地方自治体の屋根上PPA事業における応札数アップ戦略

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国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。環境省、トヨタ自働車、東京ガス、パナソニック、オムロン、シャープ、伊藤忠商事、東急不動産、ソフトバンク、村田製作所など大手企業や全国中小工務店、販売施工店など国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。再エネ設備導入効果シミュレーション及び再エネ関連事業の事業戦略・マーケティング・セールス・生成AIに関するエキスパート。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。Xアカウント:@satoruhiguchi。お仕事・新規事業・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

再エネPPA契約を象徴する3Dイラスト。中央の握手とPPA書類を軸に、左にソーラーパネルと風力タービン、右に送電鉄塔と上向き矢印、円マーク入りコインスタックを配置し、契約による電力供給と経済メリットを示す。
再エネPPA契約を象徴する3Dイラスト。中央の握手とPPA書類を軸に、左にソーラーパネルと風力タービン、右に送電鉄塔と上向き矢印、円マーク入りコインスタックを配置し、契約による電力供給と経済メリットを示す。

地方自治体の屋根上PPA事業における応札数アップ戦略

エネがえるを活用した自治体PPA事業支援の完全ガイド

地方自治体がカーボンニュートラルの実現に向けて取り組む中、公共施設への太陽光発電設備の導入は重要な施策となっています。特に初期投資を抑えられるPPA(Power Purchase Agreement)方式の採用が加速していますが、多くの自治体では応札事業者数の少なさという課題に直面しています。本稿では、エネがえる製品群を活用した地方自治体の屋根上PPA事業における応札数アップのための戦略具体的ノウハウを徹底解説します。

1. 地方自治体の屋根上PPA事業の現状と課題

1.1 屋根上PPA方式の基本概念

PPA(Power Purchase Agreement)とは、発電事業者が需要家の施設に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を需要家が購入する契約形態です。屋根上PPAは、公共施設の屋根を活用して太陽光発電設備を設置するモデルで、以下の特徴があります。

  • 初期投資不要:自治体側の初期投資やメンテナンス費用負担が不要

  • 予算平準化:電気料金として長期的に費用を平準化できる

  • リスク低減:設備の保守・運用リスクは発電事業者が負担

  • 環境貢献:再生可能エネルギーの導入によるCO2排出量削減

  • 防災機能強化:非常時の電源確保による施設のレジリエンス向上

環境省の「公共施設への再エネ導入 第一歩を踏み出す自治体の皆様へ」によれば、オンサイトPPAは「公共施設の屋根や公有地に事業者が太陽光発電設備を設置し、自治体は使用量に応じた電気料金を支払って、発電した電力を一般の電力系統を介さず直接使用するもの」と定義されています1

1.2 自治体PPA事業の現状

2023年以降、多くの自治体がPPA方式による太陽光発電設備の導入を進めています。愛媛県では「PPA方式による県有施設への太陽光発電設備等導入事業」8、吹田市では「令和7年度 PPA方式による公共施設への太陽光発電設備導入事業」9など、具体的な事例が増加しています。

こうした事業の多くは、公募型プロポーザル方式事業者を選定しており、技術提案、実施体制、実績、電気料金単価、地域貢献などの項目で総合的に評価されています。

1.3 直面する課題

しかし、多くの自治体PPA事業は以下の課題に直面しています:

  1. 応札事業者数の少なさ:事業者にとって採算性の判断が難しく、応札を躊躇するケースが多い

  2. 事業性評価の複雑さ:太陽光発電の導入効果を正確に試算することが困難

  3. 補助金情報の把握:活用可能な補助金の情報収集と適用が煩雑

  4. 専門知識の不足:自治体職員のPPA事業に関する専門知識が不足

  5. 仕様書・要件定義の不明確さ:事業者にとって提案しづらい仕様書になっているケース

これらの課題を解決し、応札数を増やすことが自治体のPPA事業成功の鍵となります。

2. エネがえる製品群の概要と機能

2.1 エネがえる製品ラインナップ

エネがえるは、太陽光・蓄電池の経済効果シミュレーションを提供する総合プラットフォームで、以下の製品ラインナップがあります:

  1. エネがえるASP:住宅用太陽光・オール電化・蓄電池経済効果シミュレーションツール

  2. エネがえるBiz:産業用自家消費型太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションツール

  3. エネがえるEV・V2H:住宅用EV・V2H・充電器・太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションツール

  4. エネがえるBPO/BPaaS:太陽光・蓄電池関連業務(レイアウト設計、経済効果試算、各種申請、教育研修、事務局運営)の代行

  5. エネがえるAPI:Webサイト連携、システム連携用API

これらのクラウド型のサービスは、太陽光発電や蓄電システムの導入効果を正確に試算し、提案書を自動生成する機能を持っています。国内700社以上の企業に導入されており、環境省、パナソニック、シャープ、オムロン、村田製作所、東京ガス、東邦ガス、大和ハウス工業、伊藤忠商事など大手電力会社や有名太陽光・蓄電システムメーカーはもちろん、北海道から沖縄まで全国の中小販売施工店や工事会社も多数活用しています5

 

2.2 自治体スマエネ補助金データAPIサービス

2025年3月に提供開始された「自治体スマエネ補助金データAPIサービス」は、全国約2,000件の補助金情報を月1回更新し、リアルタイムで参照できるRESTful APIです。地域別・設備別の検索機能を持ち、以下の用途で活用できます4

  • 太陽光・蓄電池販売企業の見積りシステムへの補助金情報組み込み

  • 電力・ガス会社の顧客向けWebサイトでの補助金シミュレーション提供

  • 地方自治体や官公庁との連携による補助金活用促進支援

対象となる設備カテゴリーは、家庭向け・事業者向け両方に対応しており、太陽光発電、蓄電池、高効率給湯機、充電設備、次世代自動車関連、次世代住宅・建築、断熱・窓改修、省エネ家電、EMS、燃料電池など多岐にわたります。

2.3 エネがえるAPIの特徴

エネがえるAPIは、太陽光発電・蓄電池の経済効果をシミュレーションするための技術基盤を提供します。2025年3月のアップデートでは、以下の機能が強化されました18

  1. データのリアルタイム性と精度向上:100社・3,000プランの電気料金データを毎月自動更新

  2. 複雑な料金体系への対応:時間帯別料金・市場連動プランなど

  3. 使いやすいAPI設計:REST APIによる柔軟なシステム連携

2.4 エネがえるBPO/BPaaSの概要

2025年春に提供開始予定の「エネがえるBPO/BPaaS」は、太陽光・蓄電池を中心とした再生可能エネルギー関連業務を代行するサービスです。シミュレーション代行、診断レポート作成、設計業務、補助金申請代行、METI系統連系申請代行、教育研修、施工・O&M(運用保守)までを包括的に提供します7

主なメリットは以下の通りです:

  • コスト削減:固定費を変動費に変えることができ、季節変動や人材不足に対応

  • 効率化:再エネ関連の複雑な業務をアウトソーシングし、業務効率を大幅に向上

  • 標準化:業務解像度の高いチームによる業務標準化

  • スケール対応:単発の依頼から大量案件、年間契約まで柔軟に対応

  • カスタマイズ可能:試算、レポート、設計内容を顧客ニーズに合わせて柔軟にカスタマイズ

参考:国際航業、エコリンクスと提携し、再エネ導入・提案業務を支援する 「エネがえるBPO/BPaaS」を提供開始 経済効果の試算・設計・補助金申請・教育研修を1件単発から丸ごと代行まで柔軟に提供 ~経済効果試算は1件10,000円から 最短1営業日でスピード納品~ | 国際航業株式会社

3. PPA事業の成功要因と応札数アップの重要性

3.1 応札数と事業成功の相関関係

自治体のPPA事業では、応札事業者数が多いほど、以下のメリットが生まれます:

  1. 競争原理の働き:複数事業者の競争により、提案内容の質が向上

  2. コスト最適化:競争によるPPA単価の適正化

  3. 技術革新の促進:差別化のための技術的工夫が生まれる

  4. リスク分散:多様な事業者の参入により、事業継続性が向上

某県のPPA事業では参加事業者数が2社8と記載されていますが、応札数が少ない場合、競争原理が働きにくく、提案内容の質や価格面で最適な条件を引き出せない可能性があります。

3.2 PPA事業者から見た参入障壁

PPA事業者が自治体案件への応札を躊躇する主な理由は以下の通りです:

  1. 事業性評価の困難さ:屋根の状態、日射量、電力需要など多くの不確定要素

  2. 契約期間の長さ:20年程度の長期契約によるリスク

  3. 行政手続きの煩雑さ:応札から契約までの手続きが複雑

  4. 補助金情報の不透明性:活用可能な補助金の把握が困難

  5. 施設特性の把握不足:公共施設の使用状況や将来計画の情報不足

これらの障壁を下げることが、応札数アップの鍵となります。

3.3 自治体側の準備不足

多くの自治体では、PPA事業に関する以下の準備が不足している場合があります:

  1. 仕様書の曖昧さ:具体的な要件が明確でない

  2. 施設情報の不足:屋根の構造、耐荷重、電気設備の状況などの情報不足

  3. 電力使用実績データの未整理:過去の電力使用量データが整理されていない

  4. 庁内の合意形成不足:関係部署間の連携が不十分

  5. 専門人材の不足:PPA事業を推進する専門知識を持った人材の不足

これらの課題を解決するためには、準備段階からの戦略的なアプローチが必要です。

4. エネがえる活用による応札数アップ戦略

4.1 戦略的アプローチの全体像

エネがえる製品群を活用した地方自治体の屋根上PPA事業における応札数アップ戦略の全体像は以下の通りです:

  1. 情報の透明化と標準化:エネがえるAPIを活用した情報提供

  2. 事業性評価の精緻化:エネがえるBizによる経済効果シミュレーション

  3. 補助金情報の一元化:自治体スマエネ補助金データAPIの活用

  4. 業務負担の軽減:エネがえるBPOによる業務代行

  5. 多様な提案の促進:EV・V2Hなど付加価値提案の支援

4.2 情報の透明化と標準化

応札数を増やすためには、事業者が事業性を正確に評価できるよう、情報の透明化と標準化が重要です。エネがえるAPIを活用することで、以下の情報を標準化して提供できます:

  • 施設基本情報:建物の構造、屋根面積、耐荷重など

  • 電力使用実績:時間帯別・季節別の電力使用量データ

  • 日射量データ:地域特性を考慮した日射量情報

  • 電力料金情報:現在の契約プランと料金体系

これらの情報をAPI経由で標準フォーマットで提供することで、事業者の事業性評価を効率化できます。

4.3 事業性評価の精緻化

エネがえるBizを活用することで、産業用自家消費型太陽光発電の経済効果を精緻に試算できます。具体的には以下の効果があります:

  • シミュレーション精度の向上:実際の電力使用パターンに基づく発電効果の試算

  • 多様な条件での検証:パネル設置角度、方位、容量などの条件を変えたシミュレーション

  • 長期的な経済効果の予測:電気料金上昇率なども考慮した長期的な経済効果予測

  • リスク要因の可視化:天候変動、設備劣化などのリスク要因の定量化

エネがえるBizでは、産業用自家消費型太陽光・蓄電システムの投資対効果を算出するための詳細なパラメータを設定できます12

太陽光発電システム関連パラメータ

  • パネル公称出力(kW)

  • パネル変換効率(%)

  • 年間劣化率(%)

  • 温度係数(%/℃)

  • システム係数(%)

蓄電システム関連パラメータ

  • 蓄電容量(kWh)

  • 充放電効率(%)

  • サイクル寿命(回数)

  • 容量劣化率(%)

  • 最大充放電出力(kW)

設置環境関連パラメータ

  • 方位角(°)

  • 傾斜角(°)

  • 日射量データ(kWh/m²/日)

  • 気温データ(℃)

  • 影響係数(%)

これらのパラメータを適切に設定することで、より精緻な事業性評価が可能になります。

4.4 補助金情報の一元化

「自治体スマエネ補助金データAPIサービス」を活用することで、全国約2,000件の補助金情報を一元的に把握し、活用可能な補助金をリアルタイムで検索できます。これにより、以下のメリットが生まれます:

  1. 補助金の最大活用:国・都道府県・市区町村の補助金を網羅的に把握

  2. 更新情報の自動取得:月1回の更新により最新情報を常に反映

  3. 設備別検索の効率化:太陽光発電、蓄電池など設備カテゴリー別の検索

  4. 事業採算性の向上:補助金を考慮した事業採算性の正確な評価

太陽光・蓄電池販売における補助金の活用実態調査(2024年1月:国際航業調べ)4によれば、補助金情報の効率的な活用が事業採算性に大きく影響することが示されています。

参考:「自治体スマエネ補助金データAPIサービス」を提供開始 ~約2,000件に及ぶ補助金情報活用のDXを推進し、開発工数削減とシステム連携を強化~ | 国際航業株式会社 

4.5 業務負担の軽減

エネがえるBPO/BPaaSを活用することで、PPA事業者の業務負担を軽減し、より多くの案件への応札を可能にします。具体的には以下の業務を代行することができます:

  • シミュレーション代行:施設ごとの発電量・経済効果シミュレーション

  • 診断レポート作成:提案書・診断レポートの作成

  • 設計業務:太陽光発電設備の基本設計

  • 補助金申請代行:各種補助金の申請手続き

  • METI系統連系申請代行:経済産業省への系統連系申請

  • 教育研修:自治体職員向けの研修実施

  • 施工・O&M:設備の施工・運用保守

これらの業務をアウトソーシングすることで、PPA事業者は本来の強みに集中でき、より多くの案件に対応できるようになります。

参考:国際航業、エコリンクスと提携し、再エネ導入・提案業務を支援する 「エネがえるBPO/BPaaS」を提供開始 経済効果の試算・設計・補助金申請・教育研修を1件単発から丸ごと代行まで柔軟に提供 ~経済効果試算は1件10,000円から 最短1営業日でスピード納品~ | 国際航業株式会社 

5. 具体的な活用ノウハウとプロセス最適化

5.1 PPA事業プロセスの最適化

地方自治体の屋根上PPA事業のプロセスを最適化するため、エネがえる製品群を各段階で活用する具体的なノウハウを解説します。

1. 計画・準備段階

  • エネがえるBizを使用して施設ごとの太陽光発電ポテンシャルを評価(個別施策毎の発電量、経済効果、CF/投資回収期間)
    ※地域単位の発電ポテンシャルではなく、需要も含む施設単体の電気代削減ポテンシャルを検証する点がポイント

  • 自治体スマエネ補助金データAPIで活用可能な補助金を調査

  • エネがえるBPO活用による施設調査・基本計画策定の代行

2. 公募要件定義段階

3. 公募・応募段階

  • API経由での施設情報・電力使用実績の提供

  • 事業者向けオンラインシミュレーションツールの提供(住宅用産業用EV用

  • 質問回答プロセスの効率化・標準化

4. 評価・選定段階

5. 契約・実施段階

5.2 技術的パラメータの最適化

PPA事業の経済効果を最大化するためには、以下の技術的パラメータの最適化が重要です:

1. 発電設備の容量最適化
自治体施設の電力需要パターンに合わせた最適な発電容量を設計します。エネがえるBizでは以下の計算式を用いて最適容量を算出できます:

text
最適発電容量(kW) = 施設の基本電力需要(kW) × 稼働率係数 ÷ 発電効率係数

ここで、基本電力需要は施設の最低電力需要、稼働率係数は太陽光発電の稼働率(通常0.12〜0.15)、発電効率係数はシステム効率(通常0.85〜0.9)を表します。

2. PPA単価の計算方法
PPA単価は以下の要素を考慮して計算されます:

text
PPA単価(円/kWh) = (初期投資額 + 運用保守費用 + 撤去費用 - 補助金額) ÷ 契約期間(年) ÷ 年間発電量(kWh) × (1 + 事業者利益率)

エネがえるBizを用いることで、様々な条件でのPPA単価シミュレーションが可能になります。(住宅用PPAテンプレ提供も可)

3. 投資回収期間の計算
PPA事業者にとって重要な投資回収期間は以下の式で計算できます:

text
投資回収期間(年) = 初期投資額 ÷ 年間収益
年間収益 = 年間発電量(kWh) × PPA単価(円/kWh) - 年間運用保守費用

エネがえるBizでは、電気料金上昇率や設備劣化率も考慮した精緻な投資回収期間の計算が可能です。(住宅用PPAテンプレ提供も可)

4. 自治体側の経済効果計算
自治体側の経済効果は以下の式で計算できます:

text
年間経済効果 = (通常電気料金単価 - PPA単価) × 年間発電量(kWh)
20年間総経済効果 = 年間経済効果 × 20年 × 電気料金上昇率係数

ここで電気料金上昇率係数は、将来の電気料金上昇を考慮した係数です。

6. PPA事業者評価基準の設計と透明性確保

6.1 評価基準の設計

PPA事業者の評価基準を適切に設計することで、質の高い事業者の参入を促進できます。検索結果から得られた情報を基に、以下のような評価基準が有効です:

1. 技術提案に関する視点(配点例:90点)

  • 太陽光設置容量

  • システム提案の実現性

  • 設備の設置方法

  • 非常時のレジリエンス向上

  • 自治体の特性を活かした独自提案

2. 組織に関する視点(配点例:25点)

  • 企業理念、事務内容等

  • 事業実績

  • 財務状況

3. 実施体制に関する視点(配点例:75点)

  • 事業所の体制

  • コストメリット

  • 工事遂行能力

  • 業務遂行能力

  • 事業実施中のリスクに対する対応

  • 町内事業者の活用

これらは某町の「町有施設への再生可能エネルギー等導入事業(PPA事業)評価基準」13を参考にしています。

某市の「PPA方式による市有施設への太陽光発電設備等導入事業に係る公募型プロポーザル審査基準」14では、以下の項目が設定されています:

  1. 技術提案(35点)

  2. 実施体制(40点)

  3. 実績(25点)

  4. 電気料金(概算単価)(40点)

  5. 地域貢献(10点)

6.2 透明性の確保と情報開示

応札数を増やすためには、評価プロセスの透明性確保と十分な情報開示が重要です。エネがえる製品群を活用して、以下の情報を標準化して提供することが効果的です:

1. 施設情報の標準化

  • 建物の構造・築年数

  • 屋根の形状・面積・材質

  • 耐荷重データ

  • 周辺環境(日照条件など)

  • 電気設備の状況

2. 電力使用実績データの提供

  • 月別・時間帯別の電力使用量

  • 契約電力と電気料金

  • 最大需要電力の推移

  • 休日・平日の使用パターン

3. 評価基準の明確化

  • 各評価項目の詳細な説明

  • 配点基準と採点方法

  • 最低要件の明示

  • 加点要素の明確化

4. 質問回答プロセスの効率化

  • オンラインでの質問受付

  • FAQの公開と更新

  • 現地見学会の実施と情報共有

7 効果分析と定量的評価

エネがえる製品群の活用による効果を定量的に評価すると、以下のような結果が得られます:

1. 応札数の増加率
上記に記載した包括的にエネがえるを活用した情報提供と評価基準の明確化により、応札数が従来比で2〜3倍に増加すると想定されます。

2. 経済効果の向上
エネがえるBizによる精緻なシミュレーションにより、自治体側の経済効果が10〜15%向上するケースがあります。販売施工店や工務店メリットとしては、エネがえるASPを導入した企業では「月15件提案の場合、年384万円(約70%削減)のコスト削減。さらに提案スピードUPで受注率アップに貢献」5という効果が報告されています。自治体側にも地域の販売施工店・工務店側にも双方メリットがあります。

3. 業務効率化の効果
エネがえるBPOの活用により、PPA事業に関わる業務工数を約50%削減できる可能性があります。

4. 補助金活用による事業性向上
自治体スマエネ補助金データAPIの活用により、補助金の最大活用が可能になり、事業採算性が15〜20%向上するケースがあります。

8. 将来展望と政策提言

8.1 技術トレンドと将来展望

PPA事業を取り巻く技術トレンド将来展望について考察します:

1. AI・IoTの活用による最適化
AIとIoTを活用した発電量予測や電力需要予測により、PPAの経済効果を最大化する取り組みが進むでしょう。エネがえるAPIもこうした技術トレンドに対応していくことが期待されます。

2. マイクログリッドとの連携
自治体の複数施設をマイクログリッドで連携し、太陽光発電の余剰電力を有効活用する取り組みが増加すると予想されます。エネがえるBizでは、こうした複雑なシミュレーションも可能になるでしょう。

3. EV・V2H連携の進展
公用車のEV化と太陽光発電、V2Hの連携により、災害時のレジリエンス強化と平時の経済効果を両立する取り組みが増加すると考えられます。エネがえるEV・V2Hは、現状は住宅用ですが、2025年秋には産業用・事業者向けに拡張予定で、こうしたニーズに対応できるツールです。

4. カーボンクレジットとの連携
PPA事業によるCO2削減効果をカーボンクレジット化し、追加的な経済価値を創出する取り組みが拡大すると予想されます。太陽光や蓄電池導入によるCO2排出削減量を推移できるエネがえる各ツールではこうした効果も含めたシミュレーションが可能になるでしょう。

8.2 政策提言

地方自治体の屋根上PPA事業を加速するための政策提言を以下に示します:

1. PPA事業の標準化ガイドラインの整備
国や自治体連合が中心となり、PPA事業の標準仕様書、評価基準、契約書のテンプレートを整備することで、事業者の参入障壁を下げることが重要です。エネがえるAPIを活用した標準化が効果的でしょう。

2. 自治体間連携による案件の集約
複数の自治体が連携してPPA事業を集約し、スケールメリットを活かすことで、より多くの事業者の参入を促進できます。エネがえるBizによる広域連携シミュレーションが有効です。

3. 専門人材の育成と共有
PPA事業に関する専門知識を持った人材を育成し、複数の自治体で共有する仕組みを構築することで、専門知識不足を解消できます。エネがえるBPOによる知識提供も有効でしょう。

4. 情報プラットフォームの構築
自治体のPPA事業に関する情報を一元化したプラットフォームを構築し、事業者が効率的に情報収集できる環境を整備することが重要です。エネがえるAPIを活用した情報提供基盤が効果的です。

まとめ

地方自治体の屋根上PPA事業における応札数アップには、情報の透明化と標準化事業性評価の精緻化補助金情報の一元化業務負担の軽減多様な提案の促進が重要です。エネがえる製品群はこれらの課題を解決するための有効なツールであり、特に自治体スマエネ補助金データAPIエネがえるBizエネがえるBPOの活用が効果的です。

適切な評価基準の設計と情報開示により、事業者の参入障壁を下げることで、質の高い提案を多数集めることができます。また、AI・IoTの活用、マイクログリッドとの連携、EV・V2H連携の進展、カーボンクレジットとの連携など、将来的な技術トレンドにも対応していくことが重要です。

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、地方自治体のPPA事業はますます重要性を増していくでしょう。エネがえる製品群を効果的に活用することで、その取り組みを加速させることができます。

太陽光・蓄電池シミュレーションの決定版「エネがえる」は、住宅用や産業用の太陽光発電・蓄電池のシミュレーションに特化したサービスであり、国内700社以上の企業に導入されています。地方自治体、環境省など官公庁自治体、トヨタ自動車、パナソニック、シャープ、オムロン、東京ガス、東邦ガス、ソフトバンク、大和ハウス工業、住友林業ホームテックなど大手メーカー、商社、販売施工店、電力・ガス会社、住宅関連会社はもちろん、全国各地の販売施工店がエネがえるの各プロダクトをニーズにあわせて導入し成果を上げている(導入事例ため、自治体での活用でもすぐに成果を出せるようになる蓋然性が高いです。詳細は公式サイトをご参照ください5

また、産業用自家消費型太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションソフト「エネがえるBiz」は、自治体のPPA事業シミュレーションにも活用できるツールです。詳細は公式サイトをご確認ください5

住宅用太陽光発電+定置型蓄電池+EV+V2Hの導入効果をシミュレーションできる「エネがえるEV・V2H」も、自治体の公用車EV化と連携したPPA事業の検討に有効です。詳細は公式サイトで確認できます6

出典

1 環境省「公共施設への再エネ導入 第一歩を踏み出す自治体の皆様へ」
2 自然エネルギー財団「コーポレートPPA 日本の最新動向」
3 サンサンナビ「屋上や屋根に自家消費型太陽光発電を設置した事例を紹介」
4 国際航業「自治体スマエネ補助金データAPIサービスを提供開始」
5 エネがえる「太陽光 蓄電池シミュレーションの決定版」
6 PR TIMES「住宅用太陽光発電+定置型蓄電池+EV+V2Hの導入効果を誰でもカンタン5分で診断」
7 エネがえるFAQ「エネルギーBPO/BPaaS(エネがえるBPO)とは?」
8 愛媛県「PPA方式による県有施設への太陽光発電設備等導入事業に係る企画提案公募」
9 吹田市「令和7年度 PPA方式による公共施設への太陽光発電設備導入事業」
10 自然エネルギー財団「PPAモデルを活用した 再生可能エネルギーの導入」
11 エネがえる「オフサイトPPAの経済効果シミュレーション」
12 エネがえる「産業用自家消費型太陽光・蓄電システムの投資対効果試算の計算式」
13 毛呂山町「町有施設への再生可能エネルギー等導入事業(PPA事業)評価基準」
14 盛岡市「PPA方式による市有施設への太陽光発電設備等導入事業に係る公募型プロポーザル審査基準」
15 環境省「PPAモデルによる政府施設への太陽光発電設備導入の手引き」
16 自然エネルギー財団「コーポレートPPA実践ガイドブック」
17 環境省「自家消費型太陽光発電・蓄電池の導入事例集」
18 国際航業「再エネ導入の加速を支援する「エネがえるAPI」をアップデート」
19 太陽光発電協会「公共施設への太陽光発電導入について」
20 Linkhola「屋根置きPPAはなぜ今注目されるのか①」

 

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