自家消費型太陽光による電気代削減提案・設計 実践編その③「24時間365日電気を使う工場への設置」

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国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

自家消費型太陽光による電気代削減提案・設計 実践編その③「24時間365日電気を使う工場への設置」

こんにちは!共伸興建で経営企画を担当している市川と申します。

今回は「自家消費型太陽光による電気代削減提案・設計 実践編その③「24時間365日電気を使う工場への設置」」ということで、

「24時間365日電気を使う工場への設置」をテーマにお話をしていきます。

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本記事は当該動画を文章化したものとなっております。

画面を投影した説明に興味のある方はぜひこちらも併せてご覧ください。

■参考)動画版はこちら

https://www.youtube.com/watch?v=hoto5YcsNLU

■本記事の特徴?「発電ロス率が0%の案件であること」「ロードカーブパターンを活用した設計方法」

本記事での特徴は「発電ロス率が0%の案件であること」と、

「ロードカーブパターンを活用した設計方法」の2点となります。

発電余剰率が出ないことから、

「設計段階」での差分が出にくい案件となります。

エネがえるBiz」のようなシミュレーションツールを導入している企業の価値としては、

他社よりもシミュレーションの「速度」と「精度」が高いことだけでなく、

「最適な設計ができること」が大きな要素となります。

一方で発電ロス率が0%となるような、

大量に電気を使用している企業様への設置提案となる場合は、

「余剰が出ているため少しパネルを減らそうか」などの設計調整上の会話をすることが御座いません。

※以下に当該企業様が太陽光向きかを説明する上でのお話はするケースもありますが・・・。

つまり、他の企業様からの提案と似たような提案になってしまう状況となります。

そうなると「最適な設計ができる」ことの優位性が少なくなってしまいます。

アドバンテージがなくなり不利になる。

ということです。

これについてどのように対策するべきでしょうか?

値下げ合戦でしか戦う道はないのでしょうか?

本記事では、似通った提案になってしまいやすい案件についてお話をしていきます。

どうぞ最後までご覧ください。

■需要家からの反響があった「当日」に商談へ向かえる「業種別ロードカーブパターン」機能とは?

また、シミュレーションには、いつも通り「エネがえるBiz」を活用していきます。

今回は「エネがえるBiz」の強みである、「業種別ロードカーブテンプレート」機能を活用します。

通常、弊社では30分デマンド値や電気料金明細の情報を回収した後でないと、

営業でご訪問にお伺いしません。

理由としては、意欲のあるお客様は往々にして、

30分デマンド値などのデータをご提供くださるためとなります。

一方で中にはすぐに商談へお伺いすることが重要な案件も御座います。

例えば他社様との相見積もりが出きってしまっているケースや、

他社様のスピード感が遅いことにご不満をお持ちのお施主様である場合などです。

この場合は情報収集を行う前にとりあえずお会いする。

という行動が重要なケースも御座います。

そのため、仮に企業様側から電気料金のデータ(30分デマンド値)を

頂いていない状況で提案をお持ちする想定でのシミュレーション作成が重要です。

「エネがえるBiz」では「ロードカーブパターン」の機能を使うことにより、

情報が揃っていない段階でもシミュレーションの作成が可能です。

※11業種44パターン、工場だけでなくドラッグストアやホテル等、提案でありがちな設置対象はある程度網羅されていました。

ご参考までに、公式より案内がある利用シーンは以下の通り。

————————–

エネがえるBizが案内するロードカーブパターンの利用シーン

▼想定される利用シーンは?

①デマンドデータ(30分値)が入手しづらい低圧施設の需要家向け自家消費提案

②取引のない需要家からざっくり概算でのシミュレーションを求められている

③デマンドデータ(30分値)をもらうほどまだ提案が詰まっていない。信頼されていない。

————————–

この中だと弊社では、

②と③のケースがあるように感じます。

①はあまりないですね。※面倒がられることはありますが。

本記事ではロードカーブパターンを活用した内容となっていますので、

お施主様から30分データなどの情報取得を行う前に、

概算でのシミュレーションをもって商談に行きたいと考えている企業様、

或いは営業担当者の方にとって特に有益な内容になっているかと思います。

どうぞ最後までご覧ください!

■案件の概要??電気代:1,000万円/月? ?太陽光発電システム容量:340.5kw PCS容量:261.9kw(過積載率130%)

今回使用するシミュレーションツールは「エネがえるBiz」です。

仮想案件の概要としては以下の通りです。

————————–

<案件概要>

■稼働状況

・電気代:1,000万円/月

・非稼働日状況:年中無休

・非稼働日率:100%

■建物状況

・屋根面積:2,000

・有効屋根面積:1,600

■全面設置時の設計

・システム容量:340.5kW

・PCS容量:261.9kW(過積載率130%)

————————–

こちらを「エネがえるBiz」に入力していくことで、

発電量と太陽光発電ロス率などが出てきます。

なお、今回は「30分デマンド値」のデータを頂けなかったことを想定して、

シミュレーションを進めていきます。

※ロードカーブパターンを活用する格好となります。

業種別ロードカーブパターン(ロードカーブテンプレート)機能の活用手順

ロードカーブパターン機能を活用することで30分デマンド値がない状態でも、

一定の論拠に基づいたシミュレーションを出すことが可能です。

仮のシミュレーションさえ提出できれば、

「精緻なものを出すため、30分デマンド値をください!」も、

交渉として通りやすくなるような格好となります。

ロードカーブパターン機能を活用する場合は以下の手順となります。

※以下以外の方法もありますが、最も利用頻度が高いものを紹介しています。

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ロードカーブパターンの利用手順(超簡易・実用版)

1.「既存テンプレート」のうち適切なものを決める

 ┗電気をたくさん使用する工場 など44種から選ぶ

2.1か月分のみ電気使用量を入力する

 ┗電気料金などをヒアリングして適当な数値を入れる

————————–

今回のケースでは、

「1.「既存テンプレート」のうち適切なものを決める」は、

『【共通】工場・昼夜連続創業・大・平日』を選定。

「2.1か月分のみ電気使用量を入力する」は、

電気代が月間1,000万円ほどとヒアリングできている前提から、

ざっくりと300,000kWh/月としました。

なお、月ごとに電気使用量の緩急が存在します。

通常であれば12カ月分の電気使用量を入手して入力することが望ましいのですが、

それほど大量のデータをくださる会社様であれば、

30分デマンド値も併せて提供して下さるので、

全てを実データで入力することは現実的ではありません。

そのため季節ごとの電気使用量の緩急は推定する必要があります。

これを目測で行うことは大変ですが、

なんと「エネがえるBiz」で自動入力をする機能があります。

これはかなり便利ですので、ぜひ利用しましょう。

※年間の使用量から逆算して各月に入力する機能があると最高なのですが、その機能は無い(2023年8月時点)ため、そこはちょっと面倒でマイナスなポイントです。

以上の手順を行うことで、

30分デマンド値がない状態でも、当該企業様の電気使用量データが推定できた。

そういった格好になります。

ここまで進んだら、別の案件と同様に進めていきましょう!

実際の設計内容 屋根上太陽光発電システム容量340.5kW / PCS容量261.9kW(過積載率130%)

前述の屋根全面設置時の設計内容を、以下の通り再掲します。

————————–

<再掲)屋根全面設置時の設計内容>

■全面設置時の設計

・システム容量:340.5kW

・PCS容量:261.9kW(過積載率130%)

————————–

これをいつも通り、「エネがえるbiz」のシミュレーションにかけていきます。

30分デマンド値がない状態で電気使用量データを仮想で制作しましたが、

仮にこれで太陽光発電システムの余剰率が大きく出てしまった場合は、

パネル枚数を屋根全面設置ではなく、減らす対応が必要になってきます。

結果としてはどうでしょうか!?

それではシミュレーション結果に行ってみましょう!


なんと、

「太陽光発電システム余剰率が0%」

という結果になります!

誤りでは御座いません。

それではなぜこのような結果になるのでしょうか?

太陽光発電システムの余剰率が「0%」になる理由

理由としては「常に大量の電気を使用している施設」だったからとなります。

このような施設には以下の特徴があります。

————————–

余剰率0%になりやすい建物の特徴

①待機電力が大きい設備がある

 ┗冷凍/冷蔵設備など

②365日年中無休の施設である

 ┗3交代制の工場や道の駅、ドラッグストアなど

————————–

このような施設は、

現在売電が原則NGな自家消費型太陽光発電システムにおいては、

発電した電気を無駄にすることなく使えます。

そのため非常に太陽光発電システム設置に向いた施設ということになります。

当然、回収期間は非常に短くなります。

補助金や税制優遇を適用することにより、

初期費用の負担も減りますしPL(損益計算書)上も、

大きくプラスになりますので、導入しないよりしたほうが確実に得。

PL上でプラスになるのであれば、

予算さえハマれば導入しない理由はありません。

このように「太陽光入れましょう」だったり、

「電気代削減できます」などのトークではなく、

決裁者の方が本当に興味があるような経営指標でお伝えすることで、

より同じ目線に立って議論ができるようになっていきます。

あとは別の設備投資と比べて割がいいかどうかの議論になっていきます。

その状況下になりさえすれば、

お施主様に対して本当にいい提案であることに加え、

しっかりと真摯に対応することで自然に受注が増えるような格好となると考えています。

■まとめ?自家消費型太陽光発電システムの設計 実践編その

 

以上、今回は「自家消費型太陽光発電システムの設計 実践編その③」で、

「大量に電気を使う中規模工場の設計」についてお話をさせて頂きました。

内容についてはいかがでしたでしょうか。

総括すると、こちらの工場さまは「屋根が足らなかった」に尽きるかと思います。

使用している電気量が圧倒的に多く、

今回の太陽光発電システムを載せても、

自家消費で賄える割合は15.9%でした。

※それでも非常に大きな節約に繋がりますが!

冷凍・冷蔵設備があり、電気使用量のカーブの緩急も弱いことから、

もっと載せるスペースがあるのであれば、たくさん載せたほうが良かった案件となります。

このようなお施主様に対しては、

「カーポート」のご提案を行うことも1つの手となります。

あるいはパネルサイズを大きいものや小さいものに変更し、

パズル的な調整を行うことで少しでも載る量を増やすアプローチ。

さらには1枚当たりの発電量が大きな最新型のパネルを採用するなど、

様々な打ち手により発電量のアップを見込むことが可能です。

ただし、通常の設置よりもコストがかかる場合がほとんどのため、

まずは普通に載せることが可能な屋根に全面設置。

将来的に増設もご検討頂く。

こういった運びでのご提案が弊社としては多く御座います。

ご参考になれば幸いです。

また、本記事でご紹介した「エネがえるBiz」については、2023年7月時点では「30日間の無料トライアル制度」も御座います。

操作項目も少なく、設計の人間ではなく営業の人間が触り、知識のない方でもすぐに営業シーンで活用できることから弊社ではすごく重宝しています。

太陽光発電システムの提案方法に困っていらっしゃる企業様ほど、是非一度お試し頂きたいサービスですのでどうぞご検討ください。

それではご覧いただき誠にありがとうございました。

動画でも本内容ご紹介しておりますので併せてご覧くださいませ。

 

執筆者プロフィール 自家消費型太陽光の提案・設計エキスパート

執筆者

市川

経歴

EC運営からキャリア開始。その後、上場企業建築会社の事業企画(b2b、b2c)に従事。現在は、愛知県のEPC事業者 共伸興建で自家消費型太陽光発電システムの法人営業、代理店開拓、経営戦略、採用など事業全般に対して立ち上げから携わる。並行して、オウンドメディアのYouTubeチャンネルや太陽光関連セミナーの企画立案〜講演も担当。

■所属企業

社名

株式会社 共伸興建(きょうしんこうけん)

創業

昭和55年10月

取締役社長

藍原 誠

事業内容

・太陽光発電システム設計・施工

・太陽光発電システム販売

所在地

・本社:愛知県稲沢市一色下方町62番地

・営業所:愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1-1

免許・許可番号

・愛知県知事許可 第41828号

・電気工事業届出番号 第901010号

保持資格

・第一種電気工事士

・第二種電気工事士

・消防設備士(甲種4類・乙種7類)

・車両系建設機械(整地・運搬・積み込み用及び堀削用)運転技能講習

・労働安全衛生法による安全衛生教育

・高所作業車運転技能特例講習

・小型移動式クレーン運転技能特例講習

・玉掛け技能講習

・・・etc

Webサイト

https://www.kyoshin-kk.co.jp/

YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/channel/UCFt2Qxvm0xBbPn-dENl-E9Q

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著者情報

国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

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