【2025年最新】家庭の電気・ガス使用量完全ガイド:住宅タイプ・世帯人数別の月別データと節約術

著者情報

国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。お仕事・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

電力消費量,月別,ガス消費量
電力消費量,月別,ガス消費量

目次

【2025年最新】家庭の電気・ガス使用量完全ガイド:住宅タイプ・世帯人数別の月別データと節約術

10秒で読める要約

日本全国の一般家庭における電気・ガス使用量の実態を、住宅タイプ(戸建・マンション)、世帯人数(3人・4人・5人以上)、エネルギータイプ(ガス併用・オール電化)ごとに月別データで徹底解説。全国平均と10電力エリア別の比較や季節変動の特徴も含め、あなたの家庭が「標準的」かどうか確認できます。光熱費削減や住宅のエネルギー設計の参考にどうぞ。

エネがえるを使うと簡単に現状の電力消費量を入力するだけで太陽光、オール電化、蓄電池導入時の長期経済効果が試算できます。
現在は事業者(太陽光・蓄電池メーカー・商社・販売施工店、住宅メーカー、電力・ガス会社など)や官公庁自治体に提供中です。
個人・一般家庭のお客様は、こちらからご相談ください。

はじめに:なぜ家庭のエネルギー消費量を把握すべきなのか

「うちの電気代、高すぎない?」「この季節にしては使いすぎ?」このような疑問を持ったことはありませんか?実は、多くの家庭では自分たちのエネルギー使用量が「普通」なのかどうか判断する基準を持っていません。

電気やガスの使用量は、季節住宅タイプ世帯人数、そして何よりも生活スタイルによって大きく異なります。しかし、平均的な使用量を知ることで、自宅のエネルギー消費が適切かどうか、節約の余地があるのかどうかを判断する貴重な指標になります。

本記事では、環境省の「家庭部門のCO2排出実態統計調査」や総務省の「家計調査」、各電力・ガス会社のデータをもとに、日本全国の家庭における電気・ガス使用量の実態を徹底解説します。具体的には:

  • 住宅タイプ別(戸建・集合住宅)の月間使用量
  • 世帯人数別(3人・4人・5人以上)の消費傾向
  • エネルギータイプ別(ガス併用・オール電化)の違い
  • 10電力エリア別の地域差

など、家庭のエネルギー消費に関する網羅的なデータを提供します。この情報を参考に、あなたの家庭のエネルギー使用状況を見直し、賢い消費習慣を身につけましょう。

住宅条件と基本モデルについて

本記事で紹介するデータは、以下のような「平均的な住宅条件」をベースにしています:

  • 戸建住宅:延床面積約120m²、築20~30年程度
  • 集合住宅(マンション・アパート):延床面積約70m²程度

また、基本的な世帯モデルとして、共働きで昼間不在がち(在宅率低め)の核家族世帯を想定しています。なお、昼間在宅率が高い世帯(在宅勤務、専業主婦/主夫、高齢者世帯など)では、電力消費が約2~3割程度多くなる傾向があります。

家庭のエネルギー消費の基本パターン

家庭のエネルギー消費には、いくつかの基本的なパターンがあります:

  1. 季節変動:電気は夏(冷房)と冬(暖房)に消費量が増加し、春秋は少なめ。ガスは冬(暖房・給湯)に大幅に増加し、夏は最小になる。

  2. 住宅タイプによる差:同じ人数なら、集合住宅は戸建てより約2割程度エネルギー消費が少ない(断熱性の差など)。

  3. エネルギータイプによる差:オール電化住宅は、ガス併用住宅に比べて電力消費量が約1.3~1.5倍になる。

  4. 地域差:寒冷地では暖房用エネルギーが増加、温暖地では冷房用エネルギーが増える。また、都市ガスの普及状況によっても消費パターンが異なる。

それでは、具体的なデータを見ていきましょう。

戸建住宅のエネルギー消費量

ガス併用世帯(戸建)の電気・ガス使用量

戸建住宅でガスを併用している世帯は、日本の家庭の標準的なモデルと言えます。このタイプの住宅では、給湯・調理・暖房の一部をガスエネルギーで賄うため、電力消費はオール電化住宅に比べて抑えられます。

戸建住宅の季節変動パターン

  • 電力消費:夏季(冷房期間)に最大となり、冬季も暖房で増加するが夏季ほどではない
  • ガス消費:冬季(12~2月)に集中し、夏季は最小になる

例えば、典型的な4人家族(戸建・ガス併用)の場合、年間電力消費量は約5,000~5,500kWh(平均月約416~458kWh)になります。ガス消費量は年間で約250~300m³程度となり、冬季1月で50m³前後、夏季8月で10m³未満という大きな季節差があります。

3人世帯(戸建・ガス併用)の月別消費量

3人世帯のデータテーブルを見る

電力消費量(kWh/月)

全国平均北海道東北東京中部北陸関西中国四国九州沖縄
1月360337418322379505333395386358321
2月320299371287337450296356348325291
3月280262325251295393259310303283254
4月240225279215253337222274268251226
5月280262325251295393259310303283254
6月320299372287338450297357349326292
7月410384476368433577381458447417374
8月490459569440518690455545532497446
9月410384476368433577381458447417374
10月240225279215253337222274268251226
11月280262325251295393259310303283254
12月410384476368433577381458447417374

ガス消費量(m³/月)

全国平均北海道東北東京中部北陸関西中国四国九州沖縄
1月3026114027194295143
2月2723103624173785123
3月19167251712266382
4月1412518139194251
5月9831286133241
6月762964102131
7月54275372120
8月54264371120
9月76286492131
10月1210416118173251
11月19167261813286392
12月252293424173785123

 

4人世帯(戸建・ガス併用)の月別消費量

4人世帯のデータテーブルを見る

電力消費量(kWh/月)

全国平均北海道東北東京中部北陸関西中国四国九州沖縄
1月468438543418492656452546533495443
2月416389483372437583402485474440394
3月364341423325383510351424415385345
4月312292362279328437301364355330296
5月364341423325383510351424415385345
6月416389483372437583402485474440394
7月520487604465547729502606592550493
8月624584724558656875603728711660591
9月520487604465547729502606592550493
10月312292362279328437301364355330296
11月364341423325383510351424415385345
12月520487604465547729502606592550493

ガス消費量(m³/月)

全国平均北海道東北東京中部北陸関西中国四国九州沖縄
1月43371557392860138204
2月38331350342453117173
3月2824103725183985132
4月20177271813286492
5月1311417118184261
6月10941396143251
7月8731075112131
8月8731075112131
9月10941396143251
10月18156231611255381
11月252293323163585122
12月33281143302146106153

 

5人以上世帯(戸建・ガス併用)の月別消費量

5人以上世帯のデータテーブルを見る

電力消費量(kWh/月)

全国平均北海道東北東京中部北陸関西中国四国九州沖縄
1月540505627483568758521630615571511
2月480450557429505675463558545506453
3月420394487375442592405487476442396
4月360337418322379506347416405379340
5月420394487375442592405487476442396
6月480450557429505675463558545506453
7月600563698537631843579699684636569
8月7206758386447581,011695838822763683
9月600563698537631843579699684636569
10月360337418322379506347416405379340
11月420394487375442592405487476442396
12月600563698537631843579699684636569

ガス消費量(m³/月)

全国平均北海道東北東京中部北陸関西中国四国九州沖縄
1月524518704734731610245
2月46401662423065149214
3月34291145312248106153
4月242183222163474112
5月18156241712255381
6月1311418139194261
7月108314107143241
8月10831396143241
9月1311418139194261
10月221972920143174102
11月34291146322349116163
12月46401662423065149214

 

地域差の特徴

地域によって家庭のエネルギー消費パターンには大きな違いがあります:

  • 東京電力エリア:電力使用量は全国平均比で約89%と少なめですが、都市ガス使用量は全国平均比約134%と多めです。
  • 関西電力エリア:ガス消費量が全国平均より高めの傾向にあります。
  • 東北電力エリア:暖房燃料に都市ガス以外(灯油など)を使う世帯が多く、ガス使用量が全国平均比で約1/3以下と極端に低い一方、電力消費量は平均を上回ります。
  • 北陸電力エリア:電力消費量が多い傾向にあり、特に冬季の電力使用が目立ちます。
  • 沖縄電力エリア:冬の暖房需要が小さいため、冬季の消費増加が抑えられます。

戸建オール電化住宅のエネルギー消費量

オール電化の戸建住宅では、給湯・暖房もすべて電気でまかなうため、電力消費量はガス併用世帯の約1.3~1.5倍に増加します。ガス併用で月400kWh前後の家庭がオール電化では月600kWh以上使用するケースが一般的です。

特徴としては、以下の点が挙げられます:

  • 冬季はエコキュートなどの電気温水器やヒートポンプ暖房による夜間電力消費が増加
  • 日中不在世帯でも給湯のヒートポンプ運転や凍結防止ヒーター等で一定の電力消費が発生
  • 電力の季節変動幅が大きく、夏と冬にピークが現れる(冬季と夏季で平月の約1.5倍程度)

4人世帯(戸建・オール電化)の月別消費量

4人世帯オール電化のデータテーブルを見る

電力消費量(kWh/月)

全国平均北海道東北東京中部北陸関西中国四国九州沖縄
1月660617766573695943611738699650605
2月520486604452548744482582552514479
3月330308383286348473306370352328306
4月200187232174210284185224212197184
5月250234290218263355231280265247231
6月330308383286348473306370352328306
7月470439541409494670435525496461413
8月560521642487589800518625591550493
9月440410505383463630407491465433388
10月200187232174210284185224212197184
11月300280345260315428278335317295276
12月560521642487589800518625591550493

 

オール電化4人世帯(戸建)の年間電力消費量は全国平均で約6,600kWhとなり、ガス併用の同規模世帯(約5,200kWh)の1.3倍程度です。特に1~2月と7~8月の消費量が大きく、1月と8月は500~600kWh台に達します。

北海道電力エリアなど寒冷地では暖房・給湯の電化負荷が大きく、冬季1月に600~700kWh超の電力を消費する計算です。一方で沖縄電力エリアなど冬の暖房需要が小さい地域では冬季の消費増加が抑えられます。

集合住宅(マンション・アパート)のエネルギー消費量

集合住宅の特徴

集合住宅では戸建に比べ住戸面積が小さく断熱性も高めな傾向から、同じ人数規模でもエネルギー消費量は戸建より低めになります。特に4人家族程度までは集合住宅の電力使用量は戸建より2割以上少ないデータがあります(東京地域で4人世帯:戸建436kWh/月に対し集合住宅316kWh/月)。

これには以下の理由があります:

  • 集合住宅では部屋数が少なく暖冷房負荷も小さい
  • 上階・下階からの断熱効果がある
  • 総じて戸建より居住面積が小さい

ガス併用世帯(集合住宅)の電気・ガス使用量

4人世帯(集合住宅・ガス併用)の月別消費量

4人世帯集合住宅のデータテーブルを見る

電力消費量(kWh/月)

全国平均北海道東北東京中部北陸関西中国四国九州沖縄
1月316297369282332443306370361334300
2月284267332253299399275333326303272
3月253238296226266356245300293271245
4月222209260199233312215263257238214
5月253238296226266356245300293271245
6月284267332253299399275333326303272
7月347326405288325435319385376349313
8月410386478341384514376454443411369
9月347326405288325435319385376349313
10月222209260199233312215263257238214
11月253238296226266356245300293271245
12月347326405288325435319385376349313

ガス消費量(m³/月)

全国平均北海道東北東京中部北陸関西中国四国九州沖縄
1月252293423173685123
2月221983021153274102
3月16145231611255382
4月1210417128194261
5月9831286133241
6月762964102131
7月65275382120
8月65275381120
9月762964102131
10月119415118184251
11月16145231611255382
12月221983021153274102

 

集合住宅4人世帯(ガス併用)では、東京電力エリアの年間電力使用量は約3,950kWhで全国平均並みですが、同条件の戸建世帯(約5,200kWh)より約25%少ないという差が見られます。

またガス使用量も、戸建4人世帯(年間約250m³)に比べ集合住宅4人世帯では年間約180m³程度と抑えられています。もっとも、集合住宅でも戸建同様に季節変動の傾向は変わりません。電力は夏(8月)にピークとなり約410kWh/月、ガスは冬(1月)にピークとなり約34m³/月となっています。

集合住宅オール電化世帯のエネルギー消費量

集合住宅のオール電化では、戸建と同様に電力使用量が大幅に増加しますが、戸建に比べると上昇率はやや抑えられます。関西電力のデータではオール電化住宅の平均使用量は月約660kWhとされており、戸建オール電化4人世帯(~700kWh/月)よりやや低めです。

集合住宅は断熱性が高く床面積も小さいため、給湯や暖房の電力負荷が戸建より小さいことが理由です。それでもガス代がゼロになる代わりに電気代はかなり高額になるため、電力会社のオール電化向け料金メニューや太陽光発電設備との組み合わせで経済メリットを高める工夫が重要です。

4人世帯(集合住宅・オール電化)の月別消費量

4人世帯集合住宅オール電化のデータテーブルを見る

電力消費量(kWh/月)

全国平均北海道東北東京中部北陸関西中国四国九州沖縄
1月600561698521631857557674638594552
2月470439548408494670435527499464431
3月300280345258315428278337319297276
4月180168207155189257167203193180167
5月230215265203242329225274259241224
6月300280345258315428278337319297276
7月410386481361431586379459435405363
8月490461575431516702453549520485435
9月370349435278389529342415394367329
10月180168207155189257167203193180167
11月270254312234284386264322306285265
12月490461575431516702453549520485435

</details>

集合住宅オール電化世帯では、電力消費の絶対量こそ増えるものの戸建よりも効率的にエネルギーが使われるため、年間消費量は戸建オール電化より1~2割程度低く抑えられます(4人世帯で戸建:約6,600kWh/年に対し集合:約5,800kWh/年と想定)。

しかしながら、真夏・真冬のピーク時電力使用量は非常に大きくなります。例えば5人家族のモデルケースでは、8月と1月に月500~600kWh超の電力を消費し、それ以外の月も軒並み300~400kWh台となります。

在宅時間の違いによるエネルギー消費量への影響

昼間在宅率が高い世帯(テレワーク、専業主婦/主夫、高齢者世帯など)では、電力消費が約2~3割程度多くなる傾向があります。これは主に以下の理由によるものです:

  • 冷暖房の使用時間が長くなる
  • 給湯の使用機会が増える(特に冬季)
  • 照明や家電の使用時間が延びる
  • 調理機会が増える

特にオール電化住宅の場合、昼間の在宅率の違いによる影響は大きく、ピーク時の電力使用量に大きな差が生じます。

電力・ガス使用量の地域差が生じる理由

上記の表で見たように、同じ住宅タイプ・世帯人数でも地域によって電力・ガス使用量には大きな差があります。この地域差が生じる主な理由は以下の通りです:

気候条件による差

  • 寒冷地(北海道・東北・北陸など):冬季の暖房需要が大きく、暖房用エネルギー消費が増加します。北海道では戸建住宅の多くが灯油暖房を併用するため、電力消費は意外にも全国平均を下回るケースも。
  • 温暖地(九州・沖縄など):冬季の暖房需要が小さい一方、夏季の冷房需要が大きくなります。沖縄の冬季電力消費は全国平均の約92%程度です。

エネルギーインフラによる差

  • 都市ガス普及地域(東京・関西など):都市ガスの普及率が高く、ガス消費量が多い一方、電力消費はやや少なめになる傾向があります。東京電力エリアの都市ガス使用量は全国平均の約134%です。
  • 都市ガス未普及地域(東北・四国など):都市ガスの代わりにLPガスや灯油、電力を使用するため、電力消費が増える傾向があります。東北電力エリアのガス使用量は全国平均の約1/3以下です。

電力料金体系による差

  • 電力が安価な地域(北陸など):電力を多用する傾向があり、北陸電力エリアの電力消費量は全国で最も多い傾向があります。
  • 電力が高価な地域:省エネ意識が高まり、電力消費が抑制される傾向があります。

エネルギー消費量から読み取れる日本の家庭の特徴

これまでのデータから、日本の家庭エネルギー消費について次のような特徴が読み取れます:

1. 季節変動が大きい

日本の家庭は四季の変化に対応して、エネルギー消費パターンが大きく変動します。特に以下の傾向が顕著です:

  • 電力:夏(8月)と冬(1月・12月)にピークがある「W字型」の消費パターン
  • ガス:冬(1~2月)に大きなピークがある「右肩下がり→上がり」の消費パターン

2. 住宅タイプによる効率差が明確

同じ人数の世帯でも、集合住宅は戸建よりもエネルギー効率が良い傾向にあります:

  • 4人家族の場合、集合住宅の電力消費量は戸建の約75%
  • ガス消費量も集合住宅の方が少なめ(戸建の約70~80%程度)

3. 世帯人数による差は逓減する

世帯人数が増えるにつれてエネルギー消費量は増加しますが、1人当たりの消費量は減少します:

  • 1人から2人になると消費量は約1.5~1.7倍
  • 2人から3人では約1.2~1.3倍
  • 3人から4人では約1.1~1.2倍
  • 4人から5人以上では約1.1倍程度

これは冷蔵庫や照明など、世帯全体で共有する設備の消費量が固定的であるためです。

4. オール電化のインパクトは大きい

オール電化住宅への移行は、電力消費量に大きな影響を与えます:

  • 電力消費量は同条件のガス併用世帯の約1.3~1.5倍に増加
  • 特に冬季の電力消費量が大幅に増加(給湯・暖房負荷)
  • ただし、月々のガス基本料金がなくなるメリットもある

家庭のエネルギー消費を抑える効果的な方法

これまでのデータを踏まえ、家庭のエネルギー消費を効率的に抑えるためのポイントをまとめます:

住宅の断熱性向上

最も効果的な対策の一つが住宅の断熱性向上です:

  • 窓の断熱改修(二重窓、断熱フィルムなど)
  • 壁・天井・床の断熱強化
  • すき間風対策(ドア下部のすき間テープなど)

断熱性が向上すると、冷暖房のエネルギー消費が20~30%程度削減できるケースもあります。

高効率機器への更新

エネルギー消費が大きい機器を高効率モデルに更新することも効果的です:

  • 給湯器:従来型→エコジョーズ/エコキュート(約20%削減)
  • エアコン:10年以上前のモデル→最新モデル(約30%削減)
  • 冷蔵庫:10年以上前のモデル→最新モデル(約40%削減)

運用改善・使い方の工夫

設備投資なしでもできる運用改善も重要です:

  • 冷暖房の適正温度設定(冷房28℃、暖房20℃)
  • 不要な照明・待機電力のカット
  • 冷蔵庫の詰めすぎ防止、適正温度設定
  • エアコンフィルターの定期清掃

エネルギー生産・自家消費の検討

特にオール電化住宅では以下の対策も効果的です:

  • 太陽光発電システムの導入(昼間の自家消費)
  • 蓄電池の活用(電力料金の安い夜間電力を蓄電)
  • HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)による見える化・制御

 

まとめ:あなたの家庭のエネルギー消費を見直すポイント

本記事では、日本全国の家庭における電力・ガス使用量の実態を、住宅タイプ、世帯人数、エネルギータイプ別に詳しく解説しました。最後に、あなたの家庭のエネルギー消費を見直すためのポイントをまとめます:

  1. 自分の家庭の位置づけを知る:この記事のデータと自宅の使用量を比較し、平均と比べて多いのか少ないのか確認しましょう。検針票や電力会社・ガス会社のWebサービスで確認できます。

  2. 季節変動パターンを把握する:あなたの家庭の季節変動パターンを分析し、特に使用量が多い季節の対策を考えましょう。

  3. 大きな消費源を特定する:一般的に家庭のエネルギー消費割合は、給湯約30%、冷暖房約25%、照明・家電約35%、調理約10%程度です。自宅でどの用途のエネルギー消費が多いかを把握しましょう。

  4. 効果的な対策を講じる:断熱改修、高効率機器への更新、運用改善など、費用対効果の高い対策から順に実施していきましょう。

  5. 継続的にモニタリングする:対策の効果を確認するため、継続的にエネルギー消費量をモニタリングしましょう。

エネルギー消費の見直しは、光熱費の削減だけでなく、地球環境保全にも貢献します。この記事のデータを参考に、あなたの家庭に最適なエネルギー利用を考えてみてはいかがでしょうか。

 

参考文献

無料30日お試し登録
今すぐエネがえるASPの全機能を
体験してみませんか?

無料トライアル後に勝手に課金されることはありません。安心してお試しください。

著者情報

国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。お仕事・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

コメント

たった15秒でシミュレーション完了!誰でもすぐに太陽光・蓄電池の提案が可能!
たった15秒でシミュレーション完了!
誰でもすぐに太陽光・蓄電池の提案が可能!