愛媛県の太陽光蓄電池販売施工店における太陽光・蓄電池・EV・V2H拡販の経営戦略・営業戦略と経済効果シミュレーション活用ノウハウ(2025年)

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国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。環境省、トヨタ自働車、東京ガス、パナソニック、オムロン、シャープ、伊藤忠商事、東急不動産、ソフトバンク、村田製作所など大手企業や全国中小工務店、販売施工店など国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。再エネ設備導入効果シミュレーション及び再エネ関連事業の事業戦略・マーケティング・セールス・生成AIに関するエキスパート。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。Xアカウント:@satoruhiguchi。お仕事・新規事業・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

太陽光・蓄電池提案ツール「エネがえる」
太陽光・蓄電池提案ツール「エネがえる」

愛媛県の太陽光蓄電池販売施工店における太陽光・蓄電池・EV・V2H拡販の経営戦略・営業戦略と経済効果シミュレーション活用ノウハウ(2025年)

はじめに

2050年カーボンニュートラルの実現に向け、地域密着の太陽光発電・蓄電池販売施工店にも新たなビジネスチャンスが訪れています。特に愛媛県人口減少が進み高齢化率も全国平均を上回る地方圏ですが、その一方で温暖な気候と豊富な日射量に恵まれ、再生可能エネルギー普及のポテンシャルを秘めています。

本記事では2025年7月時点の最新データを駆使し、愛媛県をフォーカスした太陽光・蓄電池市場の現状分析から、販売施工店向けの経営戦略・営業戦略、そして経済効果シミュレーションツール「エネがえる」の活用ノウハウまで、高解像度に解説します。愛媛県の人口動態や地域特性、行政の脱炭素施策や補助金、気象条件、電力事情、さらには地域の文化的特性や顧客のソーシャルスタイルに至るまで網羅し、事実ベースのデータと高解像度の知見を融合させた実践的な戦略を提案します。

本記事のポイント:

  • 愛媛県の人口動態・地域特性を踏まえた太陽光・蓄電池マーケットのニーズ分析

  • 愛媛県および県内市町村の最新再エネ普及施策・補助金情報(2025年7月現在)

  • 愛媛県の気候(日射量)や電力料金・家計負担の現状分析と、太陽光発電の経済性

  • 新築住宅、既築住宅、事業者、EVユーザーなどセグメント別に見た導入意向とアプローチ法

  • 地域密着の販売施工店が取るべき営業戦略・拡販戦術と、エネがえるASP/Biz/EV・V2H/BPO/保証)の活用による提案力強化

  • 補助金活用経済効果シミュレーションによる「見える化」でお客様・経営層の心を掴む方法

  • 愛媛ならではのヒアリング手法やセールストークの工夫(ソーシャルスタイル理論も踏まえて)

それでは、愛媛県の地域特性を深く掘り下げながら、太陽光・蓄電池ビジネス拡大の戦略を具体的に見ていきましょう。


愛媛県の人口動態・地域特性と太陽光・蓄電池需要の展望

人口減少と高齢化の進行: 愛媛県の人口は1985年の153万人をピークに減少に転じ、2020年には133.5万人と35年間で約20万人減少しました。直近では2025年7月時点の推計総人口は約1,261,294人と、前年よりも減少が続いています。愛媛県は2022年度中に総人口が130万人を割り込み、このままのペースでは2040年に約105.9万人、2060年には約78.4万人まで減少すると県が推計しています。

特に高齢化が深刻で、1970年以降一貫して65歳以上人口比率が全国平均を上回っており、2060年には県民の約44%が65歳以上になる試算です。一方で世帯数は約60万世帯で微増しており、単身世帯の増加などから1世帯あたり人員が減少する傾向も見られます。人口減少と高齢化は地域経済に課題をもたらす一方、高齢単身世帯への災害備蓄電源ニーズや、エネルギーコスト節約ニーズを生む側面もあります。

住宅事情と普及余地: 愛媛県は都市部以外に中山間地や離島を含む地域構成で、一戸建て持ち家率が比較的高いと推測されます(全国的に地方ほど持ち家率が高い傾向)。広めの屋根を持つ戸建て住宅が多く存在することは、太陽光パネル設置のポテンシャルとなります。

実際、愛媛県内の再生可能エネルギー導入量を見ると約80%が太陽光発電設備で占められており、地域のエネルギー自給において太陽光が主力になっている現状があります。2021年度時点で県内に導入済みの再エネ設備容量は約1,164MWまで拡大し、2014年度以降は年率10%程度で増加しています。太陽光の多くはメガソーラー等の産業用案件も含みますが、住宅用太陽光(10kW未満)についても累計認定件数が着実に積み上がっています。今後も新築住宅のZEH(ネットゼロエネルギーハウス)化推進に伴い、新築時の太陽光標準搭載は一層進むでしょう。愛媛県でも国の方針に沿い住宅の省エネ基準適合やZEH化が奨励されており、新築住宅マーケットでは太陽光・蓄電池の需要は高水準で推移すると見込まれます。

愛媛県民の気質と購買行動: 愛媛県は温暖で穏やかな気候風土に育まれた土地柄で、「温厚でのんびりした県民性」としばしば評されます。県民全体として強欲さがなく「ほどほどに楽しめれば良い」という性格傾向があり、新しい相手にはやや人見知りで慎重な面もあるようです。義理人情を重んじ、信頼関係を大切にする土壌があるため、製品・サービスの売り込みにおいては押しの強い営業より丁寧なヒアリングと誠実な提案が功を奏しやすいでしょう。「他人を簡単には信用しない」「お金の使い方にシビア」という外部からの指摘もあり、高額な初期投資が必要な太陽光発電・蓄電池については、なおさら根拠に基づく慎重な意思決定が行われる傾向と考えられます。

したがって、愛媛のお客様には論理的・客観的なデータ提示(経済効果シミュレーション等)によって信頼感を醸成し、「設置しないと損をするくらいメリットが大きい」ことを腹落ちしてもらうアプローチが有効です。一方で、穏やかな県民性ゆえ環境や地域社会への貢献にも共感しやすく、「災害時に近所を助けられる」「地元のCO2削減に役立つ」といった訴求は心に響きやすいでしょう。地域で実績を積み口コミで評判が広がれば紹介による引き合いも期待できます。愛媛では地元密着の信用がものを言うため、お客様との信頼関係づくりそのものが最大の営業資産となるのです。

購入検討層の細分化: 愛媛県内で太陽光・蓄電池の導入を検討する層を大きく分類すると、以下のようなセグメントが考えられます。

  • 新築住宅の施主: 住宅メーカーや工務店で新築を計画中の層。ZEH志向や電気代高騰への備えから、太陽光パネル搭載はほぼ標準オプションになりつつあります。愛媛県内の主要ビルダーの多くは自社の商品コンセプトに太陽光発電を組み込み始めており、「オール電化+太陽光+蓄電池」のセット提案も増えています。新築時に導入すれば後付けより割安かつデザイン的にも建物と調和しやすいため、新築層の導入意向は非常に高いです。実際、エネがえるを導入する愛媛県の新築工務店では太陽光+蓄電池セット提案の成約率が90%超に達するとの報告もあります。この層には、初期費用を住宅ローンに組み込んで月々の支払いを電気代削減額で相殺できることを示し、「建てた後も光熱費が大幅ダウンする賢い家づくり」をアピールすると刺さります。

  • 既存住宅のオーナー: 既に持ち家(一戸建て)に住んでいる層。築年数によって関心事が異なり、築浅~中堅(築5~20年程度)の世代は太陽光後付けや蓄電池追加に前向きなケースが多いです。特に電気代の急騰(四国電力の規制料金値上げで平均約25%超の値上げ)を実感し始めたここ数年、光熱費を抑える手段として太陽光+蓄電池に興味を持つご家庭が増えています。また愛媛県は台風や豪雨の被害も時折あり、停電対策(非常用電源)への備え意識も高まりつつあります。「もしもの停電でも蓄電池があれば安心」という訴求は、高齢者世帯を含め心強く感じられるポイントです。一方、築30年以上の住宅では屋根の補修や耐震補強が先立つケースもあるため、住宅リフォームと組み合わせた提案が有効です。蓄電池単体を検討する既存住宅オーナーも存在し、例えばFIT満了後の太陽光ユーザーが蓄電池を追加して自家消費を高めたい、といったニーズが該当します。実際、愛媛県が実施した共同購入事業の初年度実績では蓄電池のみ購入が32件あり、既存PVユーザーの蓄電池ニーズが顕在化しています。

  • 事業者(企業・法人): 工場やオフィス、店舗など事業用の電力ユーザーです。四国電力管内の企業向け電気料金も近年上昇しており、製造業の多い愛媛県ではエネルギーコスト削減が経営課題になっています。実際、愛媛県の温室ガス排出の約57%は産業部門からであり(全国平均34%)、多くが電力起因と推計されています。このため、工場や倉庫の屋根に太陽光パネルを載せて自家消費型太陽光を導入し、電力使用量を削減する動きが広がっています。太陽光とあわせて大型蓄電池を併設すればピークシフトやBCP対策(非常用電源確保)にもなり、製造業のみならず病院・福祉施設、商業施設などにもメリットがあります。また企業のCSR・ESGの観点から「脱炭素経営」「RE100」を掲げる先進的な事例も出始めており、再エネ電力調達の手段としてオンサイト太陽光のニーズがあります。愛媛県内では大規模工場だけでなく、中小企業でも第三者所有モデル(PPA)やリースによる太陽光導入事例が増えています。事業者向けの潜在需要はまだ大きく、2025年時点でも十分な開拓余地があります。

  • EV・電気自動車ユーザー: ガソリン車からEVへの転換が進む中、愛媛県でも徐々にEV普及が進行しています。愛媛県は公共交通網が限定的な地域も多く車社会ですから、全国的なEV化の波は今後確実に及びます。EVユーザーにとって、自宅での充電設備(V2H対応充電器など)は必須インフラとなりますが、夜間に蓄電池経由でEVに充電したり、逆にEVの電力を家庭に供給したりするV2H(Vehicle to Home)技術への関心も高まっています。太陽光・蓄電池とEV・充電器を組み合わせれば、「昼間は太陽光で車に充電し、夜は車の電気を家で使う」といったエネルギーマネジメントが可能です。これはガソリン代高騰や電気代高騰への根本対策になり、EVオーナー層には響きやすい提案です。また行政からもクリーンエネルギー車導入補助やV2H補助金(国のCEV補助金など)が充実しており、愛媛県民がこれらを活用する動きをバックアップしています。したがって、EVを所有・検討している住宅オーナーは太陽光・蓄電池との親和性が高く、クロスセルの有望顧客といえます。

以上のように、愛媛県の購買検討層は多岐にわたります。それぞれの層に適した提案を行うには、共通してまず「経済メリットの見える化」と「信頼感の醸成」が鍵になります。次章では、そのための土台となる愛媛県の行政支援策や補助金について最新情報を整理し、地域の追い風要素を把握しましょう。


愛媛県・市町村の脱炭素政策と最新補助金【2025年7月版】

愛媛県は2050年脱炭素社会の実現に向け、「愛媛県地球温暖化対策実行計画」等で再生可能エネルギー普及拡大を重要施策に位置づけています。県と市町村が連携したユニークな取り組みとして、太陽光発電設備等の共同購入事業があります。これは県内の希望者を募り、一括してパネルや蓄電池を発注することで市場価格より割安に購入できる仕組みです。

愛媛県は2023年度(令和5年度)からこの共同購入スキームを開始し、初年度は県民から710件の参加登録があり、そのうち82件が実際に契約成立しました。契約内訳は太陽光パネルのみ13件、太陽光+蓄電池セット37件、蓄電池のみ32件で、合計導入規模は太陽光約264.82kW・蓄電池約549.4kWhに上ります。2年目となる2024年度(令和6年度)も募集を継続しており、登録741件中56件が契約(太陽光32、セット12、蓄電池12)と、一定の成果を挙げています。

この共同購入事業は県内20市町すべてが協力しており、広報や説明会で周知するなど官民挙げての普及策となっています。販売施工店にとっても、新規顧客を発掘するチャンネルとして共同購入に参加するメリットがあるでしょう。

次に補助金制度です。愛媛県そのものからの直接補助金は現時点では用意されていません(共同購入による割安提供が事実上の支援策)が、県内各市町村ごとに独自の補助金が数多く存在します。2025年度の最新情報では、愛媛県内ほぼ全域で何らかの太陽光・蓄電池補助が展開されている状況です。主な自治体の例を挙げます。

  • 松山市: 補助額が突出して高く、太陽光発電と蓄電池を同時設置する住宅に対し最大75.9万円まで助成します。2025年6月~12月受付(予算枠到達次第終了)で、新規に太陽光4kW+蓄電池5kWh程度導入すれば上限近くまで補助が受けられる計算です。条件は未使用品であること、工事着工前の申請など。松山市はZEH促進補助も別枠であり、いずれか一方しか申請できませんが、それだけ市が予算を投じて脱炭素住宅を支援していることを示しています。

  • 新居浜市: 住宅用太陽光に対し1kWあたり7万円(上限35万円)の補助を実施しています。特徴はFIT認定を取らない自家消費型が対象である点で、出力10kW未満・発電量の30%以上を自家消費とすることなどの条件があります。余剰売電より自家利用を促す設計で、地域内消費によるカーボンニュートラルを進める狙いです。

  • 今治市: 住宅用蓄電池の導入に対し、経費の1/10(上限9万円)の補助を行っています。期間は2025年5月~7月末で予算消化状況により終了。蓄電池単体への補助は、卒FIT世帯や非常電源需要への対応と思われます。

  • 西条市: こちらも住宅用蓄電池に1/10(上限5万円)の補助があります。ユニークなのは「えひめカーボンクレジット倶楽部」への入会必須としている点です。蓄電池導入者に県内のJ-クレジット制度参加を促し、CO2削減量の見える化・取引を図る取り組みです。

  • 四国中央市: 蓄電池に上限10万円の補助。導入時期で一次募集・二次募集と期間区切りがあります。

  • 宇和島市: 住宅用太陽光に1kWあたり2.5万円(上限10万円)、蓄電池に一律7.5万円の補助を用意。離島部を抱える南予地域でも手厚い支援が行われています。

  • その他地域: 大洲市、八幡浜市、西予市、伊予市、東温市、伊方町、鬼北町、内子町、松野町、愛南町などでも、数万円~十数万円規模の補助金が設定されています(※一部の町は予算上限で受付終了・未定の場合あり)。多くは太陽光1kWあたり数万円、蓄電池は定額5~10万円程度の補助です。自治体財政規模に応じ差はあるものの、県内全域で太陽光・蓄電池導入の経済的ハードルを下げる措置が講じられていると言えます。

以上のように、愛媛県では「県の共同購入によるコスト低減 + 市町村補助による費用助成」という二段構えの支援が受けられる環境にあります。国の補助金(例えば住宅向けの次世代住宅ポイント的な補助や、経産省の蓄電池補助、環境省のレジリエンス強化補助金、CEV補助金(V2H)等)とも組み合わせれば、驚くほど有利な導入条件を実現できるケースも少なくありません。実際、昨年度(2024年前後)は国と自治体の補助金を組み合わせて大幅な支援が受けられた結果、申し込みが殺到した例もあり、太陽光・蓄電池の注目度が高まっていることが窺えます。

補助金額には上限や予算枠があるため、販売施工店としてはお客様に「制度を逃さず早めに動くメリット」を伝えることが大切です。最新情報を常にアップデートし、「今なら○○市の補助で○○万円お得に導入できます。制度開始と同時に申請できるようお見積りは早めに取りましょう」と背中を押してあげることで、お客様の購買意欲を高めることができます。

なお、自治体補助は年度ごとに内容や予算が変わるため、常に公式発表を確認することが重要です。愛媛県脱炭素ポータルサイトや各市町のホームページ、補助金情報をまとめたサイト等を定期的にウォッチし、最新データを営業トークに反映しましょう。エネがえるなどのシミュレーションソフトでは全国約2,000件の自治体補助情報をデータベース化し月1回更新しています。こうしたツールを使えば補助金額を自動参照し経済効果に反映できるため、営業担当者の手間を大幅に省けます。

まとめると: 愛媛県は行政の後押しが強力で、「安く買える仕組み」(共同購入)と「費用を補填する補助」(市町村助成)の両面から住宅用太陽光・蓄電池の普及を促進しています。この追い風を最大限に活かすため、販売施工店は補助金制度の知識をアップデートし、お客様に「使える支援は全て適用した最適プラン」を提案できる体制を整えるべきです。次章では、愛媛ならではの気象条件や電力事情に目を向け、太陽光発電の経済メリットと営業上押さえておくべきポイントを確認します。

※参考:「自治体スマエネ補助金検索サービス」を提供開始 約2,000件の国や地方自治体の創・蓄・省エネ関連補助金を網羅 ~クラウド 型太陽光・蓄電池提案ツール「エネがえる」契約企業向けに無償提供~ | 国際航業株式会社 

※参考:「自治体スマエネ補助金データAPIサービス」を提供開始 ~約2,000件に及ぶ補助金情報活用のDXを推進し、開発工数削減とシステム連携を強化~ | 国際航業株式会社 


愛媛の気候・日射量・電力料金と太陽光発電の経済性

温暖で日照に恵まれた気候: 愛媛県は瀬戸内海式気候のエリアを含み、年間を通じて温暖で晴天の日が比較的多い地域です。松山市を例にとると、過去30年平均の日照時間は年間約2,000時間超にもなり、国内でも日照条件の良い都市の一つです(東京~大阪とほぼ同等かそれ以上、東北よりかなり多い水準)。太陽光発電システムの発電量は日射量に比例しますが、愛媛県で4kWの太陽光パネルを設置した場合、1ヶ月で平均約367kWhもの発電が見込めます。これは年間では4,400kWh前後、システム容量1kWあたり約1,100kWh/年に相当し、日本全国平均(1,000kWh/kW/年程度)を上回るポテンシャルです。もちろん実際の発電量は季節変動があり、夏場に多く冬場に少なくなりますが、瀬戸内沿岸は冬でも比較的晴れ間が多いため通年でバランスの良い発電が期待できるでしょう。また愛媛県南予地域は台風シーズンに降雨が増えますが、雨が多い年ほど日射量も平年比で増える傾向が近年報告されており(日射量が直近9年間で+3.6%増加)、長期的にも太陽光発電に追い風です。

四国電力の電気料金高騰: エネルギー価格高騰の影響は全国に及びましたが、とりわけ地方電力会社管内では2023年に相次ぐ規制料金値上げが行われました。四国電力は2023年6月に家庭向け規制料金を平均28.74%引き上げており、愛媛県の一般家庭の電気代も大幅に上昇しています。総務省統計によれば、四国地方の2人以上世帯の平均電気代は月額約11,000円超と、全国でも上位クラスの高さになっています(参考:九州約8,700円、東海約10,200円)。愛媛県は冬の暖房需要が東北ほど多くないとはいえ、夏季の冷房需要やオール電化住宅の増加もあって光熱費負担は無視できない水準です。実際、四国電力の従量電灯Aの料金を見ると、値上げ後は120kWhまでが1kWhあたり30.66円、300kWh超過分は1kWhあたり36.06円(いずれも燃料調整・税別)となっており、電力調達コスト増がそのまま家庭の光熱費に跳ね返っています。こうした背景から、「太陽光で電気代を削減したい」「蓄電池で夜間の購入電力量を減らしたい」というニーズが県民の間で一段と高まっています。

太陽光発電の経済メリット: 日射量が豊富で電気代単価が高いという条件下では、住宅用太陽光発電の投資対効果が非常に良好です。先ほどの試算例では4kWシステムの年間発電量約4,400kWhに対し、そのうち昼間の自家消費分(電力会社から買わずに済んだ電力量)と余剰売電分を合わせた20年間の経済効果は約185万円に達すると算出されています。初期費用が約90~100万円(4kWで22~25万円/kW程度が相場)であることを考えると、10年前後で元が取れ、その後は純利益という計算です。これは「太陽光を導入しないと長期的に見ると損をする」レベルのメリットであり、電気代高騰期には特にその傾向が顕著です。仮に蓄電池を併設して夜間の購入電力を削減すれば、更なる電気代削減効果と非常時のバックアップ電源価値が得られます。愛媛県の場合、前述の各種補助金を活用すれば初期コストを実質的に数十万円単位で圧縮できます。例えば松山市なら最大75.9万円の補助が出ますし、国の住宅省エネ支援策を合わせれば初期負担ゼロ円ソーラー(いわゆる第三者モデルやリースを使わずとも実質0円に近づく)も夢ではありません。

また電気自動車との親和性も経済メリットを押し上げます。仮にEVに毎月200kWh充電する場合、従来なら月6,000円強の電気代負担ですが、太陽光でまかなえば燃料代はゼロになります。さらにV2HでEVから家庭に電力供給すればピークシフトや非常時電源にも使えます。愛媛県では幸い昼間の余剰電力買取も継続的に行われており(FIT期間中売電単価16円/kWh、卒FIT後も四国電力が7円/kWhで買い取り)、仮に日中留守家庭で自家消費が少なくても売電収入が見込めます。もっとも経済メリットを最大化するには自家消費率を上げることが重要で、日中在宅の高齢世帯やテレワーク世帯、店舗・事務所などは有利です。一方共働きで昼間不在がちな家庭でも、蓄電池やタイマー家電、自動制御システムを活用して発電分を有効利用する工夫ができます。最近はAI制御のヒートポンプ給湯器や、天気予測連動の蓄電システム等も登場し、愛媛県内のオール電化住宅でも導入が進んでいます。

光熱費全体の削減: 愛媛県はプロパンガス利用世帯も多く、プロパン料金は都市ガスに比べ高額です。太陽光発電と蓄電池、さらにエコキュートやIHクッキングヒーターなどを組み合わせてオール電化+創エネ+蓄エネの体制を整えれば、ガス代を含めた光熱費全体の削減が可能です。実際、昼間の太陽光で給湯や空調をまかない、夜間は深夜電力と蓄電池で補う運用により、エネルギー自給自足率を大幅に高めることができます。エネがえる等のシミュレーションでは各家庭の電力使用パターンに合わせた最適プランを提案でき、「あなたの家では太陽光で年間○○円の節約、蓄電池でさらに○○円節約、ガス代も不要になるので合計○○円お得」という具体的な数字を示すことができます。このように、愛媛の豊かな日射を活かした太陽光発電は、電気代・ガス代の削減効果とエネルギー安心をもたらす賢い投資なのです。

※参考:エコキュートの昼間沸き上げやおひさまエコキュートの提案はシミュレーションできるか?対応しているか? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え) 

まとめ: 愛媛県の気候風土とエネルギー価格動向は、太陽光発電・蓄電池の導入メリットを一段と高めています。販売施工店はこの定量的なメリットをしっかり把握し、お客様にわかりやすく伝えることが肝要です。その際、経済効果シミュレーションは非常に有効なツールとなります。次章では、そうしたシミュレーションを活用した営業戦略、および地域密着店ならではの販売戦術について詳述していきます。


地域密着の販売施工店が取るべき販売戦略・拡販戦術(愛媛県編)

愛媛県で太陽光・蓄電池ビジネスを拡大していくにあたり、地域密着の販売施工店は大手にはない強みを活かした戦略を構築する必要があります。ここでは、愛媛のローカル市場にフィットした販売戦略と具体的な拡販戦術を整理します。

1. 地域のネットワークと信頼関係を最大活用する

地方では口コミや地域コミュニティの評判が営業成果を左右します。愛媛県でも例外ではなく、地元の信用を得た業者は安定的に案件を紹介される傾向があります。販売施工店は地元のネットワークをフル活用し、地域の顔となる存在を目指しましょう。

  • 自治体・地域団体との連携: 県や市町村主催の環境イベント、脱炭素セミナー、防災フェアなどに積極的に参加・協賛し、知名度向上と顧客接点の創出を図ります。愛媛県地球温暖化防止活動推進センターなどとも連携し、太陽光・蓄電池の効果的な活用法を情報発信すると良いでしょう。また前述の共同購入事業では、県が入札で施工業者を選定します。共同購入の施工業者に採択されれば県のお墨付きという信頼を得られますし、大量の見込み客リストを獲得できます。地元優良企業としてぜひ参画を検討したいところです。

  • 工務店・ハウスメーカーとの提携: 新築住宅マーケット攻略には、住宅会社との協業が効果的です。地場の工務店で太陽光・蓄電池の提案ノウハウが不足している先があれば、積極的に提携を持ちかけましょう。「自社の家に太陽光を標準搭載しませんか?シミュレーション作成や補助金手続きは当社が全面支援します」と持ちかければ、住宅会社側にも付加価値提案になります。実際、愛媛県のある新築工務店はエネがえるを導入し、太陽光・蓄電池セットを標準提案することで成約率90%以上を達成しています。シミュレーションレポートをExcelで加工しておしゃれな提案書を作成し、「この家に住めば月々これだけお得」と見せる営業手法で月400~800件の提案をこなし、売上を導入前比23倍以上に伸ばした例もあります。こうした成功事例にならい、住宅会社に「太陽光提案でお客様満足度と受注率を上げるお手伝い」を提案するのです。特に大手メーカーと比べ設備提案力で劣る地場工務店ほど響く提案となります。

  • OB顧客・地域住民への地道なアプローチ: 既存顧客(過去にオール電化工事やリフォーム工事をしたお客様など)がいれば、定期フォローやニュースレター送付を通じて蓄電池やEV充電器の最新情報を届けましょう。「あの時エコキュートを導入いただいた○○様、その後電気代のご様子はいかがですか?もし太陽光や蓄電池にご興味あれば最新の補助金情報をご案内できます」といったDMは効果的です。また地域の自治会・老人会などでミニ説明会を開いたり、地元FMラジオやケーブルテレビで節電や防災の専門家としてコメントするのもブランド構築に役立ちます。愛媛県民は押し売りを嫌いますので、「お役立ち情報の提供者」という立ち位置で接触頻度を増やし、相談しやすい関係を築くことが重要です。

2. データに基づく提案営業で専門性と安心感を訴求

愛媛のお客様は前述のとおり慎重派が多く、「本当に元が取れるのか?」という点をシビアに見極めます。そこで販売施工店は経済効果シミュレーション等のデータを駆使し、提案内容に説得力を持たせる戦術をとるべきです。

  • 経済効果シミュレーションの活用: エネがえるASP/Bizなどの経済効果シミュレーターを活用して、導入前に費用対効果を“見える化”します。例えば「太陽光5kW+蓄電池5kWh導入で、松山市補助金○○万円適用後の自己負担は○○万円。年間△万円の電気代削減と☆万円の売電収入が得られ、○年で投資回収できます」といった具体的数字を提示します。シミュレーション結果はグラフや図表で示されるため、お客様も直感的にメリットを理解できます。また「20年後まで試算できますので、このグラフの通りメリットが右肩上がりですよ」と長期展望を示せば、将来不安の解消にもつながります。販売会社が自前でここまで詳細な試算をすることは珍しく、お客様から「そこまできちんと計算してくれるのか」と信頼を得られます。「太陽光・蓄電池の経済効果診断ソフトは国際航業という測量のプロの会社が作ったもので精度が高いんです」と一言添えるのも良いでしょう。実際、全国700社以上の工務店・販売店がエネがえるを導入し、年間15万件以上の診断シミュレーションを行っています。客観データに基づく提案は成約率向上に直結することが各社の実績から示されています。

  • シミュレーション保証の提案: お客様の中には「シミュレーション通りに本当に効果が出るの?」と半信半疑の方もいます。そうした懸念に応える切り札が「経済効果シミュレーション保証」です。エネがえるではB2B契約企業限定でこの保証オプションを提供しており、シミュレーションと実測データの差異に一定以上のズレが出た場合に補償金を支払う仕組みになっています。販売店としてこの保証を活用し「試算通りの効果を保証します(万一大きく下回れば補償金お支払い)」と伝えれば、お客様の不安は大きく和らぎます。裏を返せばそれだけ当社の試算は正確という自信の表れでもあります。「保証付き提案」は競合他社との差別化にもなり、こと慎重な愛媛のお客様には強力な決め手となるでしょう。

  • 専門知識の発信: 提案時にはデータだけでなく関連する専門知識も織り交ぜます。例えば「四国電力の規制料金値上げで今後も電気代は上振れリスクがあります。しかし太陽光なら発電コストは20年間ずっとタダ同然です」とか、「愛媛県のCO2排出の半分以上が産業部門ですが、家庭からの排出削減も大事です。当社で導入すれば◯◯kg-CO2/年の削減になり県の脱炭素に貢献できますよ」など、社会的な位置づけを示すとお客様の理解が深まります。また補助金手続きや電力会社への申請代行などの煩雑な部分も「すべて当社にお任せください」と伝え、専門業者としてトータルサポートする姿勢をアピールします。とりわけ企業案件では「御社が設備容量をどれくらいにすべきか分からない」という声が多く、55.2%の需要家が「最適な容量算出が分からない」と感じています。それに対し「負荷データを解析し最適サイズをご提案します」と言える業者は頼もしく映ります。実際、国際航業の調査で86.5%の企業が再エネ導入検討に何らかの課題を感じ、その中で容量算定が最大の壁になっています。そこをプロが明確に解決策を示すことに大きな価値があるのです。

  • ソーシャルスタイル理論を応用した提案: お客様の性格タイプに合わせてプレゼン方法を微調整することも有効です。ソーシャルスタイル理論では人を大きく分析型・感情表現型・親和型・指揮型などに分類します。例えば相手が数字に関心の高い分析型なら、発電量や収支表など詳細データをしっかり示し論理立てて説得します。一方、感情表現豊かなタイプには将来の生活像を描いてもらうような会話(「蓄電池があれば台風の夜も安心ですね!」等)で共感を得ます。控えめで親和的なお客様には地域や家族への貢献(「お孫さんにも優しいエコな選択です」)を強調し、強気な指揮型の方には結論ファーストでROI(投資利益率)やメリットを端的に伝えると刺さるでしょう。このように相手に応じて伝え方を変えることで、同じ提案内容でも響き方が大きく変わります。愛媛県民は総じて穏やかと言われますが個人差はありますので、商談時の会話や反応から相手のスタイルを感じ取り、最適なアプローチを心がけます。

3. 顧客セグメント別の攻め方とセールストーク

前述の購買検討層ごとの戦略をさらに具体化し、新築向け・既築向け・事業者向け・EV向けに分けた営業トークのポイントを整理します。

  • 新築住宅向けセールストーク:太陽光発電はこれからの家づくりの新常識です。付けない選択はもったいないですよ。」と切り出します。国の政策で2030年までに新築住宅のZEH化が進むこと、将来的には太陽光パネル搭載住宅が資産価値で優位になる可能性(中古市場で評価が高まる)があることも伝えましょう。「10年後に売るとき、『この家は太陽光が付いてるからいいね』と言われる時代になります」といった言い回しです。また、「住宅ローンに組み込めば月々数千円の負担ですが、発電でその何倍も節約できます」と実質負担ゼロ論も展開します。松山市の補助なども積極的に紹介し、「市から最大76万円も補助が出ます。これは使わない手はないですね」と背中を押します。新築客は設備の初期費用より月々収支を重視する傾向があるため、「太陽光+蓄電池つけてもオプション費用は実質○○円/月。付けないと電気代で○○円/月損する計算です」月額ベースの比較を提示すると効果的です。そして、「当社は建築士(一級建築事務所)でもあり屋根施工のプロなので、建物と一体化した美しい施工をします。雨漏り10年保証も付きます」と技術力・施工品質の安心感も訴求します。新築は人生最大の買い物なので、「この業者に任せれば安心だ」と思われることが決定打になります。

  • 既築(戸建)向けセールストーク: リフォームや省エネ設備に関心のある既存住宅オーナーには、「今あるお宅の屋根が毎月お金を生み出す場所に変わります」とポジティブな切り口で話します。特に電気代の上昇に触れ、「ここ半年で電気代かなり高くなりませんでしたか?」と問いかけると多くは頷かれます。「太陽光を載せればその電気代がぐっと減ります。試算では◯割カットも可能ですよ」と具体的数字を交えて説明します。蓄電池については、「夜間や停電時も自宅が発電所&大きな懐中電灯になるようなものです。台風で停電しても冷蔵庫も照明も普段通り使えます」と生活メリットを描写します。この層には初期費用への抵抗感が強い場合も多いので、補助金+ローン活用+売電収入で無理なく導入できることを強調しましょう。「〇〇市なら補助金◯万円が出ます。さらに余った電気は売って年間△万円の収入。銀行の住宅ローン(金利1%以下)で組めば月々1万円程度の返済ですが、電気代が同じくらい減りますから実質負担増なしです」といったトークです。また、「屋根の上にパネルを載せるなんて不安…」という声に対しては、「当社は創業○年来○○棟の実績がありますが台風でもパネル飛散ゼロです。軽量の架台でしっかり固定し、施工10年保証も付けます」と施工信頼性を伝えます。さらに、「実は愛媛県内で太陽光付けたお宅はもう○万世帯以上あるんですよ」と普及実績(地域の多数派になりつつあること)を示すと安心感が増します。最後に、「将来お孫さん世代にも電気代負担を残さない素敵な遺産になりますね」と付加価値を高める言葉も添えます。

  • 事業者向けセールストーク: 経営者や工場オーナーにはまず費用対効果と減税メリットを端的に提示します。「○kWの太陽光を導入すれば電気代が年間△△万円削減できます。初期費用は約○○万円ですが、中小企業の即時償却制度や補助金を使えば実質負担はもっと減ります。投資回収は約X年、ROI(投資利益率)は年○%程度です」財務的指標で語ります。「銀行預金よりよほど良い利回りの省エネ投資です」と付け加えると響きます。またCSR面も忘れずに、「この設備で年間◯トンのCO2削減になり、『ゼロカーボン愛媛』に貢献できます。社内外へのPRにもなります」と伝えます。工場なら「生産設備と同じくらい電気も大事な経営資源です。自家発電所を持てば電力コストの見通しが立ち経営が安定します」と、リスクヘッジになる点も強調します。さらに、「御社のように稼働が昼間中心の事業形態なら太陽光の自家消費率が高く非常に有利です。昼間の使用量の◯割を賄える計算です」と具体性を出します。蓄電池やV2B(ビークルtoビルディング)については、「停電時に事業を止めないBCP電源になります。実は四国は南海トラフ地震の想定震源に近く、備えれば企業価値向上です」とリスクマネジメント要素で説得します。事業者は導入ハードルが高い分、周到なデータ準備と社会的意義付けがカギです。なお社長だけでなく経理担当や工場長など複数人が関与する場合、相手ごとに関心事にフォーカスした資料(経理向け損益シミュレーション、技術担当向け設備仕様と保守体制説明など)を用意し、社内稟議を通りやすくサポートすることも成功のポイントです。

  • EVユーザー向けセールストーク: EV愛好家や社用車のEV化を検討している企業には、「太陽光×蓄電池×EVで究極のエコシステムが完成します」とワクワクする未来像を示します。「お持ちのEVは走る蓄電池です。昼はソーラーで車に充電、夜は車から家へ給電すれば電力会社への支払いを激減できます」とスマートな暮らしを描きます。さらに「ガソリン代がゼロになるのはもちろん、電力も自給できればエネルギー価格高騰も怖くありません」とメリットを整理します。V2H導入補助金(国のCEV補助で最大給電器費用の1/2など)も紹介し、「今がチャンスです」と煽ります。またEVユーザーは環境意識が高い傾向があるため、「再エネ100%で走るEVは真のカーボンフリーカーです。愛媛からそんな未来志向のライフスタイルを発信しませんか?」といった共感訴求も有効です。企業のEV導入に対しては、「社屋にソーラー充電ステーションを作ればSDGs経営の象徴になります。社員福利厚生としてもEV充電スポットは喜ばれますよ」と付帯効果を伝えます。ポイントは、太陽光とEVの親和性を具体的シーンで想起させることです。「例えば真夏の帰宅時、昼間ソーラーで満タンになったEVでエアコンをつけたリビングに電気を送れば、夕方ピークの電力買わずに涼しく過ごせます」とか、「災害で停電でもEVがあれば家族全員何日も避難せず自宅で生活できます」と語ると、「なるほど!」と膝を打ってもらえます。

以上、セグメント別に見てきましたが、いずれの場合も大切なのはお客様の立場・価値観に寄り添ったヒアリングを行い、そのニーズにマッチした提案ストーリーを組み立てることです。「この営業マン/会社は自分(自社)のことをよく分かってくれている」と思われれば信頼は一気に高まり、成約に近づきます。営業担当者は単なる機器説明に終始せず、「お客様の課題を解決するパートナー」という姿勢で臨みましょう。愛媛県ではその誠実さが必ず評価され、口コミでの評判にもつながっていくはずです。

4. DXツール(エネがえるシリーズ)を駆使した提案力・業務効率アップ

最後に、現代の営業に欠かせないデジタルトランスフォーメーション(DX)ツールの活用について触れます。特に本記事テーマにもなっている「エネがえる」シリーズは、販売施工店の営業・設計業務を飛躍的に効率化し、提案力を底上げしてくれる強力な武器です。その具体的な活用法と効果を整理します。

  • エネがえるASP(住宅向け)/Biz(産業向け)の活用: これは前述した経済効果シミュレーションを中心としたB2B SaaSです。住宅用太陽光+蓄電池+オール電化、産業用自家消費PV+大容量蓄電池、さらにEV・V2Hまでオールインワンで経済性を試算できます。エネがえるを使うと、電気料金プラン(全国100社・3000プランを自動収録)や自治体補助金(2000件データ)を反映しつつ、最適システム容量の試算から収支シミュレーションまでわずか数分でレポート化できます。これは従来営業マンが見積書と電卓を握り締めて頭を悩ませていた作業が、一気にデジタル化されることを意味します。国際航業の調査によれば、41.1%の販売担当者が「経済メリット・投資回収試算の作成」に最も工数がかかると回答しています。エネがえる導入後はその工数が劇的に削減され(ある販売店では試算時間が従来比1/10になった)、営業1人あたりの提案件数を飛躍的に増やせます。またレポートの完成度が高くお客様説明もしやすいため、成約率も向上します。実際、ある愛媛県の新築工務店ではエネがえるASP導入後に提案件数を月50件から400件超に増やし、成約率30%超えを達成しています。エネがえるASPで出力した診断レポートをベースに自社オリジナルの提案書を作成することで「売れる仕組み」を構築した好例です。このように、エネがえるASP(住宅向け)/Biz(産業向け)をフル活用すれば提案スピードと質の両方で競合優位に立てるのです。

  • エネがえるEV・V2Hモジュールの活用: EV提案に特化したエネがえるEV・V2Hでは、EV導入によるガソリン代削減効果やV2H活用時の経済メリットも試算可能です。例えば「社用車5台をEV化+ソーラー充電すると年間◯万円の燃料コスト減」といった試算を即座に出せます。EVシフトは企業にとって新しいテーマであり、92.5%もの担当者が「EV/V2H提案には課題を感じる」と答えています。そこで経済効果を見える化してあげると提案の説得力が一気に高まり、顧客側でも社内検討材料として活用できます。さらに前述の保証サービス(シミュレーション保証)も組み合わせ、「この数値は保証されていますので安心ください」と言えれば鉄壁です。調査では販売担当者の80.6%が社内スキル不足を感じ、負担業務の外部委託に興味ありとも回答しています。難易度の高いEV・V2H提案でも、エネがえるEV・V2Hのようなツールを使えば誰でも高品質なシミュレーションができ、新人でもベテラン並みの提案が可能になります。「営業が1から勉強しなくても大丈夫なので助かっています」という導入企業の声もあるほどです。

  • エネがえるBPO(提案業務アウトソーシング)の活用: 人手不足やスキル不足を補完する切り札がBPOサービスです。国際航業はエネがえるBPO/BPaaSとして、再エネ導入提案業務を丸ごと外部委託できるサービスも提供しています。具体的には、ソーラー発電システムの設計支援、見積作成、経済効果シミュレーション作成、補助金情報調査、申請書類作成代行などをワンストップで依頼できます。調査によれば社内に専門人材がいないと感じる担当者の80.6%がこうした外部委託に関心を持ち、そのうち56.0%は「専門知識・ノウハウの高さ」を重視するといいます。プロに任せればスピードも品質も安定するため、結果的に案件成約数の増加(有望商談の増加)につながると期待されています。販売店でも、人員が限られる企業は無理に自前化せずBPOを活用することで、少人数でも大手並みの提案数とクオリティを実現できます。実際、「シミュレーション導入後半年で13件の産業用案件を受注」「試算提示リードタイムが1ヶ月から5日以内に短縮」等の成果報告もあります。BPOは裏方支援ではありますが、営業効率と成約率の底上げに直結する重要なピースです。

  • エネがえるAPI・DX連携: もし自社でWeb集客や顧客システムを持っているなら、エネがえるAPIを組み込んでさらなるDXも可能です。エネがえるAPIは2025年3月に大型アップデートされ、住宅用から産業用、EV・充電器、電気料金データ、自治体補助金データまで網羅した経済効果計算エンジンとなりました。REST形式で提供されるので、自社のホームページに「太陽光シミュレーション」ボタンを設置し、ユーザーが簡単な入力をすれば結果が表示される、といったサービスも構築できます。これにより見込み客をサイト上で囲い込み、問い合わせ増加を狙えます。また社内の顧客管理システムと連携し、一度入力した顧客データからワンクリックで提案書を自動生成することも可能です。DXへの先行投資はハードルが高い印象もありますが、API連携による工数削減と迅速な顧客対応は長期的に見て大きな競争力になります。エネがえるAPIは地方自治体(愛媛県など)や金融機関が導入する例も出てきており、再エネ普及を下支えするデジタル基盤として期待されています。販売施工店もぜひこの波に乗り、顧客体験を向上させる仕組みづくりを検討しましょう。

以上のDXツールを駆使すれば、愛媛の販売施工店は少人数でもスピーディーかつ科学的根拠に基づく提案営業が可能となり、大手企業に負けない競争力を発揮できます。「エネがえる」のビジョンは“むずかしいエネルギー診断をかんたんにカエル(変える)”ことであり、その言葉通り難解な試算業務を誰でも短時間でできるようにしたのが最大の価値です。実際、エネがえる導入企業からは「提案書作成の時間が67.6%減った」「経済効果をちゃんと説明できるようになり成約率が58%上がった」とのアンケート結果も報告されています(国際航業調べ)。現場の営業マンの負担を減らしつつ、お客様には分かりやすい提案で喜ばれ、会社の業績も上がる──まさに三方良しのソリューションと言えます。


おわりに:愛媛発の再エネ拡販で地域と企業に未来を

本稿では、愛媛県という地域に焦点を当て、太陽光・蓄電池ビジネス拡大の戦略とノウハウを考察してきました。人口減少や高齢化という構造的課題を抱える愛媛県ですが、その中でも再生可能エネルギーは地域活性化と持続可能性の鍵として期待されています。太陽光発電・蓄電池の普及拡大は、単に販売施工店のビジネス成長につながるだけでなく、県民の光熱費負担軽減、災害に強いまちづくり、そして地球規模の脱炭素目標への貢献にも直結します。

愛媛県は幸い行政の後押しや自然条件という追い風があり、さらに県民性として堅実にメリットを判断して行動する土壌があります。販売施工店はこの土壌に丁寧に働きかけ、データと信頼に基づく提案で「これはやらなきゃ損だ」とお客様に思っていただけるよう努めるべきです。世界最高水準のシミュレーション技術や営業手法を取り入れ、ローカル×テクノロジーのハイブリッド戦略で挑めば、きっと競合他社に負けない独自のポジションを築けるでしょう。

最後に、愛媛ならではの合言葉を添えて締めくくります。「愛媛の太陽はみかんを甘く育て、人々の暮らしを照らしてきました。これからはその太陽が私たちのエネルギーも育ててくれます。地域に合わせて最適化した再エネ戦略で、愛顔あふれる愛媛の未来を一緒に創りましょう!」(*愛媛県のキャッチフレーズ「愛顔(えがお)あふれる愛媛」より)。販売施工店の皆様が地域に根差しつつ最新ノウハウを武器に飛躍されることを期待しています。


よくある質問(FAQ)

Q1. 電気代が高いと感じています。本当に太陽光発電を付けると得しますか?
A: はい、太陽光発電を導入すると電気代削減の効果は大きいです。例えば愛媛県四国電力エリアで4kWの太陽光パネルを設置すると、試算では年間約4,400kWh発電し約18.5万円の経済効果(電気代削減+売電収入)が得られるとのデータがあります。これは現在の電気代水準なら月々5,000~8,000円程度の節約に相当し、初期費用も10年程度で回収可能です。愛媛県では自治体補助も充実しており、上手く活用すればさらに早期に元が取れるでしょう。特に電気代がここ数年で約2~3割上がったこともあり、太陽光のメリットは以前より増えています。シミュレーションでご家庭ごとの詳細な試算も可能ですので、ぜひ一度お問い合わせください。

Q2. 愛媛県内の太陽光・蓄電池の補助金について教えてください。
A: 愛媛県では県主導の「共同購入事業」による割安提供と、各市町村ごとの補助金が利用できます。たとえば松山市なら太陽光+蓄電池同時設置で最大75.9万円の補助があります。新居浜市は太陽光1kWあたり7万円(上限35万円)、今治市は蓄電池に上限9万円、宇和島市は太陽光に上限10万円など、市町村によって内容が異なります。2025年度は県内ほぼ全域で何らかの補助があり、多くは数万円~十数万円規模です。国の補助金(蓄電池やV2H向け)も併用可能です。最新の補助金情報は当社でも常に把握しておりますので、お住まいの地域で使える制度を調べてご案内いたします。

Q3. 太陽光パネルを載せたいけど、うちの屋根で何kW付けるのが良いか分かりません。
A: 最適な容量はご家庭の電力使用量や屋根の大きさによります。当社では詳細なヒアリングとシミュレーションにより最適プランをご提案しています。多くの方が「適正な容量算出が難しい」と感じていますが、ご安心ください。例えば日中の電力使用が多いご家庭ならできるだけ大きめ(5kW以上)がお得ですし、昼間留守がちなら4kW程度+蓄電池で夜間利用を増やす方が効果的、といった具合です。専門ソフトでシミュレーションすると自家消費率や余剰電力を踏まえたベストな容量がわかりますので、無料診断をご利用ください。

Q4. エネがえるって何ですか?聞いたことがないのですが。
A: エネがえるは国際航業株式会社が提供する再エネ設備の経済効果シミュレーションサービスです。プロの販売店・工務店向けツールで、住宅用から産業用まで太陽光・蓄電池・EV・V2Hや各種補助金情報を網羅し、導入メリットを高精度に試算できます。クラウド型ソフトなので私たち販売店はお客様ごとにシミュレーションレポートを作成して提案に活用しています。難しいエネルギー計算を「カエル(変える)」という意味が名前に込められており、全国で700社以上が導入する業界No.1ツールです。お客様にとってはエネがえるで試算した数字は信頼性が高く、結果に基づき保証も付けられるので安心材料になると思います。

Q5. シミュレーション通りに効果が出るか不安です。もし元が取れなかったらどうなりますか?
A: 当社ではシミュレーション結果の保証制度をご用意しております。国際航業の「経済効果シミュレーション保証」に加入しておりますので、万一シミュレーションと大きく乖離する結果となった場合、所定の補償金をお支払いすることが可能です。過去の導入事例では概ね試算以上の効果が出ておりますが、お客様には「数字の裏付け」に加え「保証」という形でダブルで安心いただける体制です。もちろん保証のお世話になることなく、シミュレーション通りのメリットを享受いただけるよう最適プランをご提案いたします。

他にも疑問や不安な点がありましたら何でもお気軽にご質問ください。専門家として丁寧にお答えし、納得いただいた上で導入を検討いただければ幸いです。


ファクトチェック・出典一覧

本記事で引用・参照した主なデータソースは以下の通りです(※必要に応じリンク先もご確認ください)。

  • 愛媛県の人口動態: 愛媛県公式発表の推計人口(2025年7月時点で総人口1,261,294人、世帯数601,434世帯)。愛媛県デジタル田園都市構想(内閣府)に記載の将来推計人口(2040年105.9万人、2060年78.4万人に減少見込み)。またTBS愛媛の報道による人口減少率・高齢化率試算。

  • 愛媛県民性の特徴: PRESIDENT誌による県民性分析記事(愛媛県民は「のんびり屋で強欲でなく、人見知り傾向」等の記述)。

  • 再エネ導入量と太陽光割合: 愛媛県環境政策課資料(2021年度末時点で再エネ導入量約1,164MW、その80%が太陽光)。2014年以降毎年約10%増加との記述も同資料。

  • 行政の共同購入事業・補助金: 愛媛県脱炭素ポータルサイトの共同購入事業ページ(県内20市町連携、2023年度710件登録・82件契約の実績)。タイナビ等補助金情報サイトの愛媛県内市町村補助金一覧(松山市最大75.9万円、新居浜市最大35万円、今治市蓄電池補助9万円など各種補助の額と条件)。

  • 気象・日射量データ: エネがえるBLOGのシミュレーション例(4kW太陽光で月367kWh発電の記述)。JPEAや気象庁データからの全国平均発電量目安(1kWあたり年1,000kWh)。マイベストプロ記事の直近9年間で日射量+3.6%増加との分析。

  • 電力料金・家計負担: 四国電力の値上げ認可プレスリリース(2023年6月より平均28.74%の値上げ)。CDエナジーダイレクト記事の地域別電気代(四国約10,935円/月)。四国電力の料金単価表(従量電灯Aの120kWh以下30.66円などの記載)。

  • シミュレーション結果(経済効果): エネがえるBLOGの四国電力エリア試算(20年間で1,850,284円の経済効果、10年程度で元が取れるとの記述)。

  • 国際航業エネがえる関連調査: エネがえる総合ブログ独自レポートVol.29(EV/V2H提案で92.5%が課題実感、41.1%が試算作成に工数、80.6%が外部委託関心)。独自レポートVol.32(需要家の55.2%が容量算出に課題、64.0%が販売提案を参考にしつつ自社でも検証希望)。

  • エネがえる製品資料・実績: エネがえる紹介PDF(累計700社導入、年間15万回以上シミュレーション実施と記載)。同PDF内の導入企業の声(愛媛県新築工務店で成約率90%超・提案件数月400件超・売上23倍との testimonial)。また月刊スマートハウス2024年1月号の販売施工店ランキングに基づく導入実績No.1記載。

 

上記のように、本記事の内容は最新の公式データ・調査結果や実績例に基づいており、事実確認を経て執筆されています。不明点やさらなる情報については出典元をご参照ください。今後も最新情報を追跡しつつ、読者の皆様に信頼いただける発信に努めてまいります。

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著者情報

国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。環境省、トヨタ自働車、東京ガス、パナソニック、オムロン、シャープ、伊藤忠商事、東急不動産、ソフトバンク、村田製作所など大手企業や全国中小工務店、販売施工店など国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。再エネ設備導入効果シミュレーション及び再エネ関連事業の事業戦略・マーケティング・セールス・生成AIに関するエキスパート。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。Xアカウント:@satoruhiguchi。お仕事・新規事業・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

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