有効熱需要・効率・COP・料金・排出係数を変え、ボイラーとヒートポンプの費用、CO2、NPV、損益分岐を再現できる例示計算。数式・前提・除外項目を公開。 初期デモには実際のPLATEAU建物形状と仮定の熱源・需要を使用し、表示値は実測値や導入実績ではありません。計算の前提・対応範囲・必要な入力データを確認しながら、施設や地域の検討に役立てることを目指します。
数字を動かすと、
判断の境目が見える。
ボイラーとヒートポンプで同じ有効熱量を供給するときの費用・CO2を比較します。好条件も不利な条件も、入力と数式に戻って確かめられます。
開発中プロトタイプv7の解説・想定ユースケース|内容確認日:2026年10月10日
同じ熱を供給する、2つの方法。
電力単価を±20%変えると
他の条件を固定した感度です。料金の予測や確率分布ではありません。
計算を追う。
| 項目 | 式・境界 |
|---|---|
| 燃料使用量 | 有効熱需要 Q ÷ ボイラー効率 η |
| HP消費電力 | 有効熱需要 Q ÷ 期間平均COP |
| 年間運用費の削減 | (Q/η × 燃料単価) − (Q/COP × 電力単価) − 年間維持費差 |
| 運用時CO2の削減 | (Q/η × 燃料排出係数 − Q/COP × 電力排出係数) ÷ 1,000(t-CO2/年) |
| NPV | 年間削減額 × 年金現価係数 − 追加投資額。割引率0%は年間削減額 × 年数 − 投資額 |
| 単純回収年数 | 追加投資額 ÷ 年間削減額。削減額が0以下なら算定しない |
| 費用の損益分岐COP | Q × 電力単価 ÷ (基準燃料費 − 維持費差)。分母が0以下なら正の電力単価で達成不可 |
ボイラー効率・燃料単価・燃料排出係数は、同じ高位/低位発熱量基準で揃えます。COPは供給熱量と対象の電力消費の境界を揃えた期間平均値です。カタログの定格COPをそのまま年間値と見なさず、補機電力を含める範囲も記録してください。
この例は一定の需要・COP・単価による年平均モデルです。基本料金、部分負荷、配管損失、劣化、更新、税、補助金、残価を含みません。排熱源の回収設備や低温排熱の昇温を設計するモデルでもありません。
初期値での検算
有効熱需要100万kWhth/年、効率0.90、COP3.0の例では、燃料使用量は約111.1万kWh/年、HP電力は約33.3万kWh/年です。年間運用費削減は約45.6万円、運用時CO2削減は約72.2t、15年・割引率3%のNPVは約−256.2万円。費用が減っても、期間内の投資採算が成立するとは限りません。
電力単価を25円から30円/kWhへ変えると、年間運用費は基準ケースより約121.1万円増えます。最良の一条件だけで判断せず、条件の変化で結論が変わるか確認します。
実測で確かめるときの手順
本例に実測による校正データは使っていません。検証時は計測境界・年度・欠測処理を揃え、調整に使う期間と独立した確認期間を分けます。年合計だけでなく季節・時間帯の誤差と、温度・稼働条件の偏りを記録します。
DOE FEMPの計測・検証の考え方を参考に、設備単位、施設全体、校正シミュレーションなどから目的に合う方法を選びます。実測を追加しただけで精度認証になるわけではありません。
出典と確認範囲
- LBNL|Modelica Buildings Library: HeatPumps
温度条件とヒートポンプ性能のモデル化に関する技術資料。本デモでModelicaを実行しているわけではありません。 - 米国DOE FEMP|計測・検証の選択肢
設備単位・全体計測・校正シミュレーション等の検証方法。計算例は実測校正済みモデルではありません。
掲載内容は公開資料、都市プロトタイプv7、本特集の補助ツールの実装を照合して整理しています。外部機関による本システムの推奨・監修・精度認証を示すものではありません。


