分散型蓄電地政学 – 蓄電池の地理的分布が国家安全保障に及ぼす影響とは?(2025年版)

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国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。環境省、トヨタ自働車、東京ガス、パナソニック、オムロン、シャープ、伊藤忠商事、東急不動産、ソフトバンク、村田製作所など大手企業や全国中小工務店、販売施工店など国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。再エネ設備導入効果シミュレーション及び再エネ関連事業の事業戦略・マーケティング・セールス・生成AIに関するエキスパート。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。Xアカウント:@satoruhiguchi。お仕事・新規事業・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

エネがえるEV/V2H
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分散型蓄電地政学 – 蓄電池の地理的分布が国家安全保障に及ぼす影響とは?(2025年版)

世界的なエネルギー転換が進む中、「蓄電池」は単なる技術要素を超えて戦略的資源となりつつあります。

太陽光・風力など再生可能エネルギーの普及や電気自動車(EV)の拡大に伴い、大量の蓄電池を車両や建物、電力網に設置する必要があります。その背後に広がる蓄電池のサプライチェーンは2030年までに世界で数兆ドル規模に達すると予測され、どの国がこの供給網を支配するかによってエネルギー安全保障のパワーバランスが左右されるとも言われます。

本記事では「分散型蓄電地政学」という新たな視点から、蓄電池の地理的分布が国家安全保障に与える影響を読み解きます。技術・政策・市場・地政学を網羅し、グローバルな洞察に基づいて日本への示唆と実効性ある解決策を提言します。

分散型蓄電地政学とは何か

「分散型蓄電地政学」とは、一言で言えば「エネルギーの新たな覇権争い」を指します。20世紀には石油が地政学の主役であり、その産地や備蓄を巡って国家間のパワーバランスが形成されました。21世紀の脱炭素時代においては、電力と蓄電新たな戦略物資となっています。蓄電池(バッテリー)は再エネ由来の電気を貯蔵・調整し、安定した電力供給を可能にするため不可欠です。つまり、蓄電池を制する国はクリーンエネルギー時代のエネルギー供給を制する可能性があるのです。

今日、蓄電池産業のサプライチェーン(供給網)は既に世界的な規模で構築され、その一部は特定国に集中しています。例えば「電池は新たな石油か?」とも言われるように、電池製造に必要なリチウムやコバルトなど重要鉱物の供給から製造までを掌握した国は、過去の産油国に匹敵する影響力を持ち得ます。実際、蓄電池市場は急成長しており、2024年には世界の年間電池需要が1テラワット時(TWh)を超え史上初の水準に達しました。この需要拡大を背景に各国政府はこぞって電池の生産拠点誘致や原料確保に乗り出しており、蓄電池を巡る地政学的な競争が本格化しています。

さらに「分散型」という言葉が示すように、エネルギー供給網が中央集権型から分散型へ移行する動き国家安全保障と関わります。従来は大規模発電所と送電網による集中型電力システムでしたが、再エネの普及により各地に点在するソーラーパネルや風車、そしてそれらを支える蓄電池が分散型電源として広がりつつあります。この地理的に分散したエネルギーインフラ国のレジリエンス(強靭性)に与える影響、そしてその基盤となる蓄電池の供給網を巡る国際関係――これらを包括的に捉えるのが「分散型蓄電地政学」の視点です。

分散型蓄電の技術的背景とエネルギーシステム

まず蓄電池技術と分散エネルギーシステムの基礎を押さえておきましょう。現在主流の蓄電池はリチウムイオン電池であり、EVから定置型のグリッド蓄電池まで広く用いられています。リチウムイオン電池は高いエネルギー密度とコスト低下によって急速に普及しました。実際、世界市場では電気自動車の販売台数が2024年に前年比25%増の1,700万台に達する一方、EV用電池の平均価格は1kWhあたり100ドルを割り込み、従来車に対抗できる重要なコスト節目を突破しました。この価格低下と性能向上の背景には、電池生産規模の拡大と技術革新があります。2024年時点で世界の電池製造能力は3TWhに達し、今後5年間でさらに3倍に拡大する計画が相次いでいます。

分散型蓄電とは、電力システムにおける蓄電手段が一箇所に集中するのでなく、小規模に分散配置される形態を指します。例えば各家庭やビルに据え付けられた家庭用蓄電池、地域のマイクログリッドにおける中規模蓄電池、そしてEVの車載電池を電力網に活用するV2G(Vehicle-to-Grid)など、多様な蓄電リソースが分散配置され相互に連携するイメージです。分散した蓄電池網には次のようなメリットがあります。

  • 停電・災害時の強靭性向上: 集中型の発電所や大規模電池に障害が起きると大停電につながりますが、蓄電池が各地に点在していれば一部地域で独立電源(アイランド運転)を維持しやすくなります。実際、近年はハリケーンや地震など災害時に太陽光+蓄電池のマイクログリッドで病院や避難所の電力を確保する取り組みも進んでおり、分散エネルギーは国家の安全保障に直結するレジリエンス資産と位置付けられています。

  • 電力網の安定化: 蓄電池は瞬時に出力を調整できるため、分散配置された蓄電システムが多数存在すれば、周波数や電圧の安定化サービスを面的に提供できます。広域停電の引き金となる周波数低下を防ぐために、分散蓄電池が即応して電力を供給するといった制御が可能です。また各家庭の蓄電池がピーク時間帯に電力を放出すれば需要ピークを平準化でき、大規模発電所への依存度低減や送電設備増強の抑制にも寄与します。

  • 再生可能エネルギーの大量導入促進: 分散型の蓄電が進めば、不安定な太陽光・風力の出力変動を各所で吸収できるため、再エネ比率を飛躍的に高めても系統を安定運用できます。逆に蓄電インフラがなければ、天候によって変動する再エネ電力を十分に活かせず多くを捨てざるを得ません。蓄電池は再エネ主力化のカギであり、その分散配置はエネルギー自給に資する一方で、蓄電池自体の供給途絶リスクが新たな課題となります。

技術的側面では、近年次世代電池技術への期待も高まっています。例えば、リチウムイオン電池より安全性・高エネルギー密度が見込まれる全固体電池、コバルトなど希少金属を使わないリン酸鉄リチウム電池(LFP)、さらにはリチウムの代替として資源豊富なナトリウムを使うナトリウムイオン電池などです。

中国メーカーは近年LFP電池をEVに本格採用し、LFPは世界EV市場の約半分を占めるまでに成長しています(LFPは従来のニッケル・コバルト系電池に比べ約30%低コスト)。これは希少資源への依存度低減につながる動きです。

また日本企業は全固体電池の実用化に注力しており、早ければ2020年代後半にも実車搭載が見込まれます。これら技術革新は一国が特定資源に依存しない材料多様化を可能にし、将来的に蓄電地政学のパワーバランスを変える可能性があります。

蓄電池サプライチェーンの地政学リスク

蓄電池の価値連鎖(バリューチェーン)は、大きく「鉱山での資源採掘」→「原料の精錬・加工」→「電池部材(正極・負極など)の製造」→「電池セル組立」→「用途別組み込み(パック化やEV搭載)」→「使用後のリユース・リサイクル」という段階に分かれます。この各段階が地理的にどこに集中しているかが、安全保障上のリスクに直結します。現在のところ、このサプライチェーンの大半を中国が掌握していると言っても過言ではありません。

中国に集中する蓄電池サプライチェーン

世界の蓄電池サプライチェーンは、中国の圧倒的存在感によって特徴付けられます。中国政府は過去20年にわたり戦略的にこの分野へ投資し、鉱物資源の確保から国内での大規模生産まで垂直統合を推進してきました。その結果、リチウムイオン電池の供給網は「ほぼ中国一国に握られている」との指摘もあります。具体的な数字をいくつか挙げましょう。

  • セル生産: 中国は世界の電池セル製造能力の75%以上を占めます。実績ベースでも、これまで世界で生産されたEV用電池の70%以上が中国製という試算もあります。CATLBYDといった中国企業が巨大メーカーに成長し、規模の経済と効率化で欧米日企業を凌駕しています。

  • 原材料加工: リチウム、コバルト、グラファイト等の鉱物の精錬・素材加工能力の約50~90%を中国が担っています。例えばコバルトやリチウムの精錬は世界シェアの半分以上が中国所在、電池用黒鉛(グラファイト)に至っては全世界の加工がほぼ中国国内で行われている状況です。また電池の要である正極材(カソード)と負極材(アノード)の生産でも、正極材の90%、負極材の98%が中国企業の手にあります。これは驚異的な偏在です。

  • 原料の鉱山供給: 鉱物資源の採掘自体は南米の「リチウム・トライアングル」(アルゼンチン・ボリビア・チリ)豪州(リチウム)、コンゴ民主共和国(コバルト)など多くの国が関わります。しかし中国はアフリカ諸国などで鉱山権益を次々獲得し、資源獲得競争でも優位に立っています。実際、アフリカの複数のリチウム鉱山に中国企業が50%以上出資しており、採掘された鉱石はほぼ全て中国本土へ運ばれて精錬されています。

以上のように、蓄電池の上流から下流まで中国が網羅している構図が浮かび上がります。米国のある専門家は「中国がリチウムイオン電池サプライチェーンの事実上全てを握っているのは偶然ではなく戦略の結果だ」と述べています。これはかつて中東産油国が石油を“戦略物資”として扱った構図にも重なります。現代版「資源の一極支配」が蓄電池分野で起きており、これが各国にとってエネルギー安全保障上の大きな課題となっているのです。

サプライチェーン集中がもたらすリスク

蓄電池サプライチェーンの中国集中には、様々なリスクと課題が指摘されています。

  1. 地政学的緊張による供給寸断: 他国が中国に過度に依存する状況は、有事や対立時にエネルギー供給を人質に取られるリスクを孕みます。例えばロシアのウクライナ侵攻では欧州が天然ガス供給遮断の危機に直面しました。同様に、もし中国との関係が悪化し蓄電池や材料の供給が止まれば、電力システムやEV生産が麻痺し得ます。エネルギー依存は国家安全保障上の脆弱性になり得るのです。

  2. 輸出規制・資源ナショナリズム: 中国は過去にレアアース(希土類)の輸出制限を行い、世界市場を揺るがせた前例があります。2023年にも半導体材料のガリウムやゲルマニウムに対し輸出制限を発動し、自国の戦略物資管理の姿勢を明確に示しました。こうした資源の武器化によって各国は代替調達や備蓄を迫られています。蓄電池材料も将来的に同様の輸出統制対象となれば、市場は大混乱に陥るでしょう。

  3. 価格高騰とインフレ要因: 一国支配の供給網は市場競争を阻害し、平時でも価格操作のリスクがあります。例えば中国はレアアース市場で価格の乱高下を演出して競合企業の参入を妨げているとの分析もあります。蓄電池材料も供給が逼迫すれば中国メーカーが優先的に確保し、他国向けには高値を吹っかける可能性があります。実際、米中間の関税合戦により2024年頃から米国の電池価格は上昇圧力が高まっています。中国製電池には今後82%もの関税が課される見通しとも報じられ、貿易摩擦が蓄電コストの上昇=脱炭素の足かせになりつつあります。

  4. サプライチェーン寸断の経済影響: 蓄電池はEVのみならず定置型蓄電や電子機器、軍事用電源にも使われます。供給網が寸断されれば、自動車産業や再エネ電力事業のみならず、携帯電話等の電子産業、さらには防衛分野まで広範な経済・安全保障領域に波及します。特にEVへのシフトに舵を切った欧州では、「蓄電池の中国依存は欧州自動車産業を根底から揺るがす」との危機感が出ています。仮に2035年以降に欧州で内燃車が製造禁止となれば、電池供給を他国(中国)に握られたままでは自動車産業の競争力が失われ「欧州の自動車産業が終焉を迎える危険すらある」とも指摘されています。

以上のように、蓄電池サプライチェーンの地理的偏在は従来の石油や天然ガスの地政学リスクに匹敵する重大な課題となっています。各国はこの現実を直視し、対策を急ぎ始めています。次章では、主要国・地域がどのような戦略で蓄電池の地政学に対抗しようとしているのか、市場動向とあわせて見てみましょう。

主要国の戦略と市場動向

蓄電池をめぐる国際競争は、「中国 vs その他の国々」という図式で語られることが多いですが、実際には米国・欧州・日本・韓国・豪州など各国・地域がそれぞれの戦略で動いています。ここでは主要プレーヤーの動向を概観します。

中国: 「電池大国」の戦略

中国蓄電池分野で他を圧倒する存在です。国家戦略として「新エネルギー車」や「クリーンテクノロジー」の振興策を講じ、電池産業を育成してきました。中国企業CATL(寧徳時代)とBYDは世界シェア1位・2位を占め、巨額の設備投資で2020年代前半に他社を引き離しました。中国の強みは単に安価な労働力ではなく、サプライチェーン全体の統合にあります。原料採掘から精錬、電池部材、セル生産、EV組立に至るまで国内ですべて賄える体制が低コストと技術蓄積を可能にしました。さらにLFP電池など安価な化学構成へのシフト、100社近いメーカー間の熾烈な競争による価格引き下げ努力も加わり、中国製電池は欧米より2~3割安価とされています。中国政府は国内市場をテコに電池産業を育てただけでなく、「一帯一路」構想のもと海外にも電池工場や鉱山投資を進め、世界的な蓄電池ハブとなりました。今後も中国が首位生産国であり続ける見通しですが、国内競争過熱による企業淘汰・再編も進みつつあり、市場の寡占化で価格決定力を強める可能性も指摘されます。

米国: サプライチェーン復権と技術覇権

米国は、かつて電池技術の開発で先行したものの生産面では中国に大きく後れを取ってきました。しかし近年、安全保障の観点から「電池の国産回帰」に舵を切っています。バイデン政権下で成立したインフレ抑制法(IRA)にはEVや蓄電池の国産化を促す巨額の補助金・税控除が盛り込まれ、テスラやGMと提携したパナソニック、LGエナジーソリューションなど多数のギガファクトリー建設計画が米国内で進行中です。また国防生産法の適用により、電池の材料加工や採掘プロジェクトにも政府支援を投じています。とはいえ現状では、米国の電池セル生産シェアは一桁台に過ぎず、使用する電池の約7割を中国から輸入しているのが実情です。製造装置や電池材料の多くも中国・アジア依存で、仮にセル工場を国内建設してもカソードやアノードは他国頼みという指摘があります。また新興工場では歩留まりが低く生産コストも中国比で3割高いハンデがあります。米国が掲げる脱炭素・EV化目標を達成するには、単に中国型のリチウムイオン電池大量生産を追随するだけでは難しいとの見方もあります。そこで米国企業は新技術への賭けも進めています。フローバッテリー(液状電解質を用いる大型蓄電)や鉄空気電池など豊富に入手可能な材料を使う蓄電技術に注目し、国家安全保障のためにリチウム依存からの脱却を模索しています。具体的には鉄や亜鉛、ナトリウム、バナジウム等を使った電池開発が活発で、これらは中国以外でも調達容易な元素です。米国は技術革新と同盟国との協力によって、電池サプライチェーンの脱中国化と自給体制構築を急いでいます。

欧州連合(EU): 産業政策とアライアンス

欧州もまた蓄電池を戦略産業と位置づけ、「European Battery Alliance(欧州電池同盟)」を結成して域内生産拡大を図っています。ドイツやフランスでは国の後押しでノースボルト(スウェーデン)などの新興企業が大型工場を建設し始めました。また2023年にはEU電池規則が合意され、電池製品にリサイクル含有率義務化などを課すことで、域内循環とサプライチェーン健全化を目指しています。さらに重要原材料法(CRMA)も策定し、リチウムなど重要鉱物の域内調達率を2030年までに一定水準(採掘10%、精錬40%など)に引き上げる目標を掲げました。とはいえ現状では、欧州の電池産業は正念場にあります。電力価格高や人材不足で計画遅延・中止が相次ぎ、北欧の雄ノースボルトでさえ資金繰りに苦戦という状況です。欧州での生産コストは中国比で5割高く、政府補助金がなければ事業性が厳しい案件も多いとされます。さらに自動車産業の電動化移行による雇用・技術の変化も不安材料です。それでも欧州が活路を見出そうとしているのがリサイクルとサーキュラーエコノミーです。EV先進国ゆえ今後大量に出る使用済み電池を都市鉱山として活用し、資源回収率を上げる動きが盛んです。専門家は「欧州はリサイクルで主要プレーヤーになることで中国依存から脱却すべきだ」と指摘します。実際、欧州発のリサイクル技術スタートアップも成長しており、政策的後押しも強まっています。欧州の戦略は域内協調によるサプライチェーン強化ですが、各国がバラバラに動けば中国や米国の挟み撃ちに遭う恐れもあり、難しい舵取りが続きます。

日本: 安全保障と産業競争力の両立模索

日本は、自動車用電池(HV・EV)で先駆者的な立場にあったものの、近年は存在感が低下していました。しかしエネルギー安全保障と産業競争力の観点から蓄電池戦略を再強化しています。日本政府は経済安全保障推進法のもとで重要物資に蓄電池を指定し、サプライチェーン強靭化予算を投じています。また経産省は35種の鉱物を「重要鉱物」と定義し、そのリストにはリチウムやコバルト、ニッケル、レアアースが含まれます。これらの戦略資源の確保に向け、政府系機関JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が海外リチウム鉱山投資への資金支援や探鉱を積極化しています。さらに国内で脆弱な鉱物精錬や電池材料生産を育成するため、補助金を通じて精錬所や材料工場建設を促しています。蓄電池セルの生産では、パナソニックがトヨタと組んで国内工場を増強し、海外でも米国や欧州での生産投資を行っています。また日産・本田・トヨタ各社は全固体電池など次世代電池の開発競争に巨額の研究開発費を投入しています。官民協議会では「上流資源の確保、生産基盤強化、次世代電池、人材育成、需要拡大、リユース・リサイクル促進」など幅広い項目が議論されており、中でも電池原材料の鉱物資源確保やリサイクルによる資源循環が重視されています。日本は幸いにも使用済み車載電池の回収網やリユース(再利用)技術で一定の先行例があり、これを拡充して国内で資源を回す循環経済を構築しようとしています。他方で、商用EVや大容量定置型への移行が欧米中に比べ遅れており、国内需要創出という課題もあります。日本市場を活性化して電池産業規模を拡大しなければ、せっかく育てた電池メーカーも国外需要に流れるだけになりかねません。日本の戦略のキーワードは「多元的アプローチ」です。すなわち(1)資源供給先の分散(豪州や南米との資源外交強化)、(2)同盟国との協調(米欧との鉱物安全保障協定や情報共有)、(3)リサイクル推進による調達リスク低減、(4)国内生産能力の維持拡大と次世代技術への賭け――これらを総合的に進め、エネルギー安全保障と脱炭素の両立を図ろうとしています。

その他の国・地域の動き

上記以外にも、韓国LGやSKなど有力電池メーカーを擁し、米欧中に次ぐ「第3極」として動いています。韓国企業は欧州・北米に積極投資しており、韓国政府も部材調達での中国依存低減策を模索しています。インドは巨大小売市場を背景に国内生産誘致に乗り出し、日本や豪州とCritical Minerals協定を結びました。資源国ではオーストラリアがリチウムや希少土の供給で存在感を高め、欧米日との協調体制を築いています。またサウジアラビアなど中東産油国も将来を睨み鉱物資源開発や電池工場誘致に乗り出しており、「脱石油」に向けた布石を打っています。総じて、蓄電池を巡る国際情勢は多くの国が絡む複雑なパズルとなりつつあります。しかし大局的に見ると、「中国 vs それ以外の諸国連合」という形で、いわば新冷戦的なサプライチェーン陣取りが展開しているといえるでしょう。

蓄電池の地理分布とエネルギー安全保障

蓄電池の地理的分布が国家安全保障に与える影響を、改めてエネルギー安全保障の観点から整理します。エネルギー安全保障とは「安定的かつ安価にエネルギーを確保できる状態」を指し、従来は石油やガスの調達多様化や備蓄が重視されてきました。再エネ時代においては、それに蓄電インフラの安定確保が新たに加わります。

エネルギー安全保障へのポジティブな影響

  • 国内エネルギー自給率の向上: 蓄電池があれば再生可能エネルギーの不安定さを平準化し、大量導入が可能になります。日本のようにエネルギー資源の乏しい国でも、蓄電技術を駆使すれば太陽光や風力といった自国内で生産可能なエネルギーを主力電源化できます。これは中東からの化石燃料輸入への依存を減らし、エネルギー自立度を高める効果があります。実際、日本政府も「再エネと蓄電池は重要な国産エネルギー源」と位置づけています。

  • 災害・有事におけるレジリエンス: 分散型蓄電により、大規模災害時でも地域ごとにエネルギーを融通し合える体制が構築できます。例えば自治体単位でマイクログリッド網を整備し、平時は系統につなぎ非常時は独立電源モードに切り替えることができれば、敵対勢力からのサイバー攻撃や物理的テロによる一斉停電のリスクを下げられます。現代社会は電力途絶が即座に命の危機や経済損失に直結するため、電力レジリエンスの確保は軍事的安全保障にも匹敵する重要課題です。蓄電池を各所に配置し冗長性を持たせることは、まさに安全保障インフラと言えます。

  • 新たな国際協調の柱: 蓄電池とその原材料の確保は、一国では困難な場合があります。そこで同盟国・友好国間での協調(いわゆる“フレンドショアリング”)が進めば、安全保障面での結束が強まります。例えば米欧日豪など価値観を同じくする国々が鉱物資源の共同調達や技術協力を行えば、中国やロシアに対する牽制ともなり、結果的に民主主義陣営のエネルギー安全保障が強化されます。これはエネルギー分野における新たな同盟関係とも言えるでしょう。

エネルギー安全保障へのネガティブな影響

一方で、蓄電池分野の偏在は安全保障上のリスクももたらします。既に前述したサプライチェーン集中のリスクはその典型です。補足的に以下の点も挙げられます。

  • 価格・供給安定性の低下: ある国が蓄電池やその材料を独占すると、市場価格や供給量を恣意的に操作できます。これは輸入国にとってエネルギー価格の高騰や不足を意味し、ひいては電気料金の上昇や脱炭素プロジェクトの停滞を招きます。エネルギー価格高騰は経済不安定や世論の不満に直結し、国の安定を揺るがしかねません。

  • 軍事・産業への影響: 蓄電池は将来の軍事技術(電動車両、レーザー兵器電源、ポータブル電源)や産業ロボット・AI機器にも不可欠です。供給途絶は軍事能力や産業競争力の低下につながります。例えば次世代戦闘機や無人機は多数の電力機器を搭載しますが、バッテリーが確保できなければ性能発揮できません。同様に工場の自動化やデータセンターの非常電源等も蓄電池頼みです。ゆえに蓄電池不足はハイテク産業全体の停滞を招き、安全保障の土台を弱めます

  • エネルギー政策の制約: 国家はエネルギー安全保障のため多角的政策を取りますが、蓄電池供給が他国依存だと政策オプションが狭まります。例えば「再エネ+蓄電」による脱炭素を進めたくても、電池価格が高騰すれば火力発電延命を余儀なくされるかもしれません。つまり電池の地政学がその国のエネルギー政策の自由度を制約し、ひいては気候変動対策や産業政策にも影響するのです。

以上を踏まえると、蓄電池の地理的分布をどう最適化しリスクを下げるかが、これからのエネルギー安全保障の核心テーマになります。それは単に「自国生産すればOK」という単純な話ではなく、多国間の協調や技術革新、需要側での工夫など総合的なアプローチが必要です。次章では特に日本に焦点を当て、課題の本質と今後取り得る方策について考察します。

日本における課題と対策提言

日本はエネルギー安全保障上、多くの課題に直面しています。前提として、日本の総エネルギー供給の約9割は化石燃料の輸入に依存しており、歴史的にもオイルショックや地政学的リスクに晒され続けてきました。脱炭素時代においても、この構図を如何に変えるかが国家戦略の要です。蓄電池に関して日本固有の課題と、その解決に向けた提言を以下にまとめます。

課題1: 原材料の海外依存と調達リスク

提言: 資源外交と代替調達ルートの構築 – 日本にリチウムやコバルトの鉱床はほぼ無いため、海外資源への依存は避けられません。しかし一国(特に中国)への過度な依存はリスクです。対策として、資源外交を強化し、南米・豪州・アフリカ諸国との長期的パートナーシップを築くべきです。例えばチリやアルゼンチンとは官民共同でリチウム権益を確保し、豪州からの安定供給契約を結ぶなど、多角的な調達先確保が必要です。また日米豪印などの枠組み(クアッド)や欧州連合との協調で、鉱物資源の情報共有や緊急時融通体制を作ることも考えられます。加えて、代替材料の研究にも投資すべきです。例えばコバルトフリー電池(LFPや高マンガン系)や、将来的なナトリウム電池への転換に備え、産学官でプロジェクトを推進すると良いでしょう。

課題2: 製造拠点とサプライチェーン脆弱性

提言: 国内生産基盤の強化と友好国との分業 – 日本企業(パナソニックやトヨタ系、村田製作所など)は電池製造技術で強みがありますが、生産コストや規模で中国・韓国に押されています。政府は大胆な投資支援策で国内ギガファクトリー建設を後押しし、一定規模の国内生産能力を維持することが重要です。加えて、サプライチェーン全体を強くするため、セルだけでなく正極材・負極材・電解液などの素材産業も育成しなければなりません。現在、負極材の天然黒鉛はトルコや中国からの輸入に大きく依存しています。政府は素材メーカーへの補助金や税制優遇で国内生産転換を促すべきです。また、全てを国内で賄うのでなく、経済安全保障の観点からの「友好国分業」も検討しましょう。例えばカナダや豪州で採れたリチウムを日本企業が現地精錬して日本へ送る、東南アジアに中間材工場を作り日本と相互供給するといった体制です。リスク分散のため、日米韓台欧によるサプライチェーン協定の構築も提案できます。これは半導体などでも議論されていますが、蓄電池でも同様に「非中国圏」での協調体制が安全保障上有効です。

課題3: リサイクル・リユース体制の未整備

提言: 蓄電池循環経済の確立 – 使用済み蓄電池のリサイクルは、日本の弱点でありつつ大きな潜在価値を持つ分野です。EVやハイブリッド車で多くの蓄電池を使用してきた経験から、すでに国内に蓄電池リユース産業の芽はあります。これを本格的に育てるため、法制度の整備と補助が必要です。具体的には、使用済み蓄電池の回収を義務化し標準化されたリユース検査体制を作る、リサイクル技術開発に補助金を出す、再生資源由来材料の利用をメーカーに促す(欧州電池規則にならい新電池への○%再生材使用を義務づける)といった施策が考えられます。蓄電池リサイクルは採算が難しい場合もありますが、中国などは低価格で世界中の廃電池を回収し資源確保に動いています。日本も自国内だけでなくアジア近隣の廃電池を取り込むくらいの気概で、リサイクル拠点化を目指すべきです。これは資源確保と同時に環境負荷低減にもつながり、一石二鳥の戦略と言えます。

課題4: 分散型エネルギー導入の遅れ

提言: 地域分散エネルギーへの投資と制度改革 – 日本は再エネ導入量こそ増えていますが、蓄電池の普及は欧米に比べ遅れています。家庭用蓄電池やV2Gの普及率もまだ低いのが現状です。このままでは分散型電源ネットワークの強靭化が進まず、大規模停電リスクや再エネ制約が残ります。対策として、地域の分散エネルギー事業への投資を拡充すべきです。例えば自治体や民間企業が協調してマイクログリッドを構築する際の補助金制度、新築住宅への蓄電システム設置義務化や補助、電力系統サービス市場での蓄電池の調整力への報酬制度整備などです。また電力系統の制度改革も必要です。分散エネが活きるよう、送配電網への双方向電力フローを前提としたルール作り(仮想発電所の本格実用化等)や、非常時に地域独立運転できる技術標準の普及が考えられます。これらにより、日本全体のエネルギーレジリエンスと再エネ収容力が高まり、外部ショックにも強いエネルギー安全保障体制が築けるでしょう。

課題5: 意思決定のスピードと統合戦略

提言: 「エネルギー安全保障×脱炭素」の統合戦略策定 – 日本ではエネルギー政策と気候政策が縦割りになりがちですが、蓄電池はその交点に位置します。脱炭素政策がエネルギー安全保障を強化し得るよう、統合的な戦略が必要です。提言としては、国家安全保障会議(NSC)にエネルギー専門家を含め、エネルギー安全保障戦略を策定する際に蓄電インフラを盛り込むことです。例えば石油備蓄計画と並行して「電池備蓄」(非常用大型電池の確保や原材料のストックパイル)を検討したり、経済安全保障関連予算で電池サプライチェーンを支援するなど、横断的な政策パッケージが求められます。また官民の意思疎通も重要です。産業界の声を政策に反映しつつ、国家目標としての蓄電池自給率やリサイクル率を設定し、それに向けたロードマップを共有することが望まれます。

以上の提言はいずれも地味かもしれませんが、着実に実行すれば日本の蓄電池地政学リスクを下げ、再エネ大量導入とエネルギー安全保障の両立に寄与するでしょう。鍵は「危機感を持って早急に行動すること」です。蓄電池に関しては世界の動きが非常に速く、1~2年で勢力図が変わる可能性もあります。日本も腰を据えて戦略を磨き上げ、官民挙げて実行に移すことが肝要です。

よくある質問(FAQ)

Q1: なぜ蓄電池が「新たな石油」と言われるのですか?
A1: 蓄電池はクリーンエネルギー社会の鍵となるインフラであり、その原材料(リチウムやコバルト等)や製造能力を握ることが21世紀のエネルギー覇権につながるためです。例えば世界の電池市場規模は2030年に半兆ドルとも言われ、特定の国が供給を独占すれば大きな影響力を持てます。過去の石油産出国のように、蓄電池サプライチェーンを制する国が地政学的優位に立てる可能性があるため「新たな石油」と称されます。

Q2: 分散型蓄電とは何ですか?集中型との違いは?
A2: 分散型蓄電とは、小規模な蓄電池を電力システム全体に分散配置する形態を指します。各家庭・ビル・地域に置かれた蓄電池やEVの車載電池をネットワーク化し、必要に応じてエネルギー融通する仕組みです。一方、集中型は大規模な蓄電プラントを一箇所に設置する形態です。分散型は障害時のレジリエンス(復元力)が高く、再エネ変動を各地で調整できるメリットがあります。対して集中型は規模のメリットがありますが一極故障に弱いです。現代では両者を組み合わせたハイブリッド戦略が有効です。

Q3: 蓄電池の材料は本当にそんなに中国に依存しているのですか?
A3: はい、現状では非常に高い依存度です。例えば電池材料の精錬ではリチウムやコバルトの50%以上を中国が担い、グラファイト(負極材)に至ってはほぼ100%中国依存といわれます。電池セルも世界生産の約75%を中国が占めます。日本国内に目を向けても、蓄電池用原料の多くは中国からの輸入です。このため中国国内事情や外交関係が材料供給に大きく影響する状態になっています。

Q4: EVや蓄電池の普及は日本のエネルギー安全保障にどう影響しますか?
A4: 正しく進めればプラスに作用します。EV普及で石油依存を下げられ、再エネと蓄電池の組み合わせで国内エネルギー自給率を高められます。また災害時にEVの電池から給電するなどレジリエンス向上にも役立ちます。ただし蓄電池の供給面で中国など海外に依存したままだと、新たな依存リスクが生まれます。要は蓄電池をいかに安定確保するかが鍵で、国内外で調達先を多様化しリサイクルも進めれば、EV・蓄電池の普及は日本のエネルギー安全保障強化に大きく寄与します。

Q5: 日本政府は蓄電池の地政学リスクにどう対応していますか?
A5: 日本政府は経済安全保障の一環として蓄電池サプライチェーン強化策を講じています。具体的には、JOGMECを通じたリチウム・ニッケル鉱山投資支援、国内外での精錬・加工事業への補助金、蓄電池を重要物資に指定した予算措置、技術開発支援(全固体電池など)、さらに同盟国との鉱物資源協定(2023年の日米間Critical Minerals Agreementなど)締結などです。また国内でのリサイクル推進や人材育成も進めています。それでも欧米中に比べ対応は遅れ気味との指摘もあり、今後一層の取り組み加速が求められています。

Q6: 蓄電池のリサイクルは経済的に見合うのですか?
A6: 現時点では採算が難しい場合もありますが、長期的には必要不可欠で経済性も向上すると期待されます。コバルトなど希少金属価格が上がればリサイクル採算は好転しますし、技術進歩で効率も上がっています。EUでは電池リサイクルを義務化し循環経済に組み込もうとしており、中国や米国も大型リサイクル施設への投資を始めています。日本でも規模の経済を利かせれば十分採算が取れる可能性があります。廃棄物削減と資源確保の二重のメリットがあるため、公的支援で初期の壁を乗り越えつつ将来の必須産業として育成する価値があります。

Q7: 分散型エネルギーはサイバー攻撃に弱いのでは?
A7: 確かに接続点が増える分、サイバーセキュリティは重要です。しかし適切な防御策を講じれば分散型の方が攻撃耐性は高いとも言えます。大規模集中発電所を1箇所攻撃されると広域停電になりますが、分散型なら一部が侵害されても他でカバーできます。むしろIoT技術の発達で各蓄電システムを統合管理し、異常時には切り離して被害を局所化することが可能です。要はセキュリティ設計次第で、分散型はしなやかで強靭なエネルギー網を構築できると考えられています。

Q8: 日本はこれからどうすれば蓄電池分野で遅れを取り戻せますか?
A8: 一にも二にも戦略的投資と協調だと言えます。具体的には(1)国内外での鉱物資源確保、(2)電池産業への大胆な投資支援、(3)全固体など次世代技術への集中投資、(4)リサイクルインフラ構築、(5)米欧などとの協調体制強化です。幸い日本には高度な技術者や関連産業基盤があります。官民が危機感を共有し、明確なロードマップの下で動けば巻き返しは十分可能でしょう。特に**「脱炭素×経済安全保障」**をキーワードに、国策として蓄電池サプライチェーンを構築・防衛するとの意思を明確にすることが重要です。

ファクトチェックと参考情報

本記事で取り上げた主要な事実や数字について、出典に基づきファクトチェックを行いました。

  • 中国の蓄電池サプライチェーン支配: 「中国は世界の電池セル生産能力の75%以上を占め、電池素材でも正極材の90%、負極材の98%を生産している」という記述は、オックスフォードエナジーフォーラム(2025年4月号)の分析に基づいています。またIEA(国際エネルギー機関)も「2024年現在、中国が世界の電池生産の3/4以上を占める」と報告しています。これらの数字は最新のデータと一致しています。

  • 中国の原料精錬シェア: 「リチウム・コバルトの精錬の50%以上、グラファイト加工はほぼ100%中国」との記述は、同じくオックスフォードエナジーフォーラムの記事のデータによります。中国政府系統計やBenchmark Minerals社の調査でも、中国の電池素材精錬シェアが極めて高いことが確認されています。

  • 米国の輸入依存: 「米国は消費するリチウムイオン電池の約70%を中国から輸入」という点は、エネルギー業界ニュースサイトの記事にある専門家コメントに基づいています。米エネルギー省の報告書でも、米国の電池セル生産能力は需要の3割程度(残りは輸入)との分析がなされており、ほぼ妥当です。

  • 中国の輸出規制の例: 中国のレアアース輸出シェアや2023年のガリウム・ゲルマニウム規制についての記述は、Japan Timesの記事情報に依拠しています。レアアースについて「埋蔵量の34%で採掘量の70%・精錬90%」はUSGSなど公的統計とも合致します。輸出規制の事実も各種報道で確認済みです。

  • 欧州のリサイクル義務化: 欧州電池規則に関する記述(再生材利用義務など)は、欧州委員会の公開資料および旭化成の業界コラムからの情報です。2023年にEU議会で可決されたBattery Regulationで、2024年以降段階的にリサイクル率や含有率目標が導入されることが決まっています。

  • 日本政府の動き: 日本の重要鉱物35種指定や経済安保法での蓄電池支援については、日本経済新聞やジャパンタイムズの報道、および経産省発表資料を参照しました。また日米のCritical Minerals Agreement締結(2023年)も両政府発表で事実確認済みです。

  • 分散型蓄電のレジリエンス効果: 分散蓄電が災害・攻撃時の強靭化につながる点は、米カリフォルニア州蓄電連盟(CESA)のレポートで具体例が示されています。米国内の変電所攻撃事例や停電影響に関するデータもニューヨークタイムズ等の報道から事実確認しました。

  • データの最新性: 本記事では特に2024年~2025年時点の最新情報を使用するよう努めました。IEAの2025年3月のレポート、2025年7月時点のニュース、2025年4月の国際機関レポートなど、いずれも直近のデータです。古い統計との整合も確認し、極端な差異がないことをチェック済みです。

以上、事実関係は信頼できる出典に基づいて検証されており、本記事の内容は最新の知見とデータを反映したものとなっています。今後も蓄電池分野の動向は速いペースで進展するため、継続的な情報アップデートが推奨されます。

参考文献:など本文中に示した出典をご参照ください。

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著者情報

国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。環境省、トヨタ自働車、東京ガス、パナソニック、オムロン、シャープ、伊藤忠商事、東急不動産、ソフトバンク、村田製作所など大手企業や全国中小工務店、販売施工店など国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。再エネ設備導入効果シミュレーション及び再エネ関連事業の事業戦略・マーケティング・セールス・生成AIに関するエキスパート。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。Xアカウント:@satoruhiguchi。お仕事・新規事業・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

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