水・氷・PCMなどの蓄熱・蓄冷を、温度・容量・時間・損失から整理。太陽光、ヒートポンプ、蓄電池と比較するための考え方を解説。 初期デモには実際のPLATEAU建物形状と仮定の熱源・需要を使用し、表示値は実測値や導入実績ではありません。計算の前提・対応範囲・必要な入力データを確認しながら、施設や地域の検討に役立てることを目指します。
熱をためる。
時間の選択肢が増える。
蓄熱・蓄冷は、熱をつくる時刻と使う時刻を分ける技術です。必要な温度と時間を満たすかを見ながら、電力・設備・運用を一緒に比較します。
開発中プロトタイプv7の解説・想定ユースケース|内容確認日:2026年10月10日
「何をためるか」と「いつ使うか」を分ける。
蓄電池は電力を後で使う選択肢、蓄熱・蓄冷は熱や冷たさを後で使う選択肢です。最終的に必要なのが給湯・暖房・冷房なら、電気から熱への変換も含めて比較する必要があります。電池のkWhと蓄熱のkWhthは、そのまま同じサービス量にはなりません。
| 選択肢 | 蓄えるもの・代表例 | 比較で確認する条件 |
|---|---|---|
| 顕熱蓄熱 | 温度差を利用。水、固体など | 利用温度差、体積、放熱、設置条件 |
| 潜熱蓄熱・蓄冷 | 相変化を利用。氷、相変化材料(PCM)など | 相変化温度、熱交換能力、繰り返し運転 |
| 化学蓄熱・吸着系 | 反応や吸脱着を利用 | 作動条件、システム構成、技術成熟度 |
| 蓄電池 | 電力として利用できるエネルギー | 出力、容量、劣化、変換損失、停電時構成 |
太陽光と熱を、時間軸で組み合わせる。
例えば昼に太陽光発電をヒートポンプへ回して蓄熱し、夕方に使う構想があります。成立性は、発電と需要の同時性、必要温度、機器出力、蓄熱容量、放熱損失、電気料金等で変わります。「ためるほど得」とは限りません。
| 確認する項目 | 判断につながる問い |
|---|---|
| 温度 | 必要な給湯・工程温度を満たせるか。温度を上げるほど消費電力はどう変わるか |
| 容量と出力 | 何時間分ためられ、ピーク時に何kWの熱を取り出せるか |
| 運転時刻 | 安価な時刻・再エネ余剰の時刻と、実際に充熱できる時刻は重なるか |
| 損失と補機 | 保温、配管、ポンプ等を含めても効果が残るか |
| 費用と空間 | タンク・工事・更新・保守・床荷重・設置面積を含めて比較したか |
プロトタイプでは、ここから試す。
- 対象施設の熱・冷熱・電力需要を確認する。
- 現状から、太陽光+ヒートポンプ、蓄熱・蓄冷を加えたケースへ切り替える。
- 1時間ごとの充放熱と残量を見て、使い切れない容量や不足する時間を探す。
- 価格・COP・設備費・容量を変え、結論が変わる条件を確認する。
よくある誤解
蓄熱は蓄電池より必ず安いですか?
一律には言えません。必要なエネルギーの形、温度、運転時間、設備規模、設置条件、変換機器、工事費、寿命を揃えて比較する必要があります。
季節をまたぐ蓄熱も計算できますか?
現版は季節間蓄熱の専門モデルではありません。地盤・地下水、長期熱損失、掘削・許認可等を含む評価は別途必要です。
検討を進める問い
蓄熱と蓄電池は、どちらが経済的ですか?
必要なのが電力か温熱・冷熱かで比較の前提が変わります。容量単価だけでなく、変換効率、料金の時間差、損失、劣化、設置費、更新費を同じ期間・同じ供給サービスで比較します。条件なしに優劣は決められません。 次の検討に必要な情報を読む →
太陽光とヒートポンプ・蓄熱を組み合わせて試算できますか?
現プロトタイプでは、太陽光と熱需要の時間差、ヒートポンプの消費電力、蓄熱容量と損失等を設定したシナリオ比較ができます。実設計には部分負荷特性、設備の制御条件、現地の設置余地の確認が必要です。 次の検討に必要な情報を読む →
自分の条件で、次の一歩へ。
出典と確認範囲
- IRENA|Innovation outlook: Thermal energy storage(2020)
蓄熱技術を理解するための報告書。日本の最新見積価格を示すものではありません。 - NEDO|未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発
断熱・蓄熱・ヒートポンプ等を含む未利用熱の技術領域。個別施設の採算を保証する資料ではありません。 - IEA|Renewables in District Energy(2026)
熱源・需要の位置関係や熱供給システムの検討に関する国際的な整理。
掲載内容は公開資料、都市プロトタイプv7、本特集の補助ツールの実装を照合して整理しています。外部機関による本システムの推奨・監修・精度認証を示すものではありません。
