ガソリン代とEVの判断ガイド|2026年9月27日更新
社用車のEV化は、ガソリン代の削減額に台数を掛けるだけでは決まりません。帰庫後の充電が施設のピークと重なるか、翌朝の運行に必要な電力量を確保できるかまで確認します。
車両費・充電費・施設費を一枚にそろえる
| 区分 | 集める資料 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 車両 | 車両別の走行距離・燃費・用途・更新時期 | 平均だけで長距離運行日を消さない |
| 運行 | 帰庫時刻・出発時刻・休車日・必要残量 | 充電可能時間が短い車両を分ける |
| 充電 | 出力・台数・効率・制御・会費 | 定格出力で常時充電できるとは限らない |
| 施設 | 30分需要データ・電力契約・受電設備 | 充電追加後の最大需要と契約条件 |
| 再エネ | 発電量・時間帯・売電/PPA条件 | 昼間不在のEVへ余剰を使えるか |
10台の試算例:燃料費差と基本料金増を分ける
1台2万km/年、10台、ガソリン170円/L、実燃費12km/L、コンセント側電費5km/kWh、充電25円/kWhを仮定すると、ガソリン費は約283万3,333円/年、充電の電力量料金は100万円/年。差は約183万3,333円/年です。
ここに、仮に契約電力増分30kW、基本料金単価1,800円/kW・月、12か月と置くと年64万8,000円が追加され、差は約118万5,333円へ縮みます。これも車両・充電器・受電工事等を含まない例で、実際の基本料金は契約・力率・デマンド等の条件で確認します。
充電器の台数を決める前の成立性確認
必要充電電力量÷利用可能時間から平均出力の目安を求め、車両の受入上限、SOCによる充電速度変化、同時利用、設備上限を確認します。平均値を満たしても、個々の車両が出発までに充電できなければ運行は成立しません。
比較案は、①一斉充電、②時間をずらす、③出力上限を制御、④太陽光・蓄電池を併設、の順で増やすと効果と追加費用を切り分けられます。CO₂は電力の排出係数・算定範囲を別に設定し、燃料費が下がることから自動的に削減量を断定しません。
稟議前に、最も厳しい運行日を試す
- 最長距離・短い帰庫時間でも必要残量を確保できるか。
- 充電器が1台使えない日に代替手段があるか。
- 施設のピーク日と重なった費用を確認したか。
- 補助金なし・残価低めでも結論はどう変わるか。
単一車両の購入比較はEV TCO、車両群と施設電力の比較はBizEVへ。資料整理や個別試算の委託はBPOで対応範囲をご相談ください。
法人EVの試算は、1台の平均値を台数倍する前に止まる
同じ営業車でも帰庫時間・走行距離・翌朝の出発時刻が異なります。1台分の燃料削減を台数倍するだけでは、充電器や契約電力、差し替え作業を評価できません。
| 必要資料 | 最低限の項目 | 判断につながる点 |
|---|---|---|
| 車両別運行 | 日別距離・帰庫・出発・休車日 | 充電できる時間の重なり |
| 車両仕様 | 電費の測定範囲・容量・受入電力 | 必要kWhと時間 |
| 施設電力 | 時間帯別需要・契約・料金表 | 既存需要と充電の重複 |
| 充電設備 | 口数・電力・設置費・制御・配置 | 同時接続と差し替え |
| 費用条件 | 車両・残価・保守・人件費 | 車両以外の増分費用 |
10台・1日80kmなら、電力量と時間を先に見る
全車の電源側電費5km/kWhと仮定すると、必要入力電力量は10台×80km÷5=160kWh/日です。6kWの充電口が5口あっても、施設の充電用余力が20kWなら利用可能電力は最大20kW。理論最短時間は160÷20=8時間です。
この8時間は余裕がない計算です。全車が同時に帰庫するか、必要なSOCまで電力が一定か、途中の差し替えができるかは別問題です。「総量が足りる」は運用可能性の必要条件であり、十分条件ではありません。急な追加運行に備えるなら、その分の余裕も設計します。
台数を増やすときは、段階導入と全台導入を比べる
全台導入案、日走行の短い車から導入する案、充電器を先行整備する案を比べます。候補の並べ方は燃料削減だけでなく、帰庫時間の安定性や担当者の作業量でも変わります。平均で成立しても、週に一度の長距離運行で止まるなら運用案を見直す必要があります。
「03-fleet-2304.csv」は台数・距離・電費・口数・電力余力・時間帯の組合せを確認するための仮想表です。実際の配車や最適充電スケジュールを解いたデータではありません。時間帯別の施設需要と車両を重ねる段階ではエネがえるBizEV、入力資料の整備や比較案作成の支援はエネがえるBPOへ引き継げます。
このテーマの追加FAQ
年間走行距離の平均だけで始められる?
燃料費の概算はできますが、運行可否の判定には足りません。最大日走行と帰庫・出発、充電可能時間を車両ごとに確認します。
6kW充電器が10台なら60kW増える?
全口が同時に定格で入力すれば60kWですが、制御・車両受入・施設余力で変わります。契約電力や請求への影響は適用料金と需要測定条件で確認します。
太陽光があるので充電費は無料?
発電時間と車の滞在時間が合うかを確認します。売電収入の減少、設備費、充電できない日の購入電力も含めます。
充電器の差し替え作業はどこへ入れる?
追加作業時間と回数から人件費を見積もり、運用費へ入れます。同時に、現場で実行できる担当・動線かを確認します。
従業員の自宅充電を法人に含める?
法人負担と本人負担、精算方法、実測範囲を決めます。同じ電力量を施設電気代と自宅精算の両方に計上しない記録が必要です。
計算用データ・入力テンプレートを無料でダウンロード。実績データと仮定を区別して、相談や社内比較へ持ち込めます。
車両別運行と施設電力を重ねて比較する
法人車両・充電設備・施設の電力需要まで検討する事業者は、エネがえるBizEVの対応仕様と必要データをご相談ください。
資料整理や試算作業を依頼する場合は、BPOの支援範囲へ。これらは事業者向けのサービス案内です。
出典と、このページの数字の扱い
- 資源エネルギー庁「石油製品価格調査・調査の結果」:価格確認用の一次資料。このページとは別の公式掲載PDFで9月14日169.9円/Lを確認。より新しい値の有無の網羅確認は未完了。全国平均と個別店舗、週次値と年平均値を区別します。
- 国税庁「揮発油税等の特例税率の廃止について」:2025年12月31日の特例税率廃止を確認。2026年9月27日参照。
- 計算例・境界単価・感度表:本記事に明記した仮定と式から独自計算。市場予測・メーカー保証値・製品の正式診断結果ではありません。






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