ガソリン代とEVの判断ガイド|2026年9月27日更新
年間のガソリン代が減っても、車両や充電器の差額を回収できるとは限りません。何と何を比べるかを先に決め、追加費用と毎年の差額をそろえます。いまの車を使い続ける案も比較対象です。
最初に、比較相手を決める
| 判断 | 比較する案 | 費用の入れ方 |
|---|---|---|
| 車の買い替え | 新しいガソリン車/HVとEV | 両案の車両購入・下取・設備・補助金をそろえる |
| 今の車を継続か | 今の車を維持する案とEV購入 | 既に払った購入費を再計上せず、今後の支出・売却を比較 |
| 充電器の追加 | 既存の充電手段と自宅充電 | 自宅化による充電費差と工事・会費等を比較 |
| V2H追加 | 同じEVでV2Hなし/あり | ガソリン削減は両案共通。V2H追加効果のみ評価 |
計算例:差額50万円、年間約6.2万円なら
年間1万km、170円/L、15km/L、コンセント側電費6km/kWh、電気31円/kWhと仮定。ガソリン費は約11万3,333円、EV充電費は約5万1,667円で、差額は約6万1,667円/年。EV側の初期増分が50万円なら単純回収は約8.1年です。
EVに年1万2,000円の追加固定費がある場合、年間差額は約4万9,667円、単純回収は約10.1年。予定保有期間が5年なら、この例では走行費差だけでは50万円を回収しません。残価・税・整備・金利等を含めて改めて比較します。
計算式を、単位から確かめる
ガソリン費=年間走行距離(km)÷実燃費(km/L)×税込ガソリン単価(円/L)
コンセント側で測った電費なら、EV充電費=年間走行距離(km)÷電費(km/kWh)×電気単価(円/kWh)。電池側の電費なら、分母を「電費×充電効率」にします。効率90%は0.90です。
カタログの交流電力量消費率や充電量から求めた実電費など、既に充電損失が含まれる値に、もう一度効率を掛けると二重計上です。入力値の測定範囲が不明なら、車両仕様書や測定方法を先に確認してください。
単純回収だけで決めない
単純回収年数=初期増分÷年間純削減額。年間純削減額が0以下なら、この式で正の回収年数は出ません。将来単価が変わる場合は年別差額を累計し、価格上昇率・割引率・設備更新を含む評価では別途キャッシュフローを作ります。
充電工事は配線距離、分電盤、契約容量、設置場所等で異なります。工事見積に電源増設や付帯工事が含まれるか確認してください。補助金は採択・対象設備・手続時期を確認する前に確定額として差し引かないでください。
見積依頼に添えるチェックリスト
- 年間走行距離と保有予定年数
- 比較するガソリン車/HVとEVの正式見積
- 自宅・職場・公衆充電の比率と実効単価
- 電源・配線・工事・月会費・契約電力増分
- 適用確認済み補助金と、補助金なしの比較
- 残価・保険・整備・金利・設備更新の扱い
まだ買い替えず節約する場合はガソリン代の節約ガイドへ。事業所に複数台を導入する場合は充電時間と施設需要を含む比較へ進めます。
よくある疑問
ガソリンが安くなってもEVは得ですか?
燃費・電費・充電単価と初期費用差で変わります。ガソリン150円/L、実燃費25km/Lなら6円/km。電費6km/kWhのEVは、コンセント側電費なら36円/kWhが走行費の境界です。固定費と購入費は別に加えます。
太陽光で充電すれば電気代は0円ですか?
購入電力は減りますが、売れたはずの電力の売電収入を失う場合があります。設備の導入費・保守費もあります。「余剰電力を売る案」と「EVに使う案」を同じ時間帯・電力量で比較してください。
V2Hを付ければガソリン代はさらに減りますか?
ガソリン代の削減は主にガソリン走行をEV走行に置き換える効果です。V2H追加分は、家庭への放電や太陽光活用の変化による効果から、損失・設備費などを引いて別に評価します。燃料費削減をEVとV2Hの両方へ計上しません。
公衆急速充電だけでも同じ計算ですか?
時間課金、会費、都度料金等がある場合は請求額と充電量から単価を求めます。出力表示×利用時間は、実際に車両へ充電された電力量と一致しない場合があります。自宅充電の例示単価をそのまま使わないでください。
同じ「50万円差」でも、何が入っているかで答えが変わる
比較表はEVとガソリン車/HVを横に置き、支払時点をそろえて作ります。EV価格だけから補助金を引き、比較車の値引きや下取りを無視すると、実際の追加支出が見えません。
| 時点 | EV案と比較車案でそろえるもの | 二重計上しやすいもの |
|---|---|---|
| 購入時 | 値引後車両価格・諸費用・現在の車の売却・設備工事・確定補助金 | 購入費を入れたうえでローン元本も足す |
| 毎年 | 燃料・充電・会費・税・保険・整備 | 会費込み充電単価と会費の再加算 |
| 途中 | 必要な設備更新・車両交換 | 見積に含まれた工事を再度追加 |
| 保有終了 | 売却収入・撤去費等 | 現在の下取りと将来残価の混同 |
残価が分からないときは、答えを一つにしない
ここでは年間1万km、170円/L、実燃費15km/L、電源側電費6km/kWh、充電31円/kWh、EVの年追加費用12,000円、初期差額50万円、5年保有を仮定します。5年間の運用差は約248,333円です。
| 5年後のEV−比較車の売却額差 | 初期差額・残価差込みのEV純便益 |
|---|---|
| −20万円 | 約−451,667円 |
| 0円 | 約−251,667円 |
| +20万円 | 約−51,667円 |
| +40万円 | 約+148,333円 |
これは残価の予測ではありません。買取査定や契約条件で確認すべき幅を見つけるための例です。残価を高く置くと採否が変わるなら、その根拠を確認してから購入判断に進みます。
今の車を使い続ける案を比較に入れる
既に支払った車両購入費は、今後の支出として再度計上しません。ただし「今売れば得られる金額」を無視するのも適切ではありません。継続保有と今売却する案で、これから発生する整備、車検、燃料、売却時期を比較します。
計算ツールには差額を入れます。EVの方が初期支出が少なければマイナスでも構いません。支払総額だけでなく、初年度に必要な現金も確認してください。販売提案で車両間の条件をそろえる場合はエネがえるEV TCO、個別資料の整理から依頼する場合は試算代行BPOが次の入口です。
このテーマの追加FAQ
EVが最初から安い場合も試算できる?
拡張ツールの初期差額には負数を入力できます。初期に安くても運用費が高ければ、年数とともに差が縮むことがあります。
補助金はいつ差し引く?
対象車・設備、申請条件、交付、支払時期を確認した条件で扱います。未確定なら補助金あり・なしを分け、現金が必要な時期も別に確認します。
利息と割引率は同じ?
借入利息は契約上の支出、割引率は将来の金額を現在の価値へ換算する仮定です。役割が違います。購入費と元本返済を二重に数えない比較表が必要です。
回収年数が保有期間を超えたら?
走行費差だけでは予定期間内に初期差額を埋めない計算です。残価やその他費用を加えて再確認します。費用以外の価値を理由に選ぶ場合も、差額を把握しておくと判断しやすくなります。
充電器とV2Hの工事費は同じ欄でよい?
合計額だけでも初期差額は計算できますが、見積比較では機器・施工・電源工事を分けます。V2HなしEVとの比較を作ると、V2H自体の追加効果を評価できます。
計算用データ・入力テンプレートを無料でダウンロード。実績データと仮定を区別して、相談や社内比較へ持ち込めます。
見積をそろえて、総保有コストを比較する
販売事業者の方は、車両・購入費・運用費・残価を整理するエネがえるEV TCOのデモをご相談ください。
資料整理や試算作業を依頼する場合は、BPOの支援範囲へ。これらは事業者向けのサービス案内です。
出典と、このページの数字の扱い
- 資源エネルギー庁「石油製品価格調査・調査の結果」:価格確認用の一次資料。このページとは別の公式掲載PDFで9月14日169.9円/Lを確認。より新しい値の有無の網羅確認は未完了。全国平均と個別店舗、週次値と年平均値を区別します。
- 国税庁「揮発油税等の特例税率の廃止について」:2025年12月31日の特例税率廃止を確認。2026年9月27日参照。
- 計算例・境界単価・感度表:本記事に明記した仮定と式から独自計算。市場予測・メーカー保証値・製品の正式診断結果ではありません。






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