蓄電池の寿命の目安は?寿命を延ばす使い方・ポータブル蓄電池の寿命も解説

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国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

蓄電池の寿命の目安は?寿命を延ばす使い方・ポータブル蓄電池の寿命も解説

蓄電池の寿命は使用方法や環境によって異なります。蓄電池は使い方を間違えると、寿命を縮める可能性が高くなるため、負荷がかからない方法で使うことが重要です。この記事では、蓄電池の寿命の目安や長く使う方法、導入する際のポイントを解説します。蓄電池をより長く利用するために、ぜひ参考にしてください。

(参考記事)蓄電池で後悔する理由とは?蓄電池の導入ポイントや注意すべき業者について解説

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蓄電池の寿命の目安は?

蓄電池の寿命の目安は15年~20年です。蓄電池のなかには、30年ほど利用できるものもあります。国税庁によって蓄電池の法定耐用年数は6年に指定されていますが、実際は蓄電池の種類や使い方によって寿命は異なります。蓄電池の寿命としては、国の基準ではなくメーカーの保証年数を目安にしましょう。

 

蓄電池の寿命の表記方法

蓄電池の寿命は、サイクル回数もしくは使用期間で表記されます。サイクル回数とは、充放電の繰り返しができる単位です。1サイクルは充電と放電を1回ずつ行い、充電量が0%になった状態から満タンの100%までを指します。

 

サイクル数は寿命の目安ですが、実際の利用可能回数は異なります。多くのメーカーは保証期間を10年~15年に設定しており、明記されているサイクル数が寿命の正確な数値ではない点に注意が必要です。

 

蓄電池の寿命を過ぎるとどうなる?

蓄電池は寿命を過ぎた場合でも利用できます。蓄電池は定期点検やメンテナンスによっては、より長く使える場合があります。ただし、充電や放電の効率が落ちるため、新品と同じような使い方はできません。

 

蓄電池の寿命を延ばす使い方

蓄電池の寿命を延ばすには、使用する環境や充電の方法、太陽光発電システムとの併用を検討しましょう。

 

高温・多湿の場所の設置を避ける

温度や湿度が高い場所で蓄電池を使用すると、化学反応が活発になるため注意が必要です。充電や放電の量が過剰に増える「過充電」や「過放電」の原因になり、電池の劣化を早めてしまいます。蓄電池を設置する際は、長時間直射日光に当たる場所や海沿いなどの場所を避けることが重要です。

 

過放電や過充電を避ける

過放電や過充電は蓄電池を劣化させるため、30~50%程度を残して使用しましょう。また、満充電のまま充電を続けることも劣化の原因です。蓄電池が空になった後は、すぐに充電することも劣化を防ぐために重要です。1日1サイクルの充電を目安にして、蓄電池の充放電を行う必要があります。

 

蓄電池とメーカー対応の太陽光発電システムと併用する

同じメーカーの太陽光発電と蓄電池を使用すると劣化しにくくなります。違うメーカーのものを使用すると、不具合が生じて寿命を短くする原因になります。蓄電池と太陽光発電システムのメーカーが違うと、保証の対象外になる点にも注意が必要です。すでに太陽光発電システムを設置している場合は、蓄電池との互換性を確認しましょう。

 

蓄電池の種類ごとの寿命

蓄電池にはさまざまな種類があります。以下で、蓄電池の種類ごとの寿命を解説します。

 

NAS電池

NAS電池とは、大容量の充放電が可能な蓄電池です。NAS電池は充電のコストを抑えて利用できるため、バックアップ電源として工場の大規模施設に利用されています。蓄電池を使用する環境や使い方などで劣化しにくい点が大きなメリットです。NAS電池のサイクル回数は4,500回で、使用期間は約15年とされています。

 

鉛蓄電池

鉛蓄電池とは最も歴史のある蓄電池であり、バックアップ電源や車のバッテリーなどで利用されてきました。鉛蓄電池は、充放電の回数による劣化のしにくさが特徴です。ただし、過放電による劣化が激しいため、使用後は速やかに充電する必要があります。鉛蓄電池のサイクル回数は3,150回、年数にしておよそ17年とされています。

 

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池とは、大容量の充放電に対応し、小型軽量化された蓄電池です。スマートフォンやノートパソコンなどのモバイル機器に利用されており、身近な生活家電にリチウムイオン電池は必須といえます。リチウムイオン電池の寿命の目安は6,000サイクル~12,000サイクルで、6~10年の使用が可能です。

 

ニッケル水素電池

ニッケル水素電池とは、リチウムイオン電池の登場前に利用されていたものです。以前は車のバッテリーや鉄道、モノレール用の蓄電設備に使われていました。ニッケル水素電池は高温環境下の劣化が激しく、大電流充電による電池温度の上昇に注意が必要です。必要サイクル回数は約2,000回、使用期間は約5年~7年です。

 

蓄電池の点検は義務化されている

蓄電池の点検は「電気事業法」「消防法」「建築基準法」に基づき、法律で義務化されています。蓄電池は、以下3つの期間で定期的に点検を行いましょう。

 

・2週間~1か月:外観の点検やメーター類を目視確認

・約6か月:専門家、有資格者による測定作業やデータの取得

・約1年:約6か月の点検と同じ

 

蓄電池の点検を怠ると、システムに不具合やバッテリーのトラブルなどが発生し、火災をはじめとする事故の原因になります。点検は自分で行うのではなく、専門家や有資格者の立ち会いのもとで実施してください。

 

ポータブル蓄電池の寿命

ポータブル蓄電池の寿命は、利用状況や保管方法で延ばせます。ここではポータブル蓄電池の寿命について解説します。

 

ポータブル蓄電池の寿命の目安

ポータブル蓄電池は主にリチウムイオン電池が利用されており、寿命は約6~10年です。蓄電池の放電の回数や使用状況、保管方法によって寿命は異なります。

 

ポータブル蓄電池の寿命を延ばす方法

リチウムイオン電池搭載の蓄電池は、耐久性や寿命の長さが特徴です。ただし、充電中に使用すると負荷がかかり、劣化しやすくなるため注意しましょう。蓄電池の充電回数が増えると劣化が早まるため、充電の回数は最小限に抑えてください。ポータブル蓄電池を使用する際は、残量がゼロになる手前まで使うことが重要です。

 

ポータブル電源の寿命を延ばす保管方法

バッテリーの残量が満タンまたはゼロになると、ポータブル蓄電池に負荷がかかるため注意しましょう。リチウムイオン電池は高温・低温・湿度に弱いため、高温多湿な場所や気温が低すぎる場所で使うと劣化しやすくなります。蓄電池は電池残量が30%から50%程度の状態で保管し、定期的に充電残量を確認することが重要です。

 

蓄電池を導入する際のポイント

蓄電池を導入する際は、容量や定格出力、施工業者選びが重要です。以下で、蓄電池を導入する際のポイントを解説します。

(参考記事1)住宅用蓄電池を買わない理由は「初期費用が高いこと」(42.6%)と 「費用対効果が見込めないこと」(21.3%)がTOP2

(参考記事2)住宅用蓄電池を買う決め手は「経済効果が高いこと」(16.6%)と 「本体価格が適切であること」(12.9%)がTOP2

 

蓄電容量の大きいものを選ぶ

蓄電容量とは蓄電池に貯められる電力の大きさを指し、単位を「kWh」で表記します。蓄電池の容量の大きさは、電力の利用効率やコストパフォーマンスに影響するため、使用する電力量に応じた蓄電容量のものを選ぶことが重要です。ただし、費用が高くなる点に注意が必要です。蓄電容量は停電時を想定して、使用する電化製品の電力を考慮して選びましょう。

 

定格出力を考慮する

定格出力とは、一度に電力を出力できる指標で、単位は「kWh」で表記します。定格出力は、利用する電子機器によって必要な電力が異なります。蓄電池の出力が満たない場合は、機器や設備が利用できません。蓄電池を導入する際は、複数の機器の利用を想定して定格出力を決めることが重要です。

 

信頼できる施工業者を選ぶ

蓄電池の施工を依頼する際は、自社内に専門の施工部門がある業者を選びましょう。施工部門がある業者は施工の品質が高く、信頼できる可能性が高いためです。施工業者の実績や取引先を確認することも重要です。施工業者を選ぶ際は見積もりやシミュレーションを行い、蓄電池を導入するメリットだけでなく、点検や修理のコストを考慮したうえで比較検討しましょう。

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まとめ

蓄電池の寿命の目安は、法定耐用年数において6~10年ですが、実際の寿命は使い方や使用する環境によって異なります。蓄電池を長く使用するためには過充電や過放電を避けて、バッテリーに負担をかけないことが重要です。蓄電池を導入する際は、信頼できる業者に依頼し、より長く使用できる環境を構築しましょう。

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著者プロフィール(太陽光・蓄電池シミュレーションエキスパート)

会社名:国際航業株式会社

部署名:公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

執筆者名:樋口 悟

執筆者の略歴:国際航業株式会社エネルギー部デジタルエネルギーグループ。エネルギー診断クラウドサービス「エネがえる」担当。1996年東京学芸大学教育学部人間科学課程スポーツコーチ学科卒業。1997年上場大手コールセンター会社に入社、2000年大手上場小売企業グループのインターネット関連会社で最年少役員に就任。2011年に独立起業。大企業向けにSNSマーケティングやアンバサダーマーケティングを提供するAsian Linked Marketingを設立。30以上の大手上場企業のプロジェクトを担当。5年で挫折。2016年国際航業株式会社新規事業開発部に入社しエネルギー領域の事業開発、エネがえる事業開発を担当。

太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションの国内唯一のエキスパートとして、大手電力・ガス会社、有名太陽光・蓄電池メーカー、全国販売施工店・工務店など約700社以上と、最近ではエネルギー政策立案サイド(国・官公庁・地方自治体)で太陽光・蓄電池推進政策をしている方々へもエネがえるを活用した太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションやアドバイスを提供している。

執筆記事:https://energy-shift.com/news/author/71cbba7e-dbbc-4728-9349-9cdbed975c6e

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