産業用自家消費型太陽光発電と蓄電池:最適容量の計算方法と導入メリット

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国際航業株式会社 事業統括本部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

成瀬夏実(著者情報はこちら

国際航業株式会社 事業統括本部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

太陽光発電システム
太陽光発電システム

近年、企業のSDGs対応やエネルギーコスト削減のニーズが高まる中、産業用自家消費型太陽光発電と蓄電池の導入が注目されています。しかし、これらのシステムを導入する際には常に、適切な容量設計です。今回は、太陽光発電と蓄電池の最適容量を求める方法と、経済効果を最大化するためのポイントを紹介します。

1. 自家消費型太陽光発電とは?

産業用自家消費型太陽光発電とは、企業が自社の施設に太陽光発電システムを設置し、発電した電力を主に自社で消費する形態です。余剰電力は売電することも可能ですが、基本的には自家消費を前提としています。

メリット

  • 電力コストの削減:自家発電した電力を使用することで、電力会社からの購入電力を削減できます。
  • CO2排出量の削減:再生可能エネルギーを使用することで、企業のCO2排出量を減少させます。
  • エネルギー自給率の向上:外部からの電力供給に依存せず、エネルギー自給率を高めることができます。
  • SDGs達成への貢献:持続可能なエネルギーの使用は、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献します。

デメリット

  • 初期投資が高い:設置費用が高額であるため、初期投資が大きな課題となります。
  • 天候依存:発電量は天候に大きく左右されるため、安定した電力供給が難しい場合があります。
  • スペースの確保:太陽光パネルを設置するための十分なスペースが必要です。

2. 太陽光発電システムの最適容量計算

ステップ1: 電力使用量の把握

まずは企業の年間電力使用量を確認しましょう。

質問:

  • 会社からの請求書
  • 電力使用量システム

ポイント:月ごとの使用量をリストアップすると、季節変動も把握できます。

ステップ2: 日射量の確認

設置予定地域の日射量データを入手します。

入手方法:

  • 気象データ
  • 太陽光発電シミュレーションソフトウェア

重要:正確な位置情報を使用することで、より精度の高い計算が可能です。

ステップ3: システム容量の算出

以下の形式を使用して、必要な太陽光発電システムの容量を指定します。

システム容量 (kW) = 年間電力使用量 (kWh) / (年間日射量 (kWh/m²) × システム効率)

例:

  • 年間電力使用量:100,000 kWh
  • 年間日射量:1,500 kWh/m²
  • システム効率:15%
システム容量 = 100,000 / (1,500 × 0.15) = 444.44 kW

3. 蓄電池の最適容量の計算

ステップ1: 消費パターンの分析

企業の電力消費パターンを詳細に分析します。

確認ポイント:

  • ピーク時間帯の使用量
  • オフピークの使用量

情報源:

  • 電力管理システム
  • スマートメーター

STEP2: 必要なバックアップ時間の決定

停電に備えて、必要な時間を設定します。

検討事項:

  • 事業継続に必要な最小限の時間
  • 過去の停電実績

ステップ3: 電池容量の算出

以下の形式を使用して、必要な蓄電池容量を入力します。

蓄電池容量 (kWh) = ピーク時の電力使用量 (kW) × バックアップ時間 (h)

例:

  • ピーク時の電力使用量:50kW
  • バックアップ時間:4時間
蓄電池容量 = 50 × 4 = 200 kWh

4. まとめ:最適容量設計のポイント

  1. 正確なデータ収集が重要
  2. 季節変動を考慮した設計
  3. 将来の事業拡大も視野に入れる
  4. 専門家のアドバイスを活用する

産業用太陽光発電と蓄電池の最適容量設計は、企業のエネルギーコスト削減と CO2 排出削減を両立させる重要な取り組みです。本記事で紹介した計算方法とポイントを参考に、専門家のアドバイスも得ながら、最適なシステム設計を行ってください。

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