太陽光発電の垂直積雪量とは?積雪荷重・構造設計・発電量試算の確認手順

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国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら )

樋口 悟(Satoru Higuchi)。国際航業株式会社 カーボンニュートラル推進部 デジタルエネルギーグループで「エネがえる」の事業開発を担当。住宅・産業用太陽光、蓄電池、EV・V2H、PPA、電力料金・補助金の経済効果を扱い、SaaS・API・BPOによる比較提案・導入判断を支援しています。「太陽光・蓄電池導入意思決定白書2026」の監修、独自調査、官公庁・自治体の試算支援、APIを活用したサービス開発・協業にも取り組みます。執筆・更新では一次情報と試算条件の明示を重視し、公表値と独自の推計・仮定を区別します。 詳しいプロフィール・活動実績・参照資料 / 監修した白書

顧客の声・公開登壇記録
・共伸興建・市川様の公開インタビュー(2023年1月11日):「樋口さんが電話に結構すぐ出てくれる」「業界の知見がある」。操作に加え、提案方法や試算ロジックへの相談対応をご評価いただきました。同インタビューでは、利用者増加時にも同じ品質のサポートを求める声をいただいています。
・東京都・東京都環境公社のWEBシンポジウム(2024年3月15日):「太陽光発電と都市の可能性」の講演者として、樋口悟の氏名・所属・略歴が主催者の公式ページに掲載されています。
協業や資料のご案内では「迅速なご対応とご送付、ありがとうございます!」、AIサポートによる操作案内では「ありがとうございます。助かりました。」などのお客様の声をいただいています。
公開インタビュー以外のお客様の声は、企業名・氏名を省略して紹介しています。AIサポートへの声はサービスへのご感想です。

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ZEBとは?ネット・ゼロ・エネルギー・ビルのイメージ
ZEBとは?ネット・ゼロ・エネルギー・ビルのイメージ

更新日:2026年9月1日

太陽光発電の設計で使う「垂直積雪量」は、発電量の低下率そのものではありません。建物や太陽電池アレイに作用する積雪荷重を検討するための地域条件です。構造安全性の確認と、パネルが雪に覆われることによる発電量ロスの見積もりは、分けて行う必要があります。

積雪条件は、構造確認と発電量確認の二枚に分ける

同じ「雪への対応」でも、屋根が荷重に耐えることと冬にどれだけ発電できるかは別の問いです。発電量を控えめに見積もっても構造安全は確認できず、丈夫な架台でも雪で発電が止まることはあります。

見積比較でそろえる条件
比較対象 確認項目 取り違えやすい点
構造の資料 行政庁の条件・図面・構造確認 住所・標高・屋根と架台を特定
発電の資料 月別気象・被覆・除雪方針 年一律の率だけで済ませない
運用の資料 落雪先・通路・点検 発電量以外の継続費用を確認

具体例:発電量を冬季だけ30%減らした試算書があっても、それは設計用積雪荷重を30%減らしてよいという意味ではありません。二つの係数は目的も根拠も異なります。構造条件は設計担当が所管の条件・適用基準と製品仕様から確認します。

手元の資料で進めること:資料の表紙に「構造安全の確認用」または「経済効果試算用」を明記し、混同した承認にならないようにします。

確認資料:太陽光発電協会:自然災害と設計条件。数値例は説明用の仮定で、相場や効果の保証ではありません。この比較手順の確認日:2026年9月27日。

次に確認する内容:雪国の屋根上太陽光・蓄電池|積雪ロスを反映した経済効果試算。

先に結論:案件住所を特定し、特定行政庁が定める垂直積雪量を確認したうえで、建物・屋根・架台・取付部を構造設計者やメーカーと照合します。経済効果はその確認とは別に、長時間の積雪被覆を追加シナリオとして試算してください。

安全上の注意

本記事は確認項目を整理するもので、構造計算書や設計判断の代わりにはなりません。垂直積雪量だけで設置可否を決めたり、一般的なウェブ上の一覧値だけで荷重を確定したりせず、案件ごとの法令・条例・告示、設計図書、現況、製品仕様を有資格者・専門事業者に確認してください。

垂直積雪量とは

垂直積雪量は、建築物の積雪荷重を算定するときに使う基礎条件です。建築基準法施行令第86条では、積雪荷重を、積雪の単位荷重、屋根の水平投影面積、地方における垂直積雪量などに基づいて扱います。

ただし、実務で使う数値は全国一律ではありません。特定行政庁が、区域の標高、気象、地形などを踏まえて定めています。同じ市町村内でも標高や区域指定で条件が異なる可能性があるため、住所を確定して所管行政庁の条例・規則・告示を確認することが出発点です。

また、垂直積雪量は「現在屋根に積もっている雪の深さ」や「パネル上の積雪深」と同義ではなく、その数値から年間発電量の低下率を直接求めることもできません。

混同しやすい2つの判断

判断 主な問い 主な確認先・入力 成果物
構造安全性 雪の荷重に建物・架台・取付部が耐えられるか 特定行政庁、構造設計者、架台・モジュール・屋根メーカー、設計図書、現地調査 構造計算・仕様適合・設置可否と条件
発電量・経済性 雪で発電できない時間や期間がどれくらいあるか 日射量・気象データ、パネル角度と高さ、現地の積雪被覆実績、除雪・保守方針 基準ケースと積雪ロス感度ケース

一方が良好でも、もう一方が自動的に満たされるわけではありません。たとえば構造上設置できても、雪の滑落先や保守動線が確保できなければ運用上の問題が残ります。逆に、冬季発電量を保守的に見積もっても、それは架台や屋根の安全性を証明しません。

構造設計で確認する順番

1.案件住所と所管行政庁を確定する

都道府県名や最寄り観測地点だけでは不十分です。町丁目・地番、標高、用途地域などを整理し、建築確認を所管する行政庁に、適用する垂直積雪量、多雪区域の指定、関連する条例・規則・告示を確認します。行政庁への照会記録や参照資料の版も案件ファイルに残します。

2.建物と屋根の既存条件を確認する

屋根上設置では、太陽電池アレイ単体だけでなく、既存建物の構造、屋根材・下地、劣化や腐食、過去の改修、取付部、残存耐力を確認します。設計図書がない、用途変更や増改築がある、劣化が疑われるといった場合は、現地調査を含む専門判断が必要です。

3.アレイ・架台・基礎・接合部を一体で確認する

JIS C 8955:2017は、太陽電池アレイ用支持物の設計用荷重算出方法を定めています。2026年3月にも日本電機工業会(JEMA)から補足資料が公表されており、規格名や表の一部だけを拾うのではなく、現行規格、補足資料、メーカーの適用条件を一式で確認する必要があります。

地上設置では、架台だけでなく基礎、地盤、接合部、腐食、防護・排水も検討対象です。NEDOの地上設置型ガイドラインには積雪荷重算定の技術資料がありますが、掲載された一般・強風・多雪の設計例は、すべての案件にそのまま当てはめられる万能仕様ではありません。

4.偏り・吹きだまり・滑雪と維持管理を確認する

雪は常に均一に載るとは限りません。屋根形状、段差、風、隣接建物、パネル配置により偏りや吹きだまりが生じる可能性があります。落雪範囲、雪止め、軒先・通路・設備への影響、排水、除雪方法、作業員の安全、緊急時対応まで設計条件に含めます。

「垂直積雪量○cmなら設置可能」と一律に言えない理由

設置可否は、垂直積雪量だけでは決まりません。積雪の単位荷重、屋根形状、建物と架台の構造、支持点、材料、基礎・地盤、風荷重・地震荷重、製品の適用範囲、施工方法などが関係します。そのため、「一定の積雪量を超えた地域はすべて同じ区分」「ある深さを超えたら屋根上設置は一律に不可能」といった全国共通の境界として扱うのは適切ではありません。

制度や補助事業が独自に「多雪地域」を定義する場合もありますが、その定義は当該制度の対象判定用です。構造設計に使う法令上の条件と混同しないでください。

発電量シミュレーションで積雪をどう扱うか

NEDOは、時刻別日射量データベースMETPV-20を公開しています。エネがえるの太陽光発電量推計でもMETPV-20を参照し、地域性や短時間の降雪の影響を含む日射量データを基に計算します。

一方、エネがえるのFAQでは、パネル全体が長時間雪に覆われて発電が止まる影響は標準の推計に含まれないと明記しています。地上積雪深と、傾斜したパネル上の積雪被覆時間は同じではなく、角度、最低地上高、滑雪、雪の再堆積、除雪、設備仕様によって変わるためです。

積雪地域では複数シナリオを比較する

  • 基準ケース:標準の日射量・需要・料金条件で試算する
  • 積雪ロスケース:現地実績や専門シミュレーター、メーカー資料に基づき、長時間の積雪被覆を補正する
  • 保守ケース:除雪費、点検費、停止期間、アクセス制限など運用条件を反映する

補正率を一律に決めるのではなく、根拠、対象月、対象時間、データ期間、誰が承認したかを記録します。エネがえるBizでは、積雪などを考慮した別シミュレーターの時系列データをCSVで取り込む方法もFAQで案内しています。

シミュレーション結果は、入力条件に基づく推計です。構造安全性の保証や、無条件の年間発電量保証ではありません。保証サービスを検討する場合も、対象、免責、申込期限、保証期間などの最新条件を個別に確認してください。

案件開始時の確認チェックリスト

  • 案件住所、地番、標高、所管する特定行政庁
  • 垂直積雪量、多雪区域、適用条例・規則・告示と確認日
  • 積雪の単位荷重、屋根形状係数など構造設計に必要な条件
  • 建物の構造図、屋根伏図、構造計算書、確認済証・検査済証の有無
  • 屋根材・下地・防水・劣化・腐食・改修履歴
  • モジュール、架台、金具、基礎、接合部の製品仕様と適用範囲
  • パネル角度、最低地上高、列間隔、偏雪・吹きだまり・滑雪の検討
  • 落雪先、通路、非常口、隣地、車両、室外機などへの影響
  • 除雪・点検・補修の方法、作業者の安全、費用、停止条件
  • 基準・積雪ロス・保守の各シナリオと、補正根拠・承認者

社内の役割分担

担当 主な役割
営業・企画 住所、需要データ、料金条件、顧客要件を収集し、未確認事項を明示する
設計・施工 法令条件、現地条件、建物・架台・取付部の安全性と施工条件を確認する
メーカー 製品の荷重条件、適用範囲、施工要領、保証条件を提示する
構造設計者等 案件固有の条件に基づき、構造上の成立性を判断する
顧客・運用者 積雪時の運用、除雪、立入制限、保守費用とリスク許容度を決める

よくある質問

垂直積雪量はどこで調べられますか?

案件を所管する特定行政庁の条例・規則・告示や案内ページで確認します。自治体名だけで判断せず、住所・標高・区域を伝えて照会してください。

JIS C 8955:2017に沿えば、建物も安全だと判断できますか?

それだけでは判断できません。同規格は太陽電池アレイ用支持物の設計用荷重算出方法を扱います。既存建物、屋根、基礎、接合部、施工状態など案件全体の確認が別途必要です。

METPV-20を使えば、積雪ロスはすべて入りますか?

いいえ。エネがえるFAQでは、短時間の降雪の影響は参照データに含まれる一方、長時間の積雪でパネルが覆われて発電が止まる影響は標準推計に含まれないとしています。必要に応じて別シナリオで補正します。

垂直積雪量が大きい地域では太陽光発電を諦めるべきですか?

数値だけで一律に結論づけることはできません。安全に成立する設計、保守・落雪条件、冬季ロスを含む経済性を案件ごとに評価して判断します。

関連サービス

一次情報・参考資料

法令・規格・サービス仕様は改定される場合があります。上記は2026年9月1日に確認した情報です。実案件では必ず最新の原文と所管行政庁・専門家の判断を確認してください。

記事の内容を、自社案件の数字で確認

住宅用、産業用自家消費、EV・V2Hの経済効果を、用途に合うデモで確認できます。

住宅用ASP / 産業用Biz / EV・V2H

著者情報

国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら)

樋口 悟(Satoru Higuchi)。国際航業株式会社 カーボンニュートラル推進部 デジタルエネルギーグループで「エネがえる」の事業開発を担当。住宅・産業用太陽光、蓄電池、EV・V2H、PPA、電力料金・補助金の経済効果を扱い、SaaS・API・BPOによる比較提案・導入判断を支援しています。「太陽光・蓄電池導入意思決定白書2026」の監修、独自調査、官公庁・自治体の試算支援、APIを活用したサービス開発・協業にも取り組みます。執筆・更新では一次情報と試算条件の明示を重視し、公表値と独自の推計・仮定を区別します。 詳しいプロフィール・活動実績・参照資料 / 監修した白書

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・共伸興建・市川様の公開インタビュー(2023年1月11日):「樋口さんが電話に結構すぐ出てくれる」「業界の知見がある」。操作に加え、提案方法や試算ロジックへの相談対応をご評価いただきました。同インタビューでは、利用者増加時にも同じ品質のサポートを求める声をいただいています。
・東京都・東京都環境公社のWEBシンポジウム(2024年3月15日):「太陽光発電と都市の可能性」の講演者として、樋口悟の氏名・所属・略歴が主催者の公式ページに掲載されています。
協業や資料のご案内では「迅速なご対応とご送付、ありがとうございます!」、AIサポートによる操作案内では「ありがとうございます。助かりました。」などのお客様の声をいただいています。
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エネがえるの導入・活用実績
エネがえるは、官公庁・自治体、大手メーカー、商社、電力・ガス会社、住宅メーカー、有力販売施工店など、全国700社以上に導入されています。主な導入・活用先には、環境省、地方自治体、シャープ、パナソニック、ニチコン、スズキ、村田製作所、ダイヘン、三菱電機、ネクストエナジー・アンド・リソース、エリーパワー、NTT-ME、東京ガス、東邦ガス、大和ハウス工業、東京センチュリー、ELJソーラーコーポレーションなどがあります。
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