目次
- 1 卒FIT蓄電池販売パーフェクトガイド:ROIではなく「レジリエンス」を売る ー 家庭用蓄電池の営業担当者向け(2025年)
- 2 序論:「元は取れる」時代の終焉とレジリエンス経済の夜明け
- 3 第1部 新しい戦場:卒FIT顧客の現実を理解する
- 4 第2部 あなたの診断スーパーパワー:「エネがえるASP」をマスターする
- 5 第3部 説得の科学:蓄電池販売のための行動経済学ツールキット
- 6 第4部 「4不解消」フレームワーク:顧客の疑念を解消する構造的対話術
- 7 第5部 共感エンジン:顧客に深く寄り添うシナリオとスクリプト
- 8 第6部 反論対応の達人:疑念を確信に変えるプレイブック
- 9 結論:あなたは蓄電池を売っているのではない。心の平穏を届けているのだ。
- 10 付録:SEOに最適化されたよくある質問(FAQ)
卒FIT蓄電池販売パーフェクトガイド:ROIではなく「レジリエンス」を売る ー 家庭用蓄電池の営業担当者向け(2025年)
序論:「元は取れる」時代の終焉とレジリエンス経済の夜明け
中核となる課題:もはや「元は取れない」という現実
業界が直面している核心的な課題を、まずは真正面から認めるところから始めなければなりません。それは、ほとんどの卒FIT(固定価格買取制度終了)世帯にとって、家庭用蓄電池は従来の短期的な意味で「元が取れる」投資ではない、という厳然たる事実です
多くの場合、蓄電池単体の電気代削減効果は平均的な家庭で月平均でざっと3,000円~8,000円程度。1年間で3.6万~9.6万円。15年で54万円~115万円前後。かたや購入金額は安くて100万円~中央値150万円前後、高いと250万円弱。投資回収期間は15年から20年、あるいはそれ以上の30年前後にも及びます
※参考:卒FIT・太陽光OB客へ蓄電池を提案するときに使える調査結果(停電対策価値の訴求)とセールストーク | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
※参考:エネがえる活用 モデル世帯別の営業トーク・セールストーク、売り方、提案の仕方は?(住宅用太陽光・蓄電池、卒FIT蓄電池提案) | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
パラダイムシフト:投資とリターンから「コストと防御」へ
本稿の中心的な論旨は、営業の会話を「投資とリターン」から「コストと防御」へと根本的に転換させることにあります。我々が販売しているのは、金融商品ではありません。それは、予測可能でありながらますます深刻化する、不安定な世界のリスクに対する「家庭のレジリエンス・パッケージ」です。これは、単なる製品ではなく、家族の安全と安心を守るための保険契約に他なりません。
本プレイブックの構成:科学的アプローチの導入
このプレイブックは、新しい市場の現実を理解し、信頼構築ツールとして「エネがえるASP」を習得し、行動経済学の科学的知見を応用し、そして顧客一人ひとりに深く寄り添ったシナリオで実行するための、再現可能かつ科学的なプロセスを提供します。
このガイドは、この新しい、そして強力な価値提案を明確に伝えるための、体系的な方法論を提示するものです。
第1部 新しい戦場:卒FIT顧客の現実を理解する
大きな価格差という現実
顧客が直面している厳しい経済的現実を詳細に見ていきましょう。FIT制度はかつて、2012年度には、2015年度にはといった魅力的な買取価格を提供していました
時代遅れのセールストーク
この現実を踏まえると、「余剰電力を売って儲けましょう」という切り口のセールストークは、もはや根本的に欠陥があり、営業担当者の信頼性を損なうだけです。顧客はすでに、売電がもはや大きな収益源にならないことを肌で感じています
「余剰電力」の価値を再定義する
したがって、顧客が自身の太陽光パネルで生み出す電力の価値を再定義する必要があります。それは、もはや「はした金で売却されるコモディティ」ではなく、「自らが生み出した、貴重で無料の資源」なのです。
重要な問いは、「いくらで売れるか?」から、「この無料のエネルギーを使って、いかにして電力会社に30円や40円を支払うのを避けるか?」へと変わります。
この視点の転換により、蓄電池の役割は「収益創出装置」から「コスト回避の盾」へと変化するのです
卒FIT顧客が抱える「心理的むち打ち症」
10年前に太陽光発電を設置した顧客は、先駆者として称賛され、高い売電収入という形で報われました。しかし今、FIT期間が満了し、彼らはエネルギー市場から見捨てられたかのような、あるいは罰せられているかのような感覚に陥っています。この状況は、失望(不満)、喪失感、そしてエネルギー市場全体への不信感という、強力な感情のカクテルを生み出しています。
この心理を深く理解することが、新しいセールスアプローチの鍵となります。例えば、2012年に太陽光を設置した顧客は、という政府保証付きの高いリターンを享受していました
この顧客は単に収入が減ったのではなく、かつて享受していた利益を失うという、具体的で痛みを伴う「損失」を経験しているのです。
したがって、最も効果的なアプローチは、顧客が懐疑的になりがちな「新たな利益」を提示することではありません。
むしろ、この痛みを伴う「損失を軽減する方法」を提案することです。蓄電池は、高価な買電を相殺するために太陽光の価値を「取り戻す」ことを可能にし、損失を戦略的な利点へと転換させます。
このアプローチは、顧客が既に抱えている感情に直接働きかける、極めて強力な手法なのです。
第2部 あなたの診断スーパーパワー:「エネがえるASP」をマスターする
計算ツールから信頼構築エンジンへ
「エネがえるASP」を単なるシミュレーションツールとしてではなく、第三者によって検証された、信頼を構築するための診断エンジンとして位置づけましょう。
業界全体が抱える問題、すなわち営業担当者の85.6%が自社のシミュレーションの信頼性に不安を感じ、約80%が顧客の懐疑心によって失注を経験しているという事実に正面から向き合う必要があります
シミュレーション前のヒアリング(質問の技術)
PCを開く前に、顧客の「なぜ」を深く掘り下げるための構造化された質問リストが不可欠です。これは単なるデータ入力作業ではありません。顧客の真の動機や不安を理解するための対話です。
-
ライフスタイルに関する質問: 「日中、ご自宅にはどなたがいらっしゃることが多いですか?」「お子様やご高齢のご両親とご同居されていますか?」「在宅でお仕事をされることはありますか?」
-
課題点(ペインポイント)に関する質問: 「前回の電気料金の値上げの際、最もご不満に感じたことは何でしたか?」「これまでに停電を経験されたことはありますか?その時、ご家族はどのような状況でしたか?」
-
不安に関する質問: 「2019年の台風の時のような、数日間にわたる長期停電を想像したとき、最も懸念されることは何ですか?」
エネがえる診断レポートを効果的に提示する方法
診断レポートを顧客と共に確認する際の、ステップ・バイ・ステップのガイドです。
-
ステップ1:「1日あたりの負担額」というフレーム
まず、「実質負担額」の機能から始めます 12。200万円の投資という大きな数字を、即座に再フレーミングします。「田中様、システム費用は200万円ですが、これが日々の家計にとって何を意味するのか見てみましょう。エネがえるの計算でソーラーローンの金利負担を加味したコストから得られるメリット(売電収入の変化を加味した電気代削減額)を差し引いた実質負担額は1日あたりわずか185円の負担となります。これは、完全な安心感を手に入れるための、毎日のコーヒー1杯分のお値段です。」このアプローチは、行動経済学におけるフレーミング効果を巧みに利用するものです。
-
ステップ2:エネルギー自立の可視化
明確で視覚的なグラフを用いて、エネルギーの流れを示します 12。「こちらのグラフをご覧ください。屋根で発電された無料のエネルギー(黄色)が蓄電池に貯められ(青)、夜間に使われる(緑)ことで、電力会社から購入する高価な電力(赤)を劇的に削減できているのが一目瞭然です。」これにより、自家消費という抽象的な概念が、具体的で力強いイメージとして顧客に伝わります。
-
ステップ3:レジリエンスへの自然な移行
(控えめな)経済的メリットを説明した後、会話の軸を移します。「さて、これが日常的な節約効果です。しかし、このシステムが持つ最も重要な価値は、このグラフには現れていません。次に、台風などでこの『買電』の線がゼロになった時に何が起こるか、というお話をさせてください。」これにより、会話は「あれば嬉しい」節約の話から、「なくてはならない」防御の話へと自然に移行します。
第3部 説得の科学:蓄電池販売のための行動経済学ツールキット
原理1:損失回避性 – 「恐怖からの解放」を売る
-
概念: 人々は、同等の利益を得ることよりも、損失を回避することに強く動機づけられます
。このセールスは、月々数千円の節約という「利益」を得ることが目的ではありません。停電時に安全、快適さ、通信手段、そして健康を失うという10 壊滅的な損失を回避することが目的です。 -
応用: 具体的で、心に訴えかける言葉を使いましょう。「これは月々5,000円を節約する話ではありません。冷蔵庫の中の食料や薬を失う損失を避けるための話です。お子様にとって安全な室温を失う損失を避けるための話です。そして、最も助けが必要な時に、外部との連絡手段を失う損失を避けるための話なのです。」
-
証拠: 潜在的な損失をデータで定量化します。「2019年の台風15号では、一部地域で約12日間も停電が続きました
。もし12日間、普段通りの生活が失われたとしたら、ご家族にとってその損失はどれほどのものになるでしょうか?」13
原理2:利用可能性ヒューリスティック – リスクを現実のものとして感じさせる
-
概念: 人々は、思い出しやすい、鮮明な、あるいは最近の出来事の可能性を過大評価する傾向があります。我々の仕事は、停電という抽象的なリスクを、個人的で差し迫ったものとして感じさせることです。
-
応用: 強力で、実世界のエピソードや体験談を会話に織り込みます。「以前、2019年の停電を経験された千葉のご家族とお話ししたのですが、彼らが最も辛かったのは暑さではなく、真っ暗闇の中で幼いお子さんが泣いているのに、慰めるすべがなかったことだとおっしゃっていました
。一方で、蓄電池を導入された別のお客様は、最近の停電の際、ご近所が真っ暗な中でご自宅だけ明かりが灯り、娘さんが安心してお風呂に入れたと。その時の安心感は何物にも代えがたかったそうです14 。」16
原理3:おとり効果 – 選択肢を戦略的に設計する
-
概念: 非対称に劣る第三の選択肢を導入することで、他の二つの選択肢間の決定に影響を与えることができます
。17 -
応用: 提案する選択肢を戦略的に構成します。
-
選択肢A(本命): 10kWh蓄電池 – 「主要な家電を1日中バックアップし、大幅な電気代削減も実現します。」(例:200万円)
-
選択肢B(おとり): 7kWh蓄電池 – 「部分的なバックアップは可能ですが、朝まで持たない可能性があります。電気代削減効果も限定的です。」(例:170万円 – 大幅に少ないメリットの割に、価格差が小さい)
-
選択肢C(比較対象): 蓄電池なし – 「引き続き8円で売電し、35円で買電を続け、停電に対しては100%無防備な状態が続きます。」
-
-
AとBを比較すると、Aが価値において圧倒的に優れているように見えます。AとCを比較すると、Cの「コスト」、すなわち完全な脆弱性が、極めて明白になります。
第4部 「4不解消」フレームワーク:顧客の疑念を解消する構造的対話術
このフレームワークは、営業対話全体のロードマップを提供し、顧客が抱える4つの主要な心理的障壁(不信、不満、不安、不便)を体系的に特定し、解消するための手法です。
1. 「不信」の解消:「あなたの数字は信じられない」から「あなたの診断を信頼します」へ
-
問題: 顧客はセールストークや複雑な計算に懐疑的です。
-
解決策: エネがえるASPの診断レポートを提示することから始めます
。これを、ご家庭の「エネルギー健康状態」に関する客観的でデータに基づいた診断として位置づけます。そして、投資回収期間が長いという事実を率直に認めます。「元は取れない」という現実を共有することで11 、顧客の状況を理解していることを示し、信頼を構築します。さらに、自社の長い歴史や豊富な施工実績1 を示すことで、信頼をより強固なものにします。2
2. 「不満」の解消:「安い売電価格は不公平だ」から「自分のエネルギーは自分でコントロールする」へ
-
問題: 顧客は現在の状況(安い売電価格、高い買電価格)に不満を抱いています。
-
解決策: この不満をエネルギー源として活用します。「おっしゃる通り、ご自身で発電した電力の価値がこれほど下がってしまったのは、本当に不満に感じますよね。この蓄電池は、そのコントロールを取り戻す力を与えてくれます。貴重なエネルギーを8円で手放す代わりに、35円の支払いを避けるために使うことができるのです。お客様自身が、ご自身の電力会社になるのです。」このように、蓄電池を「エンパワーメント(自己決定権の獲得)」の象徴としてフレーミングします。
3. 「不安」の解消:「もし大停電が起きたら?」から「たとえ大停電が起きても、うちは大丈夫」へ
-
問題: 顧客は災害とその結果に対して、潜在的な恐怖を抱いています。
-
解決策: ここで、レジリエンスの物語が真価を発揮します。第5部で詳述する、顧客に特化したシナリオを用います。蓄電池を、その家庭特有の不安(子供の安全、高齢の親の健康など)に直接結びつけます。日本の停電の頻度と期間に関する具体的な統計データ
を用いることで、漠然とした恐怖を、具体的で解決可能な問題へと転換させます。13
4. 「不便」の解消:「停電は面倒だ」から「停電は、今なら避けられる大惨事だ」へ
-
問題: 顧客は停電がもたらす、連鎖的な不便さの深刻さを過小評価しています。
-
解決策: 鮮明で詳細な情景を描写します。「問題は、ただ明かりが消えることだけではありません。冷蔵庫が止まり、食料がすべてダメになります。インターネットが使えず、仕事もできなければ情報も得られません。一部の住宅では給水ポンプが止まり、水さえ出なくなります
。助けを呼ぶための携帯電話の充電もできません20 。しかし、蓄電池があれば、普段通りの生活が続きます。電力が復旧するのを待ちながら、料理をしたり、テレビを見たり、ご家族を安全で快適な状態に保つことができるのです。」21
第5部 共感エンジン:顧客に深く寄り添うシナリオとスクリプト
このセクションでは、特定の家族構成に合わせた、詳細で具体的な物語形式のスクリプトを提供します。
シナリオA:幼いお子様(0~10歳)のいるご家庭
-
主要な感情: 子供の安全と健康に対する恐怖。
-
主要な課題点: 室温の調節ができないこと(熱中症・低体温症のリスク)
、温かいミルクや食事が準備できないこと22 、子供が暗闇を怖がること23 、全体的な混乱とストレス。14 -
スクリプト例: 「佐藤様、小さなお子様がいらっしゃるのですね。私がお話しする多くの親御さんが最も心配されるのが、夏の停電です。ニュースでも報道されていますが、子供の体温は大人よりもずっと早く上昇するそうです
。蓄電池があれば、お子様のお部屋のエアコン1台を稼働させ続けることができます。外で何が起きていようと、お子様が安全で快適に過ごせることを保証できるのです。また、ミルクを温めたり、明かりをつけたりできるので、お子様が怖がることもありません。これは、起こりうる危機を、穏やかな家庭の夜へと変える力です。」22 -
体験談との連携: 「『3人の子供たちを自宅で守れるとわかっていること、それが私たちが蓄電池を導入した本当の理由です。混雑した避難所に連れて行くなんて、悪夢ですから』と、多くのご家庭がおっしゃるのは、まさにこのためです
。」15
シナリオB:高齢のご親族(同居または近居)がいるご家庭
-
主要な感情: 親の健康と孤立に対する不安。
-
主要な課題点: 重要な医療機器(在宅酸素、CPAP、モニターなど)の停止
、階段昇降機が使えないこと、体温調節機能の低下による熱中症や低体温症のリスク21 、助けを呼べないこと、孤独と恐怖25 。26 -
スクリプト例: 「鈴木様、お母様とご同居されているとお伺いしました。停電の際、問題は明かりだけではありません。もしお母様が何らかの医療機器に頼っておられるなら、たとえ短時間であっても、このシステムはその稼働を保証します。また、高齢者にとって極めて重要な、家を安全な温度に保つことも可能です
。これは、お母様ご自身だけでなく、彼女が24時間安全であると知ることで得られる、鈴木様ご自身の心の平穏を提供するものでもあるのです。」24
シナリオC:在宅ワーカー/自営業者のいるご家庭
-
主要な感情: 経済的な不安と職業上の責任。
-
主要な課題点: 収入の損失、締め切りに間に合わないこと、顧客データや通信の喪失、職業的信用の失墜。
-
スクリプト例: 「伊藤様、ご自宅でお仕事をされているとのことですね。では、伊藤様にとっての『何もしないことのコスト』を計算してみましょう。もし停電が2日間続いた場合、失われる2日間の労働の経済的影響はどれほどでしょうか?顧客にそれを説明するストレスは言うまでもありません。この蓄電池は、単なる出費ではなく、事業継続保険です。インターネット、PC、照明が常に稼働することを保証し、お客様のビジネスを決して止めさせません。」
価値ある表1:「レジリエンス価値」マトリックス
この表は、営業担当者が目の前の顧客に応じてピッチを素早く切り替えるためのクイックリファレンスガイドとして機能します。技術的なスペックを、人間の根源的なニーズに変換することで、「共感エンジン」の展開を容易にします。
顧客プロファイル | 最も強い不安 (不安) | 主要な不便 (不便) | 解決策としての蓄電池 | 「プライスレス」な価値 |
乳幼児のいる家族 |
子供の健康(熱中症) |
ミルク・離乳食の準備ができない |
一部屋のエアコン、電子レンジ、照明を稼働 | 「我が子の安全と快適さ」 |
高齢者のいる世帯 |
医療機器の停止 |
孤立、連絡手段の喪失 | 重要なコンセントへの電力供給、電話の充電を保証 | 「親の健康と安心」 |
在宅ワーカー | 収入減、信用の失墜 | インターネット、PCが使えない | ホームオフィスの設備(ルーター、PC、モニター)を稼働 | 「私の生計と評判」 |
すべての世帯 | 不確実性、情報遮断 | 食料の腐敗、通信手段の喪失 | テレビ、ラジオを稼働させ、全デバイスを充電 | 「社会と繋がり、状況をコントロールできること」 |
第6部 反論対応の達人:疑念を確信に変えるプレイブック
顧客からの反論は、拒絶ではありません。それは、「もっと情報が欲しい」というサインです。「高すぎる」という言葉は、最終判断ではなく、「価値がコストを上回るとまだ確信できていない」という心の声であることがほとんどです。反論は、顧客の中にどの「不」がまだ解消されていないかを明らかにしてくれる貴重な機会なのです。
例えば、「元が取れない」という反論
正しい対応は、まず同意し、そして視点を変えることです。「おっしゃる通りです。純粋な数字だけを見れば、回収には長い時間がかかります【不信の解消】。だからこそ、ほとんどのお客様はこれを金融投資としてではなく、一生涯の安全を手に入れるための一括払いだと考えておられます。では、もし3日間の停電が起きたら何が起こるか、もう一度考えてみましょう【不安・不便への転換】。」このアプローチは、顧客の懸念を認めつつ、会話を核となる価値提案へと巧みに誘導します。
価値ある表2:反論対応マトリックス
この表は、営業担当者が最も一般的な反論に直面した際に、冷静かつ構造的で、効果的な対応ができるように設計された、心理学に基づいたスクリプト集です。
一般的な反論 | 根底にある「不」(心理的障壁) | 共感的・フレームワークに基づいた対応(スクリプト) |
「高すぎる/元が取れない」 |
価値への不信、コストへの不安 | 「全くその通りだと思います。純粋な採算だけで見ると、長期的な計画になります。だからこそ、この一度きりのコストと、停電という繰り返し起こりうるリスクやコストとを天秤にかける必要があるのです。次の台風の際に、ご家族が安全であるということに、お客様はどれほどの価値を置かれますか?エネがえるの『1日あたりの負担額』を使って、少し違う角度から考えてみましょう。」 |
「価格が下がるのを待つ/新しい技術を待つ」 | 間違った選択をすることへの不安、今が適切な時期であることへの不信 |
「非常に賢明なお考えです。技術は常に進歩していますから。ここで重要な問いは、『待つことのリスク』が『待つことで得られるかもしれない利益』を上回るのはいつか、ということです。停電は今、実際に起きています |
「この辺りは停電が少ない」 | リスクを過小評価している(不便) |
「それは幸運なことですね。素晴らしいことです。しかし、全国的なデータを見ると、大規模な気象災害はより頻繁に、より深刻になっています |
「設置工事が面倒/大きくて邪魔だ」 |
不便 | 「そう思われるのも無理はありません。弊社の設置チームは非常にプロフェッショナルで、最初から最後まで全てを責任を持って担当させていただきます。大きさに関しては、提案させていただいた設置場所を見てみましょう。多くの場合、目立たない場所に設置できます。ご自宅のエコキュートのようなものだとお考えください。重要なサービスを提供するために、背後で静かに働く、必要不可欠な家庭のインフラの一部なのです。」 |
結論:あなたは蓄電池を売っているのではない。心の平穏を届けているのだ。
最終要約
本稿で繰り返し述べてきた核となる哲学を、ここに改めて強調します。太陽光発電と蓄電池を、単純な投資回収率(ROI)で販売する時代は終わりました。これからの時代に成功する営業担当者は、顧客の最も深い不安を理解し、具体的で信頼性の高い解決策を提供する「レジリエンス・コンサルタント」です。
行動喚起
営業チームに力を与えましょう。あなたには「エネがえる」というツールがあり、「行動経済学」という科学があり、「4不解消」というフレームワークがあります。さあ、現場に出て、より良い対話を実践してください。製品を売るのではなく、問題を解決するのです。そして、顧客に心の平穏を届けてください。
エネがえるとセットで以下のツールの導入もご検討ください。
Bois/防災情報提供サービス | 商品・サービス | 国際航業株式会社
ファクトチェック・サマリー
-
卒FIT後の売電価格: 約
。5 -
電力会社からの買電価格: 約以上
。7 -
蓄電池システムの平均的な導入費用(補助金適用後): 約150万円~250万円
。3 -
一般的な投資回収期間: 15年~20年
。2 -
大規模停電の前例: 2019年台風15号では最大280時間(約11.6日間)の停電が発生
。13 -
主要な補助金: 国(例:DR補助金)や地方自治体の補助金が利用可能だが、いずれも期間限定であり、予算に限りがあることに注意が必要
。3
付録:SEOに最適化されたよくある質問(FAQ)
Q1:2025年、卒FIT後に家庭用蓄電池を導入するメリットは何ですか?
A1:卒FIT後の最大のメリットは、経済的な利益から「生活のレジリエンス(強靭性)向上」へとシフトします。売電価格が程度に下落する一方、買電価格は以上と高止まりしています
Q2:家庭用蓄電池は本当に元が取れないのですか?
A2:純粋な金銭的投資として「元を取る」ことを考えると、多くの場合、回収期間は15年以上かかり、簡単ではありません
Q3:停電時に蓄電池でどのくらいの時間、電気が使えますか?
A3:使用できる時間は、蓄電池の容量(kWh)、ご家庭の電力使用量、そして天候(太陽光発電による追加充電の有無)によって大きく異なります。一般的に、7kWh程度の容量があれば、冷蔵庫、LED照明、スマートフォンの充電、テレビといった必要最低限の電力を12~24時間程度まかなうことが可能です。10kWh以上の大容量モデルであれば、エアコン(1台)なども含めて24時間以上、安心して生活を続けることも可能です。重要なのは、どの家電を優先して使いたいかを事前に家族で話し合い、それに合った容量の蓄電池を選ぶことです。
Q4:エネがえるのシミュレーションは信頼できますか?
A4:はい、非常に信頼性が高いと言えます。エネがえるは、単なる計算ソフトではなく、特許を取得した独自の試算ロジックを使用しています
Q5:子供がいる家庭に蓄電池が必要な理由は何ですか?
A5:子供、特に乳幼児がいる家庭にとって、蓄電池は「快適設備」ではなく「安全設備」です。子供は大人よりも体温調節機能が未熟で、夏の停電による熱中症や冬の低体温症のリスクが非常に高いです
Q6:高齢者にとって蓄電池の最大のメリットは何ですか?
A6:高齢者にとっての最大のメリットは「生命と健康の維持」です。停電は、在宅医療機器(酸素濃縮器、CPAPなど)の停止に直結し、命に関わる事態を引き起こす可能性があります
Q7:2025年度の家庭用蓄電池の補助金について教えてください。
A7:2025年度も、国や地方自治体による補助金制度が期待されます。国の代表的な補助金としては、DR(デマンドリスポンス)への参加を条件とするものなどがあります
Q8:太陽光パネルなしで蓄電池だけを設置する意味はありますか?
A8:はい、意味はあります。太陽光パネルと併用する方が経済効果は高いですが、蓄電池単体でも大きなメリットがあります
Q9:蓄電池の寿命とメンテナンスについて教えてください。
A9:家庭用リチウムイオン蓄電池の寿命は、一般的に充放電サイクル数で示され、数千回から1万回以上とされています。年数に換算すると、おおよそ15年~20年程度が目安となりますが、使用状況や環境によって変動します
コメント