お話を伺った方

株式会社ダイヘン 福田様

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メーカー

株式会社ダイヘンは、エネがえるBizの導入により、これまで3時間かかっていた太陽光・蓄電池シミュレーション業務を10分未満に短縮。この劇的な効率化によって、営業提案のスピードと質が飛躍的に向上しました。今回は、同社でエネがえるBizをご活用されている福田様にお話を伺いました。

EMS技術を強みに、蓄電池事業へ本格参入

ダイヘンが蓄電池事業に本格参入されたきっかけを教えてください。

当社は2023年頃から蓄電池システム事業が本格的に動き出しました。実は、蓄電池システム自体は2016年からVPP(バーチャルパワープラント)の実証で導入していましたが、本格的な事業化はここ1〜2年のことです。

当社は、もともと太陽光パワーコンディショナー製造を手掛けており、独自のエネルギーマネジメントシステム(EMS)「シナジーリンク」を開発していました。蓄電池システムはEMSなしには動かないため、その応用として蓄電池システム事業を始めたんです。

脱炭素経営に向けた企業活動が活発になり、自家消費型太陽光発電(自家消費)向け案件が増えています。自家消費では余剰電力が発生しますが、その活用とピークカットによる電気料金削減には、蓄電池が欠かせない存在になっています。

御社の蓄電池システムの特徴を教えてください。

最大の特徴はEMS付きであることです。他社にもEMS付きはありますが、当社独自の「シナジーリンク」による制御が強みです。停電時の電力供給用切り替え回路も組み込み、パッケージ化しています。

太陽光発電(PV)は基本的にコントロールせず、蓄電池のみをコントロールする点が他社との違いですね。現在はPVとの組み合わせシミュレーションにも対応できるようになっています。

主な顧客は工場で、ピークカット対策や電力料金削減、BCP(事業継続計画対応)が導入目的です。現在の主力製品は170kW・400kWh、800kWhを展開しています。他にも50kW・100kWh、200kWhの機種も展開しています。同じような値段帯で、容量は倍、出力は3倍以上の性能向上を実現しました。

顧客の反応はいかがですか。

工場のお客様からの引き合いは着実に増えています。電力料金の高騰もあって、自家消費と蓄電池の導入による経済効果がより明確になってきました。ただ、お客様の使い方によって効果が変わるため、まずはシミュレーションで条件に合うかどうかを確認し、最適な提案を探している状況です。

シミュレーション業務の重荷だった「3時間」と「複雑な3Dモデル」

以前使用されていたシミュレーションシステムではどのような課題がありましたか。

他社のシミュレーションを約2年間使用していましたが、3Dモデルの作成が非常に大変でした。パネルの配置、角度、影の設定など詳細な設定が必要で、モデル作成に約2時間、シミュレーション演算に1時間と、1件あたり合計3時間もかかっていました。

特に3Dモデルの設定が複雑で、パネルの配置や角度、影の影響まで細かく設定する必要がありました。モデル作成だけでなく、演算時間も相当かかっていたんです。

月10件程度のシミュレーション対応で手一杯の状況でした。さらに営業人数の減少もあり、業務効率化が急務となっていました。現在2名体制でシミュレーション業務を担当していますが、シミュレーション専門ではなく営業も兼務しているため、時間的な制約が大きな課題でした。

シミュレーション結果の活用方法はどうでしたか。

他社製品の時も、エネがえるBizと同様に、シミュレーション結果を自社の提案資料に転記して使用していました。結果自体は大体同じような内容が出るので、アウトプットから見ると大きな違いはありません。問題は、その結果を得るまでの工程が非効率だったということです。

エネがえるBizで実現した「劇的な時間短縮」と「提案力向上」

エネがえるBiz選定の決め手を教えてください。

トライアルを通じて「これは楽になりそうだ」と実感できたことが決め手でした。入力項目が大幅に簡素化されるのも魅力的でしたね。太陽光発電では方向と角度を入力するだけで済みます。

よく考えてみると、お客様の電気使用パターンや天気は毎年変動するため、そこまで細かい精度は必要ないんです。細かくやっても結果は外れることがあるので、実用性を重視しました。

実際の導入効果はいかがでしたか。

導入効果は劇的でした!シミュレーション時間が1件あたり10分未満に短縮され、従来の約95%の時間削減を実現しました。現在は2名体制で、年間100件を対応できています。

具体的には、データ転記まで含めても1時間程度で完了します。従来は3時間かかっていたものが1時間になったということですが、純粋なシミュレーション時間だけで見ると10分未満ですから、本当に劇的な改善です。

営業プロセスへの影響はいかがですか。

提案スピードが格段に向上しました。基本的に2週間以内、早ければ翌日には提案資料を作成できます。これは大きなアドバンテージですね。お客様をお待たせする時間が大幅に短縮されました。

エネがえるBizの場合、1日単位で棒グラフが出せるので、代表日でお客様に説明できます。視覚的にわかりやすく、お客様にとっても理解しやすい提案になっています。営業担当者も説明しやすいと言っていますね。

複数パターン対応で、より柔軟な顧客提案が可能に

処理速度向上により、提案の幅も広がったのでしょうか。

その通りです。1つの施設に対して複数パターンのシミュレーションが容易になりました。大容量の蓄電池では様々なカスタマイズが可能ですが、設定を変えて素早く試算できるため、お客様のニーズに応じたより詳細な提案ができています。

例えば、昼間に太陽光発電を全て蓄電池に充電して、夜間に決まった電力で放電するような特殊な運用パターンのシミュレーション依頼もあります。これはPPA(電力購入契約)がある工場に後から蓄電池を導入するケースで見られる要求です。こうした特殊なデマンドパターンの作成も、エネがえるBizなら短時間で対応できます。

DX推進と成長市場への戦略的投資

社内での導入はスムーズでしたか。

福田氏: 非常にスムーズでした。人員削減の中での効率化という明確な目的があり、社内のDX推進方針とも合致していたため、予算承認も問題ありませんでした。たまたま営業人数が減ってきたタイミングで、「効率化を図るなら今だ」ということで導入が決まりました。

もう1人の担当者も、最初に使い方を見て、すぐに理解していました。操作が直感的で習得しやすいのも良かった点です。

現在の受注状況はいかがですか。

すでに数件の受注を獲得しています。まだ納入までは完了していませんが、着実に案件が動いています。

これから徐々に数を増やしていく段階です。シミュレーション効率が向上したことで、より多くの案件に対応できる体制が整いました。

今後の事業展望をお聞かせください。

今後は3つの分野での成長を見込んでいます。

まず自家消費案件は長期的に成長が続くでしょう。電力料金の上昇に伴い、蓄電池のメリットがますます明確になっています。「蓄電池が安くなればなるほど、電力会社の電気料金が高くなれば高くなるほど市場が続き売れていく」という構造です。

次に太陽光併設FIP案件です。FITからFIPへの転換により、蓄電池を組み合わせた収益性向上が見込めます。長い目で見ると、この分野が大きく伸びると予想しています。

そして系統用蓄電池は今後5年程度の成長が見込まれます。導入の意思決定が自家消費より早く、市場の拡大を実感しています。「どちらかというと、系統用の方が意思決定が早い」という状況で、確実に市場が広がっています。

まとめ

株式会社ダイヘンの事例は、専門性の高い産業分野においても、適切なデジタルツールの導入によって劇的な業務改善が実現できることを示しています。人員削減という課題に直面しながらも、エネがえるBizの導入を通じて業務を効率化。これにより、より多くの顧客に最適な蓄電池ソリューションを迅速に提案できる体制を構築しました。

自家消費、FIP、そして系統用蓄電池という3つの分野での成長を見据えるダイヘン。エネがえるBizは、その成長戦略を支える重要なパートナーとして、再生可能エネルギー普及拡大という社会的使命の達成に貢献していくでしょう。

今後も同社の取り組みから目が離せません。

ダイヘン、蓄電池シミュレーション業務を劇的に効率化。3時間の作業がわずか10分に短縮!

株式会社ダイヘン 企業概要
会社名: 株式会社ダイヘン
所在地: 大阪市
事業内容: 各種変圧器、受変電設備、EMS「シナジーリンク」、蓄電池システムの製造・販売
サイト https://www.daihen.co.jp/

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