目次
- 1 産業用自家消費型太陽光・蓄電池販売に関する実態調査
- 1.1 産業用自家消費型太陽光・蓄電池に興味を持った理由、「電気代を削減したいから」が61.9%で最多
- 1.2 興味を持った理由、他にも「停電したときの備え」や「カーボンニュートラル達成」など
- 1.3 営業を受けたものの導入しなかった理由、38.1%が「設置費用が予想より高かったから」、31.4%が「経年劣化や耐久性が心配だったから」と回答
- 1.4 導入しなかった理由、「事業計画と合わなかった」や「耐用年数、強度などランニングに対しての回答なし」などの声も
- 1.5 営業担当者から「経済効果のシミュレーション」を提示してもらっていない経営者・役員、51.5%と回答者の半分以上を占める
- 1.6 43.6%が、シミュレーションで経済効果を想像できず
- 1.7 回答者の51.9%が、「信憑性のある経済効果シミュレーションがあれば、負担額次第では自家消費型太陽光を導入したかった」と回答
- 1.8 シミュレーションで見たいもの、「投資回収期間」が41.9%で最多、続いて「設置による電気代削減額や削減率」が34.3%
- 1.9 他にも、「ランニングコスト」や「地域の平均的な発電量」などを見たいという声も
- 1.10 まとめ
産業用自家消費型太陽光・蓄電池販売に関する実態調査
調査サマリー
調査概要
調査概要:産業用自家消費型太陽光・蓄電池販売に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年9月1日〜同年9月4日
有効回答:自家消費型太陽光・蓄電池の営業を受けたことがあるが、導入していない企業・施設の経営者・役員105名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪調査結果の利用条件≫
1 情報の出典元として「エネがえる運営事務局調べ」を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
産業用自家消費型太陽光・蓄電池に興味を持った理由、「電気代を削減したいから」が61.9%で最多
「Q1.あなたが、産業用・事業者向けの自家消費型太陽光・蓄電池に興味を持った理由を教えてください。(複数回答)」(n=105)と質問したところ、「電気代を削減したいから」が61.9%、「SDGsに対する意識が高まっているから」が20.0%、「補助金が出るから」が19.0%という回答となりました。
・電気代を削減したいから:61.9%
・SDGsに対する意識が高まっているから:20.0%
・補助金が出るから:19.0%
・二酸化炭素排出量削減による企業価値向上のため:14.3%
・BCP対策のため:11.4%
・売電しようと思ったから:9.5%
・太陽光発電の自家消費率を上げたいから:8.6%
・その他:1.0%
ー54歳:屋根の断熱効果。
・興味を持たなかった:17.1%
・わからない/答えられない:1.0%
興味を持った理由、他にも「停電したときの備え」や「カーボンニュートラル達成」など
Q1で「わからない/答えられない」「興味を持たなかった」以外を回答した方に、「Q2.Q1で回答した以外に、産業用・事業者向けの自家消費型太陽光・蓄電池に興味を持った理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=86)と質問したところ、「停電したときの備え」や「カーボンニュートラル達成のための一手段」など59の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・37歳:今後その他のエネルギーもコストが上がるから。
・58歳:東北の震災で電気不足となり、地域の役に立つと思い導入。
・61歳:電力の補助的確保。
・61歳:カーボンニュートラル達成のための一手段。
・48歳:時代のニーズ。
・65歳:停電した時の備え。
・59歳:エネルギーコストの削減に加え、電力の確保。
営業を受けたものの導入しなかった理由、38.1%が「設置費用が予想より高かったから」、31.4%が「経年劣化や耐久性が心配だったから」と回答
「Q3.産業用・事業者向けの自家消費型太陽光・蓄電池の営業を受けたものの、導入しなかった理由を教えてください。(複数回答)」(n=105)と質問したところ、「設置費用が予想より高かったから」が38.1%、「経年劣化や耐久性が心配だったから」が31.4%、「経済効果が明確に想像できなかったから」が25.7%という回答となりました。
・設置費用が予想より高かったから:38.1%
・経年劣化や耐久性が心配だったから:31.4%
・経済効果が明確に想像できなかったから:25.7%
・設置スペースが確保できなかったから:12.4%
・シミュレーションの信憑性が薄かったから:11.4%
・十分なシミュレーション比較ができなかったから:4.8%
・営業担当からのレスポンスが遅かったから:2.9%
・営業担当からのシミュレーションが遅かったから:1.0%
・以前は導入していたが、現在は導入していない:1.0%
・その他:5.7%
ー59歳:現在、一部で導入準備中。
ー46歳:設置技術の課題などさらなる情報収集をして検討を進める為。
・わからない/答えられない:14.3%
導入しなかった理由、「事業計画と合わなかった」や「耐用年数、強度などランニングに対しての回答なし」などの声も
Q3で「わからない/答えられない」「以前は導入していたが、現在は導入していない」以外を回答した方に、「Q4.Q3で回答した以外に、産業用・事業者向けの自家消費型太陽光・蓄電池の営業を受けたものの、導入しなかった理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=89)と質問したところ、「事業計画と合わなかった」や「耐用年数、強度などランニングに対しての回答なし」など54の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・60歳:売電単価が下がった。
・57歳:結局当社の場所を貸して発電するが、当社の意思が全く反映されないようなシステムだったので。
・57歳:耐用年数、強度などランニングに対しての回答なし。
・37歳:ランニングコストを取り戻すのに期間が長い。
・43歳:蓄電池の効果が低い。
・65歳:事業計画と合わなかった。
・60歳:多雪地なので設備劣化の心配や冬期間の発電が望めないことから。
営業担当者から「経済効果のシミュレーション」を提示してもらっていない経営者・役員、51.5%と回答者の半分以上を占める
「Q5.産業用・事業者向けの自家消費型太陽光・蓄電池の営業を受けた際、営業担当者から経済効果のシミュレーションを提示してもらいましたか。」(n=105)と質問したところ、「はい」が37.1%、「いいえ」が51.5%という回答となりました。
・はい:37.1%
・いいえ:51.5%
・わからない:11.4%
43.6%が、シミュレーションで経済効果を想像できず
Q5で「はい」と回答した方に、「Q6.提示されたシミュレーションで経済効果を十分に想像できましたか。」(n=39)と質問したところ、「あまり想像できなかった」が30.8%、「全く想像できなかった」が12.8%という回答となりました。
・十分に想像できた:20.5%
・やや想像できた:35.9%
・あまり想像できなかった:30.8%
・全く想像できなかった:12.8%
・わからない/答えられない:0.0%
回答者の51.9%が、「信憑性のある経済効果シミュレーションがあれば、負担額次第では自家消費型太陽光を導入したかった」と回答
Q5で「いいえ」と回答した方に、「Q7.あなたは、信憑性のあるシミュレーションがあれば、負担額次第では導入したかったと思いますか。」(n=54)と質問したところ、「非常にそう思う」が1.9%、「ややそう思う」が50.0%という回答となりました。
・非常にそう思う:1.9%
・ややそう思う:50.0%
・あまりそう思わない:22.2%
・全くそう思わない:18.5%
・わからない/答えられない:7.4%
シミュレーションで見たいもの、「投資回収期間」が41.9%で最多、続いて「設置による電気代削減額や削減率」が34.3%
「Q8.あなたが、産業用・事業者向けの自家消費型太陽光・蓄電池のシミュレーションで見たいものを教えてください。(複数回答)」(n=105)と質問したところ、「投資回収期間(何年で元が取れるか?)」が41.9%、「自家消費型太陽光・蓄電池設置による電気代削減額や削減率」が34.3%、「投資コストと25年での電気代削減額とのバランス」が28.6%という回答となりました。
・投資回収期間(何年で元が取れるか?):41.9%
・自家消費型太陽光・蓄電池設置による電気代削減額や削減率:34.3%
・投資コストと25年での電気代削減額とのバランス:28.6%
・自社施設や電気の使い方にあった最適な太陽光パネル容量や蓄電池容量:24.8%
・「太陽光のみ」「太陽光+蓄電池」両対応など様々なケースでの経済効果:16.2%
・自家消費量・自家消費率:13.3%
・365日・1時間単位での発電量・電力消費量・自家消費量・余剰電力量の推計結果:13.3%
・その他:1.9%
ー61歳:廃棄する際のコスト。
ー54歳:メンテナンスコスト。
・特になし:18.1%
・わからない/答えられない:3.8%
他にも、「ランニングコスト」や「地域の平均的な発電量」などを見たいという声も
Q8で「わからない/答えられない」「特になし」以外を回答した方に、「Q9.Q8で回答した以外に、産業用・事業者向けの自家消費型太陽光・蓄電池のシミュレーションで見たいものがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=82)と質問したところ、「ランニングコスト」や「地域の平均的な発電量」など46の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・64歳:保障。
・60歳:地域の平均的な発電量。
・59歳:算出根拠。
・57歳:蓄電池による節電効果が知りたい。
・52歳:設置してからのプラス、マイナス面。資金面においても。
・57歳:ランニングコスト。
・48歳:他の事業者の実際の記録。
まとめ
今回は、自家消費型太陽光・蓄電池の営業を受けたことがあるが、導入していない企業・施設の経営者・役員105名を対象に、産業用自家消費型太陽光・蓄電池販売に関する実態調査を実施しました。
まず、産業用・事業者向けの自家消費型太陽光・蓄電池に興味を持った理由を聞いたところ、「電気代を削減したいから」が61.9%で最多であることが分かりました。一方で、営業を受けたものの導入しなかった理由については、「設置費用が予想より高かったから」「経年劣化や耐久性が心配だったから」などが上位になっています。また、営業担当者から経済効果のシミュレーションを提示されていない経営者・役員が5割以上を占めており、提示された経営者・役員のうち4割以上が「シミュレーションにより経済効果を想像できなかった」と回答しました。さらに、シミュレーションで見たいものに関する質問では、「投資回収期間」「自家消費型太陽光・蓄電池設置による電気代削減額や削減率」などの声が多く挙がりました。
今回の調査では、経営者・役員の多くが自家消費型太陽光・蓄電池の電気代削減効果に興味を示しているものの、経済効果が不明確などの理由で導入を断念していることが明らかになりました。また、営業担当者から経済効果のシミュレーションを提示されても、「経済効果を想像できなかった」と回答している方もおり、社会的な産業用自家消費型太陽光・蓄電池への関心は高まっているものの、需要家・事業者サイドの不安が解消できる経済効果シミュレーションを提示できていない企業も多いようです。産業用・事業者向けの自家消費型太陽光・蓄電池の普及を進めるには、「投資回収期間」「電気代削減額や削減率」がわかり、導入検討者が経済効果をしっかりイメージできるシミュレーションを提示することが鍵になるのではないでしょうか。
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