目次
30分値デマンドデータ解析ガイド 現場で役立つ実践テクニック集
イントロダクション(概要)
30分値デマンドデータとは、高圧需要家などで計測される30分間の平均電力使用量の記録です。1時間を2区切りした平均値が記録されるため、1日あたり48コマのデータポイントが存在します。たとえば「12:00~12:30の平均使用電力が15kW、12:30~13:00が20kW」であれば、その時間帯のデマンド値はそれぞれ15kW・20kWとなります。単位はkWであり、一瞬の最大値ではなく30分間の平均値である点が重要です。
本記事では、この30分値デマンドデータの基本概念から活用方法までを徹底解説します。電力会社ごとのCSVフォーマットの違いやkWとkWhの変換方法、Excelを使った可視化・分析のコツ、さらには太陽光発電・蓄電池導入の最適容量設計への応用や、提案資料作成に直結するテクニックを紹介します。
加えて、ChatGPTなど生成AIやPythonを活用した高度なデータ処理や、将来的な需給調整市場への展望も取り上げます。現場の営業担当者・技術者が提案力を高め、成約につなげるための知識が満載です。
10秒で要約: 30分デマンドデータは需要家の詳細な電力使用パターンを把握できる宝の山です。適切に解析すれば省エネ策の検討や自家消費型太陽光・蓄電池導入シミュレーションに不可欠な情報を得られます。年間30分値データがあれば季節・曜日ごとのピークや谷を把握でき、最適な設備容量や運用計画の立案に役立ちます。データ形式は電力会社ごとに異なりますが、Excel/CSVで加工・可視化し、必要に応じてエネがえるBizなどのツールに取り込むことで、高速に効果試算を行い、説得力のある提案資料を作成できます。
では以下、詳しく見ていきましょう。
参考:デマンドデータがなくてもシミュレーションできますか?業種別ロードカーブテンプレートはありますか? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
参考:エネがえるBiz 30分値デマンドデータ自動変換機能とは? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
1. 30分デマンドデータとは何か?その用途と重要性
1.1 30分デマンド値の基本と電力料金への関係
30分デマンドデータは、需要家(工場やビルなど)がいつどれだけ電力を使っているかを詳細に把握できる基盤データです。電力量計(スマートメーター)が毎時「00~30分」「30~60分」の各区間で消費した電力量を測定し、その平均使用電力(kW)を算出したものがデマンド値として記録されます。1日24時間で48個の値が得られ、電力使用パターンの可視化や省エネ施策の検討に不可欠です。
特に自家消費型太陽光発電や蓄電池の導入検討時には、年間の需要変動パターンを把握するため直近1年分の30分値が必要になります。季節や曜日、時間帯による負荷変動を把握することで、太陽光発電による削減効果や蓄電池によるピークシフト効果を精密にシミュレーションできるからです。「なぜ1年分必要か?」という問いに対しては、一年間の30分値があれば季節変動や平日/休日の違いまで考慮した詳細な効果予測が可能になるためです。
また30分デマンドデータは電気料金(基本料金)とも深く関係します。高圧契約では、過去12ヶ月で最も高い30分デマンド値がその需要家の契約電力(kW)となり、それに基本料金単価(円/kW)を掛けて毎月の基本料金が決まります。つまり年間最大デマンド値を下げる(ピーク電力を抑制する)ことができれば、契約電力が引き下がり基本料金の削減につながるわけです。電力会社の請求書にも「最大需要電力○○kW」として記載され、これが基本料金計算の基礎となっています。極端な例では、一度でも非常に高いピークを出すとその後1年間ずっと高い基本料金を払い続けるケースもあります。そのため多くの事業所ではデマンド監視装置を導入し、ピークが上がりすぎないよう負荷制御(需要家側で一部設備を停止する等)を行っています。
要約すると、30分デマンド値は電力使用履歴であると同時に、契約電力=基本料金を左右する重要指標です。電力量使用量(kWh)が同じでもピーク需要(kW)が高いだけで料金が大きく増えるため、需要家にとってデマンド管理は経費削減の肝となります。
1.2 データの取得方法(電力会社からの入手・スマートメーター活用)
自社施設の30分デマンドデータは、契約している送配電事業者(旧一般電力会社)から入手できます。多くの電力会社では高圧需要家からの依頼に応じて直近1年分の30分値データを提供しており、その入手方法はいくつかあります。
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電話で請求: 北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、中国電力などでは、契約者本人(または委任状を持った代理人)から担当窓口に電話をして「高圧受電設備の30分デマンド値1年分がほしい」と伝えることで対応してもらえます。この際、事業所名やお客様番号など契約情報の確認が必要です。※会社によっては委任状により代理依頼も可能な場合があります。
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郵送で請求: 一部の電力会社では郵送手続きが定められています。例えば九州電力では所定の開示請求用紙に必要事項を記入し、本人確認書類の写しとともに郵送して申請します(手数料が必要)。このように会社ごとに手続きが異なるので、各社の案内を確認しましょう。
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WEBサービスからダウンロード: 近年はWeb上の会員サービスでデータ提供する会社も増えています。例えば中部電力「ビジエネ」、関西電力「エネルギー使用量お知らせサービス」、北陸電力「見エール」、四国電力「よんでんコンシェルジュ」、沖縄電力「使用実績照会サービス」などでは、会員登録すれば自分で過去の30分ごとの使用実績CSVをダウンロード可能です。多くは前日までのデータが閲覧でき、日時ごとの電力量(kWh)や最大需要電力(kW)が取得できる形式になっています。東京電力も低圧契約者向けには「くらしTEPCO(エネメイト)」等で30分または1時間ごとのデータ提供がありますが、高圧については電話請求が主流のようです。
注意: データ取得にはスマートメーター設置が前提です。もし古いメーターで30分値計測に対応していない場合、まずスマートメーターへの交換が必要になります。また各社で提供フォーマットや範囲が異なるため、最新の提供方法は各電力会社の案内に従うようにしましょう。例えば東京電力は高圧の場合データ提供は電話での個別対応が中心ですが、低圧(事業用・家庭用)はWeb上で確認可能などの違いがあります。
低圧契約(小規模事業者・家庭向け)の場合: 30分値データは高圧ほど簡単には取得できませんが、近年スマートメーターの普及で家庭向けでも30分値データをWeb確認・CSVダウンロードできるケースが増えています。たとえば東京電力の家庭向けWebサービスでは、過去1年分の30分ごとの電力使用量をCSVで取得可能です。低圧ユーザーではこのように自分のスマートメーター測定データを活用することが第一歩です。どうしても入手困難な場合は、月次電力量(検針票データ)からロードカーブを推定する方法(後述のテンプレート活用)で対応することもあります。
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スマートメーターBルート経由: さらにリアルタイム性が必要な場合、スマートメーターのBルートサービスを申し込んでデータ取得する方法もあります。Bルートとはスマートメーターと需要家側機器(HEMS端末等)をつなぐ通信経路で、契約者が電力会社に申し込むとBルート用の認証ID/パスワードが発行されます。これをWi-SUN対応の通信機器に設定してメーターと無線接続すれば、ほぼリアルタイム(30分ごと更新)の使用量データや瞬時電力値を自前で取得可能になります。工場やビルでは高圧用計測器から直接デマンド監視装置へ信号を出している場合もありますが、低圧でもBルート経由で同様の監視が可能です。Bルートで得たデータはHEMSアプリ等で可視化でき、需要超過の予兆を捉えて空調や蓄電池を自動制御するといった高度なエネルギーマネジメントにも活用できます。各社で申し込み窓口があるので、リアルタイム監視が必要な場合は検討すると良いでしょう。
参考:BルートとエネがえるAPIの組み合わせによるサービスアイデア
参考:Aルート・Bルート・Cルート(電力スマートメーター)の基本と活用アイデア
1.3 30分値データのフォーマット(電力会社ごとの違いと処理法)
取得したデマンドデータのCSVフォーマットは、電力会社や提供方法によって千差万別です。典型的な形式として以下があります。
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横持ち形式: 1行に1日分の48コマのデマンド値が横に並ぶ形式。多くの会社のWebサービスや提供データで採用されています(例:中部電力ビジエネ、関西電力お知らせサービス、北陸電力見エール、四国電力よんでんコンシェルジュ、沖縄電力など)。Excelシートで月単位・年単位になっているケースもありますが、基本は日付ごとに48列の数値があるイメージです。
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縦持ち形式: 日時ごとに1行ずつ記録する形式。東京電力系ではこの縦一覧形式(各行に日時と使用量)が多い傾向があります。また九州電力は郵送で紙またはCSV提供ですが、縦持ち形式の可能性があります。
実際、国内主要10社(旧一般電力会社)を比較すると、おおむね「東京電力は縦型、それ以外多くは横型」が多いようです。ただし推定も含まれており、各社で列項目名の有無や日時表記(「0:00」か「0時~0時30分」等)など細部も異なります。以下は例として整理したフォーマットの特徴です:
電力会社 | 提供方法例 | CSV形式の特徴(例) |
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北海道電力 | 電話依頼で郵送/メール提供 | 日付+48コマ横並び(推定) |
東北電力 | 電話依頼で提供 | 日付+48コマ横並び(推定) |
東京電力 | 電話依頼 / くらしTEPCO(低圧) | 縦持ち(日時と値の一覧)形式が多い |
中部電力 | Bizene会員サイト | 日付+48コマ横並び(CSV/Excel) |
北陸電力 | 見エールサービス(Web) | 日付+48コマ横並び(Excel) |
関西電力 | お知らせサービス(Web) | 日付+48コマ横並び(CSV) |
中国電力 | 電話依頼(会員Web不明) | 日付+48コマ横並び(推定) |
四国電力 | よんでんコンシェルジュ(Web) | 日付+48コマ横並び(CSV) |
九州電力 | 書面申請(郵送・有料) | 紙またはCSV(縦持ち形式の可能性) |
沖縄電力 | 使用実績照会Webサービス | 日付+48コマ横並び(CSV) |
※上記は一般的傾向で、実際は各社の提供データを確認してください。例えば東京電力のWebでは低圧用に1日ごとの48点縦データCSVが提供されたり、北陸電力のExcelではヘッダー行に日本語で時間帯が書かれている等、様々です。こうした違いを吸収するために、後述するエネがえるBizでは独自のテンプレートCSVを用意して主要フォーマットを一括変換できるよう対応しています。
データ形式への対処法:
取得したCSVがどんな形でも、Excel上で必要な形に整えることが可能です。例えば縦持ち形式であればピボットテーブル等で日付を行、時間を列にしたピボット化ができますし、横持ち形式ならそのままExcelに貼り付けて使えます。必要に応じて「縦⇔横」のデータ変換を行いましょう。
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縦→横変換: Excelのピボットテーブルで日時を並べ替えるか、Power Queryを使って変換できます。もしくはCSVを読み込んでPythonなどで処理し、転置して出力する方法もあります。
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横→縦変換: Excel関数(INDEX関数など)で48列を縦展開したり、手作業ならコピペでも対応可能です。プログラミングに慣れていれば数行のスクリプトで実現できます。
最近は生成AIを使ってフォーマット変換を自動化することも考えられます。例えばChatGPTにCSVヘッダー情報と言語説明を与えて「この形式からこの形式に変換するPythonコードを生成して」とお願いすればスクリプトを書いてくれるでしょう。実際、ChatGPTのCode Interpreterなどを用いればアップロードしたデータを自動で所望のフォーマットに整形させることも可能です。さらに一歩進めて、複数の異なるフォーマットCSVを自動判別して統一形式に変換するAIアシスタントもアイデア次第で実現できるでしょう。高度なユーザーであれば、社内に蓄積された様々な電力データをAIに学習させ、「デマンドデータ自動整形ツール」を作ってしまうことも不可能ではありません。
1.4 Excelでの解析・可視化テクニック(ヒートマップ分析など)
30分デマンドデータを入手したら、まずExcelやBIツールで可視化してみることをお勧めします。典型的な手法として負荷カーブのヒートマップ表示があります。これは縦軸に日付(1日~365日)、横軸に時間帯(0:00~23:30の48コマ)をとり、セルの色でそのコマの使用量(またはデマンド値)を示すものです。色が濃い(例えば赤系)ほど電力使用量が多いことを意味し、一年分のピーク傾向が一目で分かります。
イメージ:シミュレーション生成した365日×48コマの電力使用ヒートマップ例。横軸が時間帯(0時~24時)、縦軸が日付(1月1日から)。色が「HOT(赤い)」なほどその時間帯の電力使用が高いことを示す。例えば夏季昼間に赤色が集中し、週末は全体に冷色であることから、「平日昼にピーク、週末は需要低下」するパターンが読み取れる。
このヒートマップにより、需要家のピーク時間帯や平日・休日の差、季節変動が直感的に把握できます。たとえば上記の例では、夏季(日付が真ん中あたりの時期)の真昼に赤い帯が集中し、逆に週末(土日相当の日付)には色が全体的に薄いことが読み取れます。つまり夏場平日昼にピーク負荷、週末は昼も需要が落ちることが視覚的に示されています。こうした分析から「深夜に無駄な待機電力は発生していないか」「ピークをシフトできそうな負荷はどれか」など省エネ検討のヒントも得られます。
Excelでは条件付き書式を使って簡易ヒートマップを作成することもできます。具体的には、日付を縦方向に、時間帯を横方向に配置してデマンド値(または使用電力量)を入力し、条件付き書式の「カラー尺度」を適用すれば、値の大小に応じたグラデーションでセルが色付けされます。他にも、日ごとの負荷カーブを折れ線グラフにして「典型的な平日」「典型的な休日」「夏季ピーク日」「冬季ピーク日」などを比較する方法も有効です。365日分を一気にグラフ化すると見づらいですが、代表日を抜粋すれば「夏の昼間はこれだけ跳ね上がる」「休日は日中も低い」などが説明しやすくなります。
参考:【エクセル】条件付き書式|データを10倍見やすくする方法 | Smart-Hint
ポイント: 解析の際には30分データが欠損していないか確認しましょう。稀に通信エラー等で一部時刻が抜けてゼロや空白になっている場合があります。その場合、前後時刻や同曜日平均で補完する、もしくは発生頻度が少なければその日を分析対象から除外するなどの処置をします(欠損データ処理)。ExcelであればIF関数で空白を前後値の平均に置き換える、といった対応が可能です。PythonのPandasを用いればinterpolate()
メソッド等で線形補間することもできます。
参考:データの補完とExcelでのデータの欠損値処理の方法 – NewsTower
参考:Excelでのデータのクレンジングと欠損値処理の実践手法 – NewsTower
参考:ChatGPTを使ったデータ分析!プロンプトや可視化する方法も解説|SHIFT AI TIMES
参考:平均値で埋めるだけじゃない!少し踏み込んだ欠損値補完 #Python – Qiita
2. デマンドデータ(kW)を電力使用量(kWh)に変換する方法
デマンドデータ(kW)は上記の通り30分間の平均出力値です。一方、電気料金計算やエネルギー使用量の議論では通常kWh(キロワット時)の単位を用います。したがって、30分値データを扱う際にはkWからkWhへの変換を適切に行う必要があります。幸い、これは非常にシンプルな関係式に基づきます。
参考:【Biz】30分デマンド値(kW)のデータを電力消費量(kWh)に変換する計算式は? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
2.1 基本の計算式とその例
電力(kW)から電力量(kWh)への変換は**「電力 × 時間 = 電力量」の原則で求められます。したがって30分デマンド値 (kW) を電力量 (kWh) に換算**するには:
電力量 (kWh) = 30分デマンド値 (kW) × 0.5時間
とすればOKです。0.5時間=30分なので、平均出力値に0.5を掛ければその半時間で消費したエネルギー量が求まります。
具体例: 30分デマンド値が500kWだった場合、その30分間に使用した電力量は「500 × 0.5 = 250kWh」となります。同様に平均10kWだった区間なら5kWh、平均4kWなら2kWhです。要するに「30分間に○kWのペースで電力を使い続けたら、その半時間で○×0.5=○/2 kWh消費する」ということです。これは積分計算のイメージですが、30分値自体がすでに平均化された値なので単純な掛け算でエネルギー量に直せるわけです。
2.2 なぜ0.5を掛けるのか – 単位の違いに注意
少し紛らわしいのが、kW(キロワット)とkWh(キロワット時)の違いです。kWは瞬間的な「出力(消費の強さ)」を表し、kWhはその出力を一定時間継続したときに発生する「エネルギー量(仕事量)」を表します。1kWの負荷を1時間続ければ1kWh消費する関係です。
30分(0.5時間)は1時間の半分なので、30分平均の出力値(kW)に0.5を掛ければその30分間のエネルギー消費量(kWh)が求まるのは当然の理屈です。逆に言えば、もし15分値のデータがあれば0.25を掛ける必要があります(※日本では30分値が標準ですが、海外では15分値も多い点については後述)。
注意: 電力量を計算する際には単位をきちんと揃えること。例えばデマンド値500kWを分単位で処理しようとすると500kW×30分=15000となりますが、これは「キロワット・分」という単位になり意味がありません。必ず時間単位(h)で計算する(つまり30分=0.5h)よう留意してください。
2.3 kW/kWh変換における実務上のポイント
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電力会社提供データの単位: 電力会社から取得するデマンドデータがすでにkWh表記になっている場合もあります。Webサービスでダウンロードしたデータには「30分ごとの使用電力量(kWh)」として出てくるケースがあり、その場合0.5倍する必要はありません(既にエネルギー量として計算済みです)。一方、紙やPDFの報告書では「30分平均電力(kW)」として数字が載っている場合が多いです。その際は自分で0.5倍してkWhに直す必要があります。必ずデータの単位(kWかkWhか)を確認しましょう。
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シミュレーション用データの単位: 後述するエネがえるBizなどシミュレーションツールにデータをインポートする際も、指定された単位に合わせることが重要です。エネがえるBizの場合、インポートCSVにはkWh単位の値を入れるルールなので、手元のデータがkWのままだとちょうど2倍ずれた結果になってしまいます。実際、エネがえるBizのFAQでも「30分値(kW)で受け取ったデータは0.5倍してkWhに変換してから登録してください」と注意喚起されています。このように単位換算ミスはシミュレーション結果を大きく狂わせるため注意が必要です。
参考:【Biz】30分デマンド値(kW)のデータを電力消費量(kWh)に変換する計算式は? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
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その他の単位変換: kWとkWh以外にも、電力業界ではkVA(キロボルトアンペア)という単位が出てくることがあります。これは力率を考慮した見かけ上の電力で、海外ではデマンドチャージ計算にkWではなくkVAを使う地域もあります。日本国内の需要家で通常そこまで意識する必要はありませんが、電力会社の請求書に力率割引(または割増)が記載されていることがあります。これは契約力率(90%等)に対して実際の力率が良い/悪いと基本料金が多少増減する制度で、デマンド値そのものとは直接関係しませんが無効電力の概念も知っておくと良いでしょう(ここでは詳述しません)。
3. デマンドデータの加工・CSV活用Tips
30分デマンドデータは365日・48コマとデータ量が大きいため、適切に加工・整理することで分析効率を上げられます。ここではCSVデータの取り扱いノウハウや便利ツールについてまとめます。
3.1 異なるCSVフォーマット間の変換テクニック
前述したように、電力会社ごとにCSV形式が異なるため、フォーマット変換は実務上頻出します。手作業でコピペしてもよいのですが、繰り返し作業になる場合は自動化を検討しましょう。
参考:エネがえるBizのCSV指定フォーマット(デマンドデータ、太陽光発電量のCSVインポート用フォーマット)はどこからダウンロードすればいいか? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
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Excelでの変換: 少量データであれば、Excel上で列の並び替えや削除を行ってエネがえる指定テンプレートに貼り付けるのが手っ取り早いです。例えばエネがえるのテンプレートでは「年,月,日,0:00,…23:30」という列順になっています。手元のCSVが日付と48コマだけなら、年・月・日列を追加して埋め、時刻欄を合わせて値を貼り付ければ完成します。元データにヘッダー(タイトル行)が付いている場合は削除を忘れずに。
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マクロ/VBA: Excelマクロを組める人は、電力会社ごとに貼り付け→ボタン一つでテンプレートCSVへ整形するマクロを用意すると効率的です。一度作ってしまえば次回からボタン操作で変換できます。
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Python/Rなどスクリプト: プログラミングに明るければ、PandasやCSVモジュールを用いて複数ファイルを一括処理することも容易です。例えば「あるフォルダに入れた複数の店舗データCSVを順次読み込み、店舗名ごとのエネがえるCSVを出力する」バッチ処理を作れば、チェーン店数十拠点分のシミュレーション用データを一気に準備できます。最近はRPAツールを使ってExcel操作自体を自動化することも容易になっています。
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生成AIの活用: 上述のようにChatGPTなどにフォーマット変換のプロンプトを工夫して投げることで、自動変換ツールのプロトタイプを得ることもできます。例えば「このCSVをエネがえるのusepowers30.csv形式に変換するスクリプトを書いて」と指示するとPythonコードが出てきますし、それを実行させて結果を得るといったことも可能です。データのプライバシーに注意しつつ社内環境でAI補助を試してみると良いでしょう。
参考:エネがえるBiz 30分値デマンドデータ自動変換機能とは? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
3.2 生成AIを活用したデータ自動変換のアイデア
特に大量のデータ処理や複雑な書式変換には、ChatGPTのような生成AIが非常に有用です。例えばエネがえるBiz自体にも主要電力会社のデマンドCSVを自動でテンプレートCSVに変換する機能が搭載されています。これは裏側でプログラムによるフォーマット認識・変換を行っていますが、似たようなことを自分でもAI+スクリプトで実現できる可能性があります。
考えられるAI活用例:
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フォーマット自動認識: AIに数種類のCSV例を学習させ、読み込んだCSVがどのタイプかを判別させて対応する変換処理を適用する。エネがえるBizの自動変換機能も「変換元のデータ形式を選択→アップロード」となっていますが、将来的には自動判別も視野に入れているようです。GPTのようなモデルはレイアウト認識も得意なので、電力会社名やヘッダー行の特徴から型を推定することもできるでしょう。
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最大デマンド値の自動算出: ChatGPTのプラグインやCode Interpreterにデータを渡して「最大値を教えて」と尋ねれば、ピーク需要とその日時を即座に出力させることもできます。さらに「そのピークを削減するには太陽光何kW必要?」と対話を続ければ簡易的な提案値を生成させることさえ可能です。
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欠損データの補完: もしデータに抜けがある場合、近似値で埋める処理もAIにやらせてみる価値があります。「2月と3月のデータしかないが、年間データを予測補完して」といった高度な依頼はチャレンジングですが、過去の統計傾向や類似事例を元にAIが仮想の12ヶ月データを生成してくれる可能性もあります。もちろん現実の精度を保証するものではありませんが、初期提案段階でざっくり概算するには使えるテクニックです。
以上のように、「データ変換の手間をゼロに」「前処理を短縮」する工夫を凝らすことで、提案作業の効率が飛躍的に上がります。実際、エネがえるBizの自動変換機能も数秒でフォーマット変換が完了すると謳われています。AIを上手に使えば、誰でも似たような自動化を手にできる時代になりつつあります。
3.3 データ欠損・不足時の対処法(部分データから年間推計するには)
ケース1: データの一部欠損 – 例えば365日中数日分が抜け落ちていたり、ある時間帯だけ異常値(ゼロや極端な値)が記録されている場合です。前述の通り、基本は前後の近傍データで補間します。具体的には欠損した30分値を同曜日同時刻の平均値や、前後30分の平均値で埋める、といった方法です。もし月次トータルの使用量が分かっているなら、その月の不足分を他の日に按分して帳尻を合わせることもあります。発電シミュレーションでは多少の補間誤差は大勢に影響しませんが、ピーク値を見る分析では雑な補間が最大値を過小評価しないよう注意します。
ケース2: 1年分揃っていない – 例えば「1ヶ月分の30分値しかない」「1時間値データしかない」という場合です。自家消費提案では本来1年分必要ですが、初期段階では部分データから仮の年間データを推計することもあります。
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1ヶ月分しかない場合: その月が年間で代表的かどうかを判断します。もし夏のデータしかないなら冬場の負荷はそれより低いかもしれませんし、逆もまた然りです。推計法としては、電力使用量の月別比率(例えば夏は全年間の20%など)を業種平均データや電気料金請求書から推定し、与えられた月の30分パターンを他の月にもスケーリングして当てはめる方法があります。具体的には「手持ちの8月データの合計kWhを既知の8月使用量に合わせる→同じパターンで7月や9月にも当てはめるが、月の総量は前年実績(または業種平均比率)に合わせて調整する」などです。エネがえるBizの業種別ロードカーブ機能では、12ヶ月分の月次使用量(kWh)と業種テンプレートを入力すると自動で365日分の仮想ロードカーブを自動生成できます。このような仕組みを使えば、2ヶ月分のデマンドデータから12ヶ月分に補完することも容易です。精度は実データに劣りますが、「大体○割電気代削減できる」程度のスクリーニングには十分です。
参考:デマンドデータがなくてもシミュレーションできますか?業種別ロードカーブテンプレートはありますか? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
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1時間値(60分値)しかない場合: 日本では30分単位が基本ですが、場合によっては1時間ごとのデータしか取得できないこともあります。幸い、エネがえるBizは30分値でも60分値でもどちらでもインポート可能で、内部で自動的に処理されます。したがってシミュレーション目的では無理に30分化する必要はありません。Excel等で分析する際も、1時間値しかなければ各1時間値を2つにコピーして擬似的に30分値に見せる手もあります(厳密にはそれぞれ半分ずつの値にすべきですが、パターンを見るだけなら同じ値の繰り返しでも形は近くなります)。ピーク電力の把握という観点では、1時間平均値だとピークを少し見逃す可能性がある点に注意です。30分間だけ高騰したピークは1時間平均だと薄まってしまうためです。安全側に見るなら、1時間値の最大値は30分値最大より小さく出る傾向があるため、1時間値データしかない場合は計算結果に少し余裕を持たせる(ピーク削減効果を過大評価しない)よう留意しましょう。
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低圧需要家データが入手困難な場合: 小規模事業者や家庭向けでは詳細データがないこともあります。その際はエネがえるBizの業種別テンプレートが役立ちます。たとえば家庭用であれば「朝型・昼型・夜型・オール電化型・カスタム型(任意に%定義)」といったモデルロードカーブを使い、1ヶ月分または月間使用量(検針票から算出)だけ指定すれば仮想的なデマンドデータを生成してくれます。家庭の30分値データがある場合(最近はHEMSやスマートメーターアプリからCSV取得できます)も、見るポイントは基本同じです。家の中の何にいつ電力を使っているかが見えるので、昼間のエアコン消費が大きければ「ここを太陽光で賄える」、夜間の消費が多ければ「深夜電力活用や蓄電池が有効」などの示唆が得られます。家庭だと曜日差は少ないですが季節差(夏の冷房・冬の暖房)や時間帯別メニュー(夜間料金)への対応などを見ると良いでしょう。
3.4 その他便利なCSV加工ツール・テクニック
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テキストエディタの活用: CSVの細かな調整には高機能テキストエディタ(秀丸、VSCodeなど)も便利です。例えば全角の月名を半角数字に一括置換するとか、不要なヘッダー行をまとめて削除するなど、正規表現置換で一発処理できます。Excelで崩れてしまいがちな文字コードも、テキストエディタ経由でUTF-8やShift-JISを揃えると安心です。
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Excelの取り扱い注意: CSVをExcelで開くと、自動で日付が変換されてしまう問題がよくあります。例えば「2023/03/04」が「3月4日」と表示形式になったり、「1-2」といった文字列が日付に化けることもあります。エネがえるFAQでも「Excelの自動変換に注意(日付データが意図しない形に変換される場合あり)。最終的なデータはテキストエディタで確認推奨。」と案内されています。特に年をまたぐデータでは、365行か366行かでうるう年判定も必要なので、ExcelではなくCSV形式で保存すること、1行目をヘッダーとして2行目からデータ開始すること、列数を変えないことなどが求められます。
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複数CSVの結合: 年度途中で電力会社が変わった場合など、前半と後半で別のCSVがあることもあります。その際はCSV結合が必要です。Excelで2つ開いて下に貼り付けるだけでも良いですが、年月日が重複しないよう整合性を確認します。Pythonなら
pd.concat([df1, df2])
で簡単に結合できます。キーは日付なので、西暦や和暦の違いにも注意しましょう(令和○年表記は西暦に直す必要があります)。
以上、デマンドデータを扱う上での前処理Tipsを紹介しました。次章からは、こうして整えたデータをシミュレーションや提案にどう活かすかを見ていきます。
参考:デマンドデータがなくてもシミュレーションできますか?業種別ロードカーブテンプレートはありますか? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
参考:エネがえるBiz 30分値デマンドデータ自動変換機能とは? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
参考:エネがえるBizプロダクトツアー 自家消費型太陽光の試算(デマンドデータ有り)
参考:エネがえるBizプロダクトツアー 自家消費型太陽光+蓄電池併設の試算(デマンドデータ有り)
参考:エネがえるBizプロダクトツアー 自家消費型太陽光の試算(デマンドデータ無し)
4. エネがえるBizの活用方法と提案効率化
エネがえるBiz(国際航業株式会社 提供)は、産業用自家消費型太陽光・蓄電池の経済効果をシミュレーションできるクラウドサービスです。この章では、エネがえるBizを使って30分デマンドデータを具体的な提案資料に落とし込む方法や、データがない場合の対応策、さらにはBPOサービスの活用まで紹介します。
参考:デマンドデータがなくてもシミュレーションできますか?業種別ロードカーブテンプレートはありますか? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
参考:エネがえるBiz 30分値デマンドデータ自動変換機能とは? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
4.1 30分デマンド値から自家消費シミュレーション
エネがえるBiz最大の特長は、365日分の30分(または60分)デマンドデータをCSVインポートするだけで自家消費導入効果を自動診断できる点です。手順はシンプルで、新規シミュレーションの際にテンプレートCSV(サンプルデータ)をダウンロードし、それに自社の電力使用量データ(単位はkWhに変換済み)を貼り付けてアップロードします。アップロード後、クラウド上で簡単な入力をすればすぐに負荷曲線と太陽光・蓄電池モデルを重ね合わせたシミュレーションが自動実行されます。
出力レポートには、太陽光・蓄電池導入後の年間自家消費量(何kWhを太陽光でまかなえたか)や自家消費率(%)、余剰電力量(売電や未利用となる発電量)やその割合、電力購入量の削減額などがグラフ付きでまとめられます。例えば「年間○○kWhを太陽光で賄い、そのうち△△kWh(XX%)は自家消費、残りは売電」などの指標が自動計算されます。これらは提案書にそのまま記載できる具体的な数字であり、さらにグラフやエクセル帳票も自動生成されます。実際、エネがえるBizは最短10分でグラフ付き提案書が作成可能とうたわれており、煩雑な試算作業を大幅に短縮できます。新人スタッフでも短時間で説得力ある診断レポートを作成できるため、営業ツールとしても非常に有効です。
参考:産業用オンサイトPPAシミュレーションが月50パターン以上可能に エネがえるBiz導入事例 IBeeT
参考:自家消費提案件数月50件に増加しほぼ受注につながっている エネがえるBiz導入事例 サンライフコーポレーション
参考:エクソル、産業用自家消費API導入で太陽光シミュレーション時間を3時間から5分へ大幅短縮 〜複数パターン提案で顧客満足度向上〜
参考:「エネがえるAPI」でシミュレーション結果のばらつきを解消、ネクストエナジーが導入
参考:他社シミュレーターでは営業が使いこなせず蓄電池提案もできないためエネがえるBizに乗り換え エネがえるBiz導入事例 電巧社
参考:自治体向け自家消費提案に2週間かけていたシミュレーションが1日で完了 エネがえるBiz導入事例 アイネック
参考:エネがえるBizプロダクトツアー 自家消費型太陽光の試算(デマンドデータ有り)
参考:エネがえるBizプロダクトツアー 自家消費型太陽光+蓄電池併設の試算(デマンドデータ有り)
参考:エネがえるBizプロダクトツアー 自家消費型太陽光の試算(デマンドデータ無し)
4.2 データ自動変換機能の活用
エネがえるBizには、前章で触れたようなデマンドデータCSVの自動変換機能も備わっています。これは電力会社ごとに異なるフォーマットのCSVをアップロードすると、自動でエネがえる指定のCSVフォーマットに変換してくれる機能です。使い方は、エネがえるBiz画面で「ファイル変換」メニューから変換元のデータ形式(東京電力の○○形式など)を選び、元CSVをアップロードするだけです。数秒で変換が完了し、ダウンロードしたCSVをそのままインポートすればシミュレーションにかけられます。対応フォーマットは主要10電力だけでなく汎用フォーマットにも対応しており、どの会社のデータでも自動変換可能なケースが多いです。具体的には「1日48コマ横並び」「各コマごとに1行縦並び」「月毎にシート分割」など一般的な形はほぼカバーし、さらに東京・中部・関西・四国・九州・沖縄・エネット・USEN等の専用形式にも個別対応済みとのことです。
この自動変換機能により、ユーザー側でわざわざExcel変換する手間がゼロになります。ただし注意点として、変換元CSVがShift-JISエンコード前提なので、Excelから直接保存した場合など文字コードに注意すること、沖縄電力のデータだけは事前加工が必要な場合があること等がFAQで挙げられています。また最終的な変換結果CSVはテキストエディタ等で中身を確認することが推奨されています。
参考:エネがえるBiz 30分値デマンドデータ自動変換機能とは? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
なお、エネがえるBizにインポートする際は3種類のCSVファイル(usepowers30.csv, usepowers.csv, pvpowers.csv)を使います。「usepowers30.csv」は30分値×365日分の電気使用量データ、「usepowers.csv」は60分値×365日にまとめたもの、「pvpowers.csv」は太陽光発電量の60分値データです。エネがえるでは30分値でも60分値でもどちらでも受け付けて自動処理してくれるため、わざわざ自分で30分→60分平均に直す必要はありません。内部ではどちらも1時間値に集約して計算していますが、ユーザーが意識する必要はなく、そのまま投入できます。逆に言えば、15分値など細かすぎるデータには対応していませんが、30分か60分であれば十分実用上問題ないでしょう。
※なお、エネがえるでは今後、「30分値・365日計算」の高解像度で計算できるようバージョンアップを構想しています。
補足: エネがえるへの発電量データの入力仕様として、「パワコン(PCS)変換前のパネル発電量」を入れる決まりになっています。つまりシミュレーション時にパワコン容量や効率を別途パラメータ設定して、出力制限や変換ロスを計算する設計です。手元のPV発電実績がすでにパワコン出力ベースの場合は、シミュレーション設定で効率100%・出力無限大などにすれば差異なく再現できます。このようにデータ変換や前処理の手間を極力減らす工夫が凝らされているのがエネがえるBizの特徴です。
4.3 データがない場合の業種別ロードカーブ活用
実務では、「お客様から30分デマンドデータをまだもらえていないが、とりあえず素早く他社より圧倒的に早く提案したい」という場面も多々あります。その場合に役立つのが、エネがえるBizに用意された業種別ロードカーブテンプレートです。これは各種業界(工場、オフィス、学校、病院、商業施設など)ごとの標準的な負荷パターンをデータ化したもので、デマンドデータがなくても業種と規模から概算シミュレーションができる仕組みです。
参考:デマンドデータがなくてもシミュレーションできますか?業種別ロードカーブテンプレートはありますか? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
ユーザーは最低限として年間の総使用電力量(kWh)や契約電力などを入力し、該当業種のテンプレートと稼働日・非稼働日のカレンダーを選択します。すると、仮想的な365日・1時間値の電力使用データが自動生成されます。具体的にはテンプレートに登録された「1日の24時間における負荷比率モデル」をベースに、月ごとの電力量を配分して細分化するロジックです。エネがえるBiz APIの仕様によると、入力した12ヶ月分の月次使用量と1日の負荷比率、および営業日カレンダーから365日の時間別負荷を算出するフローになっています。
もちろん精度は実測データに劣りますが、詳細データがない初期段階でもざっくり効果を示すには十分です。例えば「太陽光を導入すれば電気代が●割削減できます」というスクリーニングにこの機能が役立ちます。実際、エネがえるBizの利用者アンケートでも、30分値データの入手がボトルネックになりがちとの声があり、テンプレート活用により提案初期の工数削減が図られています。エネがえるBizは実データ活用とテンプレート活用の両面で急増する自家消費提案をサポートしているわけです。
4.4 BPOサービス(エネがえるBPO)の活用
データ処理やシミュレーション作業自体を外部にアウトソースしたい場合、エネがえるを提供する国際航業が展開しているエネがえるBPOというサービスがあります。BPO(Business Process Outsourcing)は業務代行のことで、エネがえるBPOでは再エネ関連の各種業務代行を請け負っています。具体的には:
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シミュレーション代行・診断レポート作成: 太陽光・蓄電池の経済効果試算や提案書の作成を代行。住宅用(新築/既築)、産業用(オンサイトPPAやFIP対応ケース含む)など、多様なシナリオに対応します。デマンドデータのCSV変換・加工も含めてまとめて依頼可能です。
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設計代行・最適容量算定: お客様の図面やヒアリング情報を元に、太陽光パネルレイアウトやパワコン容量、蓄電池容量の最適設計を行います。屋根形状や方位・日射条件も考慮した詳細な設計・試算で、発電効率と経済効果を最大化する提案を提供します。
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教育研修サービス: 再エネ基礎知識から施工・販売研修、さらにエネがえるツールの操作研修まで、オンライン/オフラインで企業向けに実施。社内人材育成にも活用できます。
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補助金申請代行・EPC/O&M支援: 経産省の設備認定や各種補助金の手続き代行、全国対応のEPCネットワーク紹介、さらにはスマートメーター設置やクラウド監視、定期点検といった運用保守までワンストップ支援しています。
これらBPOサービスを活用すれば、デマンドデータの加工から提案書作成、さらにはアフターサービスまでトータルで任せることも可能です。特に人手不足で提案件数に追いつかない場合や、初心者だけでは難しい高度な提案案件では、BPOの利用も検討すると良いでしょう。
参考:エネルギーBPO/BPaaS(エネがえるBPO)とは?料金体系は?太陽光・蓄電池・再エネ関連の業務代行サービス | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
5. デマンドデータを活用した太陽光・蓄電池の容量最適化Tips
ここからは、30分デマンドデータを設備設計や提案内容の検討に具体的にどう活かすか、太陽光パネル容量・パワコン容量・蓄電池容量の最適化に関する実践的なノウハウを解説します。デマンドデータを丹念に分析することで、過不足のない容量設定や提案の説得材料を導き出すことができます。
5.1 太陽光パネル容量の決め方
太陽光パネルの容量(kW)は大きければ発電量が増えますが、自家消費率(発電電力をどれだけ自己利用できるかの割合)は低下しがちです。容量を増やすほど余剰売電や出力抑制(発電量カット)が増える傾向があり、一方で小さすぎると昼のピーク需要を賄いきれず削減効果が限定的になります。最適容量を探るには、30分データ上の昼間負荷の大きさと照らし合わせて考えます。
例えば「年間で最も日射条件が良い日の正午」に需要が100kWなら、太陽光を100kW程度まで増やしてもその瞬間は全量自家消費可能でしょう。しかし需要が低い休日の正午などは余剰が出ます。一般に年間自家消費率が高くなる容量が経済的な最適点になることが多いです。エネがえるBizでは容量を変えて何度でもシミュレーション比較できるので、そうした自家消費率と導入効果のバランスを見ながら決定できます。
実務上は、「年間総発電量の◯%を自家消費できるか」「余剰売電しても投資回収に寄与するか」を基準にするケースがあります。近年は売電単価が低いため自家消費率70%以上を目標に容量設定する、といった指針もよく聞かれます。また将来的な需要増(工場増設やEV導入予定など)を見込んでやや大きめにパネルを設計する判断もあります。この場合、初期は余剰が出ても後々無駄が減る計画です。
さらに気候条件も考慮しましょう。日射量の少ない冬場や曇天時にはいくら容量があっても発電しません。そのため「曇りの日でも一定の発電が欲しいから大容量にする」という戦略は太陽光単独では効果薄で、蓄電池併用で初めて意味を持ちます。この点は次の蓄電池容量の項で触れます。
5.2 パワコン容量と過積載のポイント
パワーコンディショナ(PCS、インバータ)の容量設計では、一般的にパネル容量と同程度か少し小さめに設定します。例えば過積載1.2倍とはパネル100kWに対しPCS出力80kWとする設計で、ピーク発電時にPCS上限でカットされる代わりに朝夕など日射の弱い時間帯の発電を底上げできるメリットがあります。
需要側の視点から見ると、需要ピークが昼に集中する施設ならPCS容量≒需要ピーク値程度でも問題ありませんが、需要ピークが夕方以降にある施設では昼の余剰を蓄電池に貯めて夕方に使うことが重要になります。つまりPCS容量は蓄電池の出力とも合わせて検討すべきです。太陽光発電の出力だけでなく、蓄電池からの放電も同時に考慮して全体の供給力を見る必要があります。
エネがえるBizのシミュレーション設定画面では、パネル容量とパワコン容量の比率やそれによる出力損失も織り込んで試算できるようになっています。実務Tipとして、低圧連系(50kW未満)ではPCS容量50kWいっぱいで設計することが多く、パネルは例えば60kW程度載せる(過積載1.2倍)ケースがよくあります。30分データで見ると晴天日の正午は余剰が出ますが、朝夕や薄曇り時にはPCS容量いっぱい発電して需要をカバーできます。高圧連系では契約電力や変圧器容量も踏まえ、PCSサイズ=契約電力と同等からそれを数倍上回るケースまで幅広く検討されます。デマンドデータで需要の山谷を把握し、典型日のシナリオ別(晴天ピーク日・雨天日・休日など)に太陽光+PCS出力がどう需要を置き換えるか考えることが重要です。
5.3 蓄電池容量(kWhとkW)の決め方
蓄電池の容量決定は少し複雑で、エネルギー容量(kWh)と出力(kW)という2つの軸があります。簡単に言えば「何時間分蓄えられるか」を示す容量と、「何kWのパワーで充放電できるか」を示す出力です。30分デマンドデータからは、その需要家の典型的な余剰発電量と夜間の追加需要量が読み取れますので、それを基に蓄電池の容量を検討できます。
例として、日中太陽光の余剰発電が最大で200kWh発生し、夜間に100kWhの電力需要があるとします。この場合、少なくとも200kWh程度の蓄電池容量があれば日中余剰をすべて貯めて夜に回せそうだ、と試算できます。しかし大容量電池はコストが高いため、現実的にはその半分の100kWhに抑えて余剰の一部は売電する、などの妥協点を探す必要があるかもしれません。
蓄電池の出力(kW)については、例えばピークカットが目的なら出力重視で需要ピークに見合うkW能力が必要です。逆に余剰活用や夜間シフトが主目的なら容量重視でできるだけkWhを大きく取ります。エネがえるBizでは蓄電池容量(kWh)や出力(kW)も任意に変えてシミュレーションできるので、経済性の高い組み合わせを見つけることができます。「蓄電池なし」「100kWh・50kWの電池あり」等複数パターンを試し、投資回収期間や電力削減額を比較すると良いでしょう。
需要パターンによっては、「昼間ピークが非常に高いが夜間需要は少ない」場合もあります。その際は蓄電池より太陽光で直接ピークを削減する方が有効です。一方「昼はそうでもないが夕方にピークが来る」施設では太陽光だけでは契約電力を下げにくく、蓄電池で夕方ピークカットする方が効果的です。特に日本の夏場は日中より夕方~夜にエアコンピークが来ることも多く、天候に左右される太陽光のみでは安定したデマンド削減が難しいため、蓄電池+デマンド制御の併用が推奨されています。
5.4 削減後のデマンド確認と基本料金削減効果
太陽光・蓄電池を導入すると、デマンド(需要電力)のカーブがどう変わるかをシミュレーション結果で確認できます。エネがえるBizの結果レポートでは、導入後の購入電力削減量や最大需要電力の低減効果が提示されます。例えば「最大需要電力が500kWから400kWに低減し、基本料金が20%下がって年間○百万円節約」という具合です。これはシミュレーション上で導入後のロードカーブを新たに作り出していることを意味します。
具体的には、元の30分デマンド値系列から太陽光自家消費分を差し引き、不足分は引き続き系統から購入し、さらに蓄電池があれば余剰で充電・ピーク時放電を反映した新たな30分値系列を計算しています。その新シリーズの最大値が「導入後のピーク需要」であり、導入前と比べ何kW下がったかが示されます。需要家にとってここが肝心で、例えば「契約電力500kW → 400kWに引き下げ可能」という試算が出れば、基本料金は大幅ダウンとなります。
ただし注意すべき点は、これはあくまでシミュレーション上の理想ケースだということです。シミュレーションでは晴天ベースで太陽光寄与を見積もりますが、現実には曇りや雨の日には太陽光出力が低下し、従来通りの電力購入が発生します。もしそのとき従来と同じピーク需要が出現してしまうと、契約電力は下がりません(基本料金は従来通り)。これを防ぐには蓄電池を保険として使う必要があります。悪天候時でも蓄電池放電でピークを抑え、常に一定値以下にデマンドをコントロールできれば、契約電力そのものを引き下げられます。
エネがえるBizの今後開発を想定している高度な使い方として、シミュレーション時に気象データを操作して曇天シナリオでのピークカットを検証する方法もあります。例えば「真夏の曇り日でも太陽光+蓄電池でピークを500kW→450kWに抑えられるか」を試し、結果次第で「基本料金50kW分下げられる見込み」と評価するイメージです。このように様々な条件下で設備の働きをチェックし、容量とコスト・効果のバランスを探るプロセスが容量最適化といえます。現場レベルでは「あと○kWh電池を増やせば万一の曇天でもピーク◯kW以下に収まる」など具体的な検討になり、それを裏付けるのが30分データというわけです。需要と供給の細かな噛み合わせを考えるほど、30分データの価値が発揮されます。
5.5 その他のTips(省エネ施策との組み合わせ・経済性評価など)
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季節変動への対応: 太陽光発電は夏に多く冬に少ないため、冬季のピーク対策には蓄電池や需要側調整も重要です。例えばヒートポンプ蓄熱システムで夜間に熱を蓄えて昼間の電力需要を減らすなど、需要そのものをシフトする工夫もあります。
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負荷削減との組み合わせ: 太陽光や蓄電池で賄う以前に、省エネで絶対需要量を減らせれば必要な設備容量自体を小さくできます。30分データから工場の稼働スケジュールを見直し、ピークカットに寄与する省エネ策(不要照明の消灯、空調設定温度の調整等)を盛り込むことで過剰な設備投資を防ぐことができます。
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経済性評価: 設備容量最適化には経済性の観点も不可欠です。エネがえるBizレポートでは初期コストと削減額から投資回収年数(単純償却年数)が算出されますが、容量を増やすと効果も増えるが費用も増えるためトレードオフになります。例えば蓄電池をもう1台追加すると回収期間が一気に長くなるなら、その手前の容量が適正規模と言えるでしょう。IRR(内部収益率)やNPV(正味現在価値)など高度な指標も本格案件では考慮しますが、提案段階では投資回収年数や長期キャッシュフロー、ROIがシンプルで伝わりやすいでしょう。
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実運用の計画: シミュレーションは全てがうまく働く前提ですが、実際には「蓄電池残量が不足してピーク時に放電できなかった」等の事態もあり得ます。理想を言えばEMS(エネルギーマネジメントシステム)を導入し、天気予報や負荷予測に基づいた蓄電池充放電スケジュールを組むのが望ましいです。ここまで踏み込むとデマンドデータとAI予測技術の融合領域になりますが(次章で触れます)、提案時にも運用面の工夫に言及しておくと、より現実的で信頼性の高い計画としてアピールできます。
参考:デマンドデータがなくてもシミュレーションできますか?業種別ロードカーブテンプレートはありますか? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
参考:エネがえるBiz 30分値デマンドデータ自動変換機能とは? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
6. デマンドデータにまつわる雑学・最新トレンド・将来展望
最後に、30分デマンドデータを取り巻く豆知識や最新動向、将来的な活用可能性について触れておきます。電力需要パターンのデータはエネルギー業界の様々な分野と関係しており、ロードマネジメント(負荷制御)や系統安定化、需給調整市場など大きな可能性を秘めています。
6.1 日本と海外の違い(雑学)
実は30分間隔で需要計測するのは日本やイギリス、オーストラリアなど一部で、15分間隔を採用する国も多く存在します。米国や欧州大陸の多くの地域では15分値でデマンドチャージを算定することが一般的です。この違いは電力量計の歴史的仕様や系統周波数(日本は50/60Hz混在、米欧は50Hz)の違いから来ているとも言われます。日本では昔から「30分最大需要」を契約電力の基準にしてきた経緯があり、スマートメーター時代になった今も30分単位が標準となっています。
ちなみにスマートメーターそのものはもっと細かいデータ(例えば瞬時電力値や1分ごとの積算値)も内部的には持っていますが、実務で扱うデマンド値は30分単位に集約されています。海外では15分値が主流のため、デマンドチャージ(需要料金)の単位時間が違うだけでなく、単位もkWでなくkVA(無効電力を含む見かけの電力)を使う地域もあります。例えば米国では力率低下による無効電力もペナルティ的に料金加算することがあります。こうした違いはありますが、原理は同じく「一定期間の平均最大需要」に基づく料金体系である点は共通です。
6.2 ロードマネジメントとデマンドレスポンス(DR)
ロードマネジメントとは需要家側で負荷を制御してピークシフトやピークカットを図ることです。30分デマンドデータはその評価指標として不可欠で、BEMS/FEMS(ビル/工場エネマネ)では過去データから目標デマンド値を設定し、リアルタイムに超過しそうになると自動で負荷遮断をかけたりします。例えば工場で空調負荷や蓄熱槽の稼働を調整し、最大需要を契約目標値以下に抑えることで基本料金を削減するといった手法です。
近年このロードマネジメントの延長としてデマンドレスポンス(DR)が注目されています。DRとは需要家が電力消費を一時的に増減させることで電力系統全体の需給バランス調整に協力する仕組みです。再生可能エネルギーの普及で供給変動が大きくなる中、需給バランスを保つために需要側も調整力(需給調整力)を提供することが期待されているのです。
具体的には、「電力逼迫時に事前契約に基づいて工場やビルが負荷を落とす(ネガワット供給)」「逆に余剰電力が余っている時にヒートポンプ等を稼働させて消費を増やす」といった協力を需要家が行います。これらはアグリゲーターと呼ばれる仲介事業者によって多数の需要家が束ねられ、数万~数十万kW規模の調整力として市場取引され始めています。日本でも2022年より需給調整市場が開設され、DRによる調整力が売買されつつあります。例えば東京エリアで2022年6月に需給ひっ迫注意報が出た際、DR要請により推定33万kWの需要抑制が行われたとの報告もあります。
当然ながら、このDR提供の基礎にも各需要家のデマンドデータが欠かせません。過去の30分値から「どの時間帯に何kW落とせるか」「通知から何分で応答可能か」といった需要家特性を分析し、調整力メニュー(契約内容)が作られます。デマンドデータはこうして自社の省エネツールに留まらずエネルギー市場のリソースとして活用される時代が始まりつつあります。
6.3 AIと需要予測(デマンド予知制御)
電力需要の予測は古くからのテーマですが、近年はAI(人工知能)の力で精度が飛躍的に向上しています。過去の30分値データと天気・気温、曜日などの情報を機械学習モデルに学習させ、翌日の需要カーブを予測するといった技術が実用化されています。需要家側でも、工場の操業計画や天気予報をもとに次週のピークを予測して蓄電池の充放電計画を事前に立てる(デマンド予知制御)ようなことが可能になってきています。
またAIは需要だけでなく太陽光発電量の予測にも活用され、両者を組み合わせて「明日は○時頃ピークだが太陽光出力が不足するから前夜から電池を満充電しておこう」等の高度な判断支援もできるようになります。エネがえるBizでも将来的に、蓄積した実デマンドデータをAI解析して、例えば最適な契約メニューの提案やEVの充放電スケジュール提案など、より洗練された提案ができないか検討しているようです。
国家レベルでも、スマートグリッドやVPP(仮想発電所)の文脈で需要側データのリアルタイム収集・解析が進んでおり、デマンドデータはビッグデータの一部としてAI・IoT技術によりエネルギー需給バランス最適化に寄与する方向です。例えば地域の家庭HEMSデータやEVの充放電データまで含めてエリア全体の需給をAIで制御するスマートシティの実証も始まっています。
6.4 需給調整市場と今後の電力ビジネス
前述のDRやVPPに関連しますが、日本の電力市場では調整力(バランシング)の重要性が増しています。2024年度からは容量市場や需給調整市場が本格稼働し、需要家側リソース(DRや蓄電池)がkW単位で価値を持つようになります。企業が自家消費型太陽光・蓄電池を導入する理由も、「電気代削減」だけでなく「BCP(非常時の自立電源)」「環境貢献」に加え、「余力を市場で売る」というビジネス視点が出てきました。
例えば蓄電池を導入して普段はピークシフトで基本料金を抑えつつ、緊急時(需給ひっ迫時)には系統へ放電して報酬を得る、といったモデルです。デマンドデータはこうした高度なエネルギー取引の実績評価やインセンティブ精算の基礎データにもなります。将来はブロックチェーン技術で需要抑制量をトラッキングし、需要家同士がピアツーピアで融通し合う世界も構想されています。いずれにせよ、需要を細かく計測・制御する仕組みが鍵となり、そのコアが30分デマンドデータと言えるでしょう。
6.5 まとめと展望
30分デマンドデータは単なる過去の電力使用履歴ですが、適切に解析すればエネルギーマネジメントの宝の山です。省エネや再エネ導入の最適化から、電力契約見直し、ひいてはエネルギー市場での新たな収益機会の創出までつながっています。
例えば自治体では公共施設群のデマンドデータを集約分析して、需要の谷間時間に新エネを導入したり、地域内の調整力を算定してレジリエンス強化に役立てる動きもあります。スマートシティでは家庭やEVのデータまで含めてエリア全体の需給バランスをAI制御する実証も始まっています。こうした未来に向けても、まず身近な自社設備の30分デマンドデータをしっかり活用することがスタートラインです。
本記事で紹介したようなデータ分析手法や提案テクニックを駆使して、現場での省エネ提案や再エネ導入提案の精度を高め、着実に電力コスト削減・CO₂削減の成果につなげていきましょう。30分デマンドデータを味方につければ、エネルギー管理のプロフェッショナルとして大きな付加価値を提供できるはずです。
参考:産業用オンサイトPPAシミュレーションが月50パターン以上可能に エネがえるBiz導入事例 IBeeT
参考:自家消費提案件数月50件に増加しほぼ受注につながっている エネがえるBiz導入事例 サンライフコーポレーション
参考:エクソル、産業用自家消費API導入で太陽光シミュレーション時間を3時間から5分へ大幅短縮 〜複数パターン提案で顧客満足度向上〜
参考:「エネがえるAPI」でシミュレーション結果のばらつきを解消、ネクストエナジーが導入
参考:他社シミュレーターでは営業が使いこなせず蓄電池提案もできないためエネがえるBizに乗り換え エネがえるBiz導入事例 電巧社
参考:自治体向け自家消費提案に2週間かけていたシミュレーションが1日で完了 エネがえるBiz導入事例 アイネック
参考:デマンドデータがなくてもシミュレーションできますか?業種別ロードカーブテンプレートはありますか? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
参考:エネがえるBiz 30分値デマンドデータ自動変換機能とは? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
参考:エネがえるBizプロダクトツアー 自家消費型太陽光の試算(デマンドデータ有り)
参考:エネがえるBizプロダクトツアー 自家消費型太陽光+蓄電池併設の試算(デマンドデータ有り)
参考:エネがえるBizプロダクトツアー 自家消費型太陽光の試算(デマンドデータ無し)
参考文献・資料:
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エコめがねエネルギーBLOG: 「30分デマンド値とは?入手方法は?」
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国際航業 エネがえるBiz ブログ: 「30分デマンドデータの解析・活用ガイド」(2025年4月7日公開)
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Qiita: 「産業用自家消費型太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションAPI 高圧電力対応APIについて」樋口悟 (2024)
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エネがえるFAQ: 「30分値デマンドデータ自動変換機能とは?」、「30分デマンド値(kW)を電力量(kWh)に変換する計算式は?」
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その他社内ナレッジ・業界資料(デマンドデータ最適化アルゴリズム、需給調整市場報告 等)
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