「投資回収期間10分算出ツール」を活用した自家消費型太陽光EPC拡販戦略のすべて

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国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。お仕事・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

産業用自家消費
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目次

「ROI 10分算出」で勝つ!自家消費型太陽光EPC拡販戦略のすべて

30秒で読める要約

産業用自家消費型太陽光・蓄電池市場は急成長中だが、EPC事業者は営業効率の低迷や人材不足に直面している。一方、導入検討企業の約7割が初期段階から具体的なROI(投資対効果)数値を求めており、従来の提案プロセスではこのニーズに対応できていない。

本記事ではエネがえるBizの新機能「投資対効果・回収期間自動計算」を核に、わずか10分でROIを算出・提案できる体制を構築し、「スピード×具体性」で競合他社と差別化する戦略を解説。経営・営業・マーケティング・オペレーション・人材・キャッシュフローの各面から体系的なアプローチを提示し、成約率向上とビジネス拡大を実現するロードマップを示す。

産業用自家消費型太陽光市場の現状と課題

近年、産業用の自家消費型太陽光発電・蓄電池市場は急速に拡大しています。FIT制度の終了による売電価格低下と電力料金の高騰を背景に、企業は「電気は買うより作る」方向へ舵を切り始めました。実際、産業用太陽光発電市場は年率約10%もの成長が見込まれており、2022年から2023年にかけて導入件数が約2倍に増加したとの報告もあります。こうした追い風の中、EPC(設計・調達・施工)事業者にとってはビジネス拡大の絶好機ですが、その反面競合も激化し、経営効率や営業手法の革新が求められる局面です。

しかし多くのEPC事業者は現在、以下のような課題に直面しています。

  • 営業効率の低迷:提案準備や顧客からの変更依頼の対応に時間がかかりすぎ、商談サイクルが長引いている。従来は詳細なシミュレーションや提案書の作成に数日〜数週間を要し、スピードで劣勢になりがちです。実際ある施工店では、「電気代削減額のリアルな試算が困難」「提案資料の作成に3~4日かかる」「提案資料が十分緻密でなく説得力に欠ける」といった問題を抱えていました。

  • 人材リソース不足:太陽光・蓄電池の専門知識を持つ人材や営業経験者が限られ、提案の質と量を両立しにくい。専門スタッフが一つひとつ手作業で試算していては、とても急増する引き合いに対応できません。

  • マーケティングノウハウ不足:新規顧客を開拓するためのマーケティングが手探り状態で、他社との差別化ポイントを十分打ち出せていない。特に太陽光の導入効果(ROI)を分かりやすく伝える工夫が不足しています。

  • キャッシュフローへの不安:案件獲得の遅れや失注が重なると売上計画に狂いが生じ、設備投資や下請け支払いに支障をきたす恐れがあります。営業効率の悪さは機会損失だけでなく、資金繰りの不安定さにも直結します。

一方で、顧客である産業用需要家(製造業工場や物流施設など)の意思決定プロセスも変化しています。導入検討企業の約7割が初期段階から具体的な数値データ(経済効果)を求めており、初回提案では「補助金・税制優遇情報」(52.3%)や「電力コスト削減額・投資回収の目安」(50.5%)といった項目が重視されています。

しかも「多少時間がかかっても最初から詳細な経済効果見積もりを提示してほしい」という企業が61.3%に上り、迅速さ(34.2%)より精度と具体性を求める声が強いのです。その理由は「リスクを最小化して判断したい」(45.6%)「投資回収期間や削減額を明確に把握したい」(44.1%)といった慎重かつ合理的な姿勢にあります。

実際、「ある程度正確な数値がないと社内で議題に上げづらい」と感じる担当者も半数以上(53.2%)にのぼります。要するに、顧客は初期段階からROI(投資対効果)や回収期間といった核心的な指標の提示を望んでおり、それがないと社内稟議すら進まないということです。

以上のように、「スピード」と「具体的な根拠提示」の両立がEPC営業における生命線となっています。

ここで登場したのが、産業用太陽光・蓄電池シミュレーションツール「エネがえるBiz」の最新アップデート、新機能「投資対効果・投資回収期間の自動計算」です。このクラウドサービスは元々、需要家の30分電力デマンドデータさえあれば最短5分で自家消費太陽光+蓄電池導入の経済効果を診断できる手軽さが特長でした。また業種別ロードカーブテンプレートも豊富に用意されているため、もしデマンドデータが入手できない場合でもサクッと簡易試算をその場で提示することも可能で全国各地のEPCやシェアTOPクラスの大手サブコンや有名EPC事業者がこぞって採用しています。

そして2025年2月のアップデートにより、わずか10分程度でグラフ付きの詳細レポート(ROIや年間削減額、投資回収年数を網羅)を自動生成する革新的機能が追加されたのです。実質的に「10分でROI算出と提案書化」が可能となり、太陽光提案業務における圧倒的な速度と信頼性を実現しました。

この新機能は、売り手・買い手双方のニーズに応えるゲームチェンジャーと言えます。EPC事業者は競合他社に先駆けてこれを活用することで、「10分でROI試算→即提案」という他にない価値提供が可能となり、提案の成約率向上営業効率飛躍的改善が期待できます。

本記事では、エネがえるBizのこの新機能を核に据え、EPC事業者の拡販戦略を経営・営業・マーケティング・オペレーション・人材・キャッシュフローの観点から体系立てて提案します。

システム思考で各施策を有機的に結びつけ、ラテラル思考で従来にない創造的アプローチも取り入れます。単なる机上の空論ではなく、現場で即使える具体策と活用モデルを織り交ぜ、経営幹部や営業責任者が「これは使える!」と社内外に共有したくなるような読み応えある内容を目指します。それでは、各戦略の詳細を見ていきましょう。

 

経営戦略:ROI迅速提案を経営の中核に据える

経営層としてまず取り組むべきは、10分でROI算出→提案書作成」という強みを自社の提供価値の中核に位置付ける」方針転換です。市場環境が追い風とはいえ、従来型の提案プロセスでは成長率10%超の市場で勝ち抜くことは困難です。

そこで、エネがえるBizの新機能をフル活用し、迅速かつ科学的根拠に基づく提案を経営戦略上の差別化ポイントに掲げます。

具体的には、経営ビジョンやミッションステートメントに「科学的データに裏付けされたソリューション提供」「最速の提案スピードでお客様の課題を解決」といったキーワードを織り込み、社内外に宣言します。

トップ自らがこの方針を示すことで、組織全体がデータ重視・スピード重視の文化へとシフトします。システム思考的に見れば、経営のコミットメントが営業現場の行動指針となり、さらにそれが顧客からの信頼獲得受注増につながり、結果的に経営目標(売上・利益)の達成に貢献するという好循環が生まれます。

また、経営資源の配分においても思い切った決断が求められます。限られた人員や予算を従来の属人的な提案作業より、デジタルツール導入と活用推進に振り向けましょう。エネがえるBizは月額定額で診断回数無制限のSaaS型サービスであり、投資対効果は非常に高いです。

例えば、これまで提案準備に3日かかっていたものが同ツールの活用で半日以下になれば、人件費換算で大幅なコスト削減になりますし、捻出された時間でさらに営業案件を増やせるため売上機会も拡大します。実際、ある企業ではエネがえる導入後に案資料作成時間が従来の3~4日から1~2日へ短縮し、提案の質向上と相まって受注率が30%から40%にアップしたとの報告があります。経営者として、このようなROIに優れるツールへの投資は積極的に推進すべきでしょう。

ブランド戦略の面でも、この強みを前面に押し出します。「10分でROI提示」をキャッチコピーに据え、自社のウェブサイトや会社案内、プレスリリース等でアピールします。他社が真似できない圧倒的なスピードと信頼性を訴求することで、市場でのポジショニングを「提案力No.1のEPC」として確立できます。

エネがえるBiz自体が官公庁自治体や大手有名メーカーや大手専業商社、大手EPC含む全国700社以上に採用され信頼を得ているツール(診断実績年15万件超)である点も合わせて伝えれば、自社の提案手法の客観的な信頼性も補強できます。経営トップ自らが業界セミナーやカンファレンスで「我が社は最新テクノロジーで10分提案を実現しています」と発信すれば、イノベーターとしての企業イメージ向上にもつながるでしょう。

さらにシステム思考で考えるなら、経営戦略と他の戦略領域との連携が重要です。例えば、経営がスピード提案を重視する姿勢を示すことで、営業戦略では「初回訪問で即概算提示、翌日詳細提案」といった具体的プロセス改善が促されます。

同時にマーケティング戦略では「無料クイック診断キャンペーン」を打ち出しやすくなり、オペレーション戦略ではツール活用を前提とした業務標準化が進みます。

人材戦略にも「デジタル営業ができる人材の育成・採用」という明確な方向性が生まれ、キャッシュフロー戦略では高速PDCAによる案件獲得数増加→売上増→資金余力拡大という成果が期待できます。このように、経営トップの意思決定を起点とした各戦略の連動こそが、真に強固な拡販体制を築く鍵となるのです。

最後に、経営層自らがKPIを設定して進捗をモニタリングしましょう。例えば「エネがえるBizを使った提案件数を月○件以上」「初回提案までのリードタイム○日以内」「提案成約率○%以上」などの指標を掲げ、毎週レビューします。

エネがえるBiz導入企業の成功事例はこちら

ツール活用が組織に根付き成果を上げているかを定期的にチェックし、ボトルネックがあればリソース配分や方針を修正します。経営戦略レベルでのハンズオンな関与により、現場は「トップがここまで重視している」と感じて一層本気で取り組むようになります。

以上のように、経営戦略として「ROI迅速提案」を企業DNAに組み込むことで、競争優位の源泉を築くことができます。次章では、具体的に現場の営業プロセスでこの強みをどう活かすかを見ていきましょう。

営業戦略:10分ROIシミュレーションによる顧客提案革命

営業現場では、エネがえるBizの「投資対効果・回収期間自動計算機能」をフル活用し、提案プロセスそのものを再設計します。ポイントは、「スピード×具体性」で顧客の心を掴み、競合に差をつけることです。

太陽光発電導入検討企業の約7割が「初期段階から具体的数値」を要望 〜初回提案の精度と迅速性のバランスが導入意欲を高めるカギ!

初期アプローチの高速化と質的向上

従来、産業用PVの営業では顧客から電力使用データや設置条件をヒアリングした後、社内で数日かけてシミュレーションを行い、見積書や提案書を作成してから再訪問…という流れが一般的でした。これでは初回提案だけで2~3週間要することも珍しくなく、その間に顧客の関心が薄れたり、競合他社に先を越されたりするリスクがありました。

エネがえるBiz導入後はこの常識を覆します。顧客との最初の商談の場で、その場で概算シミュレーション結果を提示することすら可能です。

例えば事前にヒアリングシートや電力デマンドデータ(30分値)を提供してもらっていれば、訪問前にツールへ入力しわずか10分でグラフ付きの詳細レポートを出力可能です。訪問時には既にROIや年間削減額、長期キャッシュフロー(収支)、投資回収年数などの試算結果が手元に揃っている状態になります。

※レポートサンプル:

 

早ければ初回面談の席で、「太陽光○kW+蓄電池○kWhを導入すると年間○万円の電力コスト削減、ROIは△%、投資回収は約◯年です」と具体的な数字を提示できます。このスピードとデータ根拠には、顧客も驚きと安心感を覚えるでしょう。

前述の調査でも、多くの企業担当者が「初期提案である程度正確な数値が示されないと社内検討を進めにくい」と回答しています。そのハードルをいきなりクリアできるわけです。

実際の営業シナリオを描いてみましょう。

ある製造工場の経営者との商談の場合、事前に電気使用実績を入手しエネがえるBizで試算、提案資料(Excelレポート)を自動生成して臨みます。その場でタブレットやノートPCにレポートを表示し、「こちらがシミュレーション結果です」と見せれば、グラフで自家消費率や削減額の推移が一目瞭然です。

例えばピークシフトによる需要契約低減効果などもビジュアルに示せます。さらに「では蓄電池容量を増やすとどうなるか見てみましょう」とその場でパラメータを変更し再計算すれば、数分で新たな結果が出ます。

顧客は自分の目の前でプラン比較が行われる様子を見て、提案内容に対する納得感と信頼感を深めるでしょう。従来は次回提案まで持ち帰り検討だった「What-If」シナリオの検証を、その場でインタラクティブにできるわけです。このようなリアルタイム対話型の提案は、従来の静的な提案書では得られない説得力を持ちます。

こうした迅速かつ詳細な提案手法は、競合他社との差別化にも直結します。

一般的な業者が「見積作成に1〜2週間お時間ください」と言っている間に、こちらは「翌日までに詳細な経済効果レポートをご提示できますと約束できるのです。顧客にとっては圧倒的なレスポンスの良さであり、「この会社は対応が早く、信用できる」と好印象を与えます。

営業担当者にとっても、短時間で次々と提案に移れるため商談機会の最大化が図れます。ある事例では、シミュレーション時間を従来の2週間から1日程度に大幅短縮したことで、より多くの案件に対応できビジネスチャンスを逃さず掴めるようになったといいます。速度が上がれば量も質も担保できる好例です。>

成約率の向上と顧客志向提案

営業戦略の究極的な目的は成約率(受注率)の向上です。エネがえるBiz活用によるスピード提案は、単に早いだけでなく成約率アップにも明確に寄与します。理由は大きく二つあります。

1つ目は提案内容の信頼性・具体性です。前述の通り、多くの顧客は「詳細な経済効果データ」が提示されることを望んでおり、それが導入判断を後押しします。

エネがえるBizのレポートには、初期投資額に対する年間電気代削減額、CO2削減量、さらには補助金適用後の試算や耐用年数内の累積キャッシュフローなど、意思決定に必要な情報が網羅されています。

これらをエビデンスとして示すことで、顧客社内の稟議や決裁も通りやすくなるでしょう。「具体的な数値がないと判断できない」という社風の企業であっても、これならば検討テーブルに乗せやすくなります。

ある調査では、オンラインシミュレーションなどを活用し限られた初期情報から具体的試算を迅速に示し、後から精度を高めていくアプローチが顧客社内の検討プロセスを円滑にし、導入意欲を高める鍵だと指摘されています。まさにエネがえるBizを使った提案はこの路線であり、その結果意思決定のスピードアップ→成約率向上につながると考えられます。

2つ目の理由は提案の質そのものが向上することです。エネがえるBizによって提案準備時間が短縮されると、営業担当者は浮いた時間を顧客ニーズの深掘り提案ストーリーの工夫に充てることができます。

ただ速いだけでなく、顧客ごとの課題に即した提案に磨き上げる余裕が生まれるのです。例えば「電力基本料金の削減」に関心が高い工場にはデマンドピークカット効果を強調し、「BCP対策」に関心がある倉庫には蓄電池による非常用電源確保を訴求する、といったカスタマイズが可能です。

エネがえるBizのレポートには24時間365日分の需要と発電・蓄電シミュレーションデータが含まれるため、ピーク時間帯の削減幅や停電時稼働可能時間など、関心事に応じた切り口で説明できます。その結果、提案が画一的なものから顧客ごとに刺さる提案へと進化し、受注率向上に直結します。

さらに、エネがえるBizのレポートは提案書としてそのまま使えるクオリティである点も見逃せません。あるユーザーは「レポートの質が高く、そのまま提案資料として使用できて非常に助かる」とコメントしています。

グラフや表が整然と配置されたExcelレポートは説得力があり、営業はゼロから資料を作り込む手間を大幅に省けます。レポートを軸に説明し、不足する定性的情報(会社の強みや施工体制など)だけ口頭や補足資料で補えば良いので、提案準備の抜け漏れも減り品質が均一化します。資料作成ミスによる信頼低下のリスクも無くなるでしょう。提案の標準化が進めば、属人的な「提案が上手い・下手」のばらつきも小さくなり、組織全体の成約率底上げにつながります。

さらにエネがえるBPOを組み合わせれば、繁忙期や大量の試算、試算前の設計などの面倒な業務をエネがえるチームが代行することも可能です。

参考:太陽光・蓄電池 設計代行・経済効果試算代行・教育研修代行「エネがえるBPO」とは? 

案件パイプライン最適化とフォロー営業

エネがえるBizを営業戦略に組み込むことで、案件パイプライン管理にも新たな視点が生まれます。従来、営業マンの勘や経験に頼っていた「見込み案件の優先度付け」も、ROIデータを基に合理化できます。例えばシミュレーション結果から投資回収が極端に長期(ROIが低い)案件が判明した場合、無理に受注しても顧客満足につながらない恐れがあります。

そうした案件には早めに対策(設備容量の見直しや補助金活用提案)を打つ、場合によっては案件選別(フィルタリング)も検討します。一方、ROIが良好で顧客の導入メリットが大きい案件には営業資源を重点投入し、逃さず契約に結びつけます。

ツールのおかげで案件ごとの温度感を定量的に把握できるため、確度の高い案件にフォーカスした効率的な営業活動が可能になります。

また、導入提案後のフォロー営業にもこのツールは有効です。提案後すぐに契約とならなくても、例えば電力料金の改定や新たな補助金制度が発表されたタイミングで、再度エネがえるBizで試算し直して最新情報を提供します。「先日の提案ですが、燃料調整費の単価上昇を反映するとROIがさらに改善し○%になりました」と連絡すれば、顧客の再検討を促せます。

あるいは年度末に「来年度の補助金Aを使うと初期費用が○百万円下がる見込みです」というアップデート提案も良いでしょう。

定期的なシミュレーションのアップデートは、営業から顧客への価値提供を継続することになり、信頼関係の維持・強化につながります。エネがえるBizは使い放題ですから、こうしたフォロー用途にも遠慮なく何度でも活用できます。結果として、「あの会社は提案後もいろいろ気にかけて最新情報をくれる」という評価を得て将来の案件や紹介につながるでしょう。

以上、営業戦略では「迅速かつ精緻な提案」「顧客志向の提案カスタマイズ」「データに基づく案件管理」の三位一体で成果創出を狙います。エネがえるBizを得た営業現場は、単なるツール活用に留まらず提案スタイルそのものが進化します。それはマーケティングやオペレーションの領域にも波及効果をもたらすため、次節ではマーケティング戦略の観点からこの新機能活用について考察します。

マーケティング戦略:10分ROIを武器にリード獲得と信用力向上

営業とマーケティングは車の両輪です。エネがえるBizの高速ROI算出機能は、マーケティング活動においても強力な武器となります。ここでは、新規リード獲得からブランディングまで、マーケティング戦略への応用策を具体的に示します。

リードジェネレーションにおける「クイック診断」活用

まず新規顧客の獲得(リードジェネレーション)段階では、10分クイック診断サービスを前面に打ち出します。具体的には、自社のウェブサイトや展示会ブースで「無料であなたの工場に最適な太陽光発電プランのROIを算出します!」と訴求します。

見込み客は興味を持てば電力使用データや基本情報を提供してくれるでしょう。その場でエネがえるBizに入力し、素早くシミュレーション結果のサマリーをフィードバックします。「年間○万円の節約可能見込み」「予想CO2削減量○トン」などの簡易レポートを即日メール送付するのも良いでしょう。

これにより、見込み客は自社のメリットを具体的数字で把握でき、導入検討の土台に乗りやすくなります。前述の調査では、産業用PV導入検討企業の66.7%が提案初期から具体的な数値を求めるといいます。この要求にマーケティング段階で応えることで、「まず他社より先に信頼を勝ち取る」ことが可能です。

例えばオンライン広告やメールマーケティングでも、「電気代削減額を今すぐシミュレーション!」といったCTA(行動喚起)を設置し、簡易入力フォームからエネがえるBizを用いた診断につなげます。ユーザーはデータを入れるだけで試算レポートが得られるため、資料請求や問い合わせよりハードルが低く、多くの潜在客を顕在化させることができます。

獲得したリードには営業がフォローし、本格提案へつなげます。このようにマーケティング段階からエネがえるBizのROIシミュレーションを提供する手法は、単なる興味喚起ではなく具体的検討フェーズに一歩踏み込ませる効果があり、リードの質(成約見込み度合い)を高めます。

コンテンツマーケティングと教育的アプローチ

また、マーケティングの基本であるコンテンツマーケティングにもエネがえるBizのデータを活用できます。

例えば、自社ブログやホワイトペーパーで「太陽光・蓄電池導入の投資対効果分析レポート」と題し、業種別のROI平均値や回収期間の分布などを紹介します。(※実際にエネがえるは環境省など官公庁自治体でのパターン別自家消費効果分析等のプロジェクトでも採用されています)

これは自社が蓄積したシミュレーションデータを匿名加工して集計すれば作成可能です。

実際、大企業経営者の約6割が「誰でも簡単にできる太陽光発電の経済効果シミュレーション」に関心を示しているとの調査結果もあり、具体的数値データを含む情報提供は潜在顧客の関心を強く引きつけます。例えば「製造業では平均で5年程度の回収期間、倉庫業ではピーク電力削減効果によりROIが他業種より10%高い」等、エデュケーショナルな内容を発信すれば、「なるほど、うちの場合はどうだろう?」と読者に考えさせるきっかけになります。そこで最後に「弊社の無料シミュレーションで貴社の場合のROIを算出できます」と誘導すれば、リード獲得と教育を同時に達成できます。

また、ケーススタディ(導入事例)の発信も重要です。

エネがえるBizで算出したデータを活用し、実際の導入プロジェクトがどのような成果を上げたかをストーリー化します。例えば「○○工場:年間電力コスト20%削減、投資回収6年を実現」など具体的な数字入りのタイトルで事例記事や動画を作成します。

中では、初期に提示したROIシミュレーション通りの成果が出ており、当初懐疑的だった社内稟議もデータ裏付けのおかげでスムーズに通過した、など顧客の声を交えると説得力が増します。

シミュレーション結果と実績を照らし合わせ、「ほぼシミュレーション通りの効果が出ている」ことを示せれば、ツールとそれを使いこなす自社への信頼感を高められます。事例は営業資料にもなりますし、ウェビナーで顧客を招いて語ってもらうような展開も考えられます。

信頼性・権威付けとリファーラル効果

マーケティング戦略では、自社の信頼性(オーソリティ)を高める施策として第三者機関や業界団体との協調も有効でしょう。

例えばエネがえるBizのシミュレーション精度は業界内でも高い評価を得ていますが、それを補強するため「経済効果シミュレーション保証」サービスをアピールします。

これはエネがえる運営元が提供している保証制度で、シミュレーション結果に基づき一定期間の発電量や効果を保証するものです。自社がその保証付きシミュレーションを採用していると明言すれば、顧客は「万一計画通りの効果が出なければ補償がある」と安心できます。マーケティング資料に「第三者検証済みシミュレーションツール採用」などと記載し、権威づけを行います。

さらに、既存顧客からの口コミ(リファーラル)を促進する施策にもつながります。エネがえるBizを用いた提案は顧客社内でも話題になりやすく、「○○社はすごく詳しいデータをすぐ出してくれたよ」といった声が広まれば、それ自体がマーケティング効果を持ちます。

提案のスピードと緻密さに感動した顧客に「御社の業界のお知り合いにもぜひこのサービスをご紹介ください」と依頼すれば、自然な形で紹介案件が期待できます。

紹介キャンペーンとして、既存顧客が他社を紹介し成約に至った場合の特典(例えば保守サービス無料期間延長等)を提供するのも良策です。エネがえるBizによる高解像度提案は、それ自体が口コミになり得る”驚き”を提供するため、他社紹介のネタとして顧客も共有しやすいのです。「圧倒的な解像度と実用性」が口コミを呼ぶという狙い通りの展開になります。

デジタルマーケティングと見込み客管理

デジタルマーケティング面では、エネがえるBizにはAPI連携機能もあるため、自社サイトにシミュレーション簡易版を埋め込むことも可能かもしれません。例えばトップページに「簡易見積を試す」というフォームを設置し、顧客が業種や電力使用量を入力すると概算の削減額やROIがその場で表示される、といったインタラクティブコンテンツを提供できます。

これによりサイト訪問者のエンゲージメントを高めつつ、具体的数値提示によって問い合わせへの後押しもできます。入力データは見込み客情報として蓄積し、営業が後日詳しい提案を持って連絡する、といったリードナーチャリング施策にも繋げられます。

また、CRMやMA(マーケティングオートメーション)と組み合わせて、見込み客の関心度をスコアリングすることも考えられます。例えばWeb上でシミュレーションを試した回数、受け取ったレポート閲覧状況などをトラッキングし、関心度合いの高い見込み客を抽出して優先フォローします。エネがえるBizで生成したレポートにはユニークな提案IDを振るなどして、誰にどの内容を提示したか管理すれば、後日のコミュニケーションもスムーズになります。

総じて、マーケティング戦略では「ROIシミュレーションの民主化」をテーマに掲げ、潜在顧客が気軽に経済効果を知れる環境を提供することが肝要です。これは単にリードを増やすだけでなく、「顧客企業内で誰もが経済効果シミュレーションできる環境が整うことが設置計画の推進に役立つ」という指摘にも合致します。EPCがその環境を提供するパートナーとなれば、顧客からも信頼され選ばれる存在となるでしょう。

マーケティングと営業が連携し、「興味喚起 → 教育 → 試算提示 → フォロー」という一連の流れでエネがえるBizを駆使すれば、見込み客の心を掴み離さず成約まで導けます。次章では、これらフロント業務を裏で支えるオペレーション戦略について考えてみます。

オペレーション戦略:ツール前提の業務プロセス最適化

エネがえるBizによる提案高速化を最大限に活かすには、社内の業務オペレーションをそれに合わせて再構築する必要があります。ここでは、提案業務の標準化からクロス機能連携まで、効率的かつミスのないオペレーション戦略を紹介します。

提案業務フローの標準化とシステム統合

まず着手すべきは、提案作成フローの標準化です。エネがえるBizを導入したものの、従来と同じ手順(個々の営業がバラバラにExcelや自前計算していたなど)のままでは効果が半減します。そこで、問い合わせ〜提案〜クロージングまでのプロセスを見直し、ツール前提で最適化します。

具体的には、提案準備の手順書を作成し、「顧客基本情報を営業支援担当がCRMに登録→デマンドデータ入手→標準テンプレートに沿ってエネがえるBizに入力→自動生成レポートを営業担当と共有→内容チェック後、提案資料として活用」といった一連の流れを明文化します。

こうすることで、誰が担当しても一定品質の提案書が同じスピードで出力される体制が整います。熟練者でなくてもツール操作さえできれば同レベルの結果が出るため、業務の属人化を排除できます。

一方で、データ入力ミスや見落としを防ぐためのダブルチェック工程も組み込みます。例えば上長や技術担当がレポートの重要項目(想定設置容量や補助金の適用有無等)を確認してから顧客提出するといった具合です。それでも従来より圧倒的に短時間で済むため、スピード感は損ないません。

また、他システムとのデータ連携も検討します。エネがえるBizはCSVインポートが可能なので、他の発電量シミュレーターや入手済30分値データと組み合わせれば二重入力の手間を省けます。

さらに、出力されたレポートExcelを社内サーバーやクラウドストレージで一元管理し、誰でも過去提案にアクセスできるようにすればナレッジ共有も進みます(この点は後述の人材戦略にも関連します)。要は、エネがえるBizを業務フローに深く埋め込むことで、ツールの利点を最大化するわけです。

工程短縮とクロスチーム連携

次に、営業・技術・施工チーム間の連携強化です。オペレーション戦略では、システム思考で社内の各機能をつないで効率を上げます。エネがえるBizで出力されるレポートには、提案時点の想定とはいえかなり詳細なデータが含まれます。

例えば一日の発電プロフィールや消費電力への寄与、導入容量あたりの効果など、施工設計チームにも有用な情報が多く盛り込まれています。営業段階でそれらが明らかになっていることで、技術・施工側はより精度の高い初期プランを描けます。

通常、概算提案から正式設計に進む際にギャップが生じがちですが、エネがえるBizのデータをベースにすれば両者の乖離を小さくできます。例えば発電シミュレーション値は保証値に近い水準で得られるため、設備容量の積算や機器選定の精度が上がります。現場調査前でもシミュレーション上で日照や負荷特性に合わせた最適構成の検討が進められるため、設計工程の効率化にもつながります。

また、顧客との契約交渉にもオペレーション改善の余地があります。エネがえるBizの精緻なデータを活かし、顧客と施工範囲や性能保証について合意形成しやすくなります。たとえば、「年間発電量○○kWhを下回った場合は補填します」というような性能保証契約を提示する際、エネがえるBizの試算値をベースにすれば妥当なライン設定が可能です。

これはリスクヘッジでもあり顧客安心材料にもなります。ファイナンス支援においても同様で、銀行やリース会社に提出する事業計画書にエネがえるBizのROIデータを含めれば、数字の裏付けが強固になります。資金調達面で顧客を後押しできれば、結果的に契約成立→着工までスムーズに運び、自社の売上計上も早まるでしょう。

オペレーション戦略上の細かな工夫としては複数案件の同時進行管理も挙げられます。提案スピードが飛躍的に上がると、一人の営業が扱う案件数が増える傾向にあります。

そこで社内で案件管理ミーティングの頻度を上げ、エネがえるBizのレポートを関係部署と共有しながら進捗を確認します。営業、設計、財務などが同じデータを見て「この案件は補助金申請が必要」「こちらはパネル在庫の確保急務」等、先読み連携することで、後工程(設計・施工・調達)の前倒し準備が可能になります。

これによりプロジェクト全体のリードタイム短縮と、キャッシュインの早期化(キャッシュフロー戦略に寄与)も期待できます。

品質管理と継続的改善

業務プロセスをデジタルツールに依存させる際、品質管理の仕組みも不可欠です。エネがえるBiz自体の計算精度は信頼できますが、入力データの品質や運用ルールによって結果の活きる度合いは変わります。そこで、例えば「シミュレーション結果検証会」を定期開催し、提案時に使った前提条件と実際の施工後実績を突き合わせてレビューします。

もし乖離が大きかった場合は原因を分析し、次回提案時にパラメータ調整や注意事項に反映します。幸い、エネがえるBizは過去シミュレーション結果も蓄積できるので、履歴データを活かしてこうした継続的改善(KAIZEN)を図ります。例えば「工場Aでは生産ライン休止日が想定と異なり予想より自家消費率が低下した」などが分かれば、今後類似案件では初期ヒアリングで稼働スケジュール確認を徹底する、といった対策がとれます。このように実績フィードバックループを回すことで、ツール活用オペレーションの精度はますます高まります。

エネがえる 太陽光発電量を基準とした経済効果シミュレーション保証サービス(オプション)サービス資料 

さらに、ツール活用状況のモニタリング指標も設定します。例えば「週次でエネがえるBizによるシミュレーション実施件数」「提案から契約までの日数」などを追いかけ、組織横断で共有します。

これによりボトルネックとなっているプロセスや、活用が進んでいない部門を発見できます。もし特定の営業チームで活用率が低ければ、その原因(研修不足なのか、ツールに不慣れなのか等)を洗い出し手当てします。逆にうまく活用して成果を上げているチームがあれば、そのベストプラクティスを水平展開します。データ駆動の業務管理により、組織全体で均質なオペレーション品質を維持できます。

オペレーション戦略を支えるのは、人であり組織です。次章では、人材の獲得・育成・活用という観点から、エネがえるBizを軸にした戦略を検討してみましょう。

人材獲得・活用戦略:デジタル時代の営業人材育成と組織力強化

優れたツールも使いこなす人材なくして宝の持ち腐れです。ここでは、エネがえるBizを活用することで人材面でどのような戦略的メリットが得られるか、そしてそれを最大化するための施策を述べます。

採用ブランディングと人材獲得

まず採用の面で、エネがえるBizを導入していること自体が「デジタル活用先進企業」としてのアピール材料になります。近年の若手人材、とりわけデジタルネイティブ世代は、業務にテクノロジーが積極活用される環境を好む傾向があります。

求人情報や会社説明会で「最新のシミュレーションツールを駆使し、データに基づいた提案営業をしています」とPRすれば、「効率の悪い飛び込み営業や属人的ノウハウに頼る古い会社ではない」と好印象を与えられます。

実際、内定者から「御社は業界の中でIT活用が進んでいる点に魅力を感じました」という声が出るかもしれません。これは人材獲得競争において有利に働きます。

また、採用のターゲット層も広がります。これまで太陽光業界経験者や電気工事士資格者などを主に求めていた場合でも、エネがえるBizがあれば未経験者でも一定期間で戦力化できるため、異業種の優秀な営業人材を採用しやすくなります。

例えばITソリューション営業や金融商品の営業出身者で、データ分析に明るく論理的提案が得意な人材を採用し、ツールの使い方と業界基礎知識だけトレーニングすれば早期に活躍できるでしょう。

実際、エネがえるBizのUIは直感的で入力項目も絞り込まれており、新人でも短期間で習得可能です。入力項目の最小化自動計算による人的ミス排除といった設計思想により、従来高度な専門知識が必要だったシミュレーション作業が平易になっています。このため、「業界知識は不問、ITリテラシー重視」といった採用基準も打ち出せ、人材プールを大きく広げることができます。

新人教育と早期戦力化

採用した新人や配置転換で太陽光営業に加わった社員に対しては、エネがえるBizを活用した体系的な研修プログラムを構築します。ただ座学で商品知識を詰め込むのではなく、実際にツールを使いながら学ぶことで理解が深まり定着も早まります。

研修の初期段階では、太陽光発電や蓄電池の基本概念(発電量と負荷の関係、売電と自家消費の違いなど)を教えますが、その際にもエネがえるBizを使ったシミュレーションを演習に取り入れます。例えば「モデル工場のデータを使って、PV容量を変化させた時の自家消費率の変化をシミュレーションし、その結果から適切な容量提案を考えてみよう」などです。数字の裏付けを見ながら学べるため、理解が腹落ちしやすくなります。

太陽光・蓄電池 設計代行・経済効果試算代行・教育研修代行「エネがえるBPO」とは? 

次に、提案スキル研修ではロールプレイングとツール操作を組み合わせます。営業役と顧客役に分かれ、商談ヒアリングからリアルタイムでエネがえるBizに入力・試算し、その結果を元に提案トークを展開する、といった実践さながらの演習です。

これにより、新人は顧客との対話の中でツールを使いこなすトレーニングができます。上司やトレーナーが同席し、「ここでデマンドグラフを見せると効果的」などフィードバックすれば、より洗練された提案手法が身につきます。エネがえるBizは直感的なUIのおかげで操作ストレスが小さく、新人が商談中に扱っても戸惑いにくい利点があります。操作に気を取られず顧客とのコミュニケーションに集中できるため、研修段階から実戦さながらの緊張感でスキルを伸ばせます。

こうした研修プログラムにより、従来数ヶ月かかっていた一人前までの期間を大幅に短縮できるでしょう。ツールが知識面・作業面で新人をサポートするため、経験不足を補ってくれます。

実際、「新人教育への活用」はエネがえるBiz活用の有効なヒントの一つとして挙げられており、基本概念から実践提案スキルまで効率的に教育できることが示唆されています。早期に戦力化できれば、人材不足に悩む組織にとって大きな救いとなりますし、本人のモチベーションも向上します。成果が出せれば給与やインセンティブにも反映され、定着率アップにもつながるでしょう。

組織ナレッジの蓄積と共有

人材活用戦略として重要なのは、個々の知見を組織全体のナレッジとして蓄積する仕組みです。エネがえるBiz導入後は、提案に関するデータがすべてデジタル化されます。各営業が行ったシミュレーション結果や提案のポイント、成否の要因などを社内で共有することで、次の提案の質を高めるPDCAが回せます。

具体策の一つは社内データベースの構築です。エネがえるBizで作成した全シミュレーションの結果ファイルや、提案書に盛り込んだ内容、受注可否、受注した場合の実績効果などを関連づけて保存します。

これを検索・参照できるようにすれば、新しい案件に直面した営業担当者は過去の類似事例を容易に参照できます。例えば「食品工場 夜間操業あり 高圧契約」といった条件で検索すれば、過去に提案した案件のROIや採用したシステム構成が見つかり、提案の参考になります。これは属人的経験値を組織知化する取り組みであり、新人とベテランの差を埋める効果もあります。

また、ナレッジ共有の場づくりも有効です。定期的に営業会議で「提案成功事例発表」「失注事例の教訓共有」などを行い、エネがえるBizのデータを映しながら議論します。

例えば「この案件ではROI○%を提示したが予算が折り合わなかった。次回は設備容量を減らしてでもROIをもっと上げる提案も検討すべき」等、データがあるからこそ深まる議論が可能です。

さらに提案でよくある質問(例えば「太陽光は何年持つのか?」など)への模範回答や、シミュレーション結果の見せ方の工夫(グラフのここを指して説明すると理解が早い等)も共有すると、組織全体の提案力が底上げされます。

エネがえるBiz活用そのものについても、社内で「スーパーユーザー」を育成すると良いでしょう。ツールの機能を隅々まで把握し、他のメンバーからの問い合わせや活用相談に乗れるエキスパート役を設けます。

この担当者は新機能リリース時に情報収集し、社内マニュアルをアップデートしたり勉強会を開いたりします。

例えば今回のROI自動計算機能リリース時にも、そのエキスパートが率先して内容を理解し、全営業に対して「投資回収期間の算出ロジックが追加されました。提案時にはここの数字を特に強調しましょう」といった具合に周知します。ツール活用の社内コンサルタントを置くことで、せっかくの機能が埋もれずフル活用され続けます。

モチベーション向上と創造性発揮

人材活用という観点では、社員一人ひとりのモチベーションと創造性にも目を向ける必要があります。

エネがえるBizの導入によって単純作業が減り、本来エネルギーを注ぐべきクリエイティブな業務に時間を使えるようになります。心理学の研究でも、ルーチン作業の負荷軽減やストレス低減は創造性を高めると示されています。

提案書作成のための煩雑な計算やレイアウト調整から解放された営業担当者は、顧客の課題をじっくり考え新しい提案アイデアを練る余裕が生まれます。

例えば「蓄電池の使い方次第でさらにメリットを出せないか?」と発想し、複数の充放電パターンをシミュレーションして最適案を提案するなど、一歩踏み込んだ取り組みも可能になります。それが成功体験となれば本人のやりがいとなり、さらなる挑戦意欲を引き出すポジティブスパイラルが生まれます。

さらに、ツールを使いこなす中で社員から新たな提案が出てくることも期待できます。現場の声として「こういう分析ができればもっと説得力が増す」「顧客に見せる画面をタブレットで共有できると良い」など改善アイデアが上がれば、エネがえる運営側にフィードバックし将来の機能強化につなげることもできます。

自分達の意見が製品改良に寄与すれば、社員の当事者意識と誇りも育まれます。「我々は単にツールを使うユーザーではなく、業界を良くしていく共創者だ」という意識は、仕事のモチベーションを高めるでしょう。

最後に、人事評価制度にもこの戦略を組み込みます。エネがえるBiz活用を推進し成果を上げた社員を正当に評価・表彰します。例えば「ツール活用による提案件数トップ」「最短提案賞」など独自の表彰制度を設けるのも一案です。努力が認められ称賛されることで、社員のモチベーション維持・向上が図れます。

人材獲得・活用戦略を強化することは、ひいては顧客への提供価値向上事業成長の持続性につながります。最後に、これまでの施策全体が財務面にどのような効果をもたらすか、キャッシュフロー戦略の視点からまとめます。

キャッシュフロー戦略:受注加速と効率化による財務健全性向上

営業・マーケティング・オペレーション・人材各戦略を推進する究極の目的は、事業の収益性と財務基盤を強化することです。ここでは、エネがえるBiz中心の拡販戦略がキャッシュフローにどのような好影響を与えるかを整理し、健全な資金循環を生み出す戦略を述べます。

商談サイクル短縮による早期キャッシュイン

まず最も直接的な効果は、受注リードタイムの短縮に伴うキャッシュイン(現金収入)の早期化です。提案スピードが上がり成約率が高まれば、案件一つひとつの成約までの期間が圧縮され、単位期間あたりに成立する契約件数が増えます。

例えば従来は初コンタクトから契約まで平均3ヶ月かかっていたものが、迅速提案によって2ヶ月に短縮できれば、年間で受注回転率が向上し売上計上が前倒しされます。その結果、売上代金の入金サイクルも早まり、常に手元に十分な運転資金が流入する状態を作れます。キャッシュフロー計算書で言えば、営業キャッシュフローが安定してプラスを維持できるわけです。

具体例として、前述のようにエネがえるBiz活用で提案期間を2週間短縮したケースでは、同じ四半期内で2件だった成約が3件に増える可能性があります。1件あたりの売上が仮に5000万円だとすれば、四半期売上が1億円から1.5億円に増える計算です。

※実際に中小規模EPC事業者様でも経営戦略・営業戦略にエネがえるBizを組み込みオペレーションを徹底している企業では、こういった成功事例は相次いでいます。

もちろん現実には様々な要因がありますが、成約率10ポイント増提案期間1/3減といった実績からすれば、決して荒唐無稽な試算ではありません。売上増はそのまま将来のキャッシュ増に繋がります。

営業効率化による顧客獲得コスト低減

営業活動の効率化は顧客獲得コスト(CAC: Customer Acquisition Cost)の低減にも寄与します。エネがえるBiz導入には月額利用料等のコストがかかるものの、それによって営業の生産性が飛躍的に向上すれば、一件の契約獲得に要する費用(人件費・交通費等)は下がります。

例えば以前は5人月かけて年間10件の契約だったのが、同じリソースで15件獲得できるようになれば、1件あたり人件費が1/1.5=0.67倍になります。マーケティングコストも、効率的なコンテンツ施策やクイック診断によって成約率の高いリードが増えれば、無駄打ちが減りコストパフォーマンスが上がります。CACの改善は利益率向上につながり、結果的に手元に残るキャッシュが増えます。

また、提案プロセス標準化によりミスや手戻りが減ることもコスト低減要因です。誤った見積りで後から値引き対応をしたり、契約後に想定と異なる追加工事でコスト負担が発生したりするケースは、利益を圧迫しキャッシュ流出を招きます。

精度の高いシミュレーションに基づく提案で契約すれば、こうした不測のコストが生じにくくなります。施工段階でも計画通りに進み、追加費用や遅延ペナルティ等のリスクを抑えられるでしょう。まさに「安物買いの銭失い」ならぬ「安易な粗見積もりの利益失い」を避け、本来得られるべき利益を確保できます。

顧客価値最大化によるLTV向上

一方、顧客生涯価値(LTV: Lifetime Value)の向上も財務面で重要です。エネがえるBizを活用した提案は、顧客にとっての価値を高め、結果としてリピート受注や追加受注の可能性を広げます。

前述したように、提案後のフォローで追加提案を行ったり、シミュレーション更新で信頼関係を維持すれば、一度顧客になった企業との取引が継続・拡大しやすくなります。例えば第一工場へのPV設置が上手くいけば、第二工場・第三工場への展開や、将来的な増設・蓄電池追加といった案件を繰り返し受注できるでしょう。LTVが上がれば、一顧客当たりの収益が増加し、マーケティング・営業の初期投資を回収した後のフリーキャッシュフローが大きくなります。

さらに、信頼に基づく価格競争力も得られます。顧客が提示データに納得し信頼してくれている場合、多少価格が競合より高くても「この会社になら任せたい」と選んでくれることがあります。付加価値の高い提案は単なる価格勝負に陥りにくく、適正な利幅を確保できます。無理な値引きをしなくて済むため利益率が守られ、ひいてはキャッシュフローが健全に保たれます。

資金繰り安定と成長投資の余力

以上のような営業活動の成果改善により、営業キャッシュフローが潤沢になると、資金繰りの安定という大きなメリットがあります。EPC事業者は受注から工事完了・売上入金までタイムラグがあり、かつ設備調達や人件費の先行支出が発生しがちです。営業段階でキャッシュインが早く継続的に得られれば、このタイムラグを社内資金で十分カバーできます。銀行からの借入やオーバードラフトに頼る必要が減り、利息負担も軽減します。自己資金で回せることで、外部環境(金融情勢の変化等)の影響も受けにくくなります。

さらに、稼いだキャッシュを次の成長投資に振り向ける余力も生まれます。例えば営業所の新設や新地域進出、サービスラインナップ拡充(蓄電池リユース事業やPPA事業参入など)に投資できるかもしれません。社内的には人員増強や教育研修予算の拡大、ITシステム高度化などにも再投資できます。こうした前向き投資がさらに事業拡大を後押しし、またキャッシュを生むという成長のサイクルが回り始めます。

リスクマネジメントと可視化

キャッシュフロー戦略では、リスクマネジメントの観点で案件ポートフォリオの最適化も検討します。エネがえるBizのROI分析を活用し、利益率や資金回収期間の観点から案件ごとの優先度を決めるのは前述の通りですが、それを経営レベルで集計し、全案件の収支予測をモニタリングします。

どの月にどれだけのキャッシュ流入出が見込まれるか、シミュレーションデータに基づいて精緻に予測すれば、資金調達や支出計画に余裕をもって対処できます。資金繰り表やCF予測シートを常にアップデートし、必要に応じて金融機関とのコミュニケーションも早めに行います。提案精度が高いことで、この種の財務見通しも精度が増し、不測の資金ショートリスクを極小化できます。

また、案件ごとのROIを社内KPIに組み込むことも考えられます。例えば「平均提供ROI○%以上の案件構成にする」といった目標設定です。これは単に顧客にとってのROIですが、提供ROIが高い案件ほど自社の利益率も高くなる傾向があります(顧客メリットが大きいので適正価格で受注しやすいため)。

エネがえるBizでROIは容易に算出できるので、案件ポートフォリオ管理に活用し、収益性の高い案件に経営資源を集中する意思決定をサポートします。

最後に、経営陣や財務担当者にもエネがえるBizのサマリーを定期レポートします。例えば月次で「当月提案案件数○件、平均提案ROI△%、平均投資回収期間×年、成約見込額○億円」といったダッシュボードを提示すれば、営業現場の状況と将来の売上・CF見通しが可視化されます。これは社内だけでなく、親会社や投資家への説明資料としても活用でき、経営の透明性を高めます。科学的根拠に基づく予測値を示せれば、外部からの信頼も高まり、必要なときに資金調達が円滑に行えるといった利点も得られるでしょう。

以上、キャッシュフロー戦略の視点から、エネがえるBizを核とした拡販戦略が財務面にも好影響を及ぼすことを述べました。では最後に、本記事全体のまとめと今後の展望を記します。

まとめと展望:10分ROI時代におけるEPCビジネスの勝ち筋

本稿では、産業用自家消費型太陽光・蓄電池EPC事業者向けに、新機能「投資対効果・回収期間の自動計算」を核とした包括的な拡販戦略を提案してきました。

経営戦略では経営トップのコミットメントにより「10分でROI算出」の価値を企業DNAに組み込み、営業戦略では迅速かつ緻密な提案で顧客の意思決定を加速する手法を示しました。

マーケティング戦略ではクイック診断サービスやデータ発信によるリード獲得と信用醸成、オペレーション戦略では業務プロセスの標準化と部門連携による効率最大化、人材戦略ではデジタルツール活用を軸とした人材育成・採用優位性、キャッシュフロー戦略では受注加速による資金循環の好転と収益性向上を論じました。

いずれもエネがえるBizの画期的機能を中心に据えることで、従来の課題であった営業効率・人材不足・マーケ不足・資金不安といった懸念を体系的に解消するアプローチです。

改めて強調したいのは、これら戦略が相互に連関し合って全体最適をもたらすという点です。例えば営業力強化による受注増はキャッシュフローを潤し、その資金でさらなるマーケ投資や人材投資が可能となります。新人が育ち組織力が上がれば提案件数・質が向上し、ブランド評判も高まってまた受注が増えるでしょう。システム思考的に見れば、エネがえるBizを中心に据えた各施策が正のフィードバックループを形成し、EPC事業の成長エンジンとして機能するのです。

さらに、ラテラル思考を働かせれば今後の発展も見えてきます。10分でROI算出という現在のアドバンテージを起点に、将来的にはワンストップエネルギーソリューション企業への飛躍も可能です。

例えば蓄電池やEV、さらには需要家側のエネルギーマネジメントまで含めた総合提案にこのプラットフォームを拡張していけば、「エネルギーコスト最適化コンサルタント」として新たな収益モデルも築けるでしょう。また、顧客のカーボンニュートラル戦略立案をデータで支援するサービス展開など、提供価値の幅を広げる余地も十分あります。

その意味で、エネがえるBiz導入は単なる営業ツール導入ではなく、ビジネスモデル変革の第一歩とも位置付けられるのです。

最後に、本記事の内容を是非社内の経営幹部・営業幹部間で共有し、具体的なアクションプラン策定に役立てていただければ幸いです。

冒頭で触れたように、市場環境は追い風とはいえ競争は激化しています。今この時期に先手を打ち、科学的根拠に裏付けられた高速提案力を武器にするか否かで、今後数年間の成長軌道が大きく変わるでしょう。「10分でROI算出・提案書提出」という圧倒的な強みを活かし、御社が競合他社に一歩差をつけてマーケットリーダーへと躍進されることを期待しております。そのための方策として、本記事の戦略とモデルケースがお役に立てれば幸いです。

さあ、データとスピードを制する者が市場を制する時代です。エネがえるBizを味方につけ、是非貴社のビジネスを次のステージへジャンプさせてください。未来の成功は、既に10分後の提案書の中に芽吹いています。

参考文献・出典

  1. 産業用太陽光発電の今後に将来性はある!考えるべき選択肢を解説 | お役立ち情報 | 再生可能エネルギーを創り活用するエネルギーソリューション | オムロン ソーシアルソリューションズ

  2. 産業用太陽光発電の今後はどうなる?市場動向と投資チャンスを解説 – エネルギープラス

  3. 提案時間が1日に短縮・成約率30%から40%にアップ エネがえるASP ファミリー工房

  4. [独自レポートVol.27]太陽光発電導入検討企業の約7割が「初期段階から具体的数値」を要望 〜初回提案の精度と迅速性のバランスが導入意欲を高めるカギ!〜 | エネがえる総合ブログ – リサーチ | 商品・サービス | 国際航業株式会社

  5. エネがえるBizの紹介動画 – YouTube

  6. 太陽光 蓄電池の営業・提案支援ならエネがえる – YouTube

  7. 高圧設備向け太陽光・蓄電池導入検証ツール エネがえるBiz |サービス/ソフトウェア |商品・サービス|国際航業株式会社

  8. 太陽光 蓄電池シミュレーションの決定版「エネがえる」

  9. 産業用太陽光の自家消費シミュレーションが圧倒的に簡単になるメリットは?

  10. 2022年・2023年企業経営者の自家消費型太陽光に関する意識調査

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著者情報

国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。お仕事・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

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