
お話を伺った方
パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社 益子 慶一郎様、大橋 謙人様、神宮司 光洋様
業種
メーカー
EVを自宅で充電するライフスタイルが普及する中、多くのユーザーが充電に関する様々な疑問や不安を抱えています。そんな声に応え、パナソニックが開発したのが「おうちEV充電サービス」です。今回は、このサービスの立ち上げを主導したパナソニック株式会社 エレクトリックワークス社の益子さん、大橋さん、神宮司さんに、サービスの概要からAPI導入の裏側まで詳しく伺いました。
EVライフをトータルサポート
まず「おうちEV充電サービス」はどのようなサービスなのか教えてください。
「おうちEV充電サービス」は、EVユーザーの日常生活をトータルにサポートするスマートフォンアプリです。主に5つの機能を提供しています。
1つ目は「電気料金プランの最適化」機能です。ユーザーの電力使用パターンに応じて最も経済的な電気料金プランを提案します。実際に年間1万円以上の節約ができるケースも多いです。
2つ目は「充電管理」機能です。今年発売予定のIoT EVコンセント「Nature EV Switch」と連携すると、電気料金が安い時間帯に自動で充電を開始する設定ができます。電気料金の時間別単価をグラフで可視化し、最安値の時間帯に自動で充電時間帯を設定します。充電時間帯は緑色でハイライト表示されるので、一目で最適な充電タイミングであることがわかります。
3つ目は「マップ」機能です。全国の充電スポット情報の検索や、道中で充電スポットを意識したルート検索を行えます。
4つ目は「ポイント」機能です。アプリを利用することでポイントが貯まり、楽天ポイントやAmazonギフト、dポイントなどに交換できます。
そして5つ目が「EV購入・乗換シミュレーション」機能。これからEVの購入を検討している方向けに、ガソリン車からの乗り換え効果や現在の車の下取り価格をシミュレーションできます。
このサービスを開発しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
2026年にEVが本格普及するという予測に合わせて、ユーザーの不安や疑問を解消するサービスを提供したいと考えたのがきっかけです。EVの購入を検討している方や、すでに所有している方へのアンケート調査から、「電気代がいくらかかるのか」「いつ充電すればいいのか」といった疑問が多いことがわかりました。
また、私たち自身もEVユーザーの声を直接聞く中で、充電に関する不安を解消する必要性を強く感じていました。こうした課題を解決できるサービスを作りたいと思いました。
アプリとIoT EVコンセントはどのような関係なのでしょうか?
アプリとIoT EVコンセントは並行して開発を進めていました。アプリ単体でも電気料金プランの最適化や充電スポット検索など様々な機能を利用できますが、Nature(株)から今年発売予定のIoT EVコンセント「Nature EV Switch」と連携することで、機能がさらに広がります。
特に注目すべきは「充電管理」機能です。本機能のオフピーク充電により電気料金が安い時間帯のみ充電することが可能になり、電気代を大きく節約できます。コンセントありきではなく、「こういうサービスを提供したい」という思いがあって、それを実現するためにIoT-EVコンセントも開発していった形です。
エネがえるAPIの導入:裏側にある技術
アプリ開発にあたって、なぜエネがえるAPIを導入されたのですか?
最大の理由は「電気料金プランのシミュレーションをスムーズに提供するため」です。全国の電力会社の料金プランを自社で更新・管理しようとすると、手間もコストも膨大になります。パナソニック内の他部門でも同様の課題を抱えていて、その苦労を知っていたので、最初から外部サービスを導入しようと考えました。
エネがえるAPIの導入には、具体的には、2つの目的がありました。1つは電気料金単価のデータベースを正確に維持すること。もう1つはシミュレーション機能を提供することです。アプリ内には「充電管理設定」という機能があり、ここで電気料金の安い時間帯を自動で認識して充電するように設定できます。この機能を実現するためには、正確な電気料金単価情報が必要でした。
他社のAPIではなく、なぜエネがえるAPIを選んだのでしょうか?
いくつかのAPIを比較検討しましたが、エネがえるAPIを選んだ最大の理由は、電気料金プランのシミュレーション以外にも、将来的に活用できる機能が豊富だったことです。特にEV関連のシミュレーションや太陽光発電のシミュレーション機能は、今後の拡張性を考えたときに非常に魅力的でした。
また、他社と比較した際に、燃料調整費の考え方など、細かい部分での違いも確認しましたが、総合的に判断してエネがえるAPIが私たちのニーズに最も合っていると判断しました。パナソニック内でもエネがえるのサービスについての実績があったことも決め手になりました。
API導入のプロセスはどのように進められましたか?
比較検討から実際の契約まで、約半年ほどかかりました。まず技術的な検証として、エネがえるAPIと他社のAPIを比較し、それぞれの特性を確認しました。
最終的に設計段階でエネがえるAPIを採用することを決定し、契約から実装に移りました。大きな課題無くスムーズに進められたと思います。
アプリではどの機能でAPIを活用されていますか?
主に電気料金プランのシミュレーション機能と充電管理機能でAPIを活用しています。ユーザーが現在の電力使用状況を入力すると、最適なプランを提案するシミュレーション画面で活用しています。
また、充電管理機能では、電気料金の単価情報をAPIから取得し、単価が安い時間帯に充電するよう設定できるようにしています。このオフピーク充電により、ユーザーは効率的かつ経済的に充電できるようになります。
今後の展望:EVライフの可能性を広げる
今後のアプリの展開予定や機能拡充についてお聞かせください。
今後はEV関連の機能をさらに拡充していく予定です。特に太陽光発電との連携は重要だと考えています。太陽光で発電した電気をEVに充電すれば電気代がさらに安くなりますので、そういったシミュレーションも提供したいと思っています。
また、EVディーラーや販売店の方々にも営業ツールとして活用していただけるよう機能を拡充する構想もあります。EV分野はまだ知識が少ない営業マンも多いので、このアプリがサポートツールとして役立てば嬉しいですね。
最後に、読者やEVユーザーへのメッセージをお願いします。
「おうちEV充電サービス」は、EVをお持ちの方はもちろん、これから購入を検討されている方にもぜひ使っていただきたいアプリです。電気代の節約や安心して充電できる環境の構築など、日々の生活をより便利にする機能を提供しています。
今年にIoT EVコンセントも発売予定ですので、そちらと連携すれば、さらに便利にEVライフを楽しめます。完全無料で利用できますので、ぜひダウンロードして、新しいEVライフを体験してみてください。
アプリの主な5つの機能
- 「電気料金プランの最適化」機能:エネがえるAPIを活用し、最新の電気料金プランを比較・シミュレーション
- 「充電管理」機能:IoT EVコンセントと連携し、電気代の安い時間帯に自動充電(オフピーク充電)
- 「マップ」機能:外出先での充電スポットと充電ルートをすぐに検索可能
- 「ポイント」機能:アプリ利用でポイントが貯まり、楽天ポイントやdポイントなどに交換可能
- 「EV購入・乗換シミュレーション」機能:ガソリン車からEVへの乗り換え効果や現在の車の下取り価格をシミュレーション
\今すぐ体験してみよう!/
▶ App Store またはGoogle Playで「おうちEV充電サービス」と検索!
https://ouchiev.go.link/8uFNL
■「エネがえるAPI」とは
「エネがえるAPI」は、国際航業が提供するB2B SaaS型の電力・エネルギーシミュレーションサービスをAPI化し、電力・ガス会社、太陽光・蓄電池メーカー、商社、自治体などに提供するエネルギー診断特化型APIサービスです。
主な機能
1.電気料金・太陽光・蓄電池の経済効果診断(住宅用・産業用対応)
2.EV・EV充電器・V2Hの経済効果診断
3.電気料金プラン単価参照(全国100社・3,000プラン以上を月1回自動更新)
4.全国自治体のスマートエネルギー補助金情報参照(約2,000件の補助金情報を提供)
APIの詳細:https://www-v4.enegaeru.com/apidoc/api-general.html

エネがえるAPIが実現したパナソニックの「おうちEV充電サービス」
会社概要 パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社 事業内容 ライティング事業、電設資材事業、環境エネルギー事業、ソリューションエンジニアリング事業 サイト https://panasonic.co.jp/ew/