蓄電池を導入したときの電気代は?|高精度シミュレーションで検証

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国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

「蓄電池を使うと、電気代が安くなるって本当なの?」
「蓄電池のメリットって、電気代が安くなることだけなの?」と思ったことはありませんか。

結論からお伝えすると、「太陽光発電システムを設置している家庭では電気代削減が期待できるが、大幅な削減効果がある可能性は低い」と言えます。

具体的には、太陽光発電システムを設置しているオール電化の家庭では、蓄電池未設置の場合と比べた差額が、1ヶ月あたり16,623円(FIT期間中)、15,337円(FIT期間終了後)というシミュレーション結果が出ました。

太陽光発電システムでオール電化の家庭で蓄電池の設置と未設置の差額

実際には、蓄電池本体や設置に必要な費用が数百万円かかることを考えると、「大幅な電気代削減効果がある可能性は低い」と考えられます。

しかし、蓄電池を導入するメリットは電気代を削減することだけではありません。災害時に電気を確保できるため、以下のような人たちにとっては、たとえ電気代が安くならないとしても導入のメリットがあるといえるでしょう。

蓄電池は災害時に電気を確保できるというメリットがある

在宅治療中の人や高齢者、ペットなどにとっては、電気を失うことで医療機器が止まってしまったり、エアコンが使えなかったりして命の危険につながる可能性があります。

しかし、蓄電池を導入することで、災害時にも安心して電気を使うことができるのです。

本記事では、以下についてお伝えしていきます。

本記事でわかること

・蓄電池を使った場合の電気代をタイプ別にシミュレーション
・どんな家庭が蓄電池導入に肯定的なのか?
・どんな家庭が蓄電池導入に否定的なのか?
・蓄電池は電気代を抑えるのに有効な手段なのか
・最適な蓄電池選びに大切な5つのポイント
・蓄電池の電気代が気になるならエネがえるを使ったシミュレーションがオススメ

「我が家の場合は、蓄電池を導入すると電気代が安くなるのだろうか?」と気になっているのであれば、後ほどご紹介するシミュレーションを参考に、導入するか否かを判断してください。

また、蓄電池選びのポイントについても解説していますので、合わせてお読みください。

蓄電池を使った場合の電気代をタイプ別にシミュレーション

蓄電池を使った場合の電気代をタイプ別にシミュレーション

蓄電池を使った場合、どのくらい電気代に変化があるのか気になるところでしょう。

  • 太陽光発電を設置済みの家庭が蓄電池を追加設置(オール電化)
  • 太陽光発電を設置済みの家庭が蓄電池を追加設置(非オール電化)
  • 太陽光発電を設置していない家庭

条件が複雑になるため、今回は蓄電池の購入費用及び設置費用は考慮せず、電気代のみにフォーカスした形で、上記のタイプ別に電気代シミュレーションを行っていきます。

太陽光発電を設置済みの家庭が蓄電池を追加設置(オール電化)

シミュレーションの結論からお伝えすると、このケースでは電気代削減効果が高い計算となりました。

太陽光発電システムをすでに設置している家庭が蓄電池を追加で設置した場合(オール電化)のシミュレーションを、「エネがえる」を用いて以下の条件で行っていきます。

【オール電化住宅】太陽光発電システム設置済み&蓄電池を追加設置

・神奈川県在住
・4人家族
・使用電力:月あたり平均600kWh
・使用電力会社とプラン:東京電力(スマートライフ)
・検討している蓄電池の容量:10kWh

電気料金の上昇率を年間2%と想定した場合、太陽光発電と蓄電池を合わせて利用することで、15年間で約318万円の節約が可能という結果が出ました。

太陽光発電と蓄電池を合わせて利用すると15年間で約318万円の節約が可能

太陽光発電と蓄電池を合わせて利用すると15年間で約318万円の節約が可能 詳細グラフ

1ヵ月あたりのシミュレーションについては、以下をご覧ください。

太陽光発電と蓄電池を合わせて利用すると15年間で約318万円の節約が可能 シミュレーション結果

上記のように、1ヶ月のお得金額が16,623円(FIT期間中)と出ています。

FIT期間終了後はおよそ1,300円程度マイナスの15,337円となりますが、日中余った電気を蓄電池に貯めて後日使用できるようになるため、売電収入が下がった分をほぼ補えると言えるでしょう。

また、日中の太陽光発電をどのくらい蓄電池に貯められるかについては、以下のグラフをご覧ください。

太陽光発電と蓄電池を合わせて利用すると15年間で約318万円の節約が可能 日中の発電量

もっとも充電量が少ない2月(約150kw)と8月(約237kw)を比べると90kw近くの差があるなど、月によって貯められる電気量は変わりますが、年間で合計すると2355.95kwの蓄電が可能になります。

太陽光発電を設置済みの家庭が蓄電池を追加設置(非オール電化)

シミュレーションの結論からお伝えすると、このケースでは電気代削減効果が高い計算となりました。

太陽光発電システムをすでに設置している家庭が蓄電池を追加で設置した場合(非オール電化)のシミュレーションを、「エネがえる」を用いて以下の条件で行っていきます。

【オール電化ではない住宅】太陽光発電システム設置済み&蓄電池を追加設置

・神奈川県在住
・4人家族
・使用電力:月あたり平均400kWh
・使用電力会社とプラン:東京電力(スタンダードS)
・検討している蓄電池の容量:10kWh

電気料金の上昇率を年間2%と想定した場合、太陽光発電と蓄電池を合わせて利用することで、15年間で約370万円の節約が可能という結果が出ました。

太陽光発電と蓄電池を合わせて利用すると15年間で約370万円の節約が可能

太陽光発電と蓄電池を合わせて利用すると15年間で約370万円の節約が可能 詳細グラフ

1ヵ月あたりのシミュレーションについては、以下をご覧ください。

太陽光発電と蓄電池を合わせて利用すると15年間で約370万円の節約が可能 シミュレーション結果

上記のように、1ヶ月のお得金額が18,536円(FIT期間中)と出ています。

FIT期間終了後はおよそ800円程度マイナスの17,788円となりますが、日中余った電気を蓄電池に貯めて後日使用できるようになるため、売電収入が下がった分をほぼ補えると言えるでしょう。

また、日中の太陽光発電をどのくらい蓄電池に貯められるかについては、以下のグラフをご覧ください。

太陽光発電と蓄電池を合わせて利用すると15年間で約370万円の節約が可能 日中の発電量

もっとも充電量が少ない2月(約41kw)と5月(約185kw)を比べると150kw近くの差があるなど、月によって貯められる電気量は変わりますが、年間で合計すると1210.13kwの蓄電が可能になります。

太陽光発電を設置していない家庭

シミュレーションの結論からお伝えすると、太陽光発電を設置していない家庭では、電気代削減効果が10年間で500円程度とほとんどないか、むしろマイナスとなる結果でした。

太陽光発電が設置されていない場合は、蓄電池で貯めることができる電力量よりも、明らかに電力消費量が大きく上回るため、電気代を削減できるほどの効果が期待できないのです。

そのため、数百万円の費用をかけて蓄電池を導入しても、電気代がそれほど変わらず、むしろ導入費用のほうが上回ってしまったという結果になりかねません。

どんな家庭が蓄電池導入に肯定的なのか?

どんな家庭が蓄電池導入に肯定的なのか?

「蓄電池を導入したら、電気代が安くなりそう」
「停電が起きたら、蓄電池を非常用電源として使いたい」
「災害時にも、エアコンや冷蔵庫を使えたら安心!」

次のような状況にある家庭が、蓄電池に対して肯定的な意見を持つ可能性が高いと考えられます。

  • 太陽光発電と合わせて蓄電池を使う家庭
  • 蓄電池を停電時の備えとして考えている家庭

以下で、ひとつずつ、詳しく解説していきます。

太陽光発電と合わせて蓄電池を使う家庭

太陽光発電と蓄電池を合わせて使用しようと検討している家庭は、導入に肯定的な可能性が高いです。

太陽光発電システムが設置されていれば、日中は太陽光発電の電気を家庭で利用し、余った電力を蓄電池へ貯めることができます。

そして、夜間の電気料金が安い時間帯の電気も蓄電池に貯めることで、雨や雪の日など天候が悪く日差しが期待できない日でも、電気を自給自足できる可能性があるのです。

このように、太陽光発電と蓄電池を合わせて使うことで電気代削減効果が見込める可能性があるため、蓄電池の導入に肯定的な意見を持つ家庭も多いと言えるでしょう。

蓄電池を停電時の備えとして考えている家庭

停電時の備えとして蓄電池の導入を考えている場合、肯定的な考えを持つ家庭が多いと考えられます。

台風や地震などの災害時に停電するケースが見られますが、蓄電池を設置している場合、家庭内の家電を利用することが可能です。

蓄電池によって性能が異なりますが、全負荷型の蓄電池であれば家中の家電製品を使用できるため、暑さや寒さが厳しい時期であっても、エアコンや冷蔵庫といった電気製品が使えることで安心できる人も多いでしょう。

停電時にも不便なく電気を使用したい家庭であれば、蓄電池の設置がメリットとなると言えます。

どんな家庭が蓄電池導入に否定的なのか?

どんな家庭が蓄電池導入に否定的なのか?

「蓄電池を導入しても、電気代が安くならないだろうから不要」
「蓄電池は購入費用が高いから買いたくない」
「自宅に蓄電池を置くスペースがない」

次のような状況にある家庭が、蓄電池に対して否定的な意見を持つ可能性が高いと考えられます。

  • 消費電力量が少ない家庭
  • 設置スペースが限られている家庭
  • 電気料金を大きく削減したい家庭

以下で、ひとつずつ、詳しく解説していきます。

消費電力量が少ない家庭

もともと消費電力量が少ない家庭であれば、蓄電池の必要性を感じず導入に否定的になるかもしれません。

消費電力量が少ないかどうか判断する目安として、以下の環境省による「地方別世帯当たり年間電気消費量(令和2年度)」を参考にすることをオススメします。

地方別世帯あたり年間電気消費量(固有単位)(令和2年度)

たとえば、北陸地方では年間平均が6153kwhとなっているため、1ヶ月で500kwhに満たない消費量の場合は、電力消費量が少ないと言えます。

このように、居住している地域の年間電気消費量よりも少ない家庭は、電気料金が周りの家庭と比べて安くなる可能性が高いため、あえて蓄電池を導入する必要はないと感じるかもしれません。

設置スペースが限られている家庭

自宅に蓄電池を設置するスペースがない場合、導入に対して否定的になる可能性があります。

蓄電池の大きさは製品によって変わりますが、だいたいエアコンの室外機2台分ほどの大きさです。重量も大きいものは100キロを超えるため、接地面の強度がしっかりしており、抜け落ちる心配がない場所に設置する必要があります。

また、直射日光が当たらない場所へ設置する必要があるため、スペースや日当たりの問題で導入に否定的になることも考えられるでしょう。

電気料金を大きく削減したい家庭

電気料金を大きく削減したい家庭は、以下の2点が理由で蓄電池の導入に否定的になるかもしれません。

  • 日中自宅にいる時間が短い家庭では、電気代削減効果を感じにくい
  • 電気代の節約金額よりも蓄電池の導入費用が上回る可能性が高い

蓄電池は、電気料金の安い夜間帯に電力を貯めて、電気代の高い日中に利用することで電気代を削減していきます。

そのため日中は自宅に不在で、普段から料金が安い夜間帯に電気を使用している家庭は、電気代削減効果も期待できないため、蓄電池の導入に否定的になっても不思議ではないでしょう。

また、電気代の節約金額よりも蓄電池の導入費用が上回る可能性があるため、たとえ電気代が下がったとしても、結果的に金銭的にマイナスだと感じて否定的になる可能性があります。

【まとめ】蓄電池は電気代を抑えるのに有効な手段なのか

【まとめ】蓄電池は電気代を抑えるのに有効な手段なのか

実際に、蓄電池は電気代を抑えるのに有効な手段なのかと聞かれたら、「太陽光発電システムを設置している家庭では電気代削減が期待できるが、大幅な削減効果がある可能性は低い」とお伝えせざるを得ないでしょう。

「そんなことはない、1章では太陽光発電システムがある場合、15年間で300万円台の電気代節約効果があると言っていたではないか?」と思われるかもしれません。

しかし、蓄電池は無料ではありません。本体の代金と設置費用を合わせると数百万円が必要です。

つまり、本体代金と設置費用次第では、300万円台の電気代削減分が目減りしてしまい、年間にして数万円程度の削減にしかならない可能性もあるわけです。これでは、とても大幅な削減効果があるとは言えないでしょう。

しかし、蓄電池には電気代だけではないメリットがあるため、以下で詳しく解説していきます。

蓄電池は電気代節約というメリットだけではない

蓄電池には、地震や台風といった災害時に非常用の電源として使えるというメリットがあります。

災害時にはただでさえ不安な気持ちになりますが、そのなかで蓄電池を活用することでエアコンや冷蔵庫、電子レンジや照明器具が使えると、精神的にもだいぶ安心できるでしょう。

とくに、以下のような人たちにとっては、蓄電池があるかないかで命に関わる事態を引き起こす可能性があります。

蓄電池は災害時に電気を確保できるというメリットがある

人工呼吸器などの医療器具を使用していたり、体調急変の可能性がある高齢者や月齢の小さい赤ちゃんが自宅にいる場合は、電気を失うことが即生命の危機に繋がることも考えられます。

また、災害時には避難所はペットの同行は不可となっている場合が多いですが、夏の暑い時期に、電気がなければペットの体調も急変してしまう恐れがあります。

しかし、蓄電池があれば、日常的に貯めておいた電力を利用できるので安心です。このように、非常時に備えたいという目的で蓄電池を導入するのであれば、費用面で元が取れるかどうかは大きな問題とはならず、メリットのほうが大きくなるのではないでしょうか。

電気代は下がっても導入費用を考慮すべき

各家庭によって電力使用量や在宅時間帯、太陽光発電の有無などが異なるため、しっかりとシミュレーションを行ってからメリットがあるかどうかを判断するべきですが、蓄電池を導入したことで電気代を抑えるメリットがあまり感じられないケースも考えられます。

その理由は、蓄電池の導入には100万円〜200万円程度の費用がかかるからです。たとえば、月あたり1万円電気代が安くなった場合、年間で12万円の削減効果があります。

この場合、電気代が抑えられているのは事実ですが、蓄電池の導入費用がかかっているため、元を取るには最低でも9年間程度(蓄電池が100万円程度の場合)修理費用などの追加出費をせずに蓄電池を使い続ける必要があります。

蓄電池の導入費用が200万円程度になった場合は、金銭的な元を取るには最低でも18年間程度の使用が必要になるため、結果的にメリットを感じにくい家庭が多いと言えるでしょう。

最適な蓄電池選びに大切な5つのポイント

最適な蓄電池選びに大切な5つのポイント

「蓄電池を導入してみよう」と思った場合、次に大切なのは、以下のポイントを考慮して自身の状況に最適な蓄電池を選ぶことです。

  • 年間の電気使用量を確認する
  • 停電時に利用したい家電を確認する
  • 生活スタイルの変化を考慮する
  • 安くて質の良い業者から購入する
  • 補助金を利用する

以下で、ひとつずつ解説していきます。

年間の電気使用量を確認する

最適な蓄電池の容量を知るために、年間の電気使用量を検針票をもとに確認してください。

季節によって使用量が変わるため、特定の月だけではなく、年間使用量を把握することが大切です。夏や冬にはエアコンで冷房や暖房を利用するため、電気使用量が増えるケースがほとんどでしょう。

ちなみに、以下は環境省が発表した「地方別世帯当たり年間電気消費量(令和2年度)」です。地域によって、年間電気消費量に大きな差があることが分かります。

地方別世帯あたり年間電気消費量(固有単位)(令和2年度)

また、太陽光発電を使用している場合は、発電量のデータも合わせて確認しておくことをオススメします。雨や雪が多い季節や日照時間が短い時期は発電量が少ないため、電気使用量にも影響してくるからです。

蓄電池を選ぶ際には、これらのデータを元に、家庭に必要な量を計算して決めていきましょう。

停電時に利用したい家電を確認する

停電時に電気を供給してくれる蓄電池ですが、どの家電を停電時に利用したいのかを確認しましょう。

なぜなら、蓄電池は出力できる最大量が決まっているため、利用したい家電すべてを動かせるとは限らないからです。

蓄電池には、以下の2つのタイプがあります。

蓄電池のタイプ

対応ボルト

供給範囲

導入費用

全負荷

200Vまで

家中すべての電気機器

高め

特定負荷

100Vのみ

家の一部の電気機器

安め

エアコンや照明、冷蔵庫、テレビなどすべての家電を利用したいのであれば、全負荷型200V対応の蓄電池を選ばなくてはなりません。

一方で、停電時には特定の部屋で特定の家電のみ使えれば良いと考えている場合は、特定負荷型の蓄電池が向いているでしょう。

暑さ寒さが厳しい時期に停電となった場合、エアコンが動くかどうかを気にする人が多いと思いますが、エアコンによって100V対応、200V対応と異なります。

必ず事前に、コンセントプラグに何ボルトと記されているか確認してください。

生活スタイルの変化を考慮する

蓄電池の容量を決める際は、いま必要な容量がこの先もずっと必要とは限りません。生活スタイルの変化を考慮して決定するようにしてください。

たとえば、数年以内に子供を持とうと考えている30代前半の夫婦の場合を考えてみましょう。

現在は共働きで日中はほとんど家にいませんが、出産後は、日中も電気使用量が大幅に増えます。そのまま、何年間もその生活スタイルが続く可能性もあるわけです。

多くの蓄電池の寿命は15年〜20年程度なので、この夫婦の場合、現在の電気使用量に合わせて小さめの蓄電池を購入すると、容量が足りないまま使い続けていく可能性があります。

このように、生活スタイルの変化を5年〜10年単位で予測して、必要と思われる蓄電池を選ぶようにしてください。

安くて質の良い業者から購入する

蓄電池は複数の業者を比較して、安く、そしてサービスの質が良い業者から購入するようにしましょう。

蓄電池の容量や性能にもよりますが、工事費込みで100万円〜200万円程度の購入費用がかかります。しかし、訪問販売などで飛び込み営業をしている業者の場合、300万円以上などの高額提案をするケースもあります。

家庭に合った蓄電池を選ぶためには、以下のような業者を選んでください。

  • メリットばかりではなくデメリットも合わせて説明してくれる
  • 現在の電力使用状況を踏まえたうえで具体的なシミュレーションをしてくれる
  • 質問に対して明確な返答をしてくれる

購入したら15年〜20年使う製品です。できるだけ安く、しかしアフターケアなども充実した信頼できる業者から購入するようにしましょう。

補助金を利用する

蓄電池の購入は高額なため、国や地方自治体が実施している補助金を利用して、自己負担額を減らしていくようにしましょう。

国からの補助金として、毎年経済産業省が環境共創イニシアチブを通して交付しているのが「DR補助金」です。条件を満たせば、最大60万円の補助金が支給されます。

2023年度のDR補助金はすで予算額に達したため終了してしまいましたが、詳細は資源エネルギー庁「VPP・DR普及に関する施策」でご確認ください。

また、補助金制度を持つ地方自治体もあります。都道府県だけではなく、市町村単位で出していることもあるため、地方自治体のホームページを確認してみましょう。

たとえば東京都では、1kWhあたり15万円、最大120万円の補助金を受けられます。詳しい条件については、公式ホームページをご覧ください。

国からの補助金と地方自治体からの補助金は、併用可能です。自己負担額をできるだけ抑えるために、情報は漏らさずチェックし、申請するようにしましょう。

蓄電池の電気代が気になるならエネがえるを使ったシミュレーションがオススメ

蓄電池の電気代が気になるならエネがえるを使ったシミュレーションがオススメ

本記事では、蓄電池の電気代シミュレーションをするにあたり、「エネがえる」のシミュレーションを活用してきました。

エネがえるは、蓄電池の費用対効果をさまざまな条件を元にシミュレーションできるサービスで、2023年9月現在700社近くが導入しています。

蓄電池は一度購入したら15年〜20年といった長期間使うことになります。価格も100万円〜200万円程度と考えると、安い買い物ではないので「失敗したら買い替えればいい」とは考えられないでしょう。

適切な蓄電池を選ぶためには、以下のポイントを捉えた上で、高精度のシミュレーションを行う必要があります。

  • 家族構成
  • 電気使用量
  • 主な電気の使用時間帯
  • 日照条件
  • 停電時に使いたい家電

こういった複数の条件のうち、どれかひとつが異なるだけでも電気代や費用対効果が変わってくるため、エネがえるを使って詳細なシミュレーションをすることが欠かせないのです。

必要事項を入力していくだけで簡単に使え、最短15秒で診断結果が出るため、蓄電池メーカーはもちろん、電力会社や蓄電池の販売施工店にとっては必須のツールと言えるでしょう。

「我が家で蓄電池を導入したら、電気代や費用対効果はどうなのだろう」と気になっている場合は、エネがえるを導入している販売店でシミュレーションしてもらうことをオススメします。

まとめ

本記事では、蓄電池を導入した場合の電気代について解説してきました。

結論からお伝えすると、「太陽光発電システムを設置している家庭では電気代削減が期待できるが、大幅な削減効果がある可能性は低い」という結果になりました。

その理由は、たとえ電気代が削減できた場合でも、蓄電池本体の購入費用や設置費用がかかるため、合計すると必ずしも大幅な削減にはつながらない可能性が高いからです。

しかし、蓄電池には、地震や台風といった災害時に非常用の電源として使えるというメリットがあります。

とくに、以下のような人たちにとっては、電気を失うことで命に関わる事態を引き起こす可能性があるため、たとえ費用がかかって元が取れなかったとしても、蓄電池を導入するメリットのほうが大きくなるのではないでしょうか。

蓄電池は災害時に電気を確保できるというメリットがある

最適な蓄電池を選ぶためには、以下のポイントに留意してください。

  • 年間の電気使用量を確認する
  • 停電時に利用したい家電を確認する
  • 生活スタイルの変化を考慮する
  • 安くて質の良い業者から購入する
  • 補助金を利用する

そして、具体的なデータに基づいて適切な蓄電池を選ぶためには、詳細なシミュレーションが必要です。ぜひ、お近くの販売店に依頼して、エネがえるのシミュレーションを利用することをオススメします。

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