太陽光PPAの提案では、需要家の支払と設備保有者の受取・費用を分けて比較します。エネがえるの電力収支に、契約価格、課金対象量、費用負担、期間などを接続し、二者の年次収支を外部Excelで整理する手順を解説。退去、改修による停止、契約終了後の譲渡などの確認項目も掲載しています。契約解釈や税務の判断と、試算の条件設定は分けて確認する必要があります。
PPA提案は、需要家と設備保有者の収支を別々に見る
発電量や自家消費量が同じでも、設備を所有するかPPAで利用するかで支払先と収益の帰属は変わります。エネがえるで求めた電力収支に契約条件を接続し、二者の年次収支を分けて作ります。

- 需要家側:導入後の買電費と契約上のPPA料金を確認する。
- 運営者側:PPA売上、設備費、保守・交換費などを契約に合わせて整理する。
- 双方のPPA料金を、同じ期間・課金量・単価で照合する。
基準となる電力収支を先に固定する
地域・需要・設備・料金・対象期間を共通にし、PVなし、PVのみ、PV+蓄電池などを比較します。PPAの課金が自家消費量・発電量・最低購入量のどれにかかるのかを確認してから、収支表へ渡します。買電料金の削減額は導入前後の料金差を使い、請求総額÷kWhを無条件に掛けません。
二者に計上する項目
| 項目 | 需要家 | 設備保有・運営者 |
|---|---|---|
| PPA料金 | 契約上の課金量×単価を支払 | 同じ期間・量・単価の売上 |
| 系統買電費 | 導入後の買電費を負担 | 契約により別途確認 |
| 設備費・保守・交換 | 契約上の負担があれば計上 | 所有・運営上の負担を計上 |
| 売電・環境価値 | 権利が帰属する場合のみ | 権利が帰属する場合のみ |
| 屋根賃料 | 屋根所有者として受け取る場合あり | 借主として支払う場合あり |
二者間のPPA料金や屋根賃料は、一方の支出と他方の収入です。社会全体の便益として両方を足しません。また、EPCの工事利益と設備保有者の投資収支は別です。
外部Excelで調整する条件
- PPA単価と改定条件、契約期間、余剰売電先、最低購入条件
- 設備費、補助金、保守・保険・交換・撤去・残価
- 屋根賃料、環境価値の売買・帰属、追加サービス費
- 借入額・利率・返済・自己資金。事業CFと自己資金CFは別表示
- 税区分と採用する税前提。正式な税務判断は担当者へ確認
見せる指標を相手に合わせる
需要家には、導入前後の期間総負担・年次の手残り・契約上の制約を示します。保有者には、事業CF、NPV、必要に応じIRR・自己資金回収を示します。回収しない案は「期間内に回収せず」と表示します。IRRは符号変化によって解がない・複数となるため、単独で順位を決めません。
需要・容量を変えたら再診断
電力収支が変わらない範囲の単価・費用変更は外部CFで比較できます。需要、設備容量、運転、料金体系が変わる場合は元の試算を更新します。入力条件Excelを編集しただけで、取込CSVや診断結果まで自動更新されるとは限りません。更新関係を手順書に明記します。
オフサイトはコーポレートPPAへ切り分ける
エネがえるコーポレートPPAは、複数需要施設・発電施設、固定・市場連動の料金、小売側の原価・粗利を扱う製品です。オンサイトの電力収支に外部CFを足す方法だけに限定せず、用途に応じて選びます。個別の託送・精算・環境価値・契約条項がどの設定に対応するかは確認が必要です。小売粗利と設備保有者の長期投資CFは別の指標です。
条件が変わったときの、5つの相談場面
次の例は、対応の進め方を示す想定相談例です。標準機能で自動対応することや、納品済みの実績を意味しません。元資料と対象範囲を確認してから方法を決めます。
| 相談が生まれる場面 | 確認・試算の進め方 | 先にそろえる条件 |
|---|---|---|
| テナント退去で、PPA需要が減る可能性が出た | 需要減少案を再試算し、契約別の二者収支へ接続する | 最低購入量や違約条件は契約担当へ確認 |
| PPA終了後に設備を引き取る案を比較したい | 譲渡年・対価・保守負担を外部収支で整理する | 譲渡条件・税務・性能を確認せず残価を創作しない |
| 屋根改修とPPA稼働が重なり、停止費用を相談された | 発電停止期間と負担先を条件別に整理する | 保証・補償義務は契約解釈と切り分ける |
| PPAの提示単価が2社で違い、安さだけでは判断できない | 対象電力量・費用・期間・環境価値をそろえて比較する | 含まれない費用と証書の帰属を確認 |
| 短期賃貸の施設に、長期PPAを提案することになった | 賃貸期間とPPA期間、退出案を分けて比較する | 契約承継や中途解約の可否は専門担当へ確認 |
入力・運用の根拠を確認する
公式ページの確認日:2026年10月3日。個別機器、料金、契約プラン、利用権限によって対象範囲は異なります。
よくある質問
PPAの需要家と事業者の収支は同じですか?
同じではありません。需要家の支払と事業者の受取は照合しつつ、設備費、保守費、屋根賃料、借入、税などの帰属を別々に整理します。
借入や独自契約の条件も標準試算に含まれますか?
追加のキャッシュフローは別途設計する項目があります。電力収支を基準に、契約と費用の条件を外部収支表で整理し、標準機能との分担を確認します。
需要や設備容量を変更したらどうしますか?
エネがえるの診断を再実行して電力収支を更新します。その後に契約上の課金量と二者収支を再計算します。
オンサイトとオフサイトPPAは同じ手順ですか?
対象範囲を分けて確認します。オンサイトはBiz等、複数の需要・発電施設や小売粗利を扱う場合はコーポレートPPAを検討します。個別契約の適合確認が必要です。
代表案件1件で、使える範囲を確かめる
相談時は、下記の項目を分かる範囲でお知らせください。まず対象範囲と不足資料を整理し、標準操作で進めるか、前処理・帳票調整・個別開発が必要かを確認します。費用・納期・回数は対象資料と成果物を確認してお見積りします。
- 相談したいこと:需要家・設備保有者の二者収支と契約条件
- 対象物件・契約数・設備/現状の試算方法
- 手元にある資料と不足している資料
- 必要な成果物・利用する担当者・希望時期
- 比較したい案と、導入判断に必要な条件
