帳票の「円/kWh」が契約単価と違っていても、まず何を何で割った数字かを確かめます。エネがえるBizの「初年度電気料金単価比較」は、施設全体の消費電力量に対する電気料金負担を表す参考指標です。
対象はBizのExcelレポートです。同じ「単価」という言葉でも、契約の電力量料金単価、平均買電単価、施設全体の負担を表す参考単価は、用途が異なります。
1. 比較したい単価を、3つに分ける
| 見たいこと | 確認先・計算 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 契約の電力量料金単価 | 契約資料とレポートの「単価」シート | 時間帯・季節・使用量段階の違いを残す |
| 購入した電力1kWh当たりの負担 | 同じ範囲の買電費用 ÷ 購入電力量 | 基本料金を含むかで変わる |
| 施設全体の消費1kWh当たりの負担 | 「初年度電気料金単価比較」:対象の年間電気料金 ÷ 年間電力消費量(設備負荷) | 導入後も、買電量だけを分母にしない |
太陽光を自家消費すると、施設の電力消費の一部を太陽光でまかないます。買電量は減っても、この参考指標の分母は施設全体の消費量です。数値が下がったことを、そのまま「電力会社との契約単価が下がった」とは説明しません。
根拠:初年度電気料金単価比較の定義・分母
https://faq.enegaeru.com/ja/articles/16034413
2. 分母を変えると、同じ年間費用でも数字が変わる
説明用に、同一年度・税抜で、年間電気料金800万円、施設全体の年間電力消費量50万kWh、購入電力量32万kWhと仮定します。
| 計算する指標 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 施設全体の負担を表す参考単価 | 8,000,000円 ÷ 500,000kWh | 16.00円/kWh |
| 同じ費用範囲で見た平均買電単価 | 8,000,000円 ÷ 320,000kWh | 25.00円/kWh |
16円と25円の差は、この例では分母の違いで説明できます。実案件に差があるときも、まず費用の範囲と分母を合わせます。それでも差が残る場合は、丸めや仕様のせいと決めつけず、両方の値と計算条件を残してください。
3. 基本料金・税・燃料費調整を揃える
- 基本料金:帳票には基本料金を含む場合と含まない場合があります。同じ区分で比較します。
- 税区分:この参考単価のFAQは税抜表示を案内しています。請求書の税込額と直接比較せず、帳票の注記と対象額を照合します。
- 燃料費調整:プラス・マイナスの符号と対象月を確認します。マイナスを削除したり、プラスに置き換えたりしません。
- 再エネ賦課金・個別条件:適用年度と単価を確認します。独自の契約単価や値引きを使う場合は、カスタムプランに反映した値と契約資料を照合します。
設備費、保守費、更新費まで含む投資判断には、電気料金の参考単価だけでは足りません。設備導入の収支・投資回収と、この指標を分けて説明します。
根拠:費用項目・税区分・カスタム単価の確認
https://faq.enegaeru.com/ja/articles/16034413
4. 再試算で数字が変わったら、単価取得日を見る
Bizの公式案内では、2026年4月8日の変更により、施設に料金プランを設定・編集した時点の単価を保持する方式が導入されています。保存されていない旧診断は、再計算時に最新単価を使う扱いです。
| 状況 | 最初に照合するもの |
|---|---|
| 変更後に作成・料金プラン編集された施設 | レポートの単価取得日、施設に保持された料金プランと単価 |
| 単価を保持していない変更前の診断 | 再計算時に適用された最新単価と、以前の出力レポート |
| 設備容量だけ変えたつもりの比較 | 料金単価・需要CSV・発電CSVが同じか |
| 後日も同一単価で比較したい | カスタム料金プランの設定値と、その根拠資料 |
CSVについても登録日とファイル名を確認できます。名称が似ている別版のファイルを使っていないか、原本・取込済みデータ・出力帳票を対応させます。「再計算すればすべて自動で最新になる」「古い診断も必ず当時の単価を保持する」と一律には案内しません。
根拠:2026年4月8日の単価保持・CSV識別の変更
https://faq.enegaeru.com/ja/articles/14480138
5. 需要家へ渡す前の確認は、5項目に絞る
- 同じ施設・年度・診断条件か。
- 比較する費用に基本料金を含むか。税区分は同じか。
- 分母は施設全体の消費量か、購入電力量か。
- 単価取得日・カスタム単価・対象のCSVは同じか。
- 揃えても差が残る箇所を、未確認として残したか。
そのまま使える説明文
この円/kWhは、施設全体の年間消費量に対する電気料金負担を表した参考値です。電力会社から購入した電力量だけで割った単価や、契約の料金単価とは分母・範囲が異なります。今回は同じ年度・税区分・基本料金の扱いに揃え、単価取得日と使用データも確認して比較します。
差が残る場合の共有メモは「診断名・出力日/比較しているシートとセル/両方の値/分母/税区分/単価取得日/CSVのファイル名・登録日/確認済み項目」で整理できます。既に共有した情報を繰り返し入力する必要はありません。
次に確認すること
- 使用量から違う場合:BizのCSV取込と単位の確認手順
- 電灯・動力の契約が分かれる場合:2契約を分けて試算し、費用を合算するガイド
- 別の製品の表示を調べたい場合:ASP・Biz・EV/V2Hの実務ガイド



