産業用蓄電池の補助金|申請の対象や東京都の補助金・今後の蓄電池の普及を解説

産業用蓄電池の補助金|申請の対象や東京都の補助金・今後の蓄電池の普及を解説

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産業用蓄電池の補助金|申請の対象や東京都の補助金・今後の蓄電池の普及を解説

産業用蓄電池の導入は、補助金を活用することで初期投資のコストを抑えやすくなります。ただし、補助金の対象や金額が異なるため、導入時の予算とコストを考慮することが重要です。この記事では、産業用の蓄電池の補助金や導入時の注意点、今後の産業用蓄電池の普及について解説します。補助金を利用して産業用の蓄電池を導入する際は、ぜひ参考にしてください。

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産業用蓄電池とは

産業用蓄電池とはオフィスビルや事務所、工場などの建物に設置する蓄電システムのことです。太陽光発電で充電した電気を蓄電し、供給用の電力として放電できます。産業用蓄電池は家庭用蓄電池と比べて数倍〜数十倍以上の容量を備えているため、大容量の蓄電に対応している点が特徴です。


産業用蓄電池の用途

産業用蓄電池は非常用の電源としての利用や、通常の電気料の節約に役立ちます。以下で、解説します。


非常用電源として使用する

産業用蓄電池は自然災害が起きた時や、突然の停電などで電力が止まった時に非常用電力としての活用が可能です。蓄電池に電力を蓄えていれば、一週間程度の非常用電源の確保ができるとされています。蓄電池の性能には差があるものの、地震や台風などの災害による被害を想定すると導入する必要性が高いといえます。


電気代の節約に活用する

蓄電池が夜間に充電をした電力は、電気料金が高くなるピークタイムに使用できるので、電気代の節約が可能です。太陽光発電設備と蓄電池を連携させると、より効率よく電力を抑えられて節電の効果を高められます。


産業用蓄電池の補助金

以下で、産業用蓄電池の補助金や公募の期限、導入時の助成額などについて解説します。


ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業補助金

新規に太陽光発電システムや蓄電池の導入の支援を推進するための制度です。導入済みの太陽光発電設備は補助対象外になります。定置用蓄電池のみの申請は不可ですが、新規に太陽光発電システムを導入する場合は、蓄電池のみの助成金を申請できます。また、条件付きで車載型蓄電池も補助金の対象です。


制度の公募は2022年6月15日に終了していますが、2024年度まで補助金の受給が実施されます。


※参考:PPA活用等による地域の再エネ主⼒化・レジリエンス強化促進事業(環境省:https://www.env.go.jp/guide/budget/r04/yosan1-1-3.pdf)


補助金の助成額

産業用の定置用蓄電池の助成額は、定額6.3万円/kWhに設定されています。車載型蓄電池は、蓄電容量 (kWh) の2分の1を基準にして、4万円を乗じた額が援助されます。2023年からの申請は増えることが予想されるため、2022年の10月〜11月ごろから準備しましょう。


※参考:PPA活用等による地域の再エネ主⼒化・レジリエンス強化促進事業(環境省:https://www.env.go.jp/guide/budget/r04/yosan1-1-3.pdf)


東京都の補助金

東京都の産業用蓄電池に対する補助金は、補助額の上限を10万円/kWhとして、1戸あたり最大80万円/までの申請が可能です。補助率は機器費の1/2になります。東京都の予算は337億円で、9,000件を想定件数にしています。


2021年度の補助額上限は7万円/kWhで、最大42万円でした。2022年からの補助金は1kWh辺り10万円まで引き上げられています。2022年から補助金の換算が1戸あたりになったことで、トータルの補助金額が少なくなる可能性があります。2台以上の蓄電池を設置する場合は、補助金の額を考慮したうえで導入しましょう。


※参考:災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業(環境省:https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/home/dannetsu-solar.html


蓄電池導入に必要な費用

蓄電池導入に必要な費用は、本体や工事費用などさまざまです。以下で、解説します。


蓄電池本体の費用

蓄電池本体の価格は、メーカーや種類などで異なります。購入時は商品を比較して選ぶことが重要です。費用の合計を算出する際は蓄電池本体の価格だけでなく、周辺機器を含めた費用を計算しましょう。


蓄電池の設置や工事の費用

蓄電池を設置する際の工事に費用がかかります。屋外と屋内の設置によって工事内容は変わるため、設置場所によって費用変動することを考慮しましょう。屋外に設置する場合は、建屋が必要になるので合計の費用が増えます。


電気工事にかかる費用

蓄電池は設置した後に、電気系統の配線工事が必要です。一般的には設備や工事費用に電気工事費を含めますが、別の業者が工事を担当することもあります。電気工事費を含めた費用は、複数の業者を比較したうえで選びましょう。


2022年の電気代高騰の背景

電気代高騰の大きな原因は、発電燃料費の高騰や再エネルギー賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)です。発電燃料であるLNG(液化天然ガス)の価格が高騰しているため、電気代にも反映されます。


世界的にLNGの需要が増加しているなか、LNGが不足していることやウクライナ危機の影響もあります。電気代の高騰を抑えるためには、省エネを意識した電気の使い方をしていく必要があります。


太陽光自家消費のトレンド

太陽光自家消費とは、太陽光発電で作った電気を電力会社に売らずに、自社設備で自家消費するシステムです。政府は、2030年度の温室効果ガス削減の目標達成を目指し、太陽光発電機能設備の導入を推奨しています。


FIT制度(固定価格買取制度)の期間が終わった家庭に、太陽光自家消費の人気が高まることが予想されています。太陽光自家消費の普及に伴い、今後の蓄電池の導入コストが安くなる可能性も期待されています。


産業用蓄電池を導入するメリット

産業用蓄電池を導入するメリットは、電力発電の事業化や災害時の対応などです。以下で、解説します。


電気を売却できる

産業用蓄電池と太陽光パネルで生み出した電力は、売却すると利益が得られます。ソーラーパネルを過積載することで利益を増やせるので、1つの事業として電力を売却できます。


過積載とは、パワーコンディショナの出力以上の太陽光パネルを設置する方法のことです。パネルの設置により、本来であれば捨てるはずの電力を貯めて売却できます。余剰に発電した電力の売電ロスの防止につながり、事業の利益率を高められます。


災害時の避難拠点になる

産業蓄電池の電力を活用すると、災害時の地域の避難拠点として電力を供給できる場所になります。広い敷地の会社や工場などは多量の電力の供給に加えて、避難拠点としての活用が期待されています。


太陽光発電システムの変更がない

産業蓄電池は、既存の太陽光発電システムへの設置が可能です。太陽光システムの改修や設備交換などを必要とせず、太陽光発電と蓄電池を接続できます。ただし、互換性のない蓄電池を設置している企業は、システムの変更が必要になります。業者に工事を依頼する際は、事前に工事が必要かどうかの確認をしましょう。


産業用蓄電池を導入する際の注意点

産業用蓄電池を導入する際は、設置スペースや電池の寿命などに注意が必要です。以下で、解説します。


設置するスペースが必要になる

産業蓄電池を設置する際は、高さ2m程度、横と奥行きが1m程度のスペースが必要です。蓄電池はどこにでも設置できるものではなく、適した場所のみ設置が可能です。産業用蓄電池の重量は200kg以上になる場合があるため、コンクリートの床に設置する必要があります。


産業用蓄電池は利用する時に熱を発するため、屋外の直射日光があたらない場所や、高温多湿な環境の設置は避けましょう。塩害が想定される場合も同様に、屋外の設置を避けてください。


充電可能な回数に制限がある

蓄電池の寿命は10年〜15年といわれており、使用制限がある点に注意が必要です。蓄電池は長くても10年程度の寿命でしたが、現在の蓄電池は年々性能が向上していることで、使用年数が長くなっています。


蓄電池の充電回数は、サイクル数で表記します。サイクル数は充電と放電を1セットにして計算しているので、寿命が長い蓄電池を選ぶために数値の高いものを選びましょう。


初期投資費用がかかる

蓄電池を導入する際は、100万円以上の初期投資費用がかかります。少しでも安く導入するために、補助金を活用して導入費用を抑える工夫が必要です。都道府県や市区町村の自治体の補助を確認して、利用できる制度を探しましょう。


今後の蓄電池普及に向けて

政府は平成 23 年度第3 次補正予算において、「節電エコ補助金」を創設しました。2030年までに、年間の一時エネルギー消費量がネットでゼロとなる建築物であるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の実現を目標に掲げています。


今後も産業蓄電池の普及に向けて、政府の活動の継続が予想されます。補助金を利用できる期間には制限があるため、産業用蓄電池の導入を検討している企業は、早めに制度の利用を検討しましょう。


※参考:蓄電池戦略(環境省:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/npu/policy04/pdf/20120705/sanko_shiryo1.pdf)


まとめ

産業用蓄電池は補助金を利用し、価格を抑えて導入することが重要です。政府や各都道府県で補助金の制度の導入を推進していますが、補助金の公募には限りがあります。蓄電池を導入して節電や電力の売却などを検討している場合は、早めの対応をおすすめします。

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●著者プロフィール

会社名:国際航業株式会社

部署名:公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

執筆者名:樋口 悟

執筆者の略歴:国際航業株式会社エネルギー部デジタルエネルギーグループ。エネルギー診断クラウドサービス「エネがえる」担当。1996年東京学芸大学教育学部人間科学課程スポーツコーチ学科卒業。1997年上場大手コールセンター会社に入社、2000年大手上場小売企業グループのインターネット関連会社で最年少役員に就任。2011年に独立起業。大企業向けにSNSマーケティングやアンバサダーマーケティングを提供するAsian Linked Marketingを設立。30以上の大手上場企業のプロジェクトを担当。5年で挫折。2016年国際航業株式会社新規事業開発部に入社しエネルギー領域の事業開発、エネがえる事業開発を担当。
https://energy-shift.com/news/author/71cbba7e-dbbc-4728-9349-9cdbed975c6e

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