FIT制度の2023年最新情報|太陽光発電を始めたい方向けに解説

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国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

目次

FIT制度の2023年最新情報|太陽光発電を始めたい方向けに解説

「太陽光発電を調べていてよく出てくるFIT制度って何?」

「FIT制度が終わっちゃうって聞いたんだけど、どうなってるの?」

「FIT制度の売電価格、すごく下がってしまったというのは本当?」

自宅に太陽光発電システムを導入したい方の多くは、「FIT制度について詳しく正確な情報を知っておきたいけど、調べれば調べるほど、何がなんだかよくわからない」と思ってこの記事にたどり着いたのではないでしょうか。

FIT制度とは、固定価格(市場価格よりも高い水準)で電力が買い取られることを、10年または20年間の一定期間保証する制度です。

例えば、2023年に10kW以下の太陽光パネルを設置してFIT制度を申請した場合、電力会社は必ず10年間にわたり「16円/1kWh」で買い取ってくれます。

これは、心強いポイントと言えるでしょう。

 

しかしながら、FIT制度の適用期間が終わると買取保証期間も終了し、その時点で電力会社が提示する「通常価格(例:8.5円など)」での買い取りに切り替わってしまいます。

さらに、国が保証する買取価格は、FIT制度が始まった2012年は1kWhあたり42円でしたが、2023年度には16円と徐々に下がっています。

 

 

このような買取価格がかなり下がっているこという状況から、「メリットがかなり減ってしまったのではないか?」と疑問に思う方も多いでしょう。

とはいえ、単純に「買取価格が下がった=今から始めると損」ということではありません。太陽光発電システムを設置する初期費用も下がっているという事情があるからです。

FIT制度に関する情報を把握する上で大切なのは、このような基本の流れをおさえておくことですが、内容は専門的であるため、理解しにくいこともあるかもしれません。

そこで本記事では、2023年時点でのFIT制度の最新情報を正しくわかりやすくお伝えし、あなたが太陽光発電システムを導入した方が良いのかどうかを判断できる材料を提供します。

記事の後半では「太陽光発電システムを設置するとどのくらいオトクになるのか」の詳しいシミュレーションも載せています。

ぜひ最後までお読みいただき、「太陽光発電を導入すべきかどうか」の判断の参考にしてください。

1. FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)とは

 

まずはFIT制度とは何か、基礎的な概要を説明していきます。

1-1. 太陽光などで発電した電力の買取を国が義務づけた制度

FIT制度とは、再生可能エネルギーによる発電で生み出された電気を、電力会社が固定価格で一定期間買い取ることを国が保証する制度のことです。

FIT制度の正式名称は「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」といいます。FITは「Feed-in Tariff(フィード・イン・タリフ)」の略で、そのまま固定価格買取制度という意味を持っています。

この制度は、再生可能エネルギーの中でも太陽光発電・風力発電・水力発電・地熱発電・バイオマス発電の5種類に適用され、それぞれの発電形式ごとに「一定の価格」や「一定の期間」が定められています。

※この記事では「家庭用の太陽光発電」を始めたい方に向けて、太陽光発電をメインにしてFIT制度の解説を行っていきます。

 

1-2. 電力会社が10〜20年間にわたり一定価格で買い取ってくれる

FIT制度では、一定期間(種類によって10年または20年)、一定の価格で電力会社が買い取ってくれることが保証されます。

この価格は「FIT価格」や「買取価格」、「調達価格」とも呼ばれます。

【補足】

「買取価格」と「売電価格」は反対の言葉ですが、示す意味は同じです。

電力会社に買い取ってもらうという文脈では「買取価格」と呼ばれますが、太陽光発電を設置している家庭が電力を売る場合には「売電価格」といいます。

買取価格は、発電の種類(太陽光か風力か等)、電源の種類(住宅用か事業用か)、FIT制度に参画した年によって決定します。

例えば、太陽光発電の場合、以下の買取価格が設定されています。

【FIT制度による太陽光発電の買取価格(1kWhあたり)】

電源

規模

(参考)

2022年度

2023年度

上半期

2023年度

下半期

2024年度

住宅用太陽光発電

10kW未満

17円

16円

16円

事業用太陽光発電

(地上設置)

10kW以上

50kW未満

11円

10円

10円

50kW以上

入札対象外

10円

9.5円

9.2円

事業用太陽光発電

(屋根設置)

10kW以上

50kW未満

11円

10円

12円

12円

50kW以上

10円

9.5円

参考:経済産業省|再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2023年度以降の買取価格等と2023年度の賦課金単価を設定します

 

FIT制度スタート当時(2012年度)の買取価格は、「1kWhあたり42円」でした(家庭用の場合)。そこからすると、昨今の買取価格は大幅に下がっていることが分かりますね。

 

なお、この買取価格は、FIT制度の申請・認定時に設定された時の価格が「一定の期間」続きます

例えば、2022年度の住宅用太陽光発電の買取価格は17円であり、2023年度からは16円に引き下げられています。

このような場合でも、2022年に設置・申請を行ったという方は、10年間のあいだは16円で継続して買い取ってもらえるのです。

買取保証期間が終わるとどうなってしまうの?

FIT制度の適用期間が終了すると、固定価格での買取保証も終わってしまうため、その後は電力会社が提示する「通常価格」での買い取りとなります。

参考までに、2023年時点の通常の買取価格は、電力会社によって異なりますが7円〜11円程度です。

なお、FIT制度による固定買取保証が終了する状況を「卒FIT」と呼びます。よく使われる言葉なので、覚えておくと良いでしょう。

卒FITについてさらに詳しく知りたい方は「卒FITとは?制度のおさらいから卒FIT後の活用方法も解説」の記事もご覧ください。

 

1-3. 2019年終了見込みだったFIT制度は2023年現在も継続

実は「FIT制度」は当初、2019年で終了になる見込みでした。しかし2020年以降も継続が決まり、現時点でもこの制度が続いています。

ただし、2020年以降の継続が決まった段階で、いくつかの変更点があったことは見逃せないポイントです。

例えば、それまでは10kW以上の規模の太陽光発電においては、発電した電気をすべて電力会社に売る「全量買取」が可能でした。

しかし、2020年からは、10kW以上50kW未満の規模の場合、原則として「余剰買取」しかできないように変更されてます。

【補足】

「全量買取」とは、太陽光発電によって発電した電気の全てを電力会社に買い取ってもらう仕組みをいいます。

一方、「余剰買取」とは、基本的には自分で電力を消費して(「自家消費」といいます)、余った電気を電力会社に買い取ってもらうことをいいます。

※ただし、家庭で太陽光発電を行う場合、ほとんどの場合が10kW未満のシステムとなります。10kW未満の太陽光発電は当初から「余剰売電のみ」であったため、この制度変更による影響はありません。

 

1-4.【参考】2022年6月から始まったFIP制度との違い

2022年6月からは、FIT制度と名前が似ている「FIP制度」という制度も創設されました。

 

出典:経済産業省|再エネを日本の主力エネルギーに!「FIP制度」が2022年4月スタート

FIP制度は事業者向けの制度であり、家庭で太陽光発電を行う方にはあまり関係がない制度です。複雑な制度となっており理解が難しいので、ここでは詳しい説明は割愛します。

FIP制度は、再生可能エネルギー発電事業者の競争を生み出し、電力市場を活性化させることを目的とした制度だということだけ、理解しておけば問題ありません。

FIP制度を詳しく知りたい方は、経済産業省の解説記事を参考にしてみてください。

 

2. FIT制度の仕組み(発電者・電力会社・電気使用者の関係)

 

FIT制度を理解するため、もう少し詳しくFIT制度の仕組みを解説していきましょう。

 

以下は、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)の仕組みをイラストで図解したものです。

 

出典:近畿経済産業局|再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)の改正について

この図を簡単に文章で説明すると、以下のようになります。

1. 企業や個人が「太陽光・水力・風力・地熱・バイオマス」で発電を行う

2. その発電した電力を「小売電気事業者等」(電力会社のこと)が、国が定めた期間と固定価格で買い取る

3. 電力会社は、電気使用者から「再エネ賦課金」を徴収する

 

実は電力会社が電力を買い取るために必要な費用は、再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)として、電気の使用者が支払う電気料金に含まれています

 

出典:経済産業省|FIT・FIP制度> 制度の概要

 

要するに、FIT制度は私たち電力使用者(国民)が支える仕組みである、ということが理解できます。

3. FIT制度は再生可能エネルギーを普及する目的で始まった

FIT制度が生まれた目的は、「再生可能エネルギーを普及させるため」です。

FIT制度で「発電してくれれば買い取るよ!」と国が約束することで、国内の企業や家庭に太陽光パネルなどの設置を促進させるのが狙いです。

その背景には、「日本のエネルギー普及率が低いこと」と「二酸化炭素排出量を減らしたい」という2つの理由があります。

これらの要因を考慮すると、将来的にもFIT制度が継続される可能性が高いといえるかもしれません。

 

3-1. FIT制度が生まれた背景1:日本はエネルギー普及率が低い

日本は海外と比べてエネルギー自給率がとても低く、海外からの化石燃料の輸入に頼っている現状があります。

 

FIT制度導入前の2018年のデータでは、日本のエネルギー自給率は、OECD35カ国中ワースト2位(34位)でした。

 

出典:経済産業省|エネルギー政策の現状について(PDF資料)

 

輸入に頼りすぎると、国際情勢が悪くなったときに電力を供給できなくなるリスクがあり、また、電気代が高くなることにより大きな経済損失が出る可能性があります。

この事態を打開するために、政府はFIT制度を作り、エネルギー普及率を上げようとしています。

 

3-2. FIT制度が生まれた背景2:二酸化炭素排出量が他国よりも多い

FIT制度が生まれた理由の2つ目は、「二酸化炭素排出量を削減するため」です。

 

環境保護の観点から、温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)の排出量を減らす動きが世界的に行われています。

日本はFIT制度導入前の2018年時点で、温室効果ガスの排出量が世界で5番目に多い国でした。

 

出典:環境省|世界のエネルギー起源CO 排出量(2018年)(PDF資料)

温室効果ガスの排出量を減らすためには、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーへのシフトが必要です。こうした背景もあり、FIT制度が生まれました。

 

4. FIT制度の「買取価格」は当初の42円→16円とかなり値段が下がっている

 

冒頭でも説明しましたが、FIT制度が開始して以降、太陽光発電のFIT固定価格(保証される買取価格)は年々下落の一途を辿っています。

FIT制度が始まった2012年時点では42円/kWhだった買取価格は、2023年には16円/kWhまで下がっています。

 

なお、2024年度も16円/kWhになる見込みです。

これを見て「家庭に太陽光パネルを設置するメリットが減ってしまった」と考える方もいるかもしれません。しかし、それは間違いです。

その理由について、次の章で詳しく説明していきます。

 

5. FIT制度の買取価格が下がっても太陽光発電を導入すべき3つの理由

 

ここからは、FIT制度の買取価格が下がっても太陽光発電を導入すべき3つの理由について、なぜそう言えるのかを解説していきます。

 

 

5-1. 設置費用も下がり、投資回収期間は当初とそれほど変わらない

買取価格はFIT制度開始時の42円/kWhから、現在16円/kWhと大きく値下がりしていますが、実は設置費用も大きく下がっています

 

以下は、経済産業省の調達価格等算定委員会による、太陽光パネルの設置費用の推移です。

 

経済産業省 調達価格等算定委員会|令和5年度以降の調達価格等に関する意見「【参考22】住宅用太陽光発電のシステム費用の推移とその内訳」を参考にグラフ化

2012年の太陽光パネルの設置費用の平均値は、1kWあたり43.1万円でしたが、2022年には26.1万円にまで下がっています。

これは、例えば4kWの太陽光パネルを設置する場合、2012年では172.4万円かかっていた費用が、2022年には104.4万円にまで落ち着いている計算となります。

つまり、実際には太陽光発電の設備を導入するための設置費用が下がっているのに合わせて、FIT制度の買取価格も下がっているだけなのです。

さらに、現在は電気料金(電力会社から電気を購入する際に支払う料金)が高騰していることを考えると、自家発電によって電力の購入を最小限に抑えることで電気代を大幅に削減できます。

設置費用が下がっていること+高い電気代を払わなくて済むことを考えると、これだけ買取価格が減少している状況でも、初期費用を回収できる期間は当初とそれほど変わらないということが言えるでしょう。

 

5-2. 電気代が高騰しているため、電気代を大幅に削減できる

2023年になって電力会社の相次ぐ値上げが発表され、電気代が高騰しています。今後も値上がり傾向は続く可能性があります。

そこで、自宅で太陽光によって電力を生み出すことで、大幅な電気代削減につなげることができます。

また、現在の状況では、「売電して得られる収入メリットよりも、自家消費して電気代を削減するメリットの方が大きい」という事態が見受けられます。

実際に、売電価格と電気料金を比べて見てみましょう。

【売電価格と電気料金の比較】

売電価格

(発電して買い取ってもらう価格)

電気料金

(電力会社から購入する価格)

FIT期間中:16円/1kWh(※1)

卒FIT後:7円〜11円程度/1kWh(※2)

35円/1kWhが目安(※3)

さらに今後上昇傾向

※1:2023年度に太陽光発電を導入してFIT制度を利用する場合の価格です。

※2:7円〜11円程度というのは現在の市場買取価格なので、実際には、卒FIT後(10年後)になってみないと分かりません

※3:経済産業省 資源エネルギー庁|2023年6月の電気料金、なぜ値上がりするの?いくらになるの?を参考にした価格です。実際の電気料金は電力会社やプラン、電気使用量によって異なります。

 

例を挙げると、1,000kWhの電気を発電した場合、全てを売電すると1,000kWh×16円=1.6万円の売電収入を得られます。

一方で、全てを自分の家で使った場合、1,000kWh×35円=3.5万円の電気代を使わなくて済んだということになります。これは、自家消費による電気代削減が3.5万円ということを意味します。

売電価格が下がっていても、高い電気代削減効果があるため、太陽光発電を導入するメリットはあるということができるでしょう。

 

5-3. 停電しても電気を使えるので安心(蓄電池をセットで導入した場合)

太陽光発電と同時に蓄電池を導入すれば、地震や雷などの災害で停電が起きた場合にも、貯めていた電気を使うことができます。

特に、震災による停電は、復旧までに3日程度かかることがあり、長いと8日以上も電気が使えないケースがあります。普段から蓄電池に電気を貯めておけば、非常時に不便な生活を強いられることなく、電気のある生活が可能となります。

停電が夜間に起きた場合は、日中に貯めておいた電気を使えます。夜間にその電気を使い切ってしまったとしても、日中になればまた発電して電気を貯めておけるので、万が一停電が長期化しても安心です。

特に、赤ちゃんや小さなお子さん、ペットなどがいるご家庭は、停電時にも電気を使えるメリットを大きく感じるケースが多いでしょう。

 

6. FIT制度による売電収入と削減効果のシミュレーション例

 

ここからは、FIT制度を利用して売電した場合の収入がどうなるのか、そして電気代がどのくらい削減できるのかを詳しくシミュレーションしていきましょう。

ここでは、当社の「エネがえる V4.1」を使用して、2つのご家庭を想定した詳細なシミュレーションを行いました。

以下、共通の前提条件を記しておきます。

お住まい:東京都

買取価格:FIT期間中16円/kWh(10年)、FIT終了後8.5円/kWh(5年)

太陽光パネル:パネル出力4kW、方位角は南、傾斜角は4寸

電気料金上昇率想定(年率):2%

 

6-1. 例1:電気代が現在1万円/月のご家庭(蓄電池なし)のシミュレーション

 

先に紹介するのは、電気代の月平均が1万円で、仕事や学校で家族が日中は外出している「夜型」の生活を送っているご家庭です。

現在の電気の契約情報:東京電力エナジーパートナー/従量電灯B(40A)

1カ月の電気代:月1万円

生活スタイル:夜型(お仕事や学校で日中は全員外出)

蓄電池:なし

 

シミュレーションの結果、15年間の累計おトク額は【1,313,950円】となりました。

【1年あたりの電気料金や売電収入(FIT期間中)】

運転モード

電気料金

電気料金削減額

売電収入

効果額合計

自給率

現在

120,344

0

0

余剰売電

93,237

27,107

66,778

93,885

23.82

※買取単価:16円/kWh、現行プランの場合(単位:円/年)

 

このケースでは蓄電池を設置していないため、発電して余った電力は全て「余剰買取」に回るため、売電収入が年間で約6.7万円程度得られる結果になりました。

 

また、自家消費した分の電気料金削減額は、年間で約2.7万円となり、合わせて年間で約9.4万円のコスト削減できるシミュレーション結果です。

 

つまり、初期費用が131万円ならば、15年間でコストを回収できることが分かります。

 

6-2. 例2:電気代が現在2万円/月のオール電化のご家庭(蓄電池あり)のシミュレーション

次に紹介するのは、電気代の月平均が2万円のオール電化のご家庭で、自家消費を優先させるために蓄電池を設置する場合のシミュレーションです。

 

※蓄電池とは、発電した電力を貯めておける設備のことです。蓄電池があれば、晴れた日中に発電した電力を貯めて、夜間や雨の日にも使えるため、自家消費したい方には設置をおすすめしています。

 

詳しくは、「太陽光発電の蓄電池は必要?メリット・費用・回収期間から確実に判断」の記事をご覧ください。

 

現在の電気の契約情報:東京電力エナジーパートナー/従量電灯B(60A)

1カ月の電気代:月2万円

生活スタイル:オール電化型

蓄電池:あり/パナソニックLJB1156(5.6kWh)

 

シミュレーションの結果、15年間の累計おトク額は【2,423,895円】となりました。

 

【1年あたりの電気料金や売電収入(FIT期間中)】

運転モード

電気料金

電気料金削減額

売電収入

効果額合計

自給率

現在

240,217

0

0

余剰売電

174,202

66,015

53,389

119,404

27.71

※買取単価:16円/kWh、現行プランの場合(単位:円/年)

このケースでは、発電して余った電力を買い取ってもらう売電収入が年間で約5.3万円程度、さらに自家消費した分の電気料金削減額は年間で約6.6万円となり、合わせて年間で約11.9万円のコスト削減できるシミュレーション結果となりました。

つまり、初期費用が242万円ならば、15年間でコストを回収できます。

7. 太陽光発電の導入を判断するには正確なシミュレーションが大切

この記事では、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)の概要や、買取価格の推移などを詳しく解説してきました。

ここからは、太陽光発電を導入するかどうか判断する際に、なぜ正確なシミュレーションが重要となるのか解説していきます。

 

7-1. 太陽光発電の導入による「経済メリットがいくらになるか」は家庭によって違う

これまで、太陽光発電システムを導入することで、売電収入と電気代削減という2つの軸による経済メリットを得ることができることを説明してきました。

しかしながら、年間いくらオトクになるかは、太陽光発電のシステム構成はもちろん、設置エリアや家庭の生活スタイル、現在の電気代、蓄電池を付けるかどうかによって変わります。

そのため、太陽光発電システムを導入を検討する際には、「電気代をいくら削減できるのか」「初期費用がいくらになるのか」を正確にシミュレーションすることが大切です。

蓄電池を付けるか判断する場合も同様です。蓄電池を付けるといくら電気代を削減できるかを正確に算出できれば、蓄電池もセットで設置するかの判断が容易になるでしょう。

このような太陽光発電を付けた場合の費用対効果を正確に見積もるためには、シミュレーションが不可欠です。

 

7-2. シミュレーションはFIT対応しているエネがえるがおすすめ

メーカーサイトなど、太陽光発電の無料シミュレーションができるサイトはたくさんありますが、ほとんどは簡易的なシミュレーションしかできません。

FIT制度の期間中の売電価格やFIT制度が終わった後の売電価格を細かく調整したり、太陽光モジュールの方角や傾斜角を調整したり、ローンで購入した場合のシミュレーションをしたりするならば、「エネがえる」がおすすめです。

太陽光・蓄電池経済効果を診断できる「エネがえる」は、大手有名メーカーも採用しているシミュレーションツールです。

一般の方は使うことはできませんが、多くの販売店や工務店、住宅メーカー、商社などが「エネがえる」を採用しています。

詳細にシミュレーションを行いたい場合には、「エネがえる」を採用している販売店や工務店に依頼することをおすすめします。

 

7-3. 「エネがえる」ではFIT制度を考慮したシミュレーションが可能

「エネがえる」でどんなシミュレーションができるかを実際にお伝えしていきましょう。

以下は、「エネがえるASP(家庭用)」でシミュレーションした場合に、お客様にお渡しできるレポート資料の例です。

▼トータルでいくらの経済メリットがあるのかを、FIT期間中・FIT期間後に分けてシミュレーション可能。

 

▼FIT期間中とFIT期間終了後(卒FIT後)の売電量をそれぞれ算出できます。

 

▼事前にお聞きした生活スタイルから、ご家庭の1日の電気利用の流れも正確に把握できます。

 

▼電気会社からいくら購入し、いくら売電できるか詳細なシミュレーションが可能です。

 

▼売電収入だけでなく、自家消費によりいくら電気代を節約できたか、そして合計額を詳細に知ることができます。

 

▼ローンで購入する場合には、分割手数料も詳細に算出できます。

 

一般的なシミュレーションツールでは、ここまでの詳細なレポートを出すことはできません。

詳細なシミュレーションを見たい場合には、ぜひ「エネがえる」を導入している工務店やハウスメーカーに相談することをおすすめします。

 

8.【販売施工店向け】シミュレーションツールならエネがえるがおすすめ

ここからは、工務店やハウスメーカー、販売施工店向けに、太陽光発電や蓄電池の提案をスピーディーに行える「エネがえる」の紹介をさせていただきます。

太陽光発電のシミュレーションツールはたくさんありますが、精度が高いシミュレーションをするならば「エネがえる」が最適です。

太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションの決定版「エネがえる」の特徴

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・5分で提案書が自動作成

・燃調費単価も月1回自動更新

・主要蓄電池製品を98%網羅

 

「エネがえる」は、蓄電池やエコキュートの長期経済効果を最短15秒で診断可能。わかりやすいグラフ付き提案書で、細かい金額までしっかり提示ができます。

支払い期間やローン金利を入れれば、FIT期間とFIT終了後の負担額も自動計算でき、瞬時に提案可能です。

弊社がおこなったアンケートの結果、エネがえるで出力した診断レポートをお客様に見せたところ、「71%のお客様が、販売会社への信頼度が上がる」と回答しています。

 

 

導入にいくらかかり、それによりどのくらいの経済効果が出るのか、毎月のローン負担額はいくらかになるかを、FIT中からFIT後まで15年という長期にわたり具体的にシミュレーションできるため、お客様からの信頼を勝ち取ることができます。

なお、エネがえるシリーズには他に、産業用のシミュレーションもできる「エネがえるBiz」や、EV・V2H経済メリットシミュレーションができる「エネがえるEV・V2H」もあります。

お客様への提案の確度を上げたい工務店・販売施工会社・メーカー・電力会社は、ぜひ「エネがえるASP」の導入をご検討ください。

 

まとめ

本記事では「FIT制度(固定価格買取制度)」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

 

▼FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)とは

・太陽光などで発電した電力の買取を国が義務づけた制度

・電力会社が10〜20年間にわたり一定価格で買い取ってくれる

・2019年終了見込みだったFIT制度は2023年現在も継続

 

FIT制度の仕組み(発電者・電力会社・電気使用者の関係)

1. 企業や個人が「太陽光・水力・風力・地熱・バイオマス」で発電を行う

2. その電力を「小売電気事業者等」(電力会社)が、国が定める期間と固定価格で買い取る

3. 電力会社は、電気使用者から「再エネ賦課金」を徴収する

FIT制度の「買取価格」は当初の42円→16円(2023年度)とかなり値段が下がっています。

しかしながら、それでもなお、太陽光発電を導入するメリットは大きいと考えます。

FIT制度の買取価格が下がっても太陽光発電を導入すべき3つの理由

・設置費用も下がり、投資回収期間はそれほど変わらない

・電気代が高騰しているため、電気代を大幅に削減できる

・停電しても電気を使えるので安心(蓄電池セットの場合)

 

太陽光発電を始める際には、事前の正確なシミュレーションが欠かせません。

自宅に設置した場合にどのくらいの発電量を見込めるのか、どのくらい売電収入があるのか、どのくらい電気代削減を見込めるのか、そして、初期費用に対してどうなのかをしっかりと予測しましょう。

詳細なシミュレーションを行いたい場合には、ぜひ「エネがえる」導入店にご相談ください。

 

執筆者・相談先(太陽光・蓄電池シミュレーションエキスパート)

国際航業株式会社 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

執筆者:樋口 悟

執筆者の略歴:国際航業株式会社エネルギー部デジタルエネルギーグループ。エネルギー診断クラウドサービス「エネがえる」担当。1996年東京学芸大学教育学部人間科学課程スポーツコーチ学科卒業。1997年上場大手コールセンター会社に入社、2000年大手上場小売企業グループのインターネット関連会社で最年少役員に就任。2011年に独立起業。大企業向けにSNSマーケティングやアンバサダーマーケティングを提供するAsian Linked Marketingを設立。30以上の大手上場企業のプロジェクトを担当。5年で挫折。2016年国際航業株式会社新規事業開発部に入社しエネルギー領域の事業開発、エネがえる事業開発を担当。

太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションの国内唯一のエキスパートとして、大手電力・ガス会社、有名太陽光・蓄電池メーカー、全国販売施工店・工務店など約700社以上と、最近ではエネルギー政策立案サイド(国・官公庁・地方自治体)で太陽光・蓄電池推進政策をしている方々へもエネがえるを活用した太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションやアドバイスを提供している。

執筆者のSNS:
・Twitter:@satoruhiguchi
・LinkedInプロフィール:https://www.linkedin.com/in/satoruhiguchi/
・Sansan名刺交換:https://ap.sansan.com/v/vc/bu56hqnjvw5upna463tcfvkxka/

 

 

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