。

Stage 3: Limit(限定):AIで「緊急性」を定量化し、「絞り込む」

  • ベース知見 (JOLT, Challenger): バイヤーの「探索」を制限し 30「何もしないことのコスト(Cost of Inaction, COI)」を定量化します 5

  • IDEの実践: バイヤーが「他社も見てみます」と、終わりなき情報探索ループ(分析麻痺) 28 に入ることを防ぎます。AIエージェントを使い、バイヤーからヒアリングした固有データに基づいた「ROIシミュレーター」や「Cost of Inaction(COI)レポート」を即座に(あるいは商談中にリアルタイムで)生成・提示します 59。これにより、バイヤーの関心を「機能比較(探索)」から「機会損失(緊急性)」へと強制的にシフトさせ、意思決定の範囲を「限定」します。

Stage 4: Take Risk Off(除去):CSの関与で「リスク」を構造的に除去する

  • ベース知見 (JOLT, ABX): リスクを除去し 30、CS部門を営業プロセスに統合し、NRR/CLVを最大化します 41

  • IDEの実践(最重要): ここで第2章の核心的洞察を実行します。バイヤーの「FOMU(しくじる恐怖)」 9 を根絶するため、営業担当者は「大丈夫です、我々を信じてください」と「説得」するのではなく、「CS(顧客成功)部門の担当者」を商談に招聘します。CSは「契約後の価値実現(Value Realization)プロセス」「成功の定義(Definition of Success)」をバイヤーと共同で策定します。これにより、バイヤーにとって最大の懸念(=契約後の失敗)を、契約前に構造的に「除去」します。これは、ABX戦略 41 の完璧な実行であり、JOLTの「T」の最強の回答です。


【図表4:新・営業理論「統合ディシジョン・イネーブルメント(IDE)モデル」全体像(概念図)】

  • 目的: 本レポートで発明した「新・4JOLTサイクル」の全体像を視覚的に提示し、読者が自社に持ち帰って議論できる「フレームワーク」として提供する。

  • 内容: 「1. Judge(診断)」「2. Orchestrate(編成)」「3. Limit(限定)」「4. Take Risk Off(除去)」の4つのステージが循環するループ図。

    • 1. Judge(診断): 目的:不決断のタイプを診断 / キーアクション:AIによる会話・属性分析 / 活用知見:JOLT 8, AI Agents 10

    • 2. Orchestrate(編成): 目的:明確さの提供(ノイズ除去) / キーアクション:AIによるモジュール型コンテンツの編成・提供 / 活用知見:Challenger 5, GoConsensus 51, AI 38

    • 3. Limit(限定): 目的:緊急性の創出(探索の停止) / キーアクション:AIによるCOI/ROIの即時定量化 / 活用知見:JOLT 30, Challenger 5, AI 38

    • 4. Take Risk Off(除去): 目的:FOMUの構造的除去 / キーアクション:CS部門による「価値実現プロセス」の共同策定 / 活用知見:JOLT 30, ABX 41

  • 出典:本レポートによる独自の発明( 5 を統合)


第4章:実践ユースケース(Use Cases)— IDEモデルは現場でどう機能するか?

理論は実践されてこそ価値があります。IDEモデル(新・4JOLTサイクル)が、日本のエンタープライズセールスが直面する具体的な3つの困難な場面(ユースケース)でどう機能するかをシミュレーションします。

ユースケース1:【新規開拓】「検討します(情報過多で停滞)」への対処法

  • 課題: 営業担当者が「チャレンジャー・セールス」を実践し、バイヤーの課題認識を覆す優れたインサイト 5 を提示した。バイヤーは「ありがとうございます、非常に有益でした。持ち帰って(競合や他部門と)検討します」と発言。しかし、これは典型的な「不決断」のサインであり、バイヤーはここから情報収集のループにはまり、分析麻痺 28 を起こして停滞(失注)する。

  • IDEアプローチ: 営業担当者は、バイヤーの「検討したい」という言葉を「決定回避」 29 のシグナルと判定(Stage 1: Judge)します。その上で、即座にStage 3 (Limit)Stage 2 (Orchestrate) を発動します。

    • 営業の発話(例): 「〇〇様、承知いたしました。ただ、多くの企業様がここから『情報収集のループ』にはまり、結果として『何もしない』という最大の機会損失(Cost of Inaction) 5 を選択されてしまうケースを懸念しております。そうならないため、もしよろしければ、〇〇様の状況に合わせた『意思決定マップ(Decision Tree)59 をAIで即時作成し、比較検討の『論点(軸)』をこちらでご用意しましょう。これにより、〇〇様の『検討』の時間を最小化し、『明確さ』を最大化できます。

    • 解説: バイヤーの「探索」を否定しません。それでは「建設的な緊張」 5 が高まりすぎ、関係が悪化します。そうではなく、バイヤーの「探索のプロセス」をこちらが主導権をもって「限定」し、「編成」するのです。これは、バイヤーの認知負荷を下げ、営業担当者を「信頼できる意思決定アーキテクト」として位置づける高度な技術です。

ユースケース2:【深耕・防衛】「既存顧客のLTV/NRR最大化」の仕組み

  • 課題: 多くのSaaS企業が直面する問題です。一度導入した顧客が、製品を使いこなせず低空飛行のまま放置されています。営業がアップセルやクロスセルの提案(従来のABM) 11 をしても、「現状の機能で満足している」「今はリソースがない」と断られ、NRR(売上維持率)やLTV(顧客生涯価値)が向上しません 43

  • IDEアプローチ: これはABX戦略 41 の中核課題です。まず、AIエージェント 38 が製品の利用ログから「活用停滞」や「解約リスク」のシグナルを自動で判定(Stage 1: Judge)します。営業は「新製品の提案(アップセル)」に行くのではなく、即座にStage 4 (Take Risk Off) を発動します。

    • 営業の行動: 営業は「CS部門」と連携し、顧客に対して「新製品の提案」ではなく、「価値実現(Value Realization)ワークショップ 41 を無償で提案します。

    • 解説: 既存顧客にとっての「アップセル提案」は、新たな「FOMU(しくじる恐怖)」 9 を生み出す「営業活動」と見なされます。そうではなく、まずは「今ある価値の最大化」をCSと共に支援し(リスク除去)、顧客を成功(Success)させます。その上で、次のステップ(アップセル)への「不決断」を取り除くのです。これは「売る」行為ではなく、顧客の「価値を(再)実現」する行為であり、ABX戦略の理想形です。

ユースケース3:【日本市場】「慎重な合意形成(多ステークホルダー)」をハックする

  • 課題: 日本企業特有の「慎重な導入プロセス」と「見えないステークホルダー(稟議プロセス)」 40。目の前の担当者は乗り気でも、IT部門、法務部門、経理部門、そして担当者の上司の、誰がボトルネックになっているか分からず、商談が停滞します。

  • IDEアプローチ: この問題は「日本市場の特殊性」ではなく、GoConsensusの分析 51 が示す「複数ステークホルダーによる合意形成の非効率性」というグローバルな課題です。担当者が「FOMU」に陥っている(=内部説得に失敗する恐怖)と判定(Stage 1: Judge)し、Stage 2 (Orchestrate) を発動します。

    • 営業の行動: 「関係者全員を集めたデモ」を強要してはいけません。それは担当者の心理的ハードルを上げるだけです。「〇〇様(担当者)が『内密に』『非同期で(好きな時に)』合意形成を進められるよう、AI(またはLMS 50)で作成した『ステークホルダー別・モジュール型デモ』の専用リンクをお送りします。」

    • コンテンツ例:

      • 「IT部長向け:3分でわかるセキュリティ体制」

      • 「法務部向け:2分でわかる契約プロセスのポイント」

      • 「CFO向け:4分でわかるROIシミュレーションとCOI」

      • 「(担当者の)上長向け:5分でわかる導入事例と成功の定義」

    • 解説: この「共有可能な武器」を提供することで、営業担当者は、目の前の担当者を「内部のナレッジブローカー」 24 として機能させることができます。GoConsensusの分析 51 (9回以上の視聴で成約率8-10倍)が示す通り、このアプローチは「隠れたステークホルダー」を炙り出し、彼らの合意形成を劇的に加速させます。これは、地味ですが日本市場において最も実効性のあるソリューションの一つです。

第5章:結論とネクストステップ —「AI指揮者」としての人間の未来

本レポートで発明した「IDE(統合ディシジョン・イネーブルメント)モデル」は、単なる営業テクニックではなく、AI時代の営業組織の「OS(オペレーティング・システム)」そのものです。

IDEモデルがもたらす「最小努力・最大成果」の本質

IDEモデルは、営業担当者を「管理業務(CRM入力)」「情報検索(事例探し)」「資料作成(提案書・ROI計算)」といった、時間のかかる「作業」から解放します。これらのタスクは、AIエージェント 38 が自律的かつ高精度に実行します。

その結果、営業担当者は、AIが代替不可能な、最も人間的な「アーキテクト(設計者)」業務に自らのリソースを集中投下できます。すなわち、

  1. バイヤーの「不決断」の裏にある感情や文脈を「判定(Judge)」し、

  2. 複雑なシステムの中で、AI、CS、マーケティングという多様なアセットを「編成(Orchestrate)」し、

  3. 創造的な第三の道(ラテラルシンキング) 56 を「提示(Limit/Take Risk Off)」する

という、高度な知的作業です。これがIDEモデルが実現する「最小努力・最大成果」の本質です。

「AIと人間」の未来 — EPOCHフレームワーク

PwCの調査では、テクノロジーが進化すればするほど、82%の消費者が「より多くの人間的な対話」を望むようになる、という逆説的な結果が出ています 60。AIがコモディティ化する未来において、営業担当者の価値は「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」ではなく、「HI(Human Intelligence:人間知性)」にこそ宿ります。

営業リーダーが今すぐ育成すべきスキルは、製品知識やCRMの入力方法ではありません。MIT Sloanが提唱する「EPOCHフレームワーク53 です。AIには真似できない、人間固有の5つのスキル—Empathy(共感)、Presence(存在感)、Opinion(倫理的判断)、Creativity(創造性)、Hope(希望)—こそが、未来の「意思決定アーキテクト」の核となります。


【図表5:AI時代の価値の源泉:AIと人間のタスク補完マトリクス】

領域 AI(人工知能)が得意なタスク HI(人間知性)が生み出す価値 (EPOCH)
分析・診断

大規模データのパターン分析、予測 2

リードスコアリング、解約リスクの特定 38

Empathy (共感): データの裏にあるバイヤーの「言外の不安(FOMU)」を感じ取る 53

実行・管理

CRM自動入力、メール/コンテンツ自動生成 37

管理タスクの自律的実行(AIエージェント) 10

Presence (存在感): 複雑なステークホルダー間に入り、信頼関係(ラポール)を構築する 53

判断・計画

ROI/COIの高速シミュレーション 38

最適なコンテンツの推奨 50

Opinion (倫理的判断): 「売るべきか、売らないべきか」という倫理的な判断を下す 53

創造・戦略

既存データに基づくパーソナライズ 48

Creativity (創造性): 複雑な状況を打開する「第三の選択肢」を創造する(ラテラルシンキング) 53

未来 過去データに基づく予測

Hope (希望・ビジョン): バイヤーと共に「成功のビジョン」を描き、変革をリードする 53

  • 出典: 2


ネクストステップ(読者への行動喚起)

このレポートを読んだ先進的な営業リーダーが、明日から取るべき行動は以下の3つです。

  1. [自己診断] まず、自社の営業担当者がバイヤーに対し、「説得者」になっていないか、「意思決定アーキテクト」になっているかを診断してください。商談の失注理由が「競合」ではなく「停滞(No-Decision)」であるならば、IDEモデルの導入が急務です。

  2. [イネーブルメントの見直し] 営業研修の内容を、製品知識やCRM入力方法といった「管理スキル」 60 から、JOLT 30 やEPOCH 53 といった「人間知性スキル」の育成にシフトしてください。McKinseyが有効性を証明した「AIによるパーソナライズド・ラーニング」 50 の導入が最短距離です。

  3. [部門連携(最重要)] 今すぐ「営業本部」と「CS(顧客成功)本部」の合同会議を開き、KPIの連携 41 を開始してください。営業のKPIに「Pipeline」だけでなく「契約後のNRR」を組み込み、CSの関与を「契約後」から「契約前(IDEのStage 4)」に前倒しするプロセス改革に着手してください。

AIと不決断の時代における営業の未来は、「AIに取って代わられる」か、「AIを指揮するアーキテクトになる」かの二択です。IDEモデルは、後者を選択するための唯一の羅針盤となるでしょう。

第6章:よくある質問(FAQ)(SEO・AI検索最適化対策)

Q. この「IDEモデル」は、従来の「チャレンジャーセールス」と何が決定的に違うのですか?

A. IDEモデルはチャレンジャーセールスを「否定」するのではなく、「統合し、進化」させます。チャレンジャーは「何を教えるか(インサイト)」 5 に焦点を当てましたが、情報過多の現代では、バイヤーが「なぜ行動できないか(不決断)」 6 という心理的側面に対処できませんでした。IDEモデルは、JOLT 30 の心理学を用いて、その「不決断」をまず解消(Stages 1, 3, 4)し、チャレンジャーのインサイト(Stage 2)が「実行」されるための完全なシステム(AIとCSの連携を含む)を提供する点が決定的に異なります。

Q. 「AIエージェント」は具体的に営業の何を自動化してくれるのですか?

A. GartnerやBCGの分析 10 によれば、その範囲は広範です。リードの特定と優先順位付け、バイヤーの属性や過去の行動に基づいたパーソナライズされたEメールの作成、CRMへの商談内容の自動データ入力、提案書やROI計算書の作成、さらには既存顧客の利用状況をリアルタイムで監視し「解約リスク」や「アップセル機会」を特定するタスクまで、自律的に実行します 37。これにより、営業担当者は「人間」にしかできない「意思決定の設計(IDE)」に集中できます 53

Q. なぜ「ABM(アカウントベースド・マーケティング)」ではなく「ABX(アカウントベースド・エクスペリエンス)」に注目すべきなのですか?

A. 従来のABMは、主に「新規アカウントの獲得」に焦点を当てたマーケティング主導の戦略でした 11。しかし、SaaS(サブスクリプション)がビジネスモデルの主流となった現代では、「売って終わり」ではなく「使い続けてもらい、拡大してもらう」ことが企業の成長(特にNRR:売上維持率)に直結します 41。ABXは、営業、マーケティング、そして**顧客成功(CS)**が全部門で連携し、契約前から契約後まで一貫した「体験(Experience)」を提供することで、LTV(顧客生涯価値)を最大化する、より上位の全社戦略だからです 41

Q. 「JOLTエフェクト」とは何ですか? なぜ今、重要なのでしょうか?

A. 『チャレンジャー・セールス』の著者マシュー・ディクソンによる最新の研究 19 です。250万件の営業会話分析から、現代の失注の最大の原因が「現状維持」ではなく「バイヤーの不決断」であること 6、そしてその不決断が「FOMU(しくじる恐怖)」 9 という心理的障壁から来ることを解明しました。情報過多 13 とAIによるノイズ増幅 14 が進む2025年現在、この心理的障壁を科学的に乗り越えるJOLTの知見(J:判定、O:推奨、L:限定、T:リスク除去 30)は、すべての営業担当者にとって必須のスキルとなっています。

第7章:ファクトチェック・サマリー

本記事で提示した理論とデータは、Gartner (2025)、Forrester (2026)、MIT Sloan (2025)、Harvard Business Review、Bain & Company (2025)、McKinsey (2024)、Columbia Business School (2025)、および複数の査読付き学術論文(Emerald, ResearchGate)から抽出された、2025年時点の最新のファクトに基づき構築されています。

  • 主要ファクト1: B2B営業担当者の84%が営業クオータ(ノルマ)を達成していません 4

  • 主要ファクト2: 営業担当者の75%が、要求されるスキルとテクノロジーの複雑さ(AI活用など)に「圧倒されています」 7

  • 主要ファクト3: AIを効果的に導入した営業組織は、勝率が30%以上高いという初期データがあります 1

  • 主要ファクト4: 失注の56%は「現状維持」が理由ではなく、「進めたい」と述べた後の「不決断」が原因です 6

  • 主要ファクト5: この不決断は「FOMO(見逃す恐怖)」より強い「FOMU(しくじる恐怖)」という損失回避の心理から生じます 9

  • 主要ファクト6: GoConsensusの600万件の分析によれば、「モジュール型デモ」がバイヤーの組織内で9回以上視聴された案件は、成約率が8〜10倍に達します 51

  • 主要ファクト7: 次世代戦略ABXは、営業・マーケティング・CS(顧客成功)を連携させ、KPIをMQLからNRR(売上維持率)とCLV(顧客生涯価値)にシフトさせます 41

  • 主要ファクト8: AIの普及は、人間にしかできない「EPOCH(共感、存在感、意見、創造性、希望)」スキル 53 の価値を、逆説的に高めます。

第8章:出典・参考文献リスト

7 https://www.gartner.com/en/sales/insights/sales-excellence-and-innovation-report

34 https://www.forrester.com/predictions/

62 https://explodingtopics.com/blog/sales-trends

63 https://www.gartner.com/en/sales/trends/future-of-sales

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13 https://corporatevisions.com/blog/b2b-buying-behavior-statistics-trends/

16 https://www.theinsightcollective.com/insights/b2b-tech-buyer-behavior-stats

18 https://www.coveo.com/blog/winning-over-the-modern-b2b-buyer/

51 https://goconsensus.com/research/2025-b2b-buyer-behavior-report

14 https://www.demandgenreport.com/demanding-views/3-b2b-sales-and-marketing-trends-reshaping-buyer-demand/49088/

65 https://business.columbia.edu/insights/digital-future/ai/generative-ai-market-research

66 https://www.pwc.com/us/en/tech-effect/ai-analytics/ai-predictions.html

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70 https://federicopresicci.com/blog/sales-enablement-technology/sales-enablement-technology-guide/

50 https://www.thelearningos.com/enterprise-knowledge/future-of-sales-training-and-enablement-trends-to-watch-in-2025

71 https://learn.g2.com/sales-enablement-statistics

5 https://challengerinc.com/blog/next-era-of-challenger-selling/

72 https://www.researchgate.net/publication/319851576_The_Evolution_of_the_Sales_Process_Relationship_Selling_Versus_the_Challenger_Sales

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25 https://www.researchgate.net/publication/271993211_Salespeople_as_knowledge_brokers_A_review_and_critique_of_the_challenger_sales_model

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36 https://arxiv.org/html/2503.12687v1

75 https://arxiv.org/pdf/2504.12682

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1 https://www.bain.com/insights/ai-transforming-productivity-sales-remains-new-frontier-technology-report-2025/

37 https://sintra.ai/blog/top-11-ai-sales-assistants-in-2025

78 https://mitsloan.mit.edu/ideas-made-to-matter/leadership-and-ai-insights-2025-latest-mit-sloan-management-review

79 https://sloanreview.mit.edu/article/five-trends-in-ai-and-data-science-for-2025/

80 https://explodingtopics.com/blog/ai-statistics

24 https://www.researchgate.net/publication/360767921_The_salesperson_as_a_knowledge_broker_The_effect_of_sales_influence_tactics_on_customer_learning_purchase_decision_and_profitability

25 https://www.researchgate.net/publication/271993211_Salespeople_as_knowledge_brokers_A_review_and_critique_of_the_challenger_sales_model

27 https://kar.kent.ac.uk/83667/1/JBR%20Neg%20States%20Final.pdf

26 https://scholarworks.utrgv.edu/context/marketing_fac/article/1072/viewcontent/Complementary_effects_of_CRM_and_social_media_on_customer_cocreation_and_sales_performance_in_B2B_firms.pdf

81 https://www.ohio.edu/business/about/faculty-staff/rappa

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21 https://www.unicorny.co.uk/how-to-jolt-your-sales-pipeline-with-matt-dixon-part-2/

83 https://www.kompyte.com/blog/overcoming-buyer-indecision-using-the-jolt-effect

84 https://www.salesfocusinc.com/b2b-sales-challenges/

59 https://www.ironpaper.com/webintel/decoding-buyer-indecision-strategies-to-build-confidence-and-drive-action

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61 https://medium.com/@eastgate/ai-agent-for-lead-generation-boost-b2b-sales-in-2025-9995338057a3

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著者情報

国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。環境省、トヨタ自働車、東京ガス、パナソニック、オムロン、シャープ、伊藤忠商事、東急不動産、ソフトバンク、村田製作所など大手企業や全国中小工務店、販売施工店など国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。再エネ設備導入効果シミュレーション及び再エネ関連事業の事業戦略・マーケティング・セールス・生成AIに関するエキスパート。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。Xアカウント:@satoruhiguchi。お仕事・新規事業・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

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