北海道を商圏にした太陽光・蓄電池販売施工店の北海道ならではの拡販戦略・営業戦略ガイド(2025年)

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国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。環境省、トヨタ自働車、東京ガス、パナソニック、オムロン、シャープ、伊藤忠商事、東急不動産、ソフトバンク、村田製作所など大手企業や全国中小工務店、販売施工店など国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。再エネ設備導入効果シミュレーション及び再エネ関連事業の事業戦略・マーケティング・セールス・生成AIに関するエキスパート。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。Xアカウント:@satoruhiguchi。お仕事・新規事業・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

太陽光・蓄電池提案ツール「エネがえる」
太陽光・蓄電池提案ツール「エネがえる」

目次

北海道を商圏にした太陽光・蓄電池販売施工店の北海道ならではの拡販戦略・営業戦略ガイド(2025年)

北海道地域で太陽光発電・蓄電池の拡販を目指す販売施工店の皆様へ。 本記事では、北海道の人口動態や地域特性から気象条件、電力事情、行政の再エネ施策、補助金情報まで最新データを網羅し、高解像度に解析します。

さらに、地域の文化・ソーシャルスタイルも踏まえた営業手法、セールストークの工夫や、経済効果シミュレーションツール「エネがえる」シリーズの活用ノウハウまで包括的に解説します。20,000字規模の超徹底ガイドであり、北海道における再エネビジネス拡大のヒントを余すところなくご紹介します。それではスタートしましょう!

北海道の地域特性と人口動態 – 広大な土地と減少する人口

まずは北海道という市場を俯瞰するため、人口動態や地域的な特徴を押さえます。北海道の人口は約522万人(2020年国勢調査)で日本全体の約4.1%を占め、都道府県中第8位の人口規模です。一方で面積が非常に広大なため人口密度は67人/km^2全国平均(338人/km^2)の5分の1に過ぎず、日本で最も人口密度が低い地域となっています。札幌市(約195万人)など都市部に人口の8割以上が集中し、地方の町村部は人口減少と高齢化が深刻です。実際、2015年から2020年に道内人口は2.9%減少し、179市町村のうち実に167市町村で人口減となりました。このように広域分散型で過疎化傾向が北海道市場の基本構造です。

人口減少・高齢化は住宅市場にも影響します。新築需要の先細りが懸念される一方で、高齢者世帯では光熱費負担への関心や災害時の備え意識が高まっており、蓄電池ニーズが潜在する層とも言えます。また、若年層の多くは札幌圏に集中するため、札幌市および近郊都市が住宅用太陽光・蓄電池マーケットの最大ボリュームゾーンとなるでしょう。地方では戸建率が高く屋根も広い利点がある一方、所得水準や先行投資へのハードルが都市部より高い可能性があります(2022年の北海道勤労者世帯の実収入は全国平均を下回っています)。各地域の人口構成・家計状況を踏まえて、アプローチするターゲット層を見極めることが重要です。

北海道ならではの地域性にも留意が必要です。道民は一般に「おおらかで協力的」と言われ、コミュニティ意識が強く地元志向が高い傾向があります。ビジネス面でも人間関係の信頼や実直さを重んじ、東京のような派手なプレゼンより実直で堅実な提案に心を開きやすいと言われます。また、「道産子(どさんこ)」気質として何事もはっきり意見を言う裏表のなさも指摘されます。これは裏を返せば、提案に対する疑問や不安も率直に示されるということ。営業現場ではこうした道民の気質を踏まえ、曖昧な説明は避けて論理的かつ誠実に向き合う姿勢が信頼獲得のカギになります。

さらに、営業心理の観点でソーシャルスタイル理論を応用すると、北海道のお客様には「分析志向型」と「友好志向型」が多い印象です。前者にはデータ重視の傾向が強く、後述する経済効果シミュレーションなど客観的エビデンスを示すアプローチが刺さりやすいでしょう。後者には地域コミュニティや人との繋がりを大事にする方が多く、地元の実例紹介や共感を誘うヒアリングによって心を開いてもらうことが効果的です。一方、決断の早い「行動志向型」のお客様には「補助金枠が埋まる前に今がチャンスです」と背中を押し、アイデア豊富な「表現型」には「北海道から脱炭素先進モデルを創りましょう!」といったビジョンを共有するなど、スタイルに応じた対応も有効でしょう。

総じて北海道では押しの強いセールストークより、データに裏付けされた誠実な提案と共感営業信頼と契約に結びつきやすい点を念頭に置きましょう。

北海道のエネルギー事情と気象条件 – 日射量・電力料金・災害リスクを読み解く

北海道で太陽光・蓄電池ビジネスを展開する上で、気候風土や電力事情の把握は欠かせません。他地域と比べた優位性・制約を理解し、提案の説得力を高める材料にしましょう。

年間日射量は全国最低クラス?実は夏場は好条件

「北海道は寒くて日照が少ない」というイメージがありますが、実態はやや複雑です。確かに北海道地方の年間日射量は全国的に見ると少なめで、NEDOのデータによれば道内の平年値は1kWあたり約1,064kWh/年と推定されています。これは日射量最少の秋田県(約1,095kWh/kW)にも迫る低水準です。

しかし一方で、北海道には梅雨がなく夏季の気候が安定しているため夏場の日照条件はむしろ良好です。例えば札幌の2021年夏は日射量が平年比+10.7%と全国有数の好天に恵まれました。真夏でも涼しい気候のおかげで太陽光パネルの発電効率が落ちにくい利点もあります。従って「北海道=太陽光に不向き」と単純化はできず、春〜夏〜初秋にかけては十分な発電ポテンシャルがあると言えます。

問題は冬季の厳しさです。北海道の冬は日照時間が短いうえ積雪があります。屋根に雪が積もれば発電量は激減し、発電ゼロの日も出ます。このため太陽光発電量の季節格差が非常に大きい地域です。札幌市の月別データを例にすると、夏場(7月)の月間発電量が冬場(12月〜1月)の5〜6倍にもなるケースがあります。対策としては、パネルの傾斜角度を大きめ(35°程度)に設置して積雪を落としやすくする、融雪機能付き架台を採用する、あるいは定期的な除雪計画を提案するといった工夫が必要です。

また、蓄電池があれば夏場の余剰電力を有効活用したり、冬季の日照わずかな時間帯の電力を貯めて夜間に使うことで季節変動を緩和できます。「冬は発電しないからムダでは?」という懸念には、年間トータルでのメリットや蓄電池との組み合わせ効果を丁寧に説明すると良いでしょう。

北海道電力の料金は全国最高水準、光熱費高騰で追い風に

エネルギー経済面では、北海道は電力料金単価が日本一高い地域です。背景には、道内唯一の電力会社である北海道電力(ほくでん)が火力発電燃料の高騰や原発停止の影響で経営が厳しく、2023年6月に家庭向け規制料金を平均23.22%という大幅値上げした事実があります。この値上げにより標準的家庭(30A契約・月230kWh)の電気代は月額約8,400円から約10,300円へ跳ね上がりました。さらに政府の電気代補助も2023年秋に終了し、以降は燃料費調整などで一段と負担増となっています。実際、北海道の一般家庭の電気代は関西の家庭より月6千円以上高くなる試算もあるほどで、寒冷地ゆえの暖房需要も相まって全国トップクラスの光熱費負担地域となっています。

この状況は、太陽光・蓄電池の導入メリットを高める追い風です。電気料金単価が高いほど、太陽光自家消費による1kWhあたりの節約効果(削減額)が大きいため、投資回収が早まります

例えば同じ発電量でも関西で20円/kWh削減のところ、北海道なら30円超の削減効果が期待できます。また灯油やガスによる暖房費も高騰傾向にあり、ヒートポンプ暖房+太陽光+蓄電池によるオール電化+自家消費モデルへの関心も高まっています。「電気代が高すぎて困る」というお客様には、太陽光・蓄電池が光熱費インフレに対する長期的な防衛策になる点を強調しましょう。

ブラックアウトを経験、高まるレジリエンス意識

北海道特有のキーワードとして忘れてはならないのが「ブラックアウト」です。2018年9月の胆振東部地震の際、北海道全域で約295万戸が停電する日本初の大停電(ブラックアウト)を経験しました。真夜中に道内全域が停電したあの衝撃は、多くの道民に電力の脆弱性を痛感させる出来事でした。このため、「停電への備え」という意識が全国平均以上に高いのが北海道の特徴です。

特に冬場に大規模停電が起きれば暖房停止で命に関わるため、蓄電池やEVによるバックアップ電源への関心が強まっています。道内では地震以降、家庭用蓄電池やV2H(EVから家への給電)の普及率が着実に上昇しています。営業の際には「もしもの停電時に○○様のご家庭を守る安心を得られます」といったレジリエンス価値の提案が効果的です。

実際、胆振東部地震後に蓄電池を導入したユーザーからは「ブラックアウトで真っ暗な街中で、自宅だけ明かりが点いて家族を守れた」「非常時に備えEV車への買い替えも決めた」といった声が寄せられています。企業でも道内の工場や病院などで非常用電源として蓄電池を設置する動きが見られます。提案時にはお客様に当時の体験をヒアリングしてみましょう。

「停電で困ったことはありませんでしたか?」と尋ねれば、多くの方が思い出を語ってくださるはずです。その体験に共感し、「太陽光+蓄電池ならご家族をもう二度と暗闇にしません」と訴求すれば、本能に響く提案となるでしょう。北海道では経済メリット+防災メリットの両面から太陽光・蓄電池の価値を伝えることが大切です。

再エネ普及政策と補助金最新情報(2025年7月時点)

続いて、北海道における行政の脱炭素施策や補助金制度を整理します。国の動きもさることながら、都道府県および市町村レベルでどのような支援策があるか把握し、提案時に活用しましょう。

北海道全域の方針 – 2050ゼロカーボンに向けた取組み

北海道庁は2020年に「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」を宣言し、以降ゼロカーボン北海道推進計画を策定して再エネ拡大に取り組んでいます。2030年度の温室効果ガス排出量削減目標も国目標を踏まえて見直し、2013年比46%減(国目標と同水準)を掲げました(2023年改訂版)。計画には再エネ導入拡大策が盛り込まれ、太陽光発電に関しては住宅や事業所への普及支援、地域のメガソーラー・風力開発促進、系統安定化対策(蓄電池等)などが位置付けられています。また道内179市町村のうち100以上の自治体が「ゼロカーボンシティ宣言」を表明しており、地域レベルでも2050年CO2実質ゼロを目指す方向性が明確です。このようにトップダウンで再エネ推進が進む中、今後新築住宅への太陽光義務化(東京都で2025年義務化の流れを受けて)や事業所への再エネ電力利用促進策などが北海道でも具体化していく可能性があります。

北海道の補助金 – 道補助は限定的、市町村補助が充実

北海道全体の公的補助金を見ると、都道府県レベルの直接補助は現時点で存在しません(以前に道が実施した「新エネルギー導入支援事業」は終了済)。その代わり各市町村が住宅用を中心に多彩な補助金を用意しています。2025年度の主な補助制度を最新情報でチェックしてみましょう。

  • 札幌市北海道最大都市だけあり補助額も全国トップクラスです。住宅用太陽光に5万円/kW(上限245万円)もの高額補助を新設し、加えて住宅用蓄電池にも経費の1/3(上限100万円)を補助する制度2025年6月から開始されました。太陽光は平均的住宅規模(4kW前後)で20万円程度、蓄電池も30万円程度の支援が受けられる計算です。これは全国でも屈指の厚遇と言えます。札幌市民を相手にする場合、「市から○○万円の補助が出ます」と具体的な金額を示すことで導入メリットを強く印象付けられるでしょう。

  • 函館市 – 太陽光・蓄電池それぞれ一律5万円の補助(件数ベース)を用意。額は大きくありませんが申請手続きも比較的簡素です。

  • 小樽市太陽光+蓄電池をセット導入する新築または既存住宅を対象に、断熱改修(窓交換等)も伴うことを条件に40万〜70万円高額補助を実施。ZEH水準の高性能住宅なら最大70万円という思い切った額で、断熱向上もセットで地域の脱炭素を図るユニークな制度です。

  • 旭川市 – 太陽光・蓄電池それぞれ設置費の1/10(上限10万円)を補助。年度内に2回募集し、予算超過時は抽選となる点に注意です。

  • 帯広市太陽光経費の1/10(上限5万円)、蓄電池1/10(上限10万円)を補助。加入要件として市が推進する「おひさまソーラーネット帯広」への加入(地域の太陽光発電普及組織)が課されており、コミュニティ主導の特色が見られます。

  • 北見市 – 太陽光は定額6万円(蓄電池同時なら21万円)蓄電池は定額10万円(太陽光同時なら21万円)という同時設置で手厚くなる仕組み。蓄電池単体でも補助あり。

  • 苫小牧市 – 太陽光は国費補助として7万円/kW(上限70万円)、蓄電池は国費と市費を組み合わせ、最大で経費1/3補助(上限14.1万円)+市独自補助(新築1/10、既存1/6)を用意。国補助と市補助を併用する高度なスキームですが、その分手厚い支援になります。

  • その他市町村砂川市では市内業者施工の新築に150万円(市外業者なら100万円)という破格の補助を用意。歌志内市は経費の25%(上限50万円)、富良野市は太陽光・蓄電池セット導入必須で各上限50万円、登別市は蓄電池必須で太陽光上限50万・蓄電池上限30万など、自治体ごとに独自色ある支援策が展開されています。中には補助金の一部を地元商品券で支給する三笠市(補助額の半額を商品券)のようなケースもあり、地元経済への波及も狙った工夫が凝らされています。

このように北海道では「自治体補助金リサーチ」が極めて重要です。各市町村で金額や条件が大きく異なるため、営業エリアの補助金を常にアップデートし、お客様に最適な支援策組み合わせを提案しましょう。「市の補助と国の補助を組み合わせると○○万円も支援が受けられます」と具体的に示せば、お客様の投資意欲を高める強力な後押しになります。

なお国の補助については、住宅向けは2025年度、「先進的窓リノベ事業」に太陽光や蓄電池を含む高性能住宅改修への補助や、経産省の蓄電池補助(個人向け最大補助金額66万円程度)などが継続しています。法人向けには再エネ導入加速の各種補助(事業再構築補助金のグリーン枠等)もありますので、案件に応じて国策もフォローしてください。

提案ポイント: 補助金は予算がなくなり次第終了や先着・抽選など期間と枠に限りがあります。営業トークでは「補助金は早い者勝ちです。情報待ちより先手必勝ですよ」と背中を押し、見積もり取得から申し込みまでの行動を促しましょう。特に高額補助ほど競争率が上がる傾向があるため、「昨年も申し込みが殺到し、締切前に予算消化で終了した自治体が多数ありました。今がチャンスです!」と緊迫感を伝えるのも有効です。

太陽光・蓄電池導入ニーズの高解像度分析(新築・既築・事業者)

北海道の市場環境と政策支援を踏まえ、実際にどのような層に太陽光・蓄電池のニーズが高まっているかを考察します。新築住宅、既存住宅、法人・事業者それぞれのセグメントで導入意欲や関心ポイントが異なるため、高解像度で分析しましょう。

新築住宅セグメント – ZEH志向と安心志向が追い風

新築住宅市場では全国的にZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)志向が強まっており、北海道も例外ではありません。北海道は元々高断熱・高気密住宅の先進地域であり、主要ハウスメーカーや地元ビルダーもZEH仕様+太陽光標準搭載を打ち出すケースが増えています。例えば札幌圏の大手建築会社では「オール電化+太陽光+蓄電池で光熱費実質ゼロ」をキャッチコピーにした商品を展開するなど、新築時に太陽光発電を載せるのが当たり前の時代になりつつあります。2025年から東京都で始まる戸建住宅太陽光義務化の流れもあり、「次は北海道でも?」という期待感が市場にあります。

お客様側の傾向としても、20〜40代の子育て世代を中心に「最初から太陽光を付けておきたい」という声が多い印象です。理由は光熱費の将来不安レジリエンス確保です。「将来の電気代が怖いので、自前でエネルギーを賄える家にしたい」「小さな子供がいるので停電で暖房や照明が止まるのは困る」といった動機ですね。まさに北海道特有の環境がニーズを後押ししています。営業としては、新築検討中のお客様には初期コストとローン負担に敏感な方も多い点に配慮しつつ、「長期的にはプラス」「資産価値が上がる」という切り口で訴求しましょう。たとえば、「太陽光を載せておけば月々1万円以上の電気代節約になり、その分ローンの支払いに充ててもお釣りが来ます。将来売却する時も太陽光付き住宅は高く評価されますよ」といったトークです。実際、道内でも太陽光付きZEHの資産価値は高まっており、不動産市場でも注目されています。

また、新築時には住宅ローンへの組み込みで初期費用を平準化できるメリットがあります。「今なら住宅ローン金利で太陽光も蓄電池も入れられます。あとから単独で買うと高い金利のローンになるので、建築時に入れるのが賢い選択です」とアドバイスするのも有効です。北海道では高性能住宅志向が強いため、「どうせ高断熱・高耐震に投資するならエネルギー自給にも投資して真の安心住宅にしませんか?」と背中を押しましょう。

既築住宅セグメント – 高齢化と停電体験が鍵

既存住宅への導入検討層は一様ではありませんが、大きく二つのパターンが見られます。一つは定年〜シニア世代のお客様。お子さんが独立して夫婦二人となり、悠々自適に暮らす中で「太陽光で電気代を浮かせて老後の負担軽減」「災害時も困らない備えを」というニーズが高まっています。特に北海道では前述のブラックアウト経験者が多く、「あの時辛かったから蓄電池を付けたい」と考えるシニア層が増えています。蓄電池メーカーの調査でも、北海道・東北エリアは停電対策ニーズが全国平均より高いとされています。営業では、「停電に強い安心なマイホームにアップデートしませんか?」と投げかけると響くでしょう。年配の方は新しいテクノロジーに不安もありますが、実際の停電エピソードに触れつつ優しく説明すれば前向きに検討してくださるケースが多いです。

もう一つは卒FIT層・光熱費負担増を感じ始めた現役世代です。北海道では2009年前後に太陽光を導入した家庭も多く、2019年以降順次FIT買取期間満了(卒FIT)を迎えています。この卒FIT層は「売電が安くなったので余った電気を有効利用したい」と蓄電池に関心を持つ典型的なお客様です。さらに近年の電気代高騰で「太陽光載せてないけど光熱費が大変だ」という50代前後のご家庭も増え、太陽光+蓄電池の後付けを検討する動きがあります。既築住宅の場合、屋根形状や劣化具合の問題で太陽光設置を諦めていた家も、「高性能の軽量パネルが出ている」「屋根貸しではなく自家消費ならメリット大」といった新情報を提供すると興味を示すことがあります。「灯油代・電気代が月にいくらかかってますか?」とヒアリングし、その負担感に共感しつつ導入後の年間○万円節約シミュレーションを見せれば、多くの方が乗り気になるでしょう。

既築向け営業では、補助金活用もセット提案すると効果的です。多くの自治体で既存住宅への太陽光・蓄電池補助があるので、「市の補助金を使えば工事費の◯割が補填されます。実質このくらいのご負担でできますよ」と伝えると「それならやってみようか」という流れになりやすいです。また、オール電化商材(エコキュートや蓄熱暖房機など)との合わせ技も有効です。「灯油ボイラーをエコキュートに替えて、余った太陽光でお湯を沸かしましょう」「深夜電力が安く使える蓄電池制御にして、蓄熱暖房の電気代を削減しましょう」等、北海道の生活に即した提案を心がけてください。

法人・事業者セグメント – 自家消費型PVとBCP需要の高まり

法人や農業・商業施設など事業者向けの太陽光・蓄電池需要も、北海道では着実に拡大しています。特に電気代の高騰でエネルギーコスト圧迫を受けている工場・倉庫・スーパーマーケット・ホテル旅館などでは、自家消費型の太陽光発電による省エネに強い関心があります。「売電目的のメガソーラー」はFIT価格低下や用地制約からやや下火ですが、その代わり屋根上や遊休地に自社消費のためのソーラーを置く動きが活発化しています。例えば北海道の食品加工工場で「工場屋根1万㎡に太陽光1MW設置し、昼間使用電力の30%を賄う」などの事例が増えています。蓄電池についても、ピークカットによるデマンド契約容量削減や非常用電源確保のため導入を検討する企業が散見されます。

事業者向け営業で押さえるポイントは、経済性とBCP(事業継続計画)の両面です。経済性では投資額が大きくなる分、正確な投資回収シミュレーションが求められます。後述する「エネがえるBiz」等を活用し、電力使用実績データをもとに「◯年で投資回収、以降年間◯百万円のコスト削減」など具体的な数字を提示しましょう。北海道の場合、製造業では冬季の消費が多く売電余剰が出にくいケースもありますが、それでも高額な電気料金単価ゆえ削減メリットは大きいです。また、CO2排出削減効果を訴求するのも有効です。多くの企業がESGやSDGsの観点で再エネ利用をアピールしたがっているので、「太陽光で年間◯tのCO2削減=🌲◯本の植林効果」といった分かりやすい指標で示すと響きます。

もう一つのBCP面では、北海道の企業は2018年ブラックアウトで痛手を負ったところも多く、非常時電源の必要性を実感しています。病院や老人ホームなど命に関わる施設はもちろん、食品工場や物流倉庫でも冷凍・冷蔵設備停止による損害を経験しました。そこで、太陽光+大容量蓄電池+自家発電機による無停電システム導入への助成(経産省や環境省の補助金)も整備され、これを活用する事例が出ています。営業としては、「非常用発電機だけでは燃料が尽きれば終わりですが、太陽光があれば燃料のいらない電源として無限に補い続けます。蓄電池と組み合わせれば夜間も大丈夫です」といった安心材料を提示できます。実際の災害リスクを踏まえ、「北海道の地震や台風で停電が発生した場合でも事業を止めないための設備投資」と位置付ければ、社内稟議も通りやすくなるでしょう。

もう一つ注目はEV・V2Hの事業利用です。北海道は観光産業が盛んなため、ホテルや道の駅、観光施設などでEV充電器を設置し、かつ自前で太陽光と蓄電池を持って再エネ100%充電を提供する、といった動きがあります。自治体によってはEV充電設備への補助金も出ていますし、再エネ×EVの先進事例として注目されやすい分野です。販売施工店としても、太陽光・蓄電池に加えEV充電器やV2H機器まで提案メニューに入れることで、「脱炭素トータルソリューション提供業者」として差別化できます。北海道の広い土地柄、EVの航続距離や寒冷地での性能不安などもありますが、その克服策として「余剰太陽光で社用EVに充電し、災害時には社用EVから建物に電力供給する」というエコで強靭なエネルギー循環を提案できれば、経営層にも響くはずです。

北海道で成果を上げる営業戦略 – ヒアリング術とセールストークの極意

上記の市場分析を踏まえ、実際の営業現場でどうアプローチするかを具体的に見ていきましょう。北海道ならではの地域特化型ヒアリング術効果的なセールストークのコツを整理します。家庭向け(新築・既築)と法人向けでポイントが異なりますので分けて解説します。

家庭向け営業(新築・既築) – 共感とデータで心を掴む

1. 「冬の困りごと・不安」を引き出すヒアリング: 北海道のご家庭にアプローチする際、まず有効なのは冬場の光熱費や停電不安について尋ねることです。例えば「今年の冬、暖房代すごくかかりませんでしたか?」とか「2018年の大停電、ご経験されましたか?」といった質問です。道民の多くは雪寒さや停電への強い思いがありますから、ここでお客様の本音を引き出し、共感しながら聞くことで信頼関係が生まれます。「灯油も高くなって大変ですよね」「あのブラックアウトは本当に怖かったですよね」と頷けば、「そうなんだよ、だから電気代が心配で…」とお客様自身のニーズを語り始めてくれるでしょう。この共感ヒアリングによって、お客様が感じている課題(高い光熱費への不満、停電時の不安など)を明確にします。

2. 課題に対する解決策として提案を位置付ける: ヒアリングで得られた課題に対し、「実はそれを解決できるのが太陽光と蓄電池なんです」と提案を結びつけます。例えばお客様が「暖房費が月に3万円も…」と嘆けば、「太陽光で日中の電気をまかなえば年間○万円節約できます。浮いた分で灯油代を補填すればかなり楽になりますよ」とメリットを具体化します。停電不安を語られたら、「太陽光+蓄電池があれば何日でも電気を維持できます。実際、ブラックアウトのとき太陽光と蓄電池のお宅だけ明かりが点いて救われた例もあります」と安心感を訴求します。重要なのは単に商品を売り込むのではなく、お客様の困りごと解決策として提示することです。これにより提案の必然性が生まれ、受け入れてもらいやすくなります。

3. データとエビデンスで信頼を獲得: 北海道のお客様は理性的・堅実な方が多いため、提案には客観的データの裏付けを示すと非常に効果的です。「本当にそんなに得するの?」という疑念に対して、経済効果シミュレーションや実績データを提示します。例えば、「こちらをご覧ください。シミュレーションでは10年間で○○万円プラスになる計算です。北海道は電気代が高い分、元が取れるのが早いですね」とタブレット画面等で見せます。あるいは、「※参考:北海道エリアで太陽光+蓄電池導入者の8〜9割が『満足して良かった』と回答しています」とエビデンスを交えて説明します。こうしたファクトベースのトークは説得力が桁違いで、お客様の不安を和らげます。

実際、ある調査では太陽光・蓄電池の提案を受けた需要家の67.0%が経済効果試算の信憑性を疑った経験があると答えていますが、シミュレーション結果に保証が付くなら57.0%が「その販売店に発注したい」と前向きになるといいます。データ提示や保証の有無でここまで反応が変わるのです。ですから、グラフや数字を駆使し「北海道の平均日射量はこれくらい、電気代削減はこれくらい」など具体的に示しましょう。

4. 北海道ならではの共感ワードを散りばめる: セールストークには地域特有のキーワードを盛り込むと親近感が増します。例えば「雪国だからこそ太陽光が活きるんです。夏にたっぷり作って冬に備えるリスさん方式ですね」とか、「道産子の底力でエネルギー自給しましょう!」といったフレーズです。冗談っぽく交えて笑いを取るのも良いでしょう。「北海道あるある」の話題(「雪下ろし大変ですよね」「冬は日が落ちるの早いですね」など)を交えながら進めると、お客様もリラックスしてくれます。真剣な話の合間に「いや〜しかし去年のストーブ代エグかったですよね、うちも大赤字で(笑)」なんて言えば、「本当だよ、もう笑い事じゃないよ」と打ち解けてもらえます。地域の空気感を共有しながら進めることで営業マンへの信頼度も上がります。

5. クロージングは焦らず背中を押す: 北海道の方は慎重派が多いので、即決を迫るような強引なクロージングは逆効果です。むしろ「じっくり考えてください。ただ補助金だけは早い者勝ちなので、迷われてる間に枠が埋まっちゃうかもです。それだけ心配です」とさりげなく背中を押す程度が良いでしょう。「お客様にとってベストなタイミングで決めていただければ大丈夫です。我々はいつでもサポートしますから」といった誠実な姿勢を見せれば、「じゃあ信じて任せてみようか」という気持ちになってもらえるはずです。実際、販売店の営業担当者の88.8%が「提案時にシミュレーションの信憑性に不安を感じたことがある」と答え、83.1%が「お客様に結果を疑われて失注や長期化を経験した」と言います。焦って売り込み過ぎると不信感を招きかねません。北海道ではグイグイ営業よりそっと寄り添う営業が吉です。最後は「ぜひ奥様ともゆっくりご相談ください」とにこやかに締めくくり、気持ちよく帰っていただきましょう。

法人向け営業 – 経営層の論理と本能に訴える

法人営業では相手が経営者や管理部門になりますので、より論理的でドライなプレゼンが求められます。同時に、経営層の「損得勘定」と「企業リスク管理本能」の双方に響くアプローチが効果的です。

1. 損得勘定には明快なROI提示: 企業にとって一番知りたいのは投資回収と利益です。したがって、「初期投資◯◯円に対し、年間コスト削減◯◯円、◯年でペイしその後◯年で◯◯円の純利益」というROI (Return on Investment)を簡潔に提示しましょう。エネがえる等のシミュレーションで算出したROI、再エネ自給率、投資回収期間などの指標を使うのも有効です。事業者向け調査でも64.0%の需要家が「提案会社の試算を参考にしつつ自社でも検証したい」と回答しており、数字の裏付けを非常に重視しています。

逆に言えば、数字に誤りがあれば即アウトですので、シミュレーションは正確に。また、その数値を保証できる仕組みがあればさらに強力です。国際航業の調査では、法人営業担当者の84.2%が「シミュレーション結果に保証が付けば成約率が高まる」と感じ、78.5%が「商談期間の短縮につながる」と答えています。後述する「経済効果シミュレーション保証サービス」はまさにこの点で法人営業を後押しする武器になります。

2. リスク管理本能にはBCP訴求: 経営層は会社を守ることにも本能的に敏感です。北海道特有の大規模停電リスクに言及し、「この投資は保険の役割も果たします」と伝えましょう。例えば「先日の地震では御社も停電被害がありましたね。太陽光と蓄電池があれば自家発電で事業継続できます。これは単なる設備投資以上に、御社の信用や顧客を守るBCP投資です」と力説します。特に製造業や物流業では1日操業停止するだけで数千万円の損失というケースもありますから、「万一停電時に〇日事業継続できると、○○万円の損失回避になります。それを考えればこの設備は十分元が取れる保険と言えませんか?」と訴えるのです。経営者はリスクヘッジとなると多少利回りが低くとも前向きになりやすいものです。北海道に限らずBCPはキーワードですが、ブラックアウトを実際に経験した北海道では説得力が段違いです。

3. ESG・脱炭素経営への貢献をアピール: 企業イメージや将来戦略にも触れましょう。「御社は北海道の◯◯産業を牽引する存在ですから、ぜひ環境先進企業として地域をリードしていただきたいです。太陽光自家消費は脱炭素経営の象徴になります」と持ち上げます。ゼロカーボン宣言している自治体なら「地元もゼロカーボンシティですから、補助金を活用してぜひ協力を」と促すのも良いでしょう。CO2削減量は「年間◯t削減=杉の木◯本分」といった換算で伝えると経営者も社内広報ネタにしやすくなります。金融機関との取引でも「脱炭素設備導入」は評価される時代ですので、「地銀さんもきっと御社の環境投資を評価しますよ」と耳打ちするのもひとつ。経営者のプライドとメリットを同時にくすぐるイメージです。

4. 提案資料は簡潔かつ網羅的に: 法人向けプレゼン資料は要点を一枚にまとめるくらいの気持ちで簡潔に。ただし質疑には詳細データで即答できる準備を。経営陣は長い説明を嫌いますから、冒頭で「結論:◯◯です」と伝えます。「◯kWの太陽光+◯kWhの蓄電池導入で、電力料金を年間◯%削減、投資回収は◯年です。その後は毎年◯百万円のコストダウン。さらに停電対策にもなります」と結論ファーストで述べると「ほう」と引き込めます。そこから補足として設備概要・シミュレーション条件・補助金額・CO2削減量などをコンパクトに説明。質疑では「これは天候不順の年でも効果出るの?」「メンテ費用は?」など細かい質問が来ますが、そこは豊富なデータや実績を引き合いに出して論理的に返答します。シミュレーションの前提条件もしっかり開示し、「発電量予測はNEDOデータ準拠で保守的に見積もっています」と慎重な姿勢を示すと信用されます。もし答えに窮する質問が出ても、「社に持ち帰り精査して経済効果保証付きのご提案書を改めて提出します」といった切り返しも可能です。無理にその場で答えず「保証しますのでご安心を」が使えるのは大きな強みです。

5. キーマンを味方に付ける: 法人営業では稟議を通すキーマン(工場長や経理部長など)の心証も重要です。現場寄りの方には「操業中でも工事可能で迷惑かけません」「メンテナンスは全部お任せください」と安心させ、経理担当には「リースやPPA(電力購入契約)も可能で初期費用ゼロプランもあります」と選択肢を提示するなど、それぞれの立場の懸念を潰していきます。北海道の企業は本州資本より意思決定が慎重な傾向がありますので、社内の合意形成をじっくり支援するスタンスが大事です。定期的にフォローしつつ、「補助金申請のサポートや、経営陣向けプレゼン資料作成もお手伝いしますよ」と言えば担当者は助かるでしょう。こうした献身的サポートが最終的な受注に繋がります。

「エネがえる」シリーズ活用による営業力強化 – ASP・EV/V2H・Biz・BPO・保証のフル活用法

ここからは、本テーマの肝である経済効果シミュレーションの活用ノウハウについて、国際航業株式会社が提供するクラウドサービス**「エネがえる」シリーズ**を例に解説します。【エネがえるASP】【エネがえるEV・V2H】【エネがえるBiz】【エネがえるBPO/BPaaS】【経済効果シミュレーション保証】といったラインナップをどう駆使して営業戦略を加速させるか、具体的に見ていきましょう。

エネがえるASP – 提案スピードと精度を劇的向上

エネがえるASP」は太陽光・蓄電池・オール電化・EV/V2Hまでカバーするオールインワンの経済効果シミュレーションSaaSです。北海道の販売施工店にとって、このツールを使う最大のメリットは提案スピードの飛躍的向上でしょう。従来、発電量予測や光熱費削減試算にはNEDOデータの参照やExcel計算など手間がかかっていました。しかしエネがえるASPなら、物件所在地や契約プラン、システム容量などを入力するだけでものの5分で自動診断レポートが得られます。しかも北海道電力を含む全国3000以上の電力プランや主要メーカーのパネル/蓄電池仕様がデータベース化されており、煩雑な計算を自動処理してくれます。これにより、お客様をお待たせせずその場でシミュレーション結果をお見せでき、「〇〇様のお宅の場合、10年でこれだけお得になりますよ!」と即提案が可能になります。提案スピードが上がれば競合他社に先んじて契約獲得できるチャンスも増えます。

さらに提案精度の向上も見逃せません。エネがえるASPは日射量データや各種損失係数を織り込んだ精緻なロジックでシミュレーションを行うため、机上でのざっくり計算より遥かに信頼性の高い数値が得られます。実際、販売担当者の88.8%が「提案時に試算の精度に不安を感じた」と述べていますが、エネがえるを使えばその不安をかなり解消できるでしょう。「パネルは南東向き30度勾配で配置、積雪によるロスも考慮済みです」「北海道電力の燃料調整費も反映しています」と説明すれば、お客様も「お、細かく計算してるんだな」と納得します。提示資料のクオリティも重要です。エネがえるASPでは自動生成される提案レポートExcelに、年間収支グラフや投資回収表などが見やすくまとめられています。これを印刷してお渡しすれば、お客様が後でじっくり検討する際の材料にもなり、社内説得にも使えます。

北海道向けの注意点として、積雪影響の扱いがあります。エネがえるのシミュレーションは過去の気象データ平均に基づき、冬季の日射量低下も折り込み済みですが、特に豪雪地帯の場合は「過去○年間で最大の雪の年はこのくらい発電減がありました」等、最悪ケースも補足してあげると親切です。エネがえるで複数シナリオ比較(例えば平年並み発電 vs 寡照年発電)もできますから、そうした感度分析も即座に行えるのが強みです。「仮に発電量が○%少なくても、ちゃんと元は取れる範囲ですね」と示せれば、お客様の心配を打ち消せます。

エネがえるEV・V2H – EV時代の新提案ツール

次に「エネがえるEV・V2H」です。これはASPのEV/V2Hシミュレーション機能を強化したクラウドサービスで、国内外57車種のEVデータ(電費や電池容量)や各種充放電シナリオを組み込んでいます。北海道でもEV普及は徐々に進んでおり、将来的にEVと太陽光・蓄電池のベストミックス提案が重要になります。エネがえるEV・V2Hを使えば、例えば「日産リーフを購入予定のお客様が太陽光5kW+蓄電池を入れた場合、ガソリン代月◯円節約&電気代◯円増、総合メリット◯円」という複合試算が一発でできます。

北海道特有の活用例としては、V2Hによる非常用電源効果の見える化があります。エネがえるEVでは「EVから家への給電(V2H)を行った場合、停電時に家を何日間支えられるか」「深夜電力でEVへ安価充電し、昼に家へ給電した場合の電力料金メリット」といったシミュレーションも自動化されています。これを活用し、「このEVならフル充電で冬でも丸2日は家中の電気が賄えます」などと具体的に説明できます。実は北海道のお客様はEVに不安を持つ方もいますが、「クルマが巨大な蓄電池代わりになります」と伝えると一気に興味を示すケースもあります。「災害時に車が家を守るなんて画期的ですね!」という驚きを提供できるのです。

また法人向けでも、社用車のEV化+自家消費ソーラー提案にこのツールを拡張予定です。「昼はソーラー電力でEV充電、夜はEVから建物に給電」というシナリオで光熱費を最小化する診断も簡単です。電力系統容量に余裕がない北海道では、EVの系統充電が負荷になりますが、太陽光×EVなら系統負荷をかけず環境にも優しい、といった提案ストーリーを数値で補強できます。

エネがえるEV・V2H営業ツールとしてのインパクトも大きいです。最新テクノロジーを駆使した診断を見せることで「この会社は進んでるな」と思ってもらえます。実際導入している販売店はトヨタや日産など大手とも提携し、EV販売とセットで太陽光・V2H提案をしている例もあります。北海道でも今後、EV購入時に太陽光・蓄電池を一緒に検討する動きが出てくるでしょう。その際に先手を打ってデータシミュレーションできる営業は強いです。「まだEV持ってないけど試算だけ…」というお客様にも、「将来EVに替えたらこんなメリットが」と提示すれば、「じゃあ太陽光も付けておこうかな」という気持ちになりやすいです。エネがえるEV・V2Hは未来需要を先取りする営業トークを可能にする武器と言えます。

エネがえるBiz – 法人・産業向け高度提案に対応

エネがえるBiz」は主に産業向け自家消費型太陽光・産業用蓄電池や高圧以上の複雑な料金メニューに対応したシミュレーションサービスです。高圧電力契約や需要家の複数時間帯料金など、一般家庭向けASPでは扱いにくいケースにも柔軟に対応できるのが特徴です。北海道の産業用案件では高圧・特別高圧契約が多く、季節別料金やデマンド料金も考慮に入れる必要があります。エネがえるBizを使えば、需要パターンに合わせた自家消費率やピークカット効果を細かく計算できます。

例えば「工場の30分ごとの負荷データ」を取り込んで、太陽光◯kW設置時の需要平滑化効果をシミュレートしたり、蓄電池◯kWh導入で最大デマンドが何kW下がるかを算出するといった芸当も可能です。これらは企業の担当者が特に知りたい情報です。人力でやると手間ですが、Bizなら迅速に出せます。また、CO2削減量やPPAモデル(第三者所有)の損益比較などもエネがえるBizで検討できます。

北海道では広大な土地を活かしたメガソーラーPPA案件も出てきており、Bizを駆使して発電事業者側・需要家側双方の損得を分析し、Win-Winとなる提案を組み立てることもできます。例えば、「事業者には◯円/kWhで売電収入、需要家には現行より◯%安い電気を提供、15年契約で両者利益が出るスキーム」といった設計です。システム思考とファイナンス思考を取り入れた提案は経営層に響きやすく、エネがえるBizのようなツールがそれをサポートしてくれます。

また、エネがえるBizは行政向けにも活用されており、地方自治体が公共施設への太陽光導入検討や区域のオンサイトPPAの提案に利用するといった例があります。販売施工店が自治体に提案する際にも、Bizの分析結果を資料に盛り込み「◯◯市全体で導入すれば年間△万tのCO2削減」などと説得できます。大規模かつ複雑な案件ほどエネがえるBizが真価を発揮しますので、法人営業部隊には是非活用を検討していただきたいです。

エネがえるBPO/BPaaS – アウトソーシングで業務効率アップ

人手不足や社内スキルの課題を抱える販売施工店にとって心強いのが「エネがえるBPO/BPaaS」です。これは設計・シミュレーション業務をまるごと外部委託できるサービスで、エネがえるを運営する国際航業の専門チームが代行して提案資料作成までやってくれます。

北海道の中小工務店や販売店でも、「太陽光や蓄電池を売りたいけど専門知識のあるスタッフがいない」「案件増で見積もり対応が追いつかない」という声をよく聞きます。このような場合、エネがえるBPOを活用すれば、必要な現場情報を渡すだけでプロの設計・試算が返ってきます。実際、EV/V2H提案に関する事業者アンケートでは92.5%が何らかの課題を実感しており、中でも41.1%が「経済メリット・投資回収試算の作成」に一番工数がかかると回答しています。さらに社内スキル不足を感じる担当者の80.6%が外部委託に興味があるとも答えています。エネがえるBPOはまさにそれらのニーズに応えるサービスです。

利用すれば、社内で経済シミュレーションのスキルがなくとも提案可能になりますし、提案書作成の工数を削減して営業に専念できます。国際航業によれば、BPO利用企業からは「提案スピードが2倍以上にアップした」「営業社員が専門知識不足でもすぐ動けるようになった」といった声があるそうです。特に蓄電池やV2Hなど複雑な提案ほど、BPOで専門家に任せたほうが精度が高く安心です。属人的なスキルに依存しない営業体制を築ける点で、経営者にもメリットが大きいでしょう。

また、BPOサービスには国際航業独自の「経済効果シミュレーション保証オプション」を付けることも検討中です。後述しますが、この保証制度はBPOチームがシミュレーションした発電量等の一部を保証するもので、もし実績が大幅に下回った場合に補償金が支払われる仕組みです。BPO利用企業はオプションでこの保証を付けることで、顧客提案時に「第三者算出の結果でかつ保証付きです」と謳うことができます。自社で計算した値より信頼感が段違いですし、万一の際も保証が効くのでお客様にも経営者にも安心です。国際航業の調査では販売側の84.1%が「結果保証があれば自信を持って提案できる」と答えています。BPO+保証はまさにその心理的ハードルを下げ、営業を後押しする強力なバックアップと言えます。

経済効果シミュレーション保証 – 信頼獲得と成約率アップの決め手

最後に特筆すべきが、「経済効果シミュレーション保証」です。これはエネがえる利用企業限定で提供される国内初のサービスで、シミュレーションどおりの効果が出なかった場合に一定額を保証するものです。具体的には、オプション契約により太陽光の年間発電量や電気代削減額など主要指標に対し保証値を設定し、万一大きく下振れした場合にその差額を補填する仕組みです。

この保証が営業にもたらすインパクトは絶大です。前述の通り、多くのお客様は「試算は机上の空論では?本当にその通りになるの?」と不安を抱えています。実際需要家の67.0%がシミュレーション結果の信憑性に疑念を感じた経験があり、それが契約をためらう要因になっています。しかし、この保証付き提案なら「結果が出なければ補償します」と明言できるため、お客様の不安を一気に解消できます。事実、ある調査では57.0%の需要家が「結果保証があるならその販売店から導入したい」と回答し、60.0%が「社内決裁も下りやすくなる」と評価しています。保証が付くだけで過半数以上が前向きになるのです。法人営業側でも84.2%が「成約率は高まる」78.5%が「成約期間は短縮できる」と感じています。つまり、保証サービスは営業成績を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。

国際航業によれば、この経済効果シミュレーション保証を導入した販売店では受注率が大幅アップした事例が出ているとのことです。競合他社との差別化も明確で、「我が社は第三者検証&保証付きの提案をします」と言えるのは強力なセールスポイントです。経営層のお客様に対しても、「保証付きなので御社としても投資判断しやすいはずです。万一シナリオどおりいかなくてもカバーされます」と背中を押せます。調査では販売側の**69.1%が「保証料を自社負担するのも可能」と答えており、自社コストで保証を付けてでも成約を取りに行きたいという意欲が伺えます。実際、保証料を販売店が負担しても契約が取れれば十分ペイするでしょうし、顧客満足度も上がります。北海道のように天候変動が大きい地域では、保証の安心感は特に価値があります。「雪で発電できない年でも補償がありますのでご安心ください」と言えれば鬼に金棒です。

どう訴求するか: お客様には「このシミュレーション結果にはお墨付きがあります」と伝えます。例えば提案書の一角に保証マークを入れて、「結果保証プラン適用。発電量○○kWh/年を下回った場合は補償金をお支払い」と記載するだけでも信頼度が違います。営業トークでも「数字に責任を持つために、業界初の保証制度を付けました。口だけではありません」と胸を張りましょう。これで検討中のお客様の背中を押せる可能性は格段に高まります。「保証まで付けるなんて本気なんだな、じゃあ任せてみるか」となるわけです。経営トップに稟議を上げる際も、担当者は「保証付きなのでリスクありません!」と説明できますから、社内承認も得やすくなる利点があります。

総じて、エネがえるASPを核とした一連のサービス活用は、北海道における太陽光・蓄電池営業のゲームチェンジャーになり得ます。スピーディーな提案、的確なシミュレーション、人的リソース補完、信頼性担保といったあらゆる側面で武装することで、競合ひしめく中でも頭一つ抜けた存在になれるでしょう。経営戦略的にも、これらツールを導入することで営業効率アップ⇒成約率アップ⇒売上拡大の好循環を生み、再エネ事業の収益性向上につながります。世界最高水準の知見とテクノロジーを取り入れ、北海道の再エネ普及を牽引する存在として飛躍してください。

まとめ – 北海道発、脱炭素時代のビジネスチャンスを掴もう

最後に、本記事の内容を簡潔にまとめます。

  • 北海道市場の特性: 広大な土地に人口分散・減少という課題があるものの、寒冷・雪国ゆえのエネルギーコスト高停電リスクが太陽光・蓄電池の需要を押し上げている。有力自治体の補助金も充実し、2025年現在はビジネス環境が追い風。

  • 顧客セグメント別ニーズ: 新築はZEH志向と安心志向で太陽光・蓄電池標準化が進む。既築は高齢者の備え需要と現役世代の光熱費削減ニーズ。法人は電気代削減とBCP対応、さらにESG評価向上への期待も。それぞれに合った提案ポイントを押さえること。

  • 営業手法: 北海道では共感営業論理エビデンス営業のハイブリッドが奏功。お客様の冬の苦労話や不安に寄り添いながら、データに基づく解決策を提示。強引な売り込みは避け、誠実さと地域愛を持って信頼を獲得する。特に停電対策や補助金の話題は刺さりやすい。

  • エネがえる活用: 最新のシミュレーションツールとサービスを駆使して提案力を底上げする。ASPでスピード&精度提案、EV版で将来需要取り込み、Bizで大型案件攻略、BPOでリソース問題解消、保証サービスで差別化と信頼性向上。これらを組み合わせて高効率・高受注率の営業プロセスを構築する。

北海道は日本の再エネ普及のフロンティアとも言える存在です。厳しい自然環境に挑みつつ、持続可能なエネルギー社会を作っていくという大きな使命があります。

販売施工店の皆様一人ひとりの提案が、その実現に向けた確かな一歩となります。本記事の知見やアイデアをぜひ日々の営業・経営に取り入れていただき、北海道から日本を、ひいては世界を変える再エネビジネスを展開していきましょう。皆様のチャレンジが北海道の未来を明るく照らすことを期待しています。


よくある質問 (FAQ)

Q1. 北海道は雪で太陽光が発電しない日が多いのでは?本当に導入メリットがありますか。
A. 冬季は積雪で発電ゼロの日もありますが、その分夏場は日照が良く発電量が伸びます。北海道の年間発電量は1kWあたり約1,064kWhで、秋田県並みの水準です。加えて電力単価が高いため節約効果は大きく、シミュレーションでは北海道でも投資回収は十分可能と出ています。雪対策として傾斜設置や蓄電池併用で年間を通じたメリットを最大化できます。

Q2. 蓄電池は高価ですが、北海道で元を取れるでしょうか?停電のときしか使い道がないのでは?
A. 蓄電池は確かに初期費用が大きいですが、光熱費削減と停電対策の二刀流メリットがあります。昼間の余剰太陽光を貯めて夜間に使うことで電力購入を減らし、北海道電力の高い電気代を削減できます。また2018年ブラックアウト以降、停電への備え価値が高まっています。調査では北海道エリアの蓄電池ユーザー満足度は非常に高く、「導入して良かった」が多数派です。経済性も年々向上し、補助金併用で10年前後で元を取るケースも出ています。

Q3. 補助金の申請は難しそう…。個人でもできますか?
A. 多くの自治体補助金は工事契約前に申請が必要ですが、販売施工店がサポート可能です。弊社でも札幌市や各市町村の補助申請代行を行っており、お客様の手間を最小限にしています。要件チェックから書類作成までお任せください。国の補助との併用もアドバイスしますので、最大限お得に導入できるよう支援します。

Q4. エネがえるのシミュレーション結果は信用できますか?自社でも検証すべきでしょうか。
A. エネがえるはNEDO等の公的データに基づき精緻に計算しており、多くの大手企業も採用する信頼性の高いツールです。調査でも需要家の64.0%が「提案試算を参考にしつつ自社でも検証したい」と回答していますが、当社では結果保証サービス付きでご提案していますので、もし大幅にシミュレーションと実績が異なる場合も保証いたします。安心してご利用ください。

Q5. 太陽光や蓄電池を導入すると家の資産価値は下がりませんか?リスクはありますか?
A. 一般的に太陽光・蓄電池付き住宅は省エネ性能が高く評価されるため、市場価値は向上する傾向にあります。北海道でもZEH認定住宅などは資産価値が維持・向上しやすいです。リスク面では機器の経年劣化やメンテ費用がありますが、メーカー保証や当社のアフターサービスでカバーします。むしろ電力料金高騰リスクを考えると、導入しないことの方が将来負担リスクと言えるかもしれません。


ファクトチェック・出典まとめ

  • 北海道人口: 約522万人、2015~2020年で2.9%減少。人口密度67人/km^2で全国平均の1/5。179市町村中167市町村が人口減少。

  • 日射量: 北海道年平均日射量は約1,064kWh/kW(平年値)で秋田などと並び全国でも少なめ。最少地域は秋田1,095kWh/kW、最多は甲府・宮崎等1,339kWh/kW。

  • 電力料金: 2023年6月に北海道電力が家庭向け料金平均23.22%値上げ。30A・230kWhモデルで月8,400円→10,300円に増加。ほくでんの従量電灯単価は大手中最も割高で、関西と比べ月あたり6千円以上高い試算。

  • ブラックアウト: 2018年北海道胆振東部地震で道内全域約295万戸が停電(日本初のブラックアウト)。この経験から北海道では停電備え意識が高い。

  • 自治体補助金: 札幌市は太陽光5万円/kW(上限245万)、蓄電池1/3補助(上限100万)。砂川市は市内業者施工新築に150万円補助。各市町村で独自補助を展開。

  • 需要家意識調査: 自家消費型PV・蓄電池導入検討企業の67.0%がシミュレーション結果の信頼性に不安経験、しかし結果が保証されれば57.0%が発注意向と回答。60.0%が社内決裁も通りやすいと回答。

  • 販売側意識調査: 営業担当者の88.8%が試算精度に不安経験83.1%が顧客に疑われ失注/長期化経験あり。84.1%が保証あれば自信提案可84.2%が成約率高まると回答。80.6%が業務外部委託に興味、専門知識の高さを重視。

  • エネがえるサービス: エネがえるEV・V2Hは国内外EV57車種データ搭載、ガソリン代削減+電気代削減+売電収入の計算を5分で自動診断。エネがえるASP/Bizは700社以上導入、クラウドで高精度シミュレーション。シミュレーション保証サービス開始、国内初の経済効果保証オプション提供。各種データおよび調査結果は**国際航業株式会社(エネがえる)**提供の情報に基づきます。

以上、北海道における太陽光・蓄電池ビジネス拡大のための戦略と知見をファクトベースで詳述しました。現状データや実証に裏付けされた内容をもとに、ぜひ実践に役立ててください。北海道の再エネ革命の成功を祈っています!

著者情報

国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。環境省、トヨタ自働車、東京ガス、パナソニック、オムロン、シャープ、伊藤忠商事、東急不動産、ソフトバンク、村田製作所など大手企業や全国中小工務店、販売施工店など国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。再エネ設備導入効果シミュレーション及び再エネ関連事業の事業戦略・マーケティング・セールス・生成AIに関するエキスパート。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。Xアカウント:@satoruhiguchi。お仕事・新規事業・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

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