設計ソフトや外部データの太陽光発電量を、エネがえるの経済効果試算へ受け渡す際の確認項目を解説します。ACとDC、PCS通過前後、単位、時間粒度、適用済みの損失をそろえ、損失の二重計上を防ぐ手順を掲載。ASPの年間発電量とBizの時系列の使い分け、屋根改修や影・PCS更新で条件が変わる場合の検討も紹介します。構造安全や複雑な影の判定は別工程として確認します。
外部の発電量を、経済効果の試算へ正しく受け渡す
設計ソフトの発電量とエネがえるの結果が違うときは、まず「どこで測った電気か」をそろえます。パネルの直流出力、PCS通過後の交流出力、売電量は別の値です。

- 外部の発電量と、その算出条件を受け取る。
- AC/DC、単位、時間粒度・時刻、適用済みの損失を確認する。
- 取込後の値を照合し、同じ損失を二度適用しない。
図面・設計・経済性の分担
図面からの有効面積、モジュール配置、耐荷重、影、風雪、配線・離隔の確認は設計工程で行います。経済性の工程には、採用した容量・発電量・接続先を渡します。最大搭載量が最適投資量とは限らないため、配置可能な複数容量を需要と比較します。
受渡しデータに添える8項目
- 対象地点・対象年・気象データ
- PV直流容量kW・PCS交流容量kW
- 方位・傾斜・面別の割当
- 年間値か月別値か時系列か
- 出力地点:DC/AC/受電端等
- 変換・配線・影・雪・経年劣化の適用済み一覧
- ピークカット・出力抑制の適用済み条件
- 単位、時刻の開始/終了、タイムゾーン、欠損の扱い
ASPの年間発電量とBizの時系列を使い分ける
| 目的 | 方法 | 限界 |
|---|---|---|
| 年間発電量に合わせて住宅の概算 | ASPの年間発電量入力を公式FAQに沿って設定 | 年間量を合わせても独自の時間別形状は再現しない |
| 影や休業日と自家消費を照合 | 外部時系列をBiz指定形式へ変換し取込を検証 | 30分入力と1時間内部計算を区別する |
| 複数PCSの概算 | 公式FAQに沿い合計出力・平均効率等を設定 | 各PCSの割当や異なるクリッピングを詳細再現するものではない |
二重の損失を防ぐ
PCS通過後・ピークカット済みの年間発電量に、同じ変換効率やPCS上限を再度適用しないよう調整します。一方、補正を全て外してよいわけでもありません。採用する入力方式と機器構成を確認し、損失対応表で一つずつ担当する計算箇所を決めます。
積雪・日陰は、月別・1時間別の発電量で調整
エネがえるBizの「発電量ファイル作成」では、積雪地域に合わせて月別発電量を調整できます。12月・1月・2月を0、1月・2月だけ0にするなど、採用する積雪条件を明示して設定します。推計された365日・1時間ごとの発電量CSVを編集すれば、積雪・日陰の時間帯別の微調整も可能です。日陰ロスは基本設計係数(初期値0.85)の調整でも反映でき、周辺建物などの距離・高さ等を選択する簡易日陰ロス反映機能もβ版で提供中です。適用済みの損失を確認し、同じロスを重ねて反映しないようにしてください。窓面PVやペロブスカイトは、透過・温度・遮蔽・製品特性・実証値を必要に応じて専用モデルで扱います。従来パネルの名称だけを変更して性能を再現したとは扱いません。
長期収支は出力Excelで太陽光パネルの経年劣化率(初期値:年0.5%)、蓄電池の経年劣化率(初期値:年3.5%)、評価期間、補助金、電気代上昇率を調整できます。Bizの長期劣化・積雪・日陰の調整方法を見る。月別発電量の操作は発電量ファイル作成の公式FAQをご覧ください。
取込後に確認すること
- 取込前後の年間量・月別量が、丸めの範囲で一致する。
- 需要と発電の時刻がそろい、単位の取り違えがない。
- PCS上限、夜間発電、異常ピーク、欠損を確認。
- 基準案と補正案で自家消費・余剰・買電がどう変わるかを説明できる。
条件が変わったときの、5つの相談場面
次の例は、対応の進め方を示す想定相談例です。標準機能で自動対応することや、納品済みの実績を意味しません。元資料と対象範囲を確認してから方法を決めます。
| 相談が生まれる場面 | 確認・試算の進め方 | 先にそろえる条件 |
|---|---|---|
| 屋根改修を先にするか、太陽光を先にするか迷う | 施工順に応じた容量・停止・追加工事費を外部で整理する | 構造安全性や施工可否は設計者へ確認 |
| 影が増える隣接建物の建設計画が出た | 影解析の条件別発電量を同じ損失境界で受け渡す | 将来建物の寸法と外部解析精度は別途確認 |
| 古い太陽光の増設で、既存PCSも交換する | 既存・追加パネルとPCSの対応、停止期間を整理する | 混在設備の適合やPCS上限はメーカー・設計者確認 |
| 垂直壁面や新材料を、従来屋根と比べたい | 外部解析の発電量・設置面・損失をそろえて経済性へ接続する | 新材料・壁面を標準機能で無条件に再現できるとはしない |
| 災害後に実績発電量が落ち、提案値を再確認したい | 停止・故障・日射差を分け、期間が一致する原本を比較する | 差の原因や保証適用を計算だけで確定しない |
入力・運用の根拠を確認する
公式ページの確認日:2026年10月3日。個別機器、料金、契約プラン、利用権限によって対象範囲は異なります。
よくある質問
ACとDCの発電量を同じ値として使えますか?
同じ値として扱いません。パネルの直流出力とPCS通過後の交流出力は境界が異なります。変換効率や損失の適用箇所を確認して受け渡します。
年間発電量が一致すれば自家消費量も一致しますか?
一致するとは限りません。自家消費量は需要と発電の時間別の重なりにも左右されるため、年間値だけでなく時間粒度と時刻を確認します。
屋根面積や構造安全も自動で判定できますか?
屋根面積、構造安全、複雑な影の判定は設計側の別工程です。経済効果試算に使う条件は、設計者が確認した根拠とともに整理します。
外部発電量に損失が含まれる場合はどうしますか?
適用済みの損失を対応表に残します。同じ損失を入力や外部加工で重ねて適用しないよう、AC/DCとPCS制限を含めて確認します。
代表案件1件で、使える範囲を確かめる
相談時は、下記の項目を分かる範囲でお知らせください。まず対象範囲と不足資料を整理し、標準操作で進めるか、前処理・帳票調整・個別開発が必要かを確認します。費用・納期・回数は対象資料と成果物を確認してお見積りします。
- 相談したいこと:外部発電量の定義確認と取込検証
- 対象物件・契約数・設備/現状の試算方法
- 手元にある資料と不足している資料
- 必要な成果物・利用する担当者・希望時期
- 比較したい案と、導入判断に必要な条件
