目次
- 1 自家消費型太陽光が売れる経済効果シミュレーションと投資対効果手法公開
- 2 動画で解説 – 太陽光販売事業者向け自家消費型太陽光が売れるノウハウ
- 3 自家消費型太陽光システムの設計 実践編その? 「大量に電気を使う中規模工場の設計」の場合
- 4 自家消費型太陽光 2種類の設計手法
- 5 屋根全面設置を概算(現地調査無し)でパネル積載枚数を算出する方法
- 6 屋根全面設置の概要(シミュレーション前提条件)とシミュレーション画面への入力方法
- 7 過積載率の違いによる比較方法(過積載率200% vs 過積載率130%)
- 8 太陽光発電の余剰率から検討した最適案は必要か?(実践的な考え方)
- 9 注目- 超実践的 成約に繋がる自家消費型太陽光の費用対効果の考え方
自家消費型太陽光が売れる経済効果シミュレーションと投資対効果手法公開
こんにちは!共伸興建の経営企画・設備投資営業担当の市川と申します。
弊社は東海を中心とする太陽光発電システムのEPC事業者で御座います。
この度、自家消費型太陽光発電システムのシミュレーションツール「エネがえるBiz」を活用した営業活動で成果が出ていることから、
弊社での活用方法について動画にして公開をする運びとなりました。
本記事は当該動画を文章化したものとなっております。
画面を投影した説明に興味のある方はぜひこちらも併せてごらんください。?
動画で解説 – 太陽光販売事業者向け自家消費型太陽光が売れるノウハウ
Youtube動画版は以下からご参照ください。
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それでは進めていきます。
自家消費型太陽光システムの設計 実践編その?
「大量に電気を使う中規模工場の設計」の場合
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今回は、「自家消費型太陽光発電システムの設計 実践編その①」ということで、
「大量に電気を使う中規模工場の設計」をテーマにお話をしていきます。
設計に使用するのは自家消費型太陽光発電システムのシミュレーションツール「エネがえるBiz」。
動画ではこちらの実際の画面を投影してご説明をさせて頂きました。
早速ですが現在、太陽光発電システムの提案をしてほしいと要望を受けている企業様の中で、「お客様ごとの最適な設計の方法が分からない」だったり、
「お客様ごとの提案方法をどのように進めたらいいか分からない」などとお困りの担当者の方も多いかと思います。
このようなことが分からないまま進めてしまうと、商談後や太陽光発電システムの購入後などに「どうしてこんな設計をしたんだ!?」などと、
お客様からお叱りをうけてしまうような課題も御座います。
実際の私たちも実際の現場で、そのような他社様から出てきている提案も多く目にしてきました。
この記事や動画を見て頂ければ、そのような不安が解消しますので、ぜひ最後までご覧ください。
さっそくですが本編に移ります。
今回のテーマは、「大量に電気を使う中規模工場の設計」がテーマとなります。
電気代で月間500万円とかなりたくさんの電気を使用されていることを想定、稼働状況では土日休みで年休120日と一般的なものです。
なお、年間120日の場合は工場が稼働していない「非稼働日」の割合、こちらが約30%程度となります。
※この非稼働日の割合である「非稼働日率」は、お施主様に対して後から出てくる「太陽光発電余剰率の妥当な数値」を伝えるうえで非常に重要な考え方になっておりますので、覚えておいてください。
自家消費型太陽光 2種類の設計手法
設計については以下の通り2通りの制作が一般的です。
①屋根全面に設置した案
②太陽光発電の余剰率から検討した最適案
この設計思想は現在、産業用太陽光発電システムの設置は原則として「売電不可」であるためとなります。
以前であれば「全量売電」の時代でしたので、載せれば載せるほど儲かりました。
一方で現在の「自家消費」の時代となると、余った電気は無駄になってしまうため、載せれば載せるほど良いというのはNGであり、なるべく少なく、必要最低限だけ載せることが正しい設計思想となります。
このような設計思想から、上記の通り①「屋根全面に設置した案」、②「太陽光発電の余剰率から検討した最適案」の2通りを作成する必要が出てきます。
屋根全面設置を概算(現地調査無し)でパネル積載枚数を算出する方法
それでは屋根全面設置をまずは概算(現地調査無し)で出していく方法についてお話をしていきます。
現地調査を実施しないことにより、現地調査コストを削減することが可能です。?
屋根全面設置の場合にパネルがどれだけ載るか?についてですが、以下の手順で出すことが可能です。
<概算でパネル積載枚数を算出する手順>
1.Googleマップで当該住所を検索(航空写真)
2.右クリック→距離を測定 機能で設置面を囲う
┗屋根面積が分かります
3.屋根面積に安全係数(70%程度)を掛け合わせる
┗パネル設置が可能な面積が分かります
4.有効面積をパネルの大きさで割り算をする
┗パネル設置が可能な枚数が分かります
※動画3:50頃より実際の画面にてご説明しています
上記手順で屋根全面設置をした場合のパネル枚数=システム容量を算出し、そのパネルによる発電量が「載せすぎになっていないか?」を評価。
その後、載せすぎなのであればパネル枚数を適正値まで減らしていく。という作業が必要になってきます。
それでは、「載せすぎになっていないか?」の評価について進めていきましょう。
ここまでは「エネがえるBiz」ではなく、エクセル等で対応が可能ですが、ここからは「エネがえるBiz」でないとできない機能を使う格好となります。
屋根全面設置の概要(シミュレーション前提条件)とシミュレーション画面への入力方法
?今回のテストケースでは、上記の手順にて下表の設計という前提にて進めていきます。
※電気使用量は前述の通り500万円/月、非稼働日率は約30%
<屋根全面設置時の概要>
・屋根面積:615.7㎡
・有効屋根面積:492.6㎡(有効面積係数:80%)
・設置可能枚数:252.6枚
・システム容量:104.8kw
それでは「エネがえるBiz」の画面を開いて、上記を参考にPV容量を入力していきます。
※動画では「エネがえるBiz」の実際の画面を投影してご説明をしております。
PV容量は、少々ならして100kw、方位角は0度の南、傾斜角は5度、屋根置きの設定にて進めていきます。
次にパワーコンディショナーの容量を設定するのですが、これは結論、過積載率を130%程度になるよう設計をすることが望ましいです。
過積載率の違いによる比較方法(過積載率200% vs 過積載率130%)
過積載率の考え方としては、過積載自体がNGという方もいれば、逆に150%を超えるような過積載が望ましいとおっしゃる設計者の方もいらっしゃいます。
では、どの設計が適切なのかを判断するため、比較表を作りました。
■過積載率200%(pv100kw、PCS50kw)
・過積載によるロス率:約7%
・過積載によるロス額:約27万円/年
→15年で約411万円ロスが発生する
■過積載率130%(pv100kw、PCS74.95kw)
・過積載によるロス率:約0.1%
・過積載によるロス額:約0.4万円/年
→15年で約5.8万円ロスが発生する
いかがでしょうか。
過積載率200%の場合、15年で411万円ロスが発生します。
一方でその設計に対してPCSを24.95kw足すだけで、15年で5.8万円のロスで済みます。
PCSの価格はこれほど大きな金額ではありませんので、結論として過積載率200%はやりすぎであり、初期費用は確かに安くはなりますが、PCSの容量が全然足りていない。という考えになります。
逆に過積載率130%の時点ですでに過積載によるロス率が0.1%であることから、ここに対してさらにPCSを足して過積載率を100%に近づけたとしても、コスト的なメリットはでてきませんので『増やしても無駄』という格好になります。
以上のことから、過積載率は130%程度が望ましい。と弊社では考えています。
※なお、考え方の流派の違いは御座います。例えば、パネルの出力低下によるPCSの必要容量が低下するという考えもあるため、それを見込むのであればもう少しPCSを減らしても良い可能性もありますし、PVの発電に対する安全係数は日々パネルの変換効率が進化していることから少々堅く見過ぎているという観点もあるため、若干の思想の違いは出てきます。が誤差の範囲内かと思いますし、根本としては「お金に換算して考える」という点では同じ見かたをしていただくのが良いのではないかと思います。
上記の通り、PV容量100kwに対して、パワーコンディショナーは過積載率約130%の74.95kwが適切と考えました。
そこから「https://biz.enegaeru.com/#mce_temp_url#」の画面を進めていきますと、年間の自家消費量が出てきます。
今回の場合ですと、115,568kwhの年間の自家消費量が見込まれて参ります。
こちらの数値に電気料金の単価を掛け合わせることで、年間の経済メリットが出て参ります。具体的には115,568kwh×電気料金単価34円とした場合、3,929,312円となってまいります。
ここまでが①「屋根全面に設置した案」の設計思想をなぞったものとなります。
太陽光発電の余剰率から検討した最適案は必要か?(実践的な考え方)
この後、②「太陽光発電の余剰率から検討した最適案」の設計思想が必要かどうかを検討することとなります。?
さて、今回のケースでは②「太陽光発電の余剰率から検討した最適案」の検討は必要でしょうか?
結論、こちらの工場では当該設計思想の検討は不要です。
理由は、「太陽光発電の余剰」がほとんどでていないためとなります。
「エネがえるBiz」の画面を見ていきましょう。
こちらの企業様の①「屋根全面に設置した案」における、「太陽光発電の余剰」は1.8%で御座いました。
この「太陽光発電の余剰」は、当該企業様であれば非稼働日率が約30%程度あることから、約30%程度までであれば許容ができてまいります。
理由としては「非稼働日であれば電気を使わないことは仕方ない」ためで御座います。
一方でこちらの企業様は30分データなどを細かく見ていくと、「非稼働日であっても大量の電気」を使用していたことが後からわかりました。
このことから、工場の非稼働日であってもしっかりと発電した電気を捨てることなく使用することができ、結果として「太陽光発電の余剰」がほとんどないような結果となります。
普通の企業様であれば発電できる能力に対して、30%は捨ててしまうことが一般的です。
そのため、こちらの企業様は大変太陽光向けの企業様であったことか分かります。?
注目- 超実践的 成約に繋がる自家消費型太陽光の費用対効果の考え方
それでは費用対効果、ROIの話に移りましょう。
前提として太陽光発電システムの法定耐用年数(減価償却期間)は17年間となります。
そのため、回収期間が17年以内であれば、PL(損益計算書)上でもプラスになりますので、導入すると営業利益が増える。
という結果が得られてまいります。
その上で、本件、年間の経済メリット(電気代削減額)は約392万円/年となります。
今回の企業様では太陽光発電システムの容量が、屋根全面設置で100kwでありますので、導入費用としては約2,300万円とします。
※1kwあたり23万円で概算算出
その場合、回収期間としては2300万円÷392万円/年=5.8年となって参ります。?
そのため、PL(損益計算書)上でもプラスになりますので、予算がある企業様であれば導入して頂いたほうがプラスになる。といった提案になります。
<比較>
①コスト:導入費用2300万円÷減価償却期間17年=135万円/年
②効果:年間経済メリット=392万円/年
→257万円/年 プラスに繋がる!
※固定資産税やその他維持費などが必要となるためあくまで参考値となります。
?最後にオマケです。
「エネがえるBiz」で出すことが可能なシミュレーションデータのうち、最もお施主様に喜んでいただけるのは「24Hチャート」となります。
これは別の太陽光EPC事業者も良いと仰っている「エネがえるBiz」のメインコンテンツの一つになるかと思います。
当該データは日付を入力すると、1時間ごとの自家消費量予測値を確認することが出来ます。
では、当該データをどのような状況でお見せするのか?ですが、お施主様の中には、「良いのはわかったけど、本当にそのシミュレーションの数値がでるの?」と、不安に思われる方もいらっしゃいます。
そこで当該データをお見せすると「これほど細かなシミュレーションを、弊社の実績ベースで実施してくれているのですね」と、納得してくださいます。
実際に時間帯別で「稼働日」「非稼働日」の差も見ることが出来ますので、前述の非稼働日における太陽光余剰率が妥当であるかどうかの議論に対しても有効です。
このようなツールを活用しながら、お施主様にシミュレーションツールで算出したデータの確からしさを感じて頂き、ひいては安心して自家消費型太陽光発電システムの導入をご決定を頂くことの意思決定の手助けになることをサポートすることが、太陽光EPC事業者として望ましい行動になるかと思います。
以上、今回は「自家消費型太陽光発電システムの設計 実践編その①」で、「大量に電気を使う中規模工場の設計」についてお話をさせて頂きました。
内容についてはいかがでしたでしょうか。
総括すると今回の企業様は「屋根面積が足りなかった」に尽きると思います。
太陽光発電の余剰がほとんどでない企業様(非稼働日率よりも小さく出る企業様)は、本来もっとたくさん載せたかった。とおっしゃる企業様がほとんどです。
そのため、効率的かつ無駄にすることなく太陽光発電システムは活用できる反面、電気代の「削減率」で見ると、非常に少ないもの(4~5%程度)になるケースが多く御座います。
費用対効果の観点では素晴らしいですが、電気代やco2削減の文脈ではまだ不十分。ということですね。
※一方で営業利益の増加は前述の通り見込めますので、やらないよりはやったほうが良い。ということは変わりません。
また、太陽光発電システムの余剰が発生しなかったことから、設計思想の②である、②「太陽光発電の余剰率から検討した最適案」を出す必要もなかった。
ということになります。
つまり、設計としては非常にイージーな部類の案件でした。
今後、設計思想として難易度の高い②の記事も書いて参りますので、ぜひお楽しみに。
それでは本日は以上となります。
本記事でご紹介した「エネがえるbiz」については、2023年7月時点では「30日間の無料トライアル制度」も御座います。
操作項目も少なく、設計の人間ではなく営業の人間が触り、知識のない方でもすぐに営業シーンで活用できることから弊社ではすごく重宝しています。
太陽光発電システムの提案方法に困っていらっしゃる企業様ほど、是非一度お試し頂きたいサービスですのでどうぞご検討ください。
それではご覧いただき誠にありがとうございました。
動画でも本内容ご紹介しておりますので併せてご覧ください。
■参考)動画版はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=lia04z-CUCI
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