NEDO METPV20日射量は1時間毎だが、どう30分値の発電量・自家消費シミュレーションに適用させるか?

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国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。環境省、トヨタ自働車、東京ガス、パナソニック、オムロン、シャープ、伊藤忠商事、東急不動産、ソフトバンク、村田製作所など大手企業や全国中小工務店、販売施工店など国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。再エネ設備導入効果シミュレーション及び再エネ関連事業の事業戦略・マーケティング・セールス・生成AIに関するエキスパート。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。Xアカウント:@satoruhiguchi。お仕事・新規事業・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

エネがえるキャラクター
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NEDO METPV20日射量は1時間毎だが、どう30分値の発電量・自家消費シミュレーションに適用させるか?

はじめに:再エネ普及の鍵は「見える化」と信頼性

再生可能エネルギーの導入加速や脱炭素社会の実現には、技術的な革新だけでなく、経済効果の「見える化」とシミュレーション結果の信頼性向上が欠かせません。

特に太陽光発電や蓄電池は初期投資が大きいため、「本当に投資回収できるのか?」という不安が導入のボトルネックになっています。国際航業の調査でも、産業用太陽光を導入しなかった企業の過半数が投資回収への懸念を抱いていたことが分かっています。こうした懸念を払拭するには、高精度な発電量・経済効果シミュレーションによって、ROI(投資対効果)や回収期間を迅速かつ明確に示すことが重要です。実際、最新のクラウド型シミュレーターでは、従来数日かかっていたROI計算をわずか10分で完了し、自動レポート化できる機能も登場しました。

本記事では、シミュレーション精度を左右するデータ分解能(時間解像度)の課題に焦点を当て、NEDOの標準日射データを用いた発電量試算を30分値・365日で高精細化する方法と、その背景にある課題・ソリューションについて解説します。さらに、業界アンケート結果から見える根源的課題や、最新サービス動向(シミュレーション保証やBPOの活用など)を整理し、日本の再エネ普及促進に向けた実効性のある解決策を提言します。

1. データ分解能の課題:1時間値の日射データ vs 30分値デマンド

NEDOのMETPV-20は国内で広く使われる高精度な日射量データベースで、全国メッシュごとの毎時(日毎24コマ)の水平面日射量データを収録しています。一方、工場やビルの消費電力(デマンド)データはスマートメーター等により30分ごとの値(1日48コマ)で提供されるのが一般的です。この時間解像度の差を埋めずにシミュレーションを行うと、以下のような問題が生じます。

  • ピーク電力の過小評価:デマンド契約では30分間の平均電力が料金に影響するため、PV発電を考慮したピークカット効果を正確に評価するには30分単位での発電・消費プロファイルが必要です。毎時平均の発電量データしかない場合、ある時間帯内の前半と後半で需要・発電のばらつきを捉えられず、ピークシフト効果や無効時間帯を見落とす恐れがあります。特に朝夕の短時間の負荷ピーク雲の切れ間による一時的な日射変動など、30分未満の変動要素がシミュレーション精度に影響します。

  • 蓄電池シミュレーション精度:蓄電池は短時間での充放電制御により経済効果を最大化します。例えば「日中の余剰発電を蓄電→夕方ピークで放電」という自家消費最適化は、30分刻みで発電・負荷バランスを見ないと正確に再現できません。1時間データでは実際には前半に溜めて後半に放出していた電力を平均化してしまい、蓄電池の働きによる電力購入削減効果ピークカット効果過小評価する可能性があります。

  • 動的料金プランへの対応:近年はJEPX市場連動型など30分毎に変動する電力料金プランも普及しつつあります。こうした時間別単価を織り込んだシミュレーションでは、発電・消費データも同じ粒度(30分)で揃える必要があります。価格変動の激しい30分単位でPV・蓄電池の動作を最適化し、安価時間帯に充電・高価時間帯に放電/削減するといった経済効果を算出するためには、高解像度データが不可欠です。

以上のように、発電データを需要データと同じ30分値に補正・変換することが精度向上のポイントとなります。

2. 1時間データから30分データへの補正方法

では具体的に、METPV-20のような毎時日射量データからどのように30分値の発電量に変換すれば良いのでしょうか。基本的なアプローチは次の2つです。

(A) 線形補間・分割による近似:もっともシンプルな方法は、各1時間値を前後の値をもとに線形補間し、30分刻みに細分化することです。例えば1時間あたりの積算日射量が与えられている場合、その値を前半・後半に1/2ずつ配分するか、または隣接する時間の値との間で直線補間して2分割します。太陽光の照度変化は1時間程度では概ね滑らかであるため、晴天時や薄曇り時は線形補完でも大きな誤差なく近似可能です。ただし日の出・日の入り直後や急激な天候変化がある場合は、1時間内でゼロからピークへの変動が生じるため注意が必要です。この場合、単純な1/2配分では前半0・後半フル発電のケースなどを表現できません。そのため厳密には太陽高度角に基づき日射強度の時間分布曲線を仮定して補正する方法もあります。例えば、各正時の値をクリアスカイモデルでの太陽位置に応じた重みで内挿することで、実際の半時間ごとの発電推移をより忠実に再現できます。

(B) 高分解能データの利用:最も精度が高いのは、初めから30分ごとの実測または推定日射データを用いる方法です。日本気象協会や民間の気象データ企業が提供するサービスでは、気象衛星「ひまわり」などの雲画像解析を用いて全国の任意地点の日射量を30分またはさらに細かい間隔で推計してくれるものがあります。その代表例がSolar-Mesh(ソーラーメッシュ)というサービスです。Solar-Meshはアリョール株式会社が提供する太陽光発電シミュレーションシステムで、気象学のノウハウを取り入れ過去の雲の動きを反映した高精度日射量データベースです。地図上で地点ごとの日射量や予測発電量の分布を可視化でき、CSVデータとして出力して活用することも可能です。衛星画像は基本30分毎に更新されますので、Solar-Meshから得られるデータは1日48コマの半時間実績値となり、これを使えば需要側30分データとの高精度なマッチングが実現します。その他、SolargisSolcastといった海外の衛星データサービスも世界各地の高分解能日射データを提供しており、日本国内でも利用可能です。一部はAPI経由で特定地点の時系列データを取得できるため、シミュレーションシステムに組み込んで自動で気象データ取得・演算を行うこともできます。

どちらの方法を選ぶべきか?

結論として、要求精度とコストに応じて使い分けるのが現実的です。(A)の補間法は追加コストなく既存データで対応できますが、厳密性では(B)に劣ります。(B)の専用データ利用は月額利用料やデータ購入費が発生しますが、シビアなプロジェクト(例:大規模設備の詳細設計や性能保証契約を伴う案件)では投資に見合うリターンがあります。

近年はクラウド型シミュレーションツール側でも、高解像度データ連携を容易にする機能が増えています。例えば国際航業のエネがえるBizでは、他社シミュレーションソフトで計算した30分または60分間隔の発電量データをCSVインポートする機能を提供しており、専門ツールで算出した詳細データをそのまま経済効果評価に反映できます。実務上は、まず(A)の簡易法で迅速に概算シミュレーションを行い、導入意欲が高まった段階で(B)の高精度法により詳細設計・保証値算出を行うという二段構えも有効でしょう。

※注  2026年に向けてエネがえるプロダクトを現状の時間帯別解像度から30分値解像度での計算にバージョンアップ予定です。現在、日射量データベースはNEDO METPV20(時間帯別)を参照していますが、今後要望に応じて30分値の日射量データベースの併用も検討中です。

3. JIS準拠の発電量計算式とシミュレーション精度

データ分解能のほかに、シミュレーション精度を左右する重要要素として計算モデルの質が挙げられます。日本国内で広く参照されるのがJIS C 8907の発電量推計式です。エネがえるをはじめ多くの国内向けツールはこのJIS規格モデルをベースにしており、パネルの公称出力に日射強度と各種ロス係数を掛け合わせて発電出力を算出します。

エネがえるの場合、総合的な設計係数(ロスファクター)を初期値0.85に設定し、この中にパネルの温度特性ロス、配線ロス、パワコン変換効率など標準的な損失を織り込んでいます。影の影響については厳密な3Dシミュレーションは行わず、この設計係数を減ずる(例えば0.85→0.80)ことで簡易的に日陰ロスを調整するアプローチを採っています。

住宅用など小規模案件であれば、複雑なシャドウ解析をせずとも係数調整による簡易補正で十分な精度が得られるケースが多いためです。一方、メガソーラーや都市部の狭小案件など影の影響が無視できない場合には、Solar Proi-Palsといった専門ソフトで直達日射・散乱日射を分離計算し、バイパスダイオード動作まで考慮した詳細シミュレーションを行う必要があるでしょう。

このように精緻なモデルで算出した30分~60分刻みの発電量データは前述の通りエネがえるBizにインポート可能で、影込みの発電パターンを365日分反映した経済評価(現状は1時間毎。今後30分値での高解像度推計にバージョンアップ予定)が行えます。

精度確保の観点では、入力データの質も極めて重要です。せっかく高度なモデルを使っても、日射量や気象条件の入力が粗雑では正確な出力は得られません。シミュレーションソフト選定基準としてまず確認すべきなのは、「NEDOのMETPV-20やMONSOLA-20といった高精度データを使用しているか」という点です。METPV-20は日本全国の代表年気象データであり、水平面の日射量・気温・風速などの直達・散乱成分まで含む毎時データが整備されています。これを使えば各地域の傾斜面日射量を的確に算出でき、ひいては発電量予測の信頼性が高まります。

逆に無料の簡易ツールではこのような精細データまで対応していないケースもあり、年間または月間平均の日射量からざっくりと算出していることもあります。精度と信頼性を重視するなら、入力データ→モデル計算→出力レポートまで一貫して実測・実態に即したエンジニアリングがなされたツールを選ぶべきです。

4. 業務効率と提案精度:ツール活用の効果

高解像度データ高精度モデルを駆使したシミュレーションは、顧客への提案内容をより具体的で説得力のあるものにします。

事実、営業現場でシミュレーションツールを使いこなすか否か成約率に大きな差を生んでいるというデータもあります。国際航業の調査(独自レポートVol.26)によれば、2024年度に営業目標を達成した担当者の48.2%が商談時に経済効果シミュレーションツールを活用しており、未達成者より21.3ポイントも高い割合でした。エネがえる導入企業の成功事例(30-90%の高い成約率)を見ていてもこの結果を裏付けています。

また提案書の満足度も、ツール活用が少ない営業ほど「自社の提案資料に満足していない」人が多い傾向が見られています。この結果は、数字に裏打ちされた提案いかにお客様の心を動かし営業側の自信にも繋がるかを物語っています。

さらに、シミュレーション活用は営業プロセスの効率化にも寄与します。従来、産業用PVの投資採算を一式算出するには、電気代削減効果や余剰売電収入、キャッシュフロー試算や補助金反映など複雑な計算が絡み、ベテランでも数日を要する作業でした。しかし最新のクラウドSaaS「エネがえるBiz」は、販売価格や補助金、ランニングコスト、電気料金プランなどの条件を入力すると、わずか10分で長期収支・ROI・投資回収年数まで自動計算された詳細レポートが生成されます。

これは裏で高精度シミュレーションを高速実行し、さらにExcel計算やグラフ作成まで自動化しているためです。この機能により、営業担当者はスピーディーかつ定量的な提案が可能となり、「見積作成に時間を取られ他の商談機会を逃す」といった機会損失も減らせます。実際、「提案初期段階からもっと具体的な数値を出してほしい」というお客様ニーズも強く、太陽光・蓄電池導入検討企業の約7割が初回提案時点で詳細な試算結果を望むとの調査もあります。シミュレーションが迅速性と具体性を両立することで、顧客の導入意欲を高められるのです。

5. 信頼性への挑戦:シミュレーション結果保証と第三者評価

いかに精緻なシミュレーションでも、お客様からの信頼を得られなければ成約には繋がりません。残念ながら業界の現状では、営業担当者の83.9%が「お客様からシミュレーション結果の信憑性を疑われた経験がある」と回答しています。特に住宅用では「本当に電気代がそんなに下がるの?」といった具合に、提示された数字に半信半疑な反応をされるケースが多いようです。

一方で、シミュレーション結果に対する何らかの保証があれば導入に前向きになる顧客も多く、一般消費者の約7割が「結果保証があれば太陽光・蓄電池の導入を検討したい」と答えています。さらに65.4%の人が「保証があれば家族の同意も得やすくなる」とまで述べており、これは意思決定においてシミュレーションの信頼性がいかに重視されているかを示しています。

こうした声を受け、業界ではシミュレーション結果の保証サービスが生まれ始めています。国際航業と日本リビング保証が提携して2024年に開始した「経済効果シミュレーション保証」はその代表例です。具体的には、太陽光発電・蓄電システムの導入後一定期間において、シミュレーションした発電量の8割が達成されなかった場合に差額を補填する仕組みです。いわば発電量保証の経済効果版とも言えるこのサービスは、販売施工店にとっては顧客の不安を解消し成約率を高める武器になりますし、顧客にとっても専門知識がなくても安心して投資判断できる環境づくりに繋がります。実際、シミュレーション保証の提供開始以降、「結果にコミットしてくれるなら導入したい」という問い合わせが増えているとのことです。保証を付けるためには精度の高い予測慎重な前提条件設定が必要ですが、これまで曖昧だったシミュレーション結果にお墨付きを与える意義は大きく、再エネ普及の新たなドライバーになる可能性があります。

また金融機関の融資審査でも、シミュレーション結果の信頼性は重要になっています。太陽光・蓄電池向けの融資に関する調査では、86.0%の担当者が「審査・評価に課題あり」と回答し、その一因として事業計画中の発電量予測の信憑性が挙げられています。銀行側でも自前で専門的な発電シミュレーションを行うのは難しく、外部の第三者評価を求める動きがあります。専門会社のシミュレーションレポートや保証付きプランがあれば、金融側も融資判断を下しやすくなり、結果としてプロジェクト実現性が高まるでしょう。再エネ事業の拡大には、このように顧客-販売者-金融機関の三者間でデータを共有し信頼性を確保する枠組みがますます重要になると考えられます。

6. 人材・ノウハウ不足を補う仕組み:DXとBPOの活用

再エネ導入提案におけるもう一つの本質的課題は、担い手の人材不足とノウハウの属人化です。太陽光・蓄電池の販売・施工会社において、営業や設計部門で経験不足の人材が増えており、経済効果試算に苦手意識を持つ営業担当者も少なくありません。ある調査では営業担当者の約7割が「経済効果の試算が苦手」と回答し、様々な条件でのシミュレーション比較ができないことが課題として挙げられました。また太陽光業界全体で見ると、電気工事士など技術職の人材確保が難しいという声も90%以上の企業から上がっており、その理由として「必要資格を持つ応募者が少ない」が最多でした。こうした中、人材不足を補い社内の負担を軽減する策として注目されているのが業務のデジタル化(DX)アウトソーシング(BPO)です。

DXの面では、前述したようなクラウドシミュレーションツールやAPIの活用が挙げられます。例えばエネがえるはAPI経由でシミュレーション機能を提供しており、企業は自社のシステムやWebサイトに組み込んで自動試算サービスを構築できます。2025年3月にはエネがえるAPIが大幅アップデートされ、住宅用から産業用、自家消費型PV・蓄電池、EV・V2H・充電器、さらに自治体の補助金情報まで網羅するオールインワンの機能が公開されました。このように幅広い要素を一元シミュレーションできる環境が整うことで、ユーザー企業側は複数ツールを使い分ける手間やデータ突合のミスを減らし、提案業務の標準化・効率化が進みます。実際、新電力会社やEV充電器メーカー、大手商社などがこのAPIを導入し、自社のお客様向け見積もりシステムに活用し始めています。さらにDXの進化系として、AIの活用も見逃せません。チャットGPTのような生成AIを営業現場で試算に使いたいというニーズも高まっており、ボイスアシスタントに物件条件を話せば瞬時にシミュレーション結果を返す――そんな未来も遠くありません。

BPO(Business Process Outsourcing)の面では、シミュレーション代行サービス提案業務丸ごとアウトソーシングといったソリューションが登場しています。国際航業とエコリンクスが提携して提供を始めた「エネがえるBPO/BPaaS」では、太陽光・蓄電池導入の経済効果試算から太陽光レイアウト・割り付け設計補助金申請代行従業員研修まで、必要に応じて1件単発から丸ごと一括で支援してくれます。経済効果試算は1件あたり1万円~で最短1営業日というスピード対応とのことで、繁忙期に見積依頼が殺到しても外部リソースでカバーできるメリットがあります。アンケートでも、太陽光販売会社の約80.6%が「社内スキルに課題がある」と回答し、負担業務の外部委託に興味ありとしています。BPOを活用すれば少人数でも受注チャンスを逃さず営業が回せますし、同時にプロの試算を学ぶことで社内のスキル向上にも繋がります。特に新しい製品領域(例:V2Hや複数EVの統合システム)は社内ノウハウが乏しいため、こうした外部支援を適宜取り入れる柔軟さが、中小企業が再エネビジネスで成長する鍵と言えるでしょう。

7. まとめ:精緻なシミュレーションで不透明感を払拭し、再エネ普及を加速する

再生可能エネルギーの世界では、「なんとなく環境によさそうだから」という情緒的な動機づけだけでは普及に限界があります。電力料金高騰や脱炭素ニーズの高まりにより、多くの企業・家庭が太陽光や蓄電池に興味を持ち始めていますが、最後の一歩を踏み出すには経済的メリットへの確信が必要です。今回取り上げたデータ分解能の向上(30分値シミュレーション)やシミュレーション結果保証提案DX/BPOは、その確信を生むための具体策です。

30分値・365日シミュレーションは、単なる技術的こだわりではなく、実際の電力使用パターンと収支をズレなく描き出すための手段です。NEDOの1時間データを工夫して半時間化する、あるいはSolar-Mesh等の詳細データを取り入れることで、太陽光発電とエネルギー利用のリアルな相互作用が見えてきます。これによりピークカット効果や蓄電池運用メリットが明示され、導入判断も合理的に下せるでしょう。

さらに、そのシミュレーションの質と信頼性を高める努力(JIS準拠モデル+高精度データ+影考慮など)を重ね、結果にコミットする姿勢を示すことが、市場の不安を取り除きます。シミュレーション結果の保証はまさにその究極形であり、「数字に責任を持つ」という販売側の覚悟が伝われば、お客様も安心して投資できます。実際、補助金の拡充など政策的支援と相まって、「経済効果の不透明さ」という再エネ普及のボトルネックは徐々に解消に向かうでしょう。

最後に忘れてはならないのが、こうした最先端のツールやサービスを「使いこなす人材」です。せっかく世界最高水準のシミュレーション技術があっても、宝の持ち腐れでは意味がありません。幸い、クラウドSaaSやAPIによってそのハードルは下がり、専門教育を受けていない営業担当者でも直感的に操作できるUI自動レポート機能が充実しています。また、属人的スキルに依存しないよう社外リソースを組み合わせる発想も広がっています。誰もが簡単に正確なシミュレーションができる環境を整えることが、ひいては再エネ導入の民主化に繋がるのです。

結論として、データの精度活用の工夫、そして信頼性担保の仕組みづくりによって、「経済的に得かどうか分からないから導入に踏み切れない」という状況を打破できます。高度なシステム思考とクリエイティビティをもってシミュレーションの可能性を追求し、業界の常識に埋もれていた課題に切り込みましょう。数字の裏付けが人々のモヤモヤを晴らし、再エネ普及の追い風になることは間違いありません。精密だが分かりやすい見える化で未来への投資を後押しし、日本の脱炭素シフトを力強く前進させていきましょう。


ファクトチェックと参考資料まとめ(Fact Check Summary)

本記事の内容は信頼できる各種データソースに基づいています。NEDOの「METPV-20」解説資料により同データベースが毎時データで構成されていることを確認しました。電力需要データが30分値(1日48コマ)で提供される事実については、国内電力会社の標準フォーマットやシミュレーションツールのFAQにて確認済みです。国際航業の提供するクラウドサービス「エネがえる」の機能・仕様に関する記述(JIS規格に基づく計算式採用、設計係数の扱い、CSVデータ連携機能など)は、同社公式サイトのブログ記事およびFAQの情報に基づいています。例えば、エネがえるBizが365日×1時間単位で発電・経済効果シミュレーションを行い、30分値発電データのインポートにも対応している点は公式説明に明記されています。また、Solar-Mesh等の気象データサービスについての紹介は、提供元であるアリョール社の製品情報(イプロスの掲載ページ)を参照し、その特徴(衛星画像解析による日射量推計、CSV出力機能など)を反映しています。各種統計数字(例:営業担当者の**83.9%**がシミュレーション結果の信頼性に疑問を呈された経験あり 等)は国際航業の「独自レポート」シリーズの調査結果に基づき、その出典を明示しています。ROI算出時間短縮やAPIアップデートに関する情報も同社のニュースリリースから引用し、最新の業界動向として正確性を期しました。本記事で使用した参考資料は以下にリンク形式で示しており、読者は【】内の番号をクリックすることで原典をご確認いただけます。以上、事実確認を徹底することで記事全体の信頼性を担保しています。

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国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。環境省、トヨタ自働車、東京ガス、パナソニック、オムロン、シャープ、伊藤忠商事、東急不動産、ソフトバンク、村田製作所など大手企業や全国中小工務店、販売施工店など国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。再エネ設備導入効果シミュレーション及び再エネ関連事業の事業戦略・マーケティング・セールス・生成AIに関するエキスパート。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。Xアカウント:@satoruhiguchi。お仕事・新規事業・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

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