太陽光発電の未来を照らすFIT法:2024年最新版解説

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国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

太陽光発電の未来を照らすFIT法:2024年最新版解説

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太陽光発電の未来を照らすFIT法:2024年最新版解説

こんにちは、デジタルエネルギーチームの樋口です。最近は鹿児島、長崎、広島、香川を中心に出張が多く、特に鹿児島の天文館の魅力にはまっています。今回は、私たちの未来を支える太陽光発電とFIT法について、最新の動向を交えてご紹介します。

 1. 太陽光発電:日本のエネルギー未来を支える柱

 1.1 日本のエネルギー事情と太陽光発電の重要性

日本は、エネルギー自給率が低く、多くのエネルギー源を海外からの輸入に依存しています。この状況は、エネルギー安全保障の観点から大きな課題となっています。そこで注目を集めているのが、太陽光発電を筆頭とする再生可能エネルギーです。

太陽光発電は以下の理由から、特に重要な位置づけにあります:

1. 豊富な日射量: 日本は四季があり、年間を通じて比較的安定した日射量が得られます。
2. 技術の成熟: 太陽光パネルの技術は急速に進歩し、効率性と耐久性が向上しています。
3. 設置の容易さ: 屋根や遊休地など、様々な場所に設置可能です。
4. メンテナンスの簡便さ: 他の発電方法と比べて、定期的なメンテナンスが比較的容易です。
5. 環境への優しさ: 発電時にCO2を排出しない、クリーンなエネルギー源です。

 1.2 太陽光発電の市場動向(2024年最新)

2024年現在、太陽光発電市場は着実な成長を続けています。日本国内の太陽光発電の累計導入量は、2023年末時点で約80GWに達し、電力需要の約10%を賄うまでに成長しました。

特筆すべき最新トレンドとしては:

– ペロブスカイト太陽電池の実用化: 従来のシリコン太陽電池よりも高効率で、製造コストも低い新型太陽電池の実用化が進んでいます。
– 建材一体型太陽光パネル(BIPV)の普及: 屋根材や外壁材と一体化した太陽光パネルが、デザイン性と機能性を両立させ、住宅市場で人気を集めています。
– ソーラーシェアリングの拡大: 農地での営農と太陽光発電を両立させる「ソーラーシェアリング」が、農業の持続可能性向上に貢献しています。

2. FIT法の基本と進化:2012年から2024年まで

2.1 FIT法とは

FIT(Feed-in Tariff)法、正式名称「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」は、2012年7月に施行された画期的な法律です。この法律の主な目的は:

1. 再生可能エネルギーの普及促進
2. エネルギー自給率の向上
3. 地球温暖化対策の推進

FIT法の核心は、再生可能エネルギーで発電された電力を、一定期間・一定価格で電力会社が買い取ることを国が保証する点にあります。

2.2 FIT法の変遷:2012年から2024年まで

 2012年:FIT法施行
– 太陽光発電の買取価格:42円/kWh(10kW以上)
– 買取期間:20年間
2017年:FIT法改正
– 認定制度の厳格化:事業計画の審査強化
– 入札制度の導入:大規模太陽光発電(2MW以上)
– 買取価格の段階的引き下げ
2022年:FIP(Feed-in Premium)制度の導入
– 市場連動型の新たな支援制度
– 対象:50kW以上の太陽光発電等
2024年現在:最新動向
– 買取価格:10円/kWh前後(50kW以上、地域や規模により変動)
– FIP制度の拡大:10kW以上50kW未満の太陽光発電にも適用開始
– 地域活用要件の強化:地域との共生を重視

2.3 FIT法の効果と課題

効果
1. 再生可能エネルギーの急速な普及
2. 太陽光発電関連産業の成長
3. CO2排出量の削減
課題
1. 賦課金による国民負担の増加
2. 系統連系の制約
3. 太陽光パネルの廃棄問題

3. 2024年のFIT法:最新の買取価格と展望

 3.1 最新の買取価格(2024年度)

 10kW未満(住宅用) | 16円/kWh | 10年間 |
10kW以上50kW未満 | 10円/kWh | 20年間 |

※「地域活用要件」が適用。発電した電気のうち30%以上は自ら使用する必要がある点に注意。

FIP制度適用の場合、基準価格からの変動あり

 3.2 今後の展望

1. 市場連動型支援への移行: FIP制度の拡大により、より市場原理に基づいた再生可能エネルギーの普及を目指します。

2. 地域共生型モデルの推進: 地域活用要件の強化により、地域に根ざした持続可能な再エネ事業が求められます。

3. 次世代太陽電池の支援: ペロブスカイト太陽電池など、新技術への支援策が検討されています。

4. 蓄電池との連携強化: 変動する再エネ電力の安定供給のため、蓄電池との組み合わせが重要視されています。

5. 廃棄・リサイクル対策の本格化: 使用済み太陽光パネルの適正処理とリサイクルシステムの確立が急務となっています。

4. 太陽光発電事業者に求められる戦略

4.1 効率化と採算性の向上

1. 高効率パネルの採用: 最新の太陽電池技術を積極的に導入し、発電効率を向上させましょう。
2. AI・IoTの活用: 発電量予測や故障検知にAIを活用し、運用効率を高めます。
3. O&Mの最適化: ドローンや赤外線カメラを使用した点検など、最新技術でメンテナンスコストを削減します。

4.2 新たな収益モデルの構築

1. PPA(電力販売契約)モデル**: FIT制度に依存しない、直接需要家との契約モデルを検討しましょう。
2. VPP(仮想発電所)への参加**: 他の再エネ発電所や蓄電池と連携し、新たな価値を創出します。
3. 環境価値の活用**: 非化石証書やJ-クレジットなど、発電以外の付加価値を最大化します。

4.3 地域との共生

1. 農業との連携: ソーラーシェアリングを通じて、地域農業の活性化に貢献します。
2. 災害時の電力供給: 非常時のレジリエンス向上に寄与する設備設計を行います。
3. 環境教育への貢献: 地域の学校や団体と連携し、再エネ教育を支援します。

5. まとめ:太陽光発電の明るい未来に向けて

2024年現在、太陽光発電は技術革新と制度の進化により、さらなる成長の段階に入っています。FIT法の変遷は、初期の普及促進から、より持続可能で市場原理に基づいたモデルへの移行を示しています。

事業者の皆様には、この変化を好機と捉え、効率化と新たな価値創出に取り組むことが求められます。同時に、地域社会との共生や環境負荷の低減など、社会的責任を果たすことも重要です。

太陽光発電は、日本のエネルギー自立と脱炭素社会の実現に不可欠な存在です。私たちは、この素晴らしい技術の発展に貢献できることを誇りに思い、さらなる進化を目指して邁進していきましょう。

 

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