お話を伺った方
株式会社共伸興建 常務取締役 市川様
業種
販売施工
課題
- 初回提案に1〜1.5ヶ月: メーカーや商社に試算を依存していたため、需要家を長期間待たせてしまっていた
- 切り返し提案にも時間がかかる: パネル容量の微調整や過積載率の変更など、ベストな提案のための試算調整に都度1〜1.5ヶ月必要
- 新人の早期戦力化が困難: 自家消費型太陽光の複雑な試算を社内で完結できず、商社・メーカーへの依存度が高い属人的な営業体制
目的・解決策
- 手元で即座に試算できる体制の構築: エネがえるBiz導入により、メーカー・商社依存から脱却
- 独自の高速提案オペレーションの確立: 自作スプレッドシート開発と二段階提案戦略の構築
- 提携戦略による安定集客基盤の確立: 営業会社との連携で広告費ゼロの営業モデル実現
効果
- 提案リードタイム1/6に短縮(30日→当日): 自作スプシ×エネがえるの二段階戦略で圧倒的なスピード実現
- 月間140件のシミュレーション、広告費ゼロで営業が回る: 提携先からの紹介のみで年間1,000件超
- 入社2ヶ月の新人が提案可能に: 運用マニュアル整備により、誰でも提案ができる体制を構築
前回の取材から3年が経過しましたが、この間にどのような変化や成長がありましたか?
前回のインタビューは2022年頃でした。当時は自家消費案件が出始めたタイミングで、エネがえるを導入し、提案スピードが格段に向上したという成果を報告いたしました。導入後3ヶ月での案件受注は大きな成果でした。
そこから3年が経過し、営業スタイルが大きく変化しました。先月だけで140件のシミュレーションを実施しており、年間では約1,000件のシミュレーションを行っていると推測されます。
エネがえるBiz導入前には、どのような課題を抱えていたのでしょうか?
大きく分けて2つの課題がありました。
1つ目は提案スピードです。率直に申し上げますと、自家消費型太陽光の試算・シミュレーションは商社やメーカーに依頼すれば無料で対応していただけます。しかしながら、対応に時間を要し、1ヶ月から1.5ヶ月くらい待っている状態でした。
電気代上昇により困窮している企業様から「今すぐ支援してほしい」というご相談をいただくにもかかわらず、お客様を1ヶ月以上お待たせすることは適切でないと考えておりました。可能な限り迅速に電気代削減の施策をご提案すべきだと認識しておりました。
さらに、営業初期は6割以上のお客様から試算に必要である「30分デマンド値(30分ごとの電気使用量データを表す資料)」がもらえない状況でした。メーカーや商社に試算を依頼するには当該データが必須であるため、データを入手できない場合は試算の実施が困難でした。自社でExcelを用いて算出を試みても、信憑性が担保できない状況で困っていました。
2つ目はベストな提案のための微調整です。過積載のロス率や太陽光パネルの最適容量の試算など、産業用自家消費型太陽光を導入検討される経営者は数字・金額ベースで厳密に判断されます。「パワコンの容量を増やし、より多くの自家消費の経済メリットを創出すべきか」「イニシャルコストを抑制すべきか」といった微調整を、メーカーや商社とやり取りすると、相当な時間を要してしまいます。
これが導入前の大きな課題でした。
自作スプレッドシートを開発された背景について教えてください
これは実のところ、当社の提案スピードの核心部分です。エネがえるを導入した当初から、「エネがえるBizは精緻で優れているが、初回提案にはさらに迅速なツールが必要である」と認識していました。
エネがえるBiz導入後、約4ヶ月が経過した時点で自作のスプレッドシートを開発し始めました。当時のエネがえるは視覚化が十分でなかったこともあり、「顧客により訴求力のあるビジュアルを提供したい」という意向がありました。
当初はエネがえるBizで算出された数値をもとに、顧客に訴求力のあるビジュアル資料を作成するという活用方法でした。しかしながら、「このビジュアル資料は事前に作成できるのではないか」という考えに至りました。
このシートの内容はYouTube動画でも公開されていますよね
はい、弊社のYouTubeチャンネルで公開しております。
【YouTube動画:市川氏によるシミュレーション術の公開】
基本的にはエネがえるBizのキャッシュフローなどの資料を踏襲しているのですが、当社で作成したシミュレーションの資料では特に「営業利益」としての見せ方にこだわっています。単に「電気代が年間でこれだけ削減されます」と説明するだけでは、経営者の意思決定を促すことが困難です。減価償却費や法人税の節税効果、さらには金利負担まで加味した20年間のキャッシュフローを可視化し、PL(損益計算書)のような形式で提示しています。
また、単一のシミュレーション資料だけでなく、複数拠点を一気に試算できるような、一覧性のあるシミュレーション資料も別途作成をしました。このスプレッドシートには、屋根の平米数を入力すると、自社で構築した数式により、容量、初期費用、削減額、ランニングコスト、借入返済金額、回収年数、補助金額などが自動で算出される仕組みを実装しています。
例えば、当該複数拠点用のシミュレーション資料に対して、2000平米の案件で、陸屋根かどうかなどのフラグを立てると、初期費用、容量、初年度発電量、電気代削減額が出てきます。維持費は固定資産税、管理費用、火災保険などを込みで計算。減価償却期間17年間で計上して、営業利益シミュレーションが完成します。
所要時間30秒です。
これに航空写真を貼り付け、会社名と設置場所を入力し、印刷すれば、提案資料が完成します。所要時間は5分程度です。
初回商談では、どのように活用されているのでしょうか?
提携先の支社がアポイントを取得してくれた企業様との初回商談には、この自作スプレッドシートの資料を持参します。
最初から「電気料金明細やデマンドデータをご提供ください」と依頼しても、ご提供いただけないケースが多くあります。「なぜそこまで必要なのか」「手間がかかる」と感じられてしまうためです。
そこで、「一部は仮の数値となりますが、現時点でもこの程度のメリットが見込まれます。より正確に算出するため、正式なデータをご提供いただけますでしょうか」と説明いたします。この方法により、9割以上の確率でデータをご提供いただけるようになりました。現在では、デマンドデータの入手に困ることはほとんどないです。
エネがえるBizとの使い分けについて教えてください
当社では、二段階提案方式を採用しています。
初回商談では、自作スプレッドシートを使用し、屋根面積のみで即座に試算を実施し、ビジュアルを重視した資料で説明いたします。そこで前向きな反応をいただけた案件について、デマンドデータのご提供をお願いいたします。
2回目の商談では、エネがえるBizを使用して精緻化を実施いたします。デマンドデータをCSV形式で取り込み、自家消費量を正確に算出し、科学的根拠に基づくシミュレーション結果を提示いたします。
デマンドデータをご提供いただいてから、約1週間で精緻化を実施し、10営業日以降に再度アポイントを取得してクロージングに進む、という流れとなっています。
エネがえるBizでは、主にどの機能を活用されていますか?
エネがえるBizで使っているのは、主に出力レポートにある2つのシートです:
- 簡易レポートシート: 月々の発電量推移を見せる
- 導入効果シート: 電力量と導入前、導入後で電気料金が何%削減できるか
特に重要なのがCO2削減率です。カーボンニュートラル目標として2013年比50%削減が設定されている中で、進捗が10%程度に留まっている企業が多くあります。「太陽光を導入することで30%の削減機会が得られる」という説明が可能な点は、大きな訴求力です。
当社の自作スプレッドシートではCO2削減率の算出機能がないため、エネがえるのこの機能は非常に有用です。
シミュレーション結果と実績値の照合は、どのように行っていますか?
これも重要なポイントです。既に1年以上稼働している案件もあり、エネがえるで算出した予測値と実際の発電量を比較検証しています。
平均すると95%〜105%の精度です。工場などは70%程度になることもございますが、それ以外はほぼ予測通りの実績です。
この実績データを顧客に提示しながら、「エネがえるの予測精度は実証済みです」と説明できることは、大きな信頼獲得につながっています。
提携先を増やす上で、意識しているポイントはありますか?
「提携先様の受注獲得を支援する」ことを、常に意識しています。
一般的な提携先様への商材紹介は、「こういう商材があります。紹介してください」で終わってしまうことが多いですが、当社は違います。事前に当該企業様が提案を希望する企業様のご情報を頂いた上で、実際の案件をすべてシミュレーションし、収益性の有無を判定します。
収益性がある案件だけにご提案を行う方針とし、「いつ、誰が、何をするのか」までタスクとして落とし込みます。そのうえで必ず進捗確認を行います。
なぜそこまでできるのですか?
エネがえるBizの導入により、自社で試算できる体制を構築したからです。エネがえるBizと自作スプレッドシートにより、その場でシミュレーションが可能です。メーカーや商社に依存していては、このような対応は不可能です。
また、工事会社として施工技術を保有していることも大きな強みとなっております。施工も実施可能であり、営業力と迅速な提案力を兼ね備えているため、提携先様が受注を獲得しやすい仕組みを構築できています。
提携先からの評価はいかがですか?
おかげさまで高い評価をいただいております。エネがえるBizにより、営業段階での競合優位性を担保できるため、提携先様からは「迅速で営業しやすい」「手離れがよい」「サステナビリティ関連の旬な商材での切り口も提供してくれるので紹介しやすい」といった評価をいただいています。
広告費ゼロで営業が回っている理由を教えてください
現在の案件の8〜9割は、紹介案件です。
アポイント取得も提携先が行ってくれます。もちろん、アプローチ方法のアドバイス等は行いますが、基本的には既存の信頼関係の中で案件が創出されています。
今後の展望を教えてください
大きく2つございます。
- 提携先様へのサポート注力
弊社は元々施工店でしたが、現在の状況を実現できたのは提携先様のご支援によるものと考えています。エネがえるBizのような優れたツールに加えて、弊社の営業活動サポート体制を強化することで、より提携先様にご満足いただけるよう努めてまいります。
- 市場の底上げ・健全化
産業用太陽光は住宅用と比較して、不適切な提案を行う企業が多い傾向にあります。ランニングコストの不透明性や適切な設計がなされていないケース(余剰量やPCSの過積載率などが特に顕著)も散見されます。弊社が「1」を遂行することにより、市場全体に健全な試算内容が広く認知されることを目指しております。これにより市場の底上げ・健全化を図り、太陽光導入によってメリットを実感していただける事業者様を増やすことが、私たちの目標です。繰り返しになりますが、これを実現するためには、自社で的確なシミュレーションを迅速に実施できる体制が不可欠であり、エネがえるBizのようなツールの導入は必須であると考えています。
エネがえるBiz導入3年で月140件。広告費ゼロで回る産業用太陽光の高速提案モデル
企業概要 会社名: 共伸興建株式会社 事業内容: 産業用太陽光発電システムの設計・販売・施工・メンテナンス 家庭用太陽光発電システムの設計・販売・施工・メンテナンス 住宅販売会社向け太陽光発電事業導入コンサルティング スマートハウス/オール電化システムの設計・販売・施工・メンテナンス サイト https://www.kyoshin-kk.co.jp/
