関西電力エリアで太陽光発電と蓄電池を購入した場合にどれくらいの経済効果があるのか知りたくありませんか?
電気代の高騰が続く中、太陽光発電や蓄電池システムの導入が注目されています。
今回は、エネがえるの太陽光発電・蓄電池システムシミュレーションツールを使用したシュミレーションの結果をご紹介します。多くの方が太陽光発電や蓄電池の導入を検討されていますが、実際の効果はどうなのか、具体的な数字で見ていきましょう。
目次
関西電力エリアで太陽光発電と蓄電池を設置した時の経済効果シミュレーション
近年のエネルギー価格高騰に伴い、太陽光発電や蓄電池の導入を検討されています。そこで、関西電力エリアにお住まいの方々向けに、具体的な経済効果を算出するシミュレーションを実施しました。このシミュレーションは、2024年に新規で太陽光発電システムと蓄電池を導入した場合を想定し、15年間の長期的な経済効果を明らかにします。
✅経済効果シミュレーションの条件
- 設置地域:大阪府
- 太陽光パネル:4kW
- 蓄電池:6kWh
- 使用機器:オムロン製 KPBP-A-SET-HYB63-N
- シミュレーション期間:15年間
- 世帯構成:共働き家族
- 月間平均電気使用量:約275kWh
- 現在の電気料金プラン:大阪ガス ベースプランA-G
- 売電方式:FIT制度(固定価格買取制度)適用
- 電気料金の上昇率は2%
上記の条件で15年間の経済効果シミュレーションは下記になります。
結果は、15年間で1,485,793円の経済効果が得られます。
設備導入しない場合は、電気上昇率が2%上がる想定だと約145万円かかるところが、売電収入を加味した実質の削減額は約148万円となることがわかりました。
経済効果シミュレーションでわかる4つのこと
①月別の太陽光発電の発電量と蓄電池充電量と売電量
1つ目が、月別の太陽光発電の発電量と蓄電池充電量と売電量です。
4kWの太陽光発電で発電できる「月別の発電電力量」とその発電電力量を「どれだけ家庭内で使ってどれだけ蓄電池に貯めて電力会社に売電するのか」シミュレーションできます。
月別の太陽光発電電力量を算出できるシミュレーションソフトは多くありますが、自家消費分と蓄電池充電分、売電分まで計算できるシミュレーションは少ないです。
FIT期間中の買取単価:16円/kWh(2024年度のFIT単価)
FIT期間終了後の買取単価:8円/kWh(関西電力の卒FIT向けユーザーへの買取単価)
FIT期間中の買取単価は、2023年度に住宅用太陽光発電を設置する方が電力会社に売電できる単価です。
また、FIT期間終了後の買取単価は、売電する電力会社を関西電力のままにした場合は8円/kWhになります。
自家消費分と蓄電池充電分、売電分の比率を左右するのは、普段どのような生活をしているかどうかが大きくなります。
- 共働き世帯か ⇒ 自家消費分は低く、蓄電池充電分が多くなる、余ったら売電する
- 片働き世帯か ⇒ 自家消費分は高く、余れば蓄電池に充電され、それでも余ったら売電する
各ご家庭ごとに生活スタイルが異なりますが、各ご家庭の生活スタイルに合わせた発電シミュレーションがエネがえるでは可能です。
②1ヶ月と1日の電気の流れと使い方(太陽光+蓄電池)
2つ目が、1ヶ月や1日の電気の流れや使い方のイメージです。
太陽光発電と蓄電池を設置してからの電気の使い方(どれだけ節電して、どれだけ充電、そして売電するのか)のイメージがつきます。
上記電気の流れでは、4kWの太陽光発電が1ヶ月で429kWhの電気を作り、家庭内で使う自家消費分が64kWh分で118kWhを蓄電池に充電し、余りはないので電力会社への売電は0であることを示しています。
そして、太陽が照っていない夜間には106kWhの電気は蓄電池から賄われていますが、足りていない105kWhの電気を電力会社から購入する形です。
具体的に数ヶ月の電気使用量がわかる方は、実際の電気使用量をエネがえるのシミュレーションで計算すれば、より正確な電気の使い方がわかります。
③1ヶ月の経済効果シミュレーション(太陽光+蓄電池)
3つ目が、太陽光発電と蓄電池を導入した時の1ヶ月の経済効果シミュレーションです。
太陽光発電を設置していない時、太陽光発電と蓄電池を設置してから10年間(FIT期間中)、FIT期間終了後の1ヶ月の経済効果がわかります。
太陽光発電による「自家消費分」や「売電分」、「蓄電池」など何で経済効果があるのか色で分けてグラフ化されてあるのでわかりやすいのが特徴です。
今回のシミュレーション結果は、太陽光発電した電気が売電に回るまで余っていないこともわかります。
つまり、FIT期間中(売電単価16円/kWh)でもFIT期間終了後(売電単価8円/kWh)でも関係ないということです。
グレーの部分がなくなれば、電力会社に頼らずに電気の自給自足ができる状態を表します。
④ローン返済額と実質の負担額
次に、住宅用太陽光発電と蓄電池を購入した時の毎月の実質負担額を見ていきましょう。
4kWの太陽光発電と6.5kWh蓄電池をローンを組まずに一括現金で支払う場合は、200万円程度かかります。
ただ、なかなか一括現金で購入される方は少ないので、蓄電池の保証期間である15年でローンを組むと下記のようなシミュレーション結果が出ます。
毎月の支払額は12,870円ですが、太陽光発電と蓄電池をつけることによる光熱費削減額は8,184円という結果になりました。
半額の光熱費削減になれば、太陽光発電と蓄電池をつけていない時と比べると光熱費が半額程度になります。
太陽光発電の費用は、10年前と比べると半値以下になりました。
また、蓄電池も半値とまではいきませんが少し安くなってきたことと電気代高騰で蓄電池需要も増えてきております。
適正な相場価格で、かつ各ご家庭に合った太陽光発電と蓄電池をエネがえるでシミュレーションできれば、かなりお得な生活ができることになります。
設備費を回収できなくても太陽光と蓄電池を導入するメリット
設備費を全額回収できない場合でも、太陽光発電システムと蓄電池を導入するメリットはいくつかあります。
1. 電気代の削減
太陽光発電システムを導入することで、電力会社から購入する電力の量が減り、電気代の削減が期待できます。特に電力料金が高騰している場合や、使用量が多い家庭では、削減効果が大きくなります。
2. エネルギーの自給自足
自宅で電力を生産し、消費できるため、エネルギーの自給自足が可能になります。これにより、停電時にも電力を利用できる安心感があります。
3. 環境への貢献
太陽光発電はクリーンな再生可能エネルギーであり、CO2の排出量を削減することができます。環境への負荷を減らし、持続可能な社会に貢献することができます。
4. 固定価格買取制度(FIT)の利用
余剰電力を電力会社に売電することで収入を得ることができます。現在の制度では一定期間、固定価格での買取が保証されているため、収入の安定が見込めます。
5. 将来的なエネルギーコストの抑制
将来的に電力料金が上昇するリスクに対して、自宅で発電することで長期的なエネルギーコストを抑えることができます。
6. 不動産価値の向上
太陽光発電システムが設置された住宅は、エネルギー効率が高く、将来的な電気代削減が期待できるため、不動産価値が向上する可能性があります。
7. 政府や自治体からの補助金や税制優遇
多くの地域で、太陽光発電システムの設置に対する補助金や税制優遇が提供されています。これにより、初期投資を軽減し、経済的負担を減らすことができます。
設備費を全額回収できない場合でも、これらのメリットを享受することで、太陽光発電システムと蓄電池の導入は総合的に見て価値がある選択となることがあります。各家庭の状況や価値観に応じて、導入のメリット・デメリットを総合的に判断することが重要です。
元を取るのが難しいと知りながら蓄電池を購入した理由
電池は投資回収が難しいと知りながら住宅用蓄電池を購入した104名を対象に、住宅用蓄電池購入のメリットに関する実態を調査しました。
蓄電池購入前に、投資回収期間の計算はどれくらい重視したか?
「Q4.蓄電池の購入前に、投資回収期間の計算(蓄電池単体で元が取れるかどうか)はどれほど重視して行いましたか。」(n=104)と質問したところ、「かなり重視した」が22.1%、「やや重視した」が56.7%という回答になりました。
投資の回収が難しいのを知りつつ、蓄電池を購入した理由は?
「Q5.投資の回収が難しいことを知りつつ、住宅用蓄電池を購入した理由を教えてください。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「太陽光と蓄電池のセットでさらに電気代が下がるため」が44.2%、「売電単価低下の対策のため」が40.4%、「停電時への備え(停電回避)のため」が38.5%という回答になりました。
[独自レポートVol.16]『蓄電池は損』の常識、本当に正しい?元を取るのが難しいと知りながら蓄電池を購入した理由、「太陽光とセットで電気代が下がる」が44.2%で最多
まとめ
月間電気使用量が249kWhの大阪の家庭では、4kWの太陽光発電と6kWhの蓄電池を導入することで、15年間で約150万円の経済効果が期待できます。初期費用を考慮しても、長期的には十分なメリットがあると言えるでしょう。
さらに、大阪は日照時間が長く、台風や地震などの自然災害リスクも考えると、蓄電池による非常用電源確保も大きなメリットになります。
電気代高騰が続く中、太陽光発電と蓄電池の組み合わせは、大阪在住者にとって魅力的な選択肢です。
太陽光発電システムと蓄電池の導入による経済効果について、より詳細な情報をお求めの方は、こちらの記事をご覧ください
住宅用太陽光と蓄電池導入の電気代削減・経済効果シミュレーションのメリットと効果は?(6.5kWh、9.8kWh、16.4kWh) – 関西電力エリア
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