国内蓄電システム出荷台数と市場規模予測 – 2022年出荷統計と2030年までの市場予測は?

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国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

住宅用蓄電システムと産業用蓄電システムの2030年までの市場予測(出荷台数ポテンシャル)は?

JEMAの蓄電システムビジョン(Ver.7)1では、2030年までに家庭用蓄電システムの普及台数を約150万台(約1,000万kWh)、産業用蓄電システムの普及台数を約20万台(約2億kWh)と予測。

住宅用蓄電システムと産業用蓄電システムの2030年までの市場予測(ポテンシャル)は?というご質問が太陽光・蓄電池関係者皆様より多く寄せられます。

JEMA蓄電システムビジョン(Ver.7)を参照しました。以下ご参照ください。

JEMAは国内主要メーカーのメンバーで構成されており、実際の蓄電池出荷台数等をとりまとめて発表していますのでかなり信頼度の高いデータかと思います。

JEMAは、蓄電池メーカーの皆様はほとんどの方がご存知かと思いますが、まだまだ商社や販売施工店、EPC、電力・ガス会社、住宅メーカーなどで太陽光・蓄電池を拡販していこうという方には知られていないケースが多いです。

蓄電池の市場ポテンシャル、市場規模を実数(主要国内メーカーの出荷台数)で抑えており、経産省等の国の資料にもよく引用・出典されるデータとなりますので、ぜひご参照いただくことをおすすめします。

 

●2030年までの家庭用蓄電システムと産業用蓄電システムの導入ポテンシャル(市場規模)は?JEMAの蓄電システムビジョン(Ver.7)1 の見込み

2030年までに家庭用蓄電システムの普及台数を約150万台(約1,000万kWh)、産業用蓄電システムの普及台数を約20万台(約2億kWh)と見込んでいる。

●家庭用蓄電システムの市場ポテンシャルは?

 

?新築住宅への導入:約40万台

・2030年までに新築住宅の約25%に蓄電システムが導入されると仮定

?FIT切れユーザーへの導入:約60万台

・2030年までにFIT切れユーザーの約60%に蓄電システムが導入されると仮定

?既築住宅への導入:約30万台

・2030年までに既築住宅の約3%に蓄電システムが導入されると仮定

?非常用電源としての導入:約20万台

・2030年までに非常用電源として蓄電システムを購入するユーザーが増加すると仮定

●産業用蓄電システムの市場ポテンシャルは?

 

?太陽光発電設置有無に関わらず、ピークカットや需給調整などを目的とした導入:約10万台(約1億kWh)

・2030年までに産業用太陽光発電設備の約15%に蓄電システムが導入されると仮定

?太陽光発電設置有無に関わらず、非常用電源や災害対策などを目的とした導入:約10万台(約1億kWh)

・2030年までに非常用電源や災害対策として蓄電システムを購入するユーザーが増加すると仮定

以上が、住宅用・産業用蓄電システムの統計データと市場予測の概要です。参考にしてください。

出典URL:JEMA 蓄電システムビジョン(Ver.7)

 

●最新の蓄電池出荷台数

JEMAでは定期的に蓄電池出荷統計もリリースしています。JEMAは国内主要蓄電システムメーカーで構成されていますので、実数をとりまとめた信頼度の高いデータかと思います。ぜひご参照ください。

※注)最近シェアを伸ばすファーウェイやTeslaを含めた外資系の蓄電システムの数値は反映されていないと思います(要確認)。そのため、実際の出荷台数はJEMAの出荷実績に対して約1.1倍程度はあるのではないかと推定できます。

参考までに資料より抜粋。JEMAを構成するメンバー企業は以下をご参照ください。エネがえるのお客様やパートナーも多数いらっしゃいますね。

2023年6月に発表されている2022年度の出荷実績は以下の通り。グラフはJEMA 定置型リチウムイオン蓄電システム出荷実績 JEMA自主統計より抜粋

2022年度 定置用蓄電システムの出荷実績(台数) 日本国内

2022年度の日本国内定置型蓄電システムの出荷台数は年間143,034台(上期:68,178台+下期:74,856台)で、対前年比107%。
累計の出荷台数が767,585台となっており、累計100万台突破もあと数年かなと推定されます。

※JEMAの数値は国内主要メーカーの出荷台数取りまとめとなるため、実際にはこの数値に、外資系蓄電システムの台数が10%程度上乗せされるのが実際の市場規模に近いのかなと考えています。

JEMA01.png

 

2014年~2022年度 定置用蓄電システムの出荷実績(台数) 日本国内

経年で見ると、2019年問題(固定買い取り制度終了ユーザーが大量発生・卒FITの始まり)の前後から一気に蓄電池台数が伸びてますね。この頃から自然災害や停電等も社会的課題になってきているため、災害対策の要因も強いのではないかと推定しています。

ここ数年は前年比105-110%の伸びとなっていますが、わたしの推測では、現状の電気代高騰、FIT単価16円以下による自家消費シフト、脱炭素トレンド、電力システム安定化やレジリエンスに寄与するための需給調整力・分散型電源としての蓄電システムの価値向上、EVシフト等による蓄電池コスト大幅低下などが相まって2025-2027年頃に大きな蓄電池普及の流れができてくると想定しています。

JEMA02.png

2012年~2022年度 定置用蓄電システムの平均容量(kWh) 日本国内

系統連系型の方がいわゆる太陽光と創蓄セットで使う蓄電システムですね。単独型というのはポータブル等含む蓄電池のことかと思います。

データを見ると年々若干ではありますが、大型化しつつありますね。2022年の平均容量がついに8kWhを超えて平均8.14kWh。
現状は3kWh前後の小型蓄電システムから、10数kWhの産業用でも小規模であれば使えるレベルの蓄電システムまで幅広いラインナップが揃ってきていますが、だいたい7-8kWhが主流の容量として定番化してきていますね。

7kWh-8kWh・ハイブリッド型・全負荷型といった蓄電システムが一番の売れ筋になっているんではないかと推測されます。

 

JEMA03.png

出典URL:定置用リチウムイオン蓄電システム 出荷実績│JEMA自主統計│各種統計データ│JEMA 一般社団法人 日本電機工業会?

本データは、一般社団法人 日本電機工業会(以下、JEMA という)の蓄電システム業務専門委員会への参加企業 17 社の集計結果である。
【参加企業】(株)NFブロッサムテクノロジーズ、エリーパワー(株)、オムロンソーシアルソリューションズ(株)、京セラ(株)、山洋電気(株)、(株)GSユアサ、シャープエネルギーソリューション(株)、住友電気工業(株)、(株)正興電機製作所、ダイヤゼブラ電機(株)、(株)東芝、ニチコン(株)、パナソニック(株)、(株)日立製作所、富士電機(株)、三菱電機(株)、(株)村田製作所

 

●JEMA(一般社団法人 日本電機工業会)とは??

JEMAの概要│JEMAご案内│JEMA 一般社団法人 日本電機工業会?

一般社団法人日本電機工業会(にっぽんでんきこうぎょうかい、略称:JEMA)は、発電設備や送電設備などの電力インフラ機器から産業用機器、家電製品などの電力需要家側の機器に至るまでの、わが国電機産業に関わる企業・団体から構成される工業会です。JEMAは1948(昭和23)年に設立され、翌1949(昭和24)年に電機メーカー間の交流・親睦団体であった「八日会」の流れをくむ「日本電機製造協会」を吸収合併し、その業務を継承しました。1954(昭和29)年に社団法人に認可され、また2011(平成23)年には一般社団法人への移行が認可され、現在に至っています。

 

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