JIS C 8907に基づく発電電力量推定と設置形態の定義・係数整理

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国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら )

樋口 悟(Satoru Higuchi)。国際航業株式会社 カーボンニュートラル推進部 デジタルエネルギーグループで「エネがえる」の事業開発を担当。住宅・産業用太陽光、蓄電池、EV・V2H、PPA、電力料金・補助金の経済効果を扱い、SaaS・API・BPOによる比較提案・導入判断を支援しています。「太陽光・蓄電池導入意思決定白書2026」の監修、独自調査、官公庁・自治体の試算支援、APIを活用したサービス開発・協業にも取り組みます。執筆・更新では一次情報と試算条件の明示を重視し、公表値と独自の推計・仮定を区別します。 詳しいプロフィール・活動実績・参照資料 / 監修した白書

顧客の声・公開登壇記録
・共伸興建・市川様の公開インタビュー(2023年1月11日):「樋口さんが電話に結構すぐ出てくれる」「業界の知見がある」。操作に加え、提案方法や試算ロジックへの相談対応をご評価いただきました。同インタビューでは、利用者増加時にも同じ品質のサポートを求める声をいただいています。
・東京都・東京都環境公社のWEBシンポジウム(2024年3月15日):「太陽光発電と都市の可能性」の講演者として、樋口悟の氏名・所属・略歴が主催者の公式ページに掲載されています。
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「JIS C 8907に基づく発電電力量推定と設置形態の定義・係数整理」のアイキャッチ。基礎知識の流れ(基礎知識→電力→住宅→判断)を示す図解とエネがえる公式キャラクター
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JIS C 8907に基づく発電電力量推定と設置形態の定義・係数整理

要約

JIS C 8907:2005「太陽光発電システムの発電電力量推定方法」では、システムの年間発電電力量を以下の式で推定する。

Ei,d,t=Piαs Ii,d,t Ki,d,tE_{i,d,t} = \frac{P_i}{\alpha_s} \, I_{i,d,t} \, K_{i,d,t}

ここで
・

PiP_i

:標準太陽電池アレイ出力(kW)
・

αs=1.0\alpha_s=1.0

kW/m²:基準状態日射強度
・

Ii,d,tI_{i,d,t}

:時刻

tt

、日付

dd

における傾斜面日射量(W/m²)
・

Ki,d,t=K′×Ki,d,ttempK_{i,d,t}=K’×K_{i,d,t}^{\rm temp}

×その他補正係数の積

4つの設置形態ごとに「温度補正係数」で用いる設置方式係数

f1,f2f_1,f_2

を以下のように定め、モジュール温度推定に反映する。

設置形態 JIS 用語 種別

f1f_1

f2f_2

架台設置形 裏面開放形 屋根と空隙を設けて間接設置 46 0.41
屋根置き形 屋根置き形 屋根勾配に準じて間接設置 50 0.38
建材一体形 屋根材一体形 屋根材として一体化 57 0.33
屋根一体形 屋根材形 モジュール材料が屋根材兼用 57 0.33
  • 建材一体形と屋根一体形はJIS上「その他」扱いで同じ係数を使う。

  • 温度補正係数は

    Ki,d,ttemp=1+αPmax⁡(θi,d,t−25) K^{\rm temp}_{i,d,t} = 1 + \alpha_{P\max} \bigl(\theta_{i,d,t} – 25\bigr)

    αPmax⁡\alpha_{P\max}

    は-0.0041 (℃⁻¹:結晶系)または-0.0020 (結晶系以外)。

  • モジュール温度

    θi,d,t\theta_{i,d,t}

    は

    θi,d,t=θd,tamb+f1f2 Ii,d,t×10−2 \theta_{i,d,t} = \theta^{\rm amb}_{d,t} + \frac{f_1}{f_2}\, I_{i,d,t}\times10^{-2}

    ただし風速は実務的に1.5 m/sを用い、日射量と外気温度は拡張アメダスデータを適用する。

これにより、各設置形態の熱的環境を正確に反映した高精度推定が可能となる。

1. 設置形態の定義

  1. 架台設置形
    屋根と太陽電池モジュールの間に空隙を設け、架台を介して間接的に設置する方式。

  2. 屋根置き形
    屋根勾配に平行に空隙を設け、架台で屋根面に直接準じて設置する方式。

  3. 建材一体形
    屋根材や壁材として、太陽電池モジュールを接着剤・ボルト等で一体化し、分離可能な構造とした方式。

  4. 屋根一体形
    建材一体形のうち、モジュール自体の材料が屋根建材を兼ね、分離不可能な方式。

2. 発電量推定の基本式

年間システム発電電力量

EyE_{\rm y}

は、月別推定量を合算して得る。
月別推定量

EPmEP_m

の計算ステップ:

  1. PAS(標準太陽電池アレイ出力)算定

  2. 月積算傾斜面日射量

    HAmH_{Am}

    確定

  3. 基本設計係数

    K′K’

    (日射量年変動・経時変化などの無次元効率)算出

  4. 温度補正係数

    KtempK^{\rm temp}

    算出

  5. モジュール方位・傾斜・日射量・損失補正係数を乗じて

    EPmEP_m

    を算定

Ep式(Ep=月別発電電力量)

EPm=K′×PASαs×HAm×Kavgtemp EP_m = K’ \times \frac{P_{\rm AS}}{\alpha_s} \times H_{Am} \times K^{\rm temp}_{\rm avg}

3. 総合設計係数
K′K’

 

構成

K′=Kshad×Kage×Kload×Karr_circuit×Kinv K’ = K_{\rm shad} \times K_{\rm age} \times K_{\rm load} \times K_{\rm arr\_circuit} \times K_{\rm inv}

  • 日陰補正係数

    Kshad=1.0K_{\rm shad}=1.0

  • 経時変化補正係数

    Kage=0.96K_{\rm age}=0.96

    (結晶系)

  • アレイ負荷整合係数

    Kload=0.94K_{\rm load}=0.94

  • アレイ回路補正係数

    Karr_circuit=0.97K_{\rm arr\_circuit}=0.97

  • インバータ回路補正係数

    Kinv=ηinv,rated×0.97K_{\rm inv}= \eta_{\rm inv,rated}\times0.97

4. 温度補正係数の高解像度推定

  • モジュール温度 に日射量・外気温度・設置方式・風速を組み込み計算

  • 時刻別モジュール温度から温度補正係数を算出し、日射量加重平均して月別・年別に適用

  • 風速は「実務的かつ過大評価を避ける」観点で1.5 m/sを標準設定、発電量試算で約4%の増加を確認(A3地域)

5. 日本の再エネ普及加速に向けた本質的ポイント

  1. 設置形態ごとのモジュール熱環境を適切に評価し、過大・過小を防ぐ

  2. 時刻別高精度推定で自家消費シミュレーションが可能となり、蓄電・V2H運用の最適化に寄与

  3. JIS規格外技術(化合物系・有機系)への規格対応強化が急務

  4. 1時間分解能評価を標準化し、住宅BEMSや産業用自家消費設計へ展開

上記を踏まえ、「エネがえる」等のシミュレーションツールはJIS C 8907の各係数・手順を忠実に実装し、設置形態ごとの独自係数を活用することで、構造的かつ高解像度な発電量推定を実現しています。

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住宅用ASP / 産業用Biz / EV・V2H

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樋口 悟(Satoru Higuchi)。国際航業株式会社 カーボンニュートラル推進部 デジタルエネルギーグループで「エネがえる」の事業開発を担当。住宅・産業用太陽光、蓄電池、EV・V2H、PPA、電力料金・補助金の経済効果を扱い、SaaS・API・BPOによる比較提案・導入判断を支援しています。「太陽光・蓄電池導入意思決定白書2026」の監修、独自調査、官公庁・自治体の試算支援、APIを活用したサービス開発・協業にも取り組みます。執筆・更新では一次情報と試算条件の明示を重視し、公表値と独自の推計・仮定を区別します。 詳しいプロフィール・活動実績・参照資料 / 監修した白書

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エネがえるの導入・活用実績
エネがえるは、官公庁・自治体、大手メーカー、商社、電力・ガス会社、住宅メーカー、有力販売施工店など、全国700社以上に導入されています。主な導入・活用先には、環境省、地方自治体、シャープ、パナソニック、ニチコン、スズキ、村田製作所、ダイヘン、三菱電機、ネクストエナジー・アンド・リソース、エリーパワー、NTT-ME、東京ガス、東邦ガス、大和ハウス工業、東京センチュリー、ELJソーラーコーポレーションなどがあります。
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