産業用蓄電池の価格の目安とは?導入するメリットや選ぶ際の注意点について解説

産業用蓄電池の価格の目安とは?導入するメリットや選ぶ際の注意点について解説

エネがえるBLOG

産業用蓄電池の価格の目安とは?導入するメリットや選ぶ際の注意点について解説

産業用蓄電池は、工場や公共施設、オフィスビルなどに設置する蓄電システムです。年々価格が下がり、産業用蓄電池は昨今購入しやすい価格になっています。この記事では、産業用蓄電池の価格の目安について解説します。産業用蓄電池を導入するメリットや、選ぶ際の注意点などについても解説するので、参考にしてください。



産業用蓄電池とは

産業用蓄電池とは、一般住宅以外に設置する蓄電池システムで、工場やオフィスビル、公共施設や商業施設、病院などに設置されています。大規模停電が起きた東日本大震災以降、自然災害による停電に備えて、蓄電池の必要性が高まり、さまざまな施設で導入されるようになりました。


産業用と家庭用の違い

産業用蓄電池と家庭用蓄電池は、容量や種類が違います。産業用の容量は10kWh前後から500kWhを超えるものまであり、種類はリチウムイオン電池・NAS電池・鉛蓄電池・ニッケル水素電池の4種類です。家庭用の容量は10kWh未満がほとんどで、種類はリチウムイオン電池が主流になります。


産業用蓄電池を導入する価格の相場とは

産業用蓄電池の導入には、蓄電池本体の他に、設置工事と電気工事の費用がかかります。産業用蓄電池の本体価格は、メーカーや容量、種類や機能によって異なりますが、低価格帯でも1台100万円前後します。


設置工事と電気工事は、合わせて30万円前後が相場といわれていますが、屋外に設置する場合は建屋が必要となり、さらに費用はかさみます。大規模な蓄電システムを導入する場合は、合計1000万円を超える場合もあります。


産業用蓄電池の本体価格

産業用蓄電池の本体価格は、メーカーや容量、機能などスペックの違いによって異なります。なかでも、蓄電池の種類は、価格の差がわかりやすいといえるでしょう。価格の高い方から、リチウムイオン蓄電池>ニッケル水素電池>鉛蓄電池電池>NAS蓄電池となり、1kWh当たり4~20万円の差があります。


設置費用・電気工事の費用

産業用蓄電池は、設置の場所が屋内か屋外か、また、建具の有無によって工事内容が異なります。それにより、費用に大きく差が生じます。電気工事では、電気系統との配線工事や太陽光発電の機材との連携工事が必要です。各工事費用は、業者により異なります。事前に見積もりをとって比較することをおすすめします。


産業用蓄電池の価格は下がっている

産業用蓄電池の市場価格は、年々低下しています。2016年には35万円/kWhでしたが、2017年は25万円/kWh、2018年は22万円/kWh、2019年は19万円/kWh、2020年には15万円/kWhと、5年連続下がっています。経済産業省は、蓄電池の導入価格の低減化を目指し、蓄電池が日本全体へ普及するように推進しています。


※参考:定置用蓄電池の価格低減スキーム


産業用蓄電池を導入するメリット

産業用蓄電池を導入するとさまざまなメリットが得られます。ここでは、5つのメリットについて解説します。


BCP対策になる

産業用蓄電池の導入は、BCP対策になります。BCP対策とは、自然災害やテロなどの非常事態に、企業が事業の継続や復旧のために行う対策のことで、「Business Continuity Plan」の略称です。近年、地震や台風など自然災害による大規模停電が起きています。産業用蓄電池は、非常用電源として1週間程度活用できるため、BCP対策として有効です。


電力の自給自足が可能になる

産業用蓄電池を再生可能エネルギーの設備と連携させると、工場やオフィスビルなどの稼働に必要な電力の自給自足が可能です。ただし、再生可能エネルギー設備の規模や、電力の用途、産業用蓄電池の容量などによって、自給自足がどの程度できるかは異なります。


自然災害のときに地域の避難拠点になる

産業用蓄電池と再生可能エネルギー施設を連携させ、電力の自給自足ができる施設は、自然災害が発生した際に、地域の避難拠点としても活用できます。施設や産業用蓄電池の規模、電力の用途にもよりますが、公共施設以外の避難拠点として、敷地の広い工場や商業施設なども活用が期待できます。


ピークカットやピークシフトにより電気料金を削減できる

産業用蓄電池の導入には、電力のピークカットやピークシフトにより、電気料金を削減できるメリットがあります。


ピークカットは、一日のうちで電力を最も多く使用する時間帯に、畜電池に貯めた電力を使用したり、太陽光で自家発電した電力を使用したりするなどして、電力会社から購入する電力量を削減する方法です。一方でピークシフトとは、電力使用量の少ない時間帯に産業用蓄電池に貯めた電気を、電力を多く使用する時間帯に放電する方法です。


脱炭素化・SDGsへの取り組みができる

産業用蓄電池と太陽光発電を組み合わせて導入すると、クリーンな自然エネルギー電源を有効活用できるだけでなく、CO2排出量の削減にも取り組めます。地球温暖化が加速している昨今、脱炭素化やSDGsへの取り組みは、企業価値の向上に貢献できることでしょう。


産業用蓄電池の価格を抑えるポイント

産業用蓄電池の価格を抑えるにはコツがあります。ここでは、3つのポイントについて解説します。


補助金を利用する

産業用蓄電池を導入する際には、国や地方自治体が提供している補助金が利用できる場合があります。補助金を利用できると、導入コストの負担が軽減されます。ただし、国や地方自治体によって、補助金が利用できる条件や金額は異なるため、産業用蓄電池の補助金制度の有無や詳細について確認しましょう。


太陽光発電とセットで導入する

産業用蓄電池に併せて、太陽光発電の導入も検討している場合も、コストが抑えられます。産業用蓄電池は大規模システムのため、設置工事や電気工事の費用が高額になりがちです。太陽光発電とセットで導入できると、各工事をまとめられます。また、太陽光発電の補助金を受けられる場合もあります。


メーカーや業者を複数比較する

産業用蓄電池の導入は、メーカーや業者により、本体価格や設置価格などが異なります。事前に各メーカーや業者から相見積もりを取り、比較することが大切です。極端に安い価格を提示するメーカーや業者は、別途費用の請求があったり、耐久性が劣ったりなど問題がある場合もあるため注意しましょう。


産業用蓄電池を選ぶ際に注意すべき点

多くのメリットが得られる産業用蓄電池ですが、選ぶ際には以下のような注意点があります。


導入するコストの負担が大きい

産業用蓄電池には投資効果が期待できるものの、導入の際に本体価格や各種工事費用などの多額のコスト負担があります。導入コストを抑えたい場合は、国や地方自治体からの補助金を活用すると、負担の軽減につながります。


蓄電池単体では国の補助金が利用できない

産業用蓄電池の導入にあたって利用できる国の補助金は、ZEB(ゼブ)の補助金です。ZEBとは、「Net Zero Energy Building」の略です。さまざまな工夫で省エネを実現するだけでなく、創エネにより年間消費エネルギー量を削減する建築物を指します。ZEBの補助金は、年間の一次エネルギーが、省エネと創エネで100%削減できる建築物を目指す場合のみ利用可能です。


設置スペースに条件がある

産業用蓄電池は家庭用蓄電池と比較すると、サイズが大きくなるため、設置には広いスペースが欠かせません、寒さが厳しく気温が氷点下になる地域への設置は、蓄電池の動作が止まる恐れもあります。メーカーによっては、寒冷地への設置案内をしていない場合もあります。


産業用蓄電池の導入事例4選

日本国内において、産業用蓄電池を導入・活用している事例がありますので、4つ紹介します。


小田急電鉄株式会社

小田急電鉄株式会社は、東京都から神奈川県にかけて電車を運行している、日本の大手私有鉄道会社の1つです。小田急電鉄株式会社では、ブレーキの使用時に発生する運動エネルギーを電気エネルギーに変換して、変電所に設置した蓄電池に一時的に充電しています。充電した電力は、停車車両に供給して、発車や加速時などのエネルギーとして再利用します。


※参考:小田急電鉄


柏の葉スマートシティ

柏の葉スマートシティとは、環境共生・健康長寿・新産業創造を目指す、三井不動産株式会社が手掛ける街です。街の商業施設やオフィスビルでは蓄電池システムを設置して、蓄電池や太陽光発電で電源エネルギーを分散し、電力を融通しています。災害時には、分散設置した発電・蓄電設備の電力を施設や設備に供給し、街の防災力も高めています。


※参考:柏の葉スマートシティ


積水ハウス東北工場

積水ハウス東北工場は、宮城県加美郡色麻町にある工場です。産業用蓄電池の導入により、普段は電力ピークカットを積極的に推進して、省エネ化を行っています。災害時は工場を250名収容可能な避難所として活用できるようにして、1週間の電力を供給できる体制を整えています。


※参考:東北工場 | 企業・IR・ESG・採用 | 積水ハウス


横浜冷凍株式会社 気仙沼冷凍工場

横浜冷凍株式会社は神奈川県横浜市に本社を置く、食品卸売事業を中心とした会社です。気仙沼冷凍工場では、リチウムイオン蓄電池や屋上への太陽光発電システム、全館LED照明などの導入により、環境負荷の低減を行っています。蓄電池を利用した、事務所棟の非常用電源や倉庫内の非常照明はBCP対策にもなっています。


※参考:横浜冷凍株式会社


まとめ

産業用蓄電池の導入には、コストや設置スペースなど注意すべき点がありますが、BCP対策や電気料金のコスト削減など多くのメリットが得られます。近年は産業用蓄電池の市場価格が下がっており、補助金の利用などで導入しやすくなったため、さらなる普及が期待できます。


エネがえるは、国際航業株式会社が運営する太陽光・蓄電池の経済効果診断サービスです。大手電力、太陽光・蓄電池メーカー・ランクTOPの販売施工店など約700社以上が導入する、業界TOPクラスのシェア率です。産業用蓄電池の提案担当者は、ぜひご利用ください。


無料で15日全機能を試す(ASP)

無料で30日全機能を試す(Biz)

●著者プロフィール

会社名:国際航業株式会社

部署名:公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

執筆者名:樋口 悟

執筆者の略歴:国際航業株式会社エネルギー部デジタルエネルギーグループ。エネルギー診断クラウドサービス「エネがえる」担当。1996年東京学芸大学教育学部人間科学課程スポーツコーチ学科卒業。1997年上場大手コールセンター会社に入社、2000年大手上場小売企業グループのインターネット関連会社で最年少役員に就任。2011年に独立起業。大企業向けにSNSマーケティングやアンバサダーマーケティングを提供するAsian Linked Marketingを設立。30以上の大手上場企業のプロジェクトを担当。5年で挫折。2016年国際航業株式会社新規事業開発部に入社しエネルギー領域の事業開発、エネがえる事業開発を担当。
https://energy-shift.com/news/author/71cbba7e-dbbc-4728-9349-9cdbed975c6e

author01.jpg

執筆者のSNS:

Twitter:@satoruhiguchi
LinkedInプロフィール:https://www.linkedin.com/in/satoruhiguchi/
Sansan名刺交換:https://ap.sansan.com/v/vc/bu56hqnjvw5upna463tcfvkxka/