目次
- 1 垂直積雪量から読み解く太陽光発電の設計と発電量予測
- 2 垂直積雪量とは – 太陽光発電設計の基礎知識
- 3 垂直積雪量の特徴と実際の積雪との関係
- 4 建築基準法における垂直積雪量の位置づけ
- 5 垂直積雪量の算出方法
- 6 日本における垂直積雪量の地域差
- 7 JIS規格にみる太陽光発電システムの積雪対策
- 8 JIS C 8955:2017の概要と重要性
- 9 太陽電池アレイの積雪荷重計算方法
- 10 積雪状況と荷重の関係
- 11 融雪技術と新JIS規格
- 12 NEDO METPV-20データベースの活用法
- 13 METPV-20の概要と特徴
- 14 METPV-11からMETPV-20への進化
- 15 代表年データの概念と活用法
- 16 エネがえるでの活用例
- 17 発電量推計における積雪の影響評価
- 18 積雪が太陽光発電に与える影響メカニズム
- 19 シミュレーションにおける積雪の扱い
- 20 最新の積雪対応型発電予測技術
- 21 積雪地域での太陽光発電システム導入の実践的注意点
- 22 設計前の垂直積雪量確認手順
- 23 積雪仕様のパネル・架台選定基準
- 24 発電予測データの正確な解釈
- 25 施工時期の戦略的決定
- 26 将来展望と技術革新
- 27 積雪対応型太陽光発電技術の最新動向
- 28 AI・IoTを活用した積雪予測と発電量最適化
- 29 気候変動と太陽光発電の未来
- 30 積雪地域での太陽光発電導入における総合的判断指針
- 31 よくある質問(FAQ)
- 32 Q1. 垂直積雪量と実際の積雪深の違いは何ですか?
- 33 Q2. 垂直積雪量の情報はどこで入手できますか?
- 34 Q3. 積雪によるパネル損傷を防ぐ効果的な方法は何ですか?
- 35 Q4. METPV-20データはどのように入手・活用できますか?
- 36 Q5. 積雪地域での太陽光発電システムの経済性はどのように評価すべきですか?
- 37 Q6. 積雪地域で太陽光発電システムを設置する最適な時期はいつですか?
- 38 Q7. 太陽光パネルに雪が積もった場合、発電はどうなりますか?
- 39 Q8. JIS C 8955:2017に準拠した設計をしていれば、積雪による損傷は防げますか?
- 40 出典
垂直積雪量から読み解く太陽光発電の設計と発電量予測
〜JIS規格とNEDO METPV-20の活用ガイド〜
積雪地域における太陽光発電システムの導入は、積雪による発電量低下や設備損傷リスクなど、特有の課題に直面します。しかし、適切な設計と対策により、積雪地域でも安定した発電と経済性を確保することが可能です。本記事では、「垂直積雪量」の基礎から、JIS規格に基づく設計方法、NEDO METPV-20データベースを活用した発電量予測、そして実践的な注意点まで、積雪地域での太陽光発電システム導入に必要な知識を包括的に解説します。
参考:JIS C 8907:2005に基づく太陽光発電量推計とMETPV20日射量データの専門解説
参考:太陽光発電・蓄電池の経済効果シミュレーション完全ガイド(JIS発電量計算式とNEDO METPV20日射量データベースの活用)
参考:太陽光発電における影シミュレーション完全ガイド:無料でできる簡易試算の計算式付き
参考:両面発電モジュールの密着設置における発電効果と最適シミュレーション手法
垂直積雪量とは – 太陽光発電設計の基礎知識
垂直積雪量(すいちょくせきせつりょう)は、建築物や構造物の設計において重要な指標の一つで、ある地点で垂直方向に積もる雪の量を表します5。この指標は、太陽光発電システムを含む建築物の積雪荷重を計算する際の基準として不可欠です。
垂直積雪量の特徴と実際の積雪との関係
垂直積雪量の最大の特徴は、地形や風、建築物の屋根形状などによる局所的な雪の偏りの影響を排除した理論的な積雪量であることです5。つまり、実際に地面や屋根に積もる雪の厚さとは異なり、雪が垂直に降り積もった場合の理想的な量を想定しています。
垂直積雪量は通常、「mm」や「m」で表され、積雪密度(kg/m³)と組み合わせて使用されます。例えば、垂直積雪量が1mで積雪密度が300 kg/m³の場合、建物にかかる積雪荷重は300 kg/m²となります5。
建築基準法における垂直積雪量の位置づけ
建築基準法では、垂直積雪量が1m以上となる区域を「多雪区域」と定めています49。多雪区域では、建築物の設計において特別な積雪荷重の計算が必要となり、積雪の単位荷重も多雪区域では20N/cm・m²(約204kg/m³)以上、多雪区域以外では15N/cm・m²(約153kg/m³)以上と規定されています。
垂直積雪量の算出方法
垂直積雪量の算出方法は、建築基準法施行令第86条第3項に基づき、以下の式で表されます:
d = α・ls + β・rs + γ
ここで、
d: 垂直積雪量(単位:メートル)
α, β, γ: 区域に応じて定められた係数
ls: 敷地の位置の標高(単位:メートル)
この計算式による垂直積雪量と、特定行政庁が定めた垂直積雪量を比較し、いずれか大きい値を採用するというルールもあります1。
日本における垂直積雪量の地域差
日本における垂直積雪量は地域によって大きく異なります。北海道、東北地方、日本海側(新潟、富山、石川など)では、垂直積雪量が特に高く設定されており、基準値は2m以上に達することもあります5。例えば、岩手県西和賀町では垂直積雪量が2.64mと計算されています4。
一方、関東地方や太平洋側では、垂直積雪量が低く設定されることが一般的です。例えば、大船渡市では0.54m、花巻市では0.71mとなっています4。
JIS規格にみる太陽光発電システムの積雪対策
JIS C 8955:2017の概要と重要性
JIS C 8955:2017「太陽電池アレイ用支持物の設計用荷重算出方法」は、太陽光発電システムの支持構造物の設計において考慮すべき荷重とその算出方法を規定した重要な規格です1916。この規格は、風荷重、積雪荷重、地震荷重など、様々な環境条件下での太陽光発電システムの安全性を確保するための基準を提供しています。
太陽電池アレイの積雪荷重計算方法
JIS C 8955:2017では、太陽電池アレイの積雪荷重を以下のステップで算定します:
垂直積雪量の確認:設置場所の垂直積雪量を確認します。
積雪の単位荷重の設定:多雪区域か否かによって異なる値を使用します。
屋根形状係数の考慮:太陽電池アレイの傾斜角に応じた係数を適用します。
その他の係数:地域特性や建物の重要度に応じた係数も考慮します。
特に注意すべきは、アレイの設置高さと周辺環境です。JIS C 8955:2017では、軒高(地盤からアレイ面の下端までの高さ)が不十分な場合、地上の積雪とアレイ面の積雪が繋がり、追加的な荷重が発生するリスクを指摘しています1。
積雪状況と荷重の関係
札幌市での実験では、アレイ軒高が地上垂直積雪量の半分程度(0.7mの軒高に対して1.4mの垂直積雪量)の場合、軒下積雪が飽和状態となり、アレイ面の積雪と繋がることが示されています1。
この状態では、緩勾配アレイではアレイ面積雪が軒先からせり出し、急勾配アレイでは沈降荷重が軒先に作用するなど、設計で想定していない荷重が発生します1。このような状況は、太陽光発電システムの損傷につながる可能性があります。
融雪技術と新JIS規格
2024年12月には、「JIS Z 2171(熱量測定装置による積雪融解熱流束及び凍結防止熱流束の推定方法)」が制定されました2。この規格は、融雪及び凍結防止設備における熱量の測定方法や推定手順を統一的に規定するもので、道路の融雪等に際して必要な熱量をより正確に推定することを可能にします。
この技術は、太陽光発電パネル上の積雪対策にも応用できる可能性があり、エネルギー効率の良い融雪システムの開発につながることが期待されています。
NEDO METPV-20データベースの活用法
METPV-20の概要と特徴
NEDO METPV-20は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が提供する日射量データベースです61115。このデータベースは太陽光発電システムの発電量予測に不可欠なリソースとして広く活用されています。
METPV-20の主な特徴は以下の通りです:
統計期間:2010年~2018年
対象地点:全国835地点
データ種別:平均年、多照年、寡照年の毎時の推定値
収録要素:水平面全天日射量、水平面直達日射量、水平面散乱日射量、日照時間、気温、風向・風速、降水量、積雪深、可照時間など15
参考:太陽光発電量計算に必要なNEDO日射量データベースガイド:バージョン3.0(2021年4月)の詳細解説
METPV-11からMETPV-20への進化
METPV-20は、前身のMETPV-11から様々な改良が加えられています。主な改良点は、統計期間の更新(1991年~2009年から2010年~2018年へ)と、日射量推定モデルの高精度化です15。
特に、日照時間から日射量を推定するモデル(日照-日射モデル)が改良され、従来モデルでみられた過小評価傾向が改善されています15。これにより、より精度の高い発電量予測が可能になりました。
代表年データの概念と活用法
METPV-20の「代表年」という概念は重要です。代表年とは、各地点における長期間の観測資料から月毎に最も日射量が平均的な年(平均年)、多い年(多照年)、少ない年(寡照年)を抽出し、それらを1年間分つなぎ合わせた人工的なデータを指します15。
太陽光発電システムの設計や経済性評価において、平均的な条件だけでなく、好条件や悪条件での性能も評価することで、より現実的な期待値を設定できます。
エネがえるでの活用例
太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションソフト「エネがえる」では、このMETPV-20のデータを活用して、より精度の高い発電量シミュレーションを提供しています。2021年夏からは旧版のMETPV-11から最新版のMETPV-20にデータベースを更新し、さらに精度を向上させています11。
エネがえるの発電量シミュレーションでは、ユーザーが入力した最小1ヶ月~最大12ヶ月分の電気消費量や負荷パターン、対象エリアをもとに「家庭向けは12ヶ月1時間毎、産業用は365日1時毎の消費量データに推計」した上でシミュレーション結果を計算しています6。そのため、日射量データベースも月平均値を用いるMONSOLA-20ではなく、時間別で値を計算できるMETPV-20を採用し、より精度の高い発電量推計を実現しています。また、エネがえる契約企業向けのオプションサービスとして、Solvvy社との提携により、経済効果シミュレーション保証(シミュレーションされた年間発電量の一部を実績値と差分が出た場合に金額換算し10年間保証)を提供しています。エネがえるでは1月・2月の発電量を任意に0に設定することもできるため積雪地域での発電量保証スキームも可能にしています。
そのため、北海道、東北、北陸地域の販売施工店やEPC、住宅関連会社など多数エネがえるを採用して需要家へのシミュレーションが実施されています。
参考:太陽光発電・蓄電池の経済効果シミュレーション完全ガイド(JIS発電量計算式とNEDO METPV20日射量データベースの活用)
発電量推計における積雪の影響評価
積雪が太陽光発電に与える影響メカニズム
積雪は太陽光発電システムの発電量に様々な影響を与えます。主な影響は以下の通りです:
発電量の低下:パネル表面に雪が積もると、太陽光がパネルに届かなくなり、発電量が低下します。パネル全体が雪に覆われると、発電が完全に停止することもあります12。
発電量の増加:雪の反射光(アルベド効果)により、周辺の雪面からの反射光がパネルに入射し、一時的に発電量が増加することがあります12。
積雪による太陽光発電への影響は、雪の種類や降雪パターン、パネルの設置角度、周辺環境など様々な要因によって異なります。短時間の降雪であれば、太陽光発電は降雪時も発電することができます。また、年間200cm以上の降雪がある地域でも、冬季(12月〜2月)に他の季節と比べて平均で5割程度の発電が記録されている例もあります12。
シミュレーションにおける積雪の扱い
発電量シミュレーションにおける積雪の影響の扱いは、シミュレーションツールによって異なります。エネがえるの発電量シミュレーションでは、NEDO METPV-20の日射量データを参照しているため、短時間の降雪の影響は全国835地点の測地地点の過去データをベースに考慮されています12。
しかし、太陽光パネルに雪が積もった状態が続くケースの影響は、設備の品質や施工手法等に依存するため、エネがえるの発電量シミュレーションには反映されていません12。この点は、積雪地域での発電量予測を行う際に考慮する必要があります。
最新の積雪対応型発電予測技術
積雪による発電量低下を考慮したより高精度な予測技術も開発されています。例えば、ウェザーニューズでは、2024年から太陽光パネル上の積雪による発電量の低下を考慮した30分毎の太陽光発電量予測データの提供を開始しています8。
このシステムでは、過去の発電量実績データと積雪深を含む1kmメッシュの気象データをAIに学習させた”統計モデル”を用いて、ソーラーパネル上に積もった雪による発電量の低下を考慮した予測を行っています8。
積雪予測には、雪質の影響を加味した独自の積雪解析モデルによる1kmメッシュの解析積雪深を使用しており、これにより真冬の太陽光発電量の予報精度は約10%向上したとされています8。
参考:積雪による発電量の低下を考慮した太陽光発電量予測データを提供開始 | Weathernews Inc.
積雪地域での太陽光発電システム導入の実践的注意点
設計前の垂直積雪量確認手順
積雪地域で太陽光発電システムを導入する際の第一歩は、設置予定地の垂直積雪量を確認することです。確認方法は以下の通りです:
インターネット検索:「〇〇県●●市 垂直積雪量」と検索すると、各自治体がホームページ等で開示している情報を確認できます3。
自治体への直接問い合わせ:ホームページ上で確認できない場合は、直接各自治体に電話して確認することも可能です3。
専門データベースの活用:産業技術総合研究所が公開している設計用垂直積雪量のデータベース表示ソフトなども活用できます18。
垂直積雪量が2.0m以上の場所では、屋根上に太陽光発電システムを設置することが非常に難しくなります3。そのような場所では、十分な積雪対策を施した地上設置型のシステムを検討するか、別の再生可能エネルギー導入を検討する必要があるでしょう。
積雪仕様のパネル・架台選定基準
確認した垂直積雪量の数値をもとに、積雪仕様の太陽光パネルや架台を選定します:
高耐圧パネル:メーカーによって積雪荷重に強い高耐圧パネルが販売されています3。
積雪仕様の架台(金具):積雪仕様の架台や金具を提供しているメーカーもあります3。
設置角度:積雪地域では、雪が滑り落ちやすくするため、より大きな設置角度を検討することも重要です。
これらの製品を組み合わせて、メーカーに情報提供し、現場の積雪に対応できるか確認の上、設計を進めることが重要です3。
参考:多雪地域の屋根に太陽光発電パネルを設置できる金具 | 日経クロステック(xTECH)
参考:積雪300cmの豪雪地域も20年保証。屋根一体型太陽光パネルRoof-1の積雪対応モデル販売開始。 | 株式会社モノクロームのプレスリリース
参考:京セラ、多雪地域向け太陽光パネル、積雪2.5mに対応 – ニュース – メガソーラービジネス plus : 日経BP
発電予測データの正確な解釈
積雪地域での発電量予測においては、積雪の影響を考慮する必要があります。より現実的な予測のためには、NEDOが発表している積雪深データを確認し、どの程度発電に影響があるか評価することが有効です3。特に、経済性評価や投資回収期間の算定においては、冬季の発電量低下を考慮に入れる必要があります。
施工時期の戦略的決定
積雪地域では、施工時期も重要な考慮点です:
積雪前の施工:例えば、石川県金沢の場合、12月下旬から雪が降り積雪が始まるデータが出ており、それまでに太陽光設置工事と竣工検査・使用前自己確認検査を終了しておく必要があります3。
雪解け後の施工:あるいは、3月下旬以降、雪解けが始まり積雪がなくなったころに着工する案も考えられます3。
雪が積もっていると作業進捗が遅くなるもしくは作業できない状態が続きますし、使用前自己確認検査の中で、晴れている間に積雪がない状態でしかできない検査もあるため、工期や工程についても、事前に把握しておくことが重要です3。
将来展望と技術革新
積雪対応型太陽光発電技術の最新動向
積雪地域における太陽光発電システムの課題解決に向けて、様々な技術革新が進められています:
撥雪コーティング:パネル表面に特殊な撥水・撥雪コーティングを施し、雪の付着を防ぎ、自然に滑り落ちやすくする技術。
自己融雪システム:パネル自体の発電を利用して、パネル表面に積もった雪を融かすシステム。
高耐荷重設計:積雪荷重に耐えられる高強度の支持構造物や太陽光パネルの開発。
垂直設置型両面発電:積雪の影響を受けにくい垂直設置型の両面発電パネルの活用。
これらの技術により、積雪地域での太陽光発電システムの信頼性と経済性が向上することが期待されています。
AI・IoTを活用した積雪予測と発電量最適化
AIやIoT技術を活用した積雪予測と発電量最適化の取り組みも進んでいます。ウェザーニューズのような気象サービス企業は、1kmメッシュの高精度な積雪予報と太陽光発電量予測を組み合わせたサービスを提供しています8。
これにより、積雪による発電量低下を事前に予測し、電力需給計画や蓄電池の充放電計画を最適化することが可能になります。将来的には、このようなAI予測と連動して、自動的に融雪システムを作動させるなどの高度な制御も実現するでしょう。
気候変動と太陽光発電の未来
気候変動の影響により、日本の積雪パターンにも変化が生じています。過去30年の平均データと直近9年間のデータを比較すると、日照時間が平均約4.3%増加し、全天日射量も約3.6%増加していることが報告されています7。
これにより、太陽光発電の年間発電量は一般的な発電シミュレーションと比較して平均約4%上振れすることが予想されます7。一方で、局所的な大雪の頻度が増加する傾向も見られ、こうした変化に対応した設計手法の開発も課題となっています。
積雪地域での太陽光発電導入における総合的判断指針
積雪地域での太陽光発電システム導入は、通常よりも多くの課題がありますが、適切な計画と設計により、安定した運用と経済性を実現することが可能です。導入を検討する際には、以下の総合的な判断指針を参考にしてください:
垂直積雪量の正確な把握:設置予定地の垂直積雪量を正確に把握し、それに基づいた設計を行うことが第一歩です。
JIS規格に準拠した設計:JIS C 8955:2017に準拠した設計を行い、積雪荷重に対する安全性を確保します。
METPV-20データを活用した現実的な発電量予測:NEDO METPV-20データを活用し、地域特性を考慮した発電量予測を行います。
積雪の影響を考慮した経済性評価:冬季の発電量低下や追加的な設備投資、メンテナンスコストを考慮した経済性評価を行います。
最新の積雪対策技術の検討:撥雪コーティングや融雪システムなど、最新の積雪対策技術の導入を検討します。
施工時期の戦略的選定:積雪状況を考慮した施工時期の選定を行います。
これらの要素を総合的に考慮することで、積雪地域でも効果的な太陽光発電システムの導入が可能になります。特に重要なのは、地域の積雪特性を十分に理解し、それに適した設計とシステム選定を行うことです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 垂直積雪量と実際の積雪深の違いは何ですか?
A1. 垂直積雪量は、地形や風、建築物の屋根形状などによる局所的な雪の偏りの影響を排除した理論的な積雪量です5。実際の積雪深は、風や地形の影響を受けて場所によって異なりますが、垂直積雪量は建築物の設計に用いるための標準化された値です。
Q2. 垂直積雪量の情報はどこで入手できますか?
A2. 各自治体のホームページで公開されていることが多いです4。「〇〇県●●市 垂直積雪量」と検索するか、公開されていない場合は直接自治体に問い合わせることで確認できます。また、産業技術総合研究所が公開している設計用垂直積雪量のデータベース表示ソフトを利用することもできます18。
Q3. 積雪によるパネル損傷を防ぐ効果的な方法は何ですか?
A3. 積雪仕様の高耐圧パネルと積雪対応の架台を選定すること3、十分な設置角度を確保して雪が滑り落ちやすくすること、アレイの設置高さを十分に確保して地上積雪との接続を防ぐこと1、必要に応じて融雪システムを導入することなどが効果的です。
Q4. METPV-20データはどのように入手・活用できますか?
A4. NEDOのウェブサイトから入手できます15。データは太陽光発電システムの発電量シミュレーションに活用できますが、より簡便に利用するにはエネがえるのようなシミュレーションツールを利用するのが効果的です。
Q5. 積雪地域での太陽光発電システムの経済性はどのように評価すべきですか?
A5. 発電量シミュレーションにおいて冬季の発電量低下を考慮すること、積雪対策のための追加設備投資を計上すること、メンテナンスコストの増加を見込むことなどが重要です。エネがえるのシミュレーション結果をベースに、これらの要素を追加で考慮することで、より現実的な経済性評価が可能になります。
Q6. 積雪地域で太陽光発電システムを設置する最適な時期はいつですか?
A6. 一般的には、積雪が始まる前の秋(9月〜11月)や、雪解け後の春(3月〜5月)が適しています3。具体的な時期は地域の積雪パターンによって異なりますので、地域の気象データを確認することをお勧めします。
Q7. 太陽光パネルに雪が積もった場合、発電はどうなりますか?
A7. パネル表面に雪が部分的に積もった場合は、積もっていない部分での発電は続きますが、効率は低下します。パネル全体が雪に覆われた場合は、発電が停止します12。ただし、短時間の降雪であれば発電は継続し、雪の反射光により一時的に発電量が増加することもあります。
Q8. JIS C 8955:2017に準拠した設計をしていれば、積雪による損傷は防げますか?
A8. JIS C 8955:2017に準拠した設計は基本的な安全性を確保するものですが、極端な気象条件や想定外の積雪パターンが発生した場合には損傷のリスクが残ります1318。特に厳しい積雪条件下では、規格の要求を上回る保守的な設計や追加的な対策を検討することが推奨されます。
出典
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- https://niit.repo.nii.ac.jp/record/758/files/niit2019_18.pdf
- https://www.solachiku-media.com/money/snow.html
- https://good-energy.co.jp/used-solar-power/used-solar-power-purchase/snow-countermeasures/
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