
この記事の結論
月量を365日へ配る前に、営業日、休日、繁忙期、季節を明示します。
結論:稼働カレンダーは、月間使用量を365日×48コマへ配るための前提表です。月別kWhはロードカーブの「面積」を示しますが、休日、営業時間、繁忙期、夜間設備が分からなければ「形」は決まりません。実測がない案件では、推計条件を明示したModelledデータとして使い、投資判断前に実測30分値へ置き換えます。
目次
稼働カレンダーが決めるもの、決めないもの
| カレンダーで表現できること | カレンダーだけでは決まらないこと |
|---|---|
| 営業日、休業日、曜日、営業時間、シフト、季節休業、繁忙期 | 設備別の起動電力、実際の最大需要、突発停止、気温応答、工程変更 |
| 日類型ごとの相対的な需要の形 | 個社固有の30分実測値 |
| 月別kWhを日別・30分別へ配る重み | 蓄電池の最終容量、契約電力削減の保証 |
「工場」「店舗」という業種名だけでは不十分です。同じ工場でも、24時間連続、二交替、平日日中、季節操業で需要形状は変わります。業種より先に、設備が動く理由と時刻を聞きます。
カレンダーからカーブへ:3段階で作る
1. 年間カレンダーを日類型へ分ける
各日を、通常営業、短縮営業、休日、繁忙、設備停止など、少数の日類型へ分類します。祝日だけでなく、会社休日、棚卸し、学校休業、病院の外来・病棟、工場の定修を別に扱います。国民の祝日は年ごとに変わるため、固定された過去年表を流用せず、内閣府の公表値と顧客の営業カレンダーを確認します。

2. 日類型ごとに48コマの重みを作る
重みは絶対kWhではなく、1日の中でいつ使うかを示す比率です。営業時間、立上り、昼休み、閉店後、基礎負荷を反映し、日内合計を1へ正規化します。業種別形状は答えではなく初期仮説です。
日内重み[d,t] ≥ 0
Σ(t=1..48)日内重み[d,t] = 1
3. 月別kWhへ合わせて再正規化する
30分電力量[m,d,t]
= 月間電力量[m]
× 日別重み[m,d]
× 日内重み[d,t]
÷ 月内の全重み合計
30分平均電力[kW]
= 30分電力量[kWh] ÷ 0.5時間
= 2 × 30分電力量[kWh]
分解後は必ず月別合計へ戻し、元請求書と一致することを確認します。丸めは表示時だけにし、内部計算では十分な桁を保持します。
代表的な日類型テンプレート
| 用途 | 最初の仮説 | 必ず聞く例外 |
|---|---|---|
| オフィス | 平日日中+夜間基礎負荷 | テナント、空調予冷、在宅勤務、休日出勤 |
| 小売・飲食 | 開店前から閉店後まで | 冷凍冷蔵、仕込み、清掃、季節・曜日差 |
| 製造 | シフトと工程に合わせる | 連続炉、コンプレッサ、定修、受注変動 |
| 物流・冷凍倉庫 | 基礎負荷+入出荷時間 | 温度、デフロスト、休日も止まらない設備 |
| 学校 | 平日日中、長期休業を分離 | 部活動、給食、避難所、空調、土曜利用 |
| 病院・福祉 | 24時間基礎負荷+外来日中負荷 | 病棟、手術、厨房、給湯、非常設備 |
品質ゲート:使ってよい判断をデータで変える
- 365日17,520コマ。うるう年は366日17,568コマ
- 年月日、時刻、タイムゾーン、30分/60分粒度が一貫
- 月別・年間kWhが請求書と一致
- 欠損、重複、負値、未来日、時刻ずれがない
- 既知の休業、長期停止、夜間設備と矛盾しない
- 最大需要が請求書・BEMSの既知値から不自然に外れていない
- 仮想値を実測値と同じ列名・表示で扱わない
月量から作ったカーブは、太陽光容量の初回スクリーニングやデータ依頼の優先順位には使えます。契約電力、蓄電池出力、保証、最終投資判断は、実測30分値と設備情報へ置き換えてください。
無料テンプレートとエネがえるBizへの接続
業種別ロードカーブ・需要データExcelテンプレートでは、月別kWh、稼働日、営業時間、日類型を入力し、30分・60分CSVへ展開できます。生成値は仮説であり、案件固有の運転を確認してから使います。
電力会社CSV、BEMS、請求書、PDFの粒度や文字コードが揃わない場合は、データ整形・試算BPOで前提表、30分CSV、診断、監査を一続きにできます。大量案件や既存システム連携はAPIの入力仕様を先に確認します。
FAQ
2025年の休日表をそのまま翌年へ使えますか?
使いません。祝日、曜日、会社休日、設備停止が変わります。分析年の公式カレンダーと顧客の操業予定を使います。
月別kWhだけで最大需要kWを作れますか?
一意には作れません。仮想ピークを置くことはできますが、投資判断では請求書の最大需要、30分実測、設備容量で校正します。
AIでカーブを作れば実測は不要ですか?
不要にはなりません。AIは日類型や不足項目の整理には使えますが、欠けた操業実績を事実として生成できません。
最終結論:稼働カレンダーは「予測モデル」ではなく、需要仮説を誰でも修正できる形にする前提表です。月量の保存、日類型の根拠、実測への更新ルールまで揃って初めて、ロードカーブは営業資料から投資判断へ進めます。



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