ニチコンV2Hの特徴やメリットとは?他社メーカーとの違いを解説!

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国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。お仕事・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

目次

ニチコンV2Hの特徴やメリットとは?他社メーカーとの違いを解説!

V2Hシステムは電気料金の節約ができることや、災害時の備えになるなどのメリットから注目を集めています。V2Hシステムを製造するメーカーの中でも、ニチコンの製品は高い人気があります。本記事ではV2Hとニチコンの関連性、ニチコンV2Hの特徴や導入メリット、他社メーカーとニチコンの違いを解説するので、参考にしてください。

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ニチコンとは?

ニチコンがどのような企業なのか、ニチコンの製品などについて解説します。

 

ニチコンはV2Hのリーディングカンパニー

近年、V2Hシステムは電気自動車の普及と共に販売台数が伸びてきています。V2Hシステムの主なメーカーとしてはニチコン、デンソー、東光高岳、三菱電機などが挙げられ、その中でもニチコンはトップシェアを誇る企業です。世界で初めてV2Hシステムを開発したのもニチコンなので、まさにリーディングカンパニーといえます。

 

ニチコン「EVパワーステーション」

ニチコンが製造・販売するV2Hシステムの名称は「EVパワーステーション」です。高機能ながら低価格に抑えられていることが特徴で、スタンダードモデル・プレミアムモデル・プレミアムplusモデルの3グレードが展開されています。それぞれのグレードのスペックについては次項で詳述します。

 

ニチコンV2Hの特徴

ニチコンのVH2システム「EVパワーステーション」について、スタンダードモデル・プレミアムモデル・プレミアムplusモデルの3つのグレードをそれぞれ解説します。

 

ニチコン「EVパワーステーション」【スタンダード】

スタンダード(VCG-663CN3)のスペックは以下のとおりです。

・寸法:W809×H855×D337(突起物除く)

・重量:88kg

・ケーブル長:約3.7m

・タイプ:特定負荷型

・発電モード:シングル発電

・停電時の定格出力:3,000W(通常時:6,000W)

・保証期間:2年

 

スタンダードモデルは比較的リーズナブルに購入できます。

 

ニチコン「EVパワーステーション」【プレミアム】

プレミアム(VCG-666CN7)のスペックは以下のとおりです。

 

・寸法:W809×H855×D337(突起物除く)

・重量:91kg

・ケーブル長:約7.5m

・タイプ:全負荷型

・発電モード:シングル発電

・停電時の定格出力:6,000W

・保証期間:5年

 

プレミアムモデルは本体スイッチの他、スマートフォンによる操作も可能です。

ニチコン「EVパワーステーション」【プレミアムPlus】

プレミアムPlus(VCG-666CN7K)のスペックは以下のとおりです。

 

・寸法:W809×H855×D337(突起物除く)

・重量:91kg

・ケーブル長:約7.5m

・タイプ:全負荷型

・発電モード:シングル発電

・停電時の定格出力:6,000W

・保証期間:5年間(UPS:3年間)

 

プレミアムPlusモデルは停電時でもワンクリックで放電できる、利便性の高い仕様です。

 

ニチコンV2Hの導入メリット

ニチコンのVH2システムを導入すると、電気料金の節約や非常用電源としての利用、倍速充電などが可能で、電気がスムーズに使えてエコにもなります。それぞれのメリットについて解説します。

 

ニチコンV2Hで電気料金を節約

ニチコンのV2Hシステムがあれば、夜間に充電しておいた電気を昼間に利用可能です。電気の利用料金は電気を使う人が多い日中に高く、利用者が少ない深夜帯は安く設定されていることがあります。電気を安い時間に買っておいて、ニチコンV2Hに蓄えておくことで電気代の節約に役立ちます。

 

非常用電源として利用できる

ニチコンのV2Hシステムはバッテリー容量が家庭用蓄電池よりも大きく、多くの電気を蓄えておくことが可能です。容量の目安は一般家庭の約3~4日分の電力をまかなえる程度です。プレミアムモデルやプレミアムPlusモデルなら全負荷型・200V対応なので、IHやエアコンなどの家電も使えます。停電時でも最大出力が6,000Wと大きく、一度に多くの電化製品を使用可能です。

 

ニチコンV2Hなら倍速充電が可能

電気自動車の充電スタンドは多くの場合、200V電源・最大出力3,000Wとなっていて、充電2時間がかかってしまいます。一方、ニチコンのV2Hシステムは200V電源・最大出力6,000Wなので、電気自動車の充電が倍速で可能です。車で移動することが多い場合、ニチコンV2Hの倍速充電は大きなメリットとなります。

 

ニチコンV2Hはエコにつながる

ニチコンのV2Hシステムは太陽光発電の余剰電力から充電ができ、エコにつながります。電気自動車の使用電力を全て太陽光発電でまかなえば、電気代をかけずに車を走らせることが可能です。太陽光発電を利用しているためCO2も排出されず、地球環境に負担をかけることがありません。ニチコンV2Hによって生活にクリーンなエネルギーを取り入れられます。

 

ニチコンV2Hで電気がスムーズに使える

家庭の電力は「電力会社から送られてくる電気」「太陽光発電システムで発電された電気」「家庭用蓄電池に貯められた電気」の3種類に分けられます。ニチコンのV2Hシステムは系統連系でき、電気自動車から自宅に給電している間も、電力会社や太陽光発電の電気を使用可能です。系統連系とは2種類以上の異なる電力を、並列して運用するために接続することをいいます。

ニチコンV2Hのデメリット

メリットの多いニチコンのVH2システムですが、電気自動車のバッテリー劣化が懸念されるというデメリットもあります。

 

電気自動車のバッテリー劣化の懸念

ニチコンのV2Hシステムを利用して電気自動車から自宅に電力を供給する場合は、電気自動車のバッテリーが劣化することも考えられます。とはいえ、電気自動車のバッテリーは大容量で耐久性も高いため、劣化しやすいわけではありません。通常程度の使用では、バッテリーが急激に劣化する可能性は低いといえます。

 

他社メーカーとニチコンの違い

他社メーカーのV2Hシステムと、ニチコン製品との主な違いを解説します。

 

スマートフォンで操作可

ニチコンのV2Hシステムにはスマートフォンで操作ができるものもあります。プレミアムモデル・プレミアムPlusモデルなら機器本体のスイッチからだけでなく、スマートフォンのアプリから操作可能です。自宅の外でも電気自動車の充電・放電が操作できるため、外出中でも便利です。

 

停電時の作業が不要

ニチコンのV2HシステムのプレミアムPlusなら、停電時でも配線作業が必要ありません。

通常は停電した場合、電気自動車に貯めた電力を使うためには、配線作業をしなくてはなりません。一方、プレミアムPlusモデルなら2時間以内であれば、放電ボタンを押すだけで家中の電気が使用可能となります。

 

EVパワーステーションの対応車種

ニチコンのVH2システム「EVパワーステーション」はどの電気自動車でも使えるわけではなく、対応車種が決まっています。メーカーごとに対応車種を紹介します。

 

トヨタ自動車のEVパワーステーション対応車種

トヨタ自動車の主なEVパワーステーション対応車種は下記のとおりです。

 

・プリウスPHV

プリウスPHVとはエコカーの代名詞ともなっているプリウスのプラグイン・ハイブリッド車です。通常のプリウスと比べてプリウスPHVは、電力のみで長距離を走行できます。

 

・MIRAI

MIRAIはセダンタイプの燃料電池自動車で、水素を燃料・電力を動力に走行します。

 

・bZ4X

bZ4Xはトヨタ自動車がSUBARUと共同開発したクロスオーバーSUVです。

 

日産自動車のEVパワーステーション対応車種

日産自動車の主なEVパワーステーション対応車種は下記のとおりです。

 

・アリア(ARIYA)

アリアは日産初のクロスオーバーSUVです。

 

・リーフ(LEAF)、リーフe+

リーフは5ドアハッチバックのBEVで、世界初の量産型EVとしてデビューしました。

 

・サクラ(SAKURA)

サクラは軽の電気自動車で、日産自動車と三菱自動車の共同開発によって誕生しました。

 

・e-NV200

e-NV200はミニバンタイプの商用車です。日本での生産は終了していますが、欧州では販売が続けられています。

 

三菱自動車のEVパワーステーション対応車種

三菱自動車の主なEVパワーステーション対応車種は下記のとおりです。

 

・エクリプスクロス(PHEVモデル)

エクリプスクロス(PHEVモデル)は、クロスオーバーSUVであるエクリプスクロスのPHEVです。

 

・アウトランダーPHEV

アウトランダーPHEVは、同名のクロスオーバーSUVをベースにしたミッドサイズSUVです。

 

・ekクロスEV

ekクロスEVは軽のクロスオーバーSUVです。

 

・MINICAB-MiEV VAN(ミニキャブ・ミーブ バン)、MINICAB-MiEV TRUCK(ミニキャブ・ミーブ トラック)

MINICAB-MiEV VANは軽の商用EV、MINICAB-MiEV TRUCKは軽トラックEVです。

 

その他の【国産】のEVパワーステーション対応車種

その他の国産の主なEVパワーステーション対応車種は下記のとおりです。

 

・マツダ:MX-30 EV MODEL、CX-60 PHEV

MX-30は比較的小型のハイブリッドクロスオーバーSUV、CX-60はマツダのラージ商品群に分類されるラグジュアリーSUVです。

 

・HONDA:Honda e

Honda eは5ドアハッチバックの都市型コミューターです。

 

・SUBARU:SOLTERRA(ソルテラ)

SOLTERRAはSUBARUとトヨタ自動車の共同開発によって誕生したクロスオーバーSUVです。

 

【外車】のEVパワーステーション対応車種

その他の外車の主なEVパワーステーション対応車種は下記のとおりです。

 

・メルセデス・ベンツ:EQS、EQE

EQSはクーペ風の5ドアハッチバック、EQEはミドルサイズの4ドアセダンです。

 

・BYD:ATTO 3、e6、J6、K8

BYDは中国の自動車・IT部品会社で、電気自動車に力を入れています。

 

V2Hシステムは日本発祥の技術であることもあって、外車(輸入車)では対応しているものが少ない傾向です。

 

まとめ

近年注目が集まるV2Hシステムの中でも、ニチコンのEVパワーステーションは性能・価格から人気があります。ニチコンV2Hの導入によって電気代が節約でき、停電時にも備えることが可能です。充電速度も速くなり、ライフスタイルがエコになります。EVパワーステーションは対応車種が決まっているため、購入前に確認しておくことがおすすめです。

 

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著者プロフィール(太陽光・蓄電池シミュレーションエキスパート)

会社名:国際航業株式会社
部署名:公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG
執筆者名:樋口 悟

執筆者の略歴:国際航業株式会社エネルギー部デジタルエネルギーグループ。エネルギー診断クラウドサービス「エネがえる」担当。1996年東京学芸大学教育学部人間科学課程スポーツコーチ学科卒業。1997年上場大手コールセンター会社に入社、2000年大手上場小売企業グループのインターネット関連会社で最年少役員に就任。2011年に独立起業。大企業向けにSNSマーケティングやアンバサダーマーケティングを提供するAsian Linked Marketingを設立。30以上の大手上場企業のプロジェクトを担当。5年で挫折。2016年国際航業株式会社新規事業開発部に入社しエネルギー領域の事業開発、エネがえる事業開発を担当。

太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションの国内唯一のエキスパートとして、大手電力・ガス会社、有名太陽光・蓄電池メーカー、全国販売施工店・工務店など約700社以上と、最近ではエネルギー政策立案サイド(国・官公庁・地方自治体)で太陽光・蓄電池推進政策をしている方々へもエネがえるを活用した太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションやアドバイスを提供している。

執筆記事:https://energy-shift.com/news/author/71cbba7e-dbbc-4728-9349-9cdbed975c6e

執筆者のSNS:
・Twitter:@satoruhiguchi
・LinkedInプロフィール:https://www.linkedin.com/in/satoruhiguchi/
・Sansan名刺交換:https://ap.sansan.com/v/vc/bu56hqnjvw5upna463tcfvkxka/

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国際航業 カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS・APIサービス「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)のBizDev管掌。AI蓄電池充放電最適制御システムなどデジタル×エネルギー領域の事業開発が主要領域。東京都(日経新聞社)の太陽光普及関連イベント登壇などセミナー・イベント登壇も多数。太陽光・蓄電池・EV/V2H経済効果シミュレーションのエキスパート。お仕事・提携・取材・登壇のご相談はお気軽に(070-3669-8761 / satoru_higuchi@kk-grp.jp)

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