V2H対応車種にはどんなものがある?各メーカーを徹底解説!使える補助金も解説!

著者情報

国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

V2H対応車種にはどんなものがある?各メーカーを徹底解説!使える補助金も解説!

 

V2HとはVehicle to Homeの略です。車をV2H対応車種にすると、搭載されている大容量バッテリーを電気自動車でだけでなく家庭でも有効活用できます。本記事ではV2H対応車種、V2H対応車種のメリット・デメリットや選び方を解説します。あわせて補助金についても紹介するので、参考にしてください。

pexels-dcbel-11627467.jpg

V2Hの概要

V2Hの概要や対応車種について解説します。

V2Hとは?

V2HはVehicle to Home(車から家へ)の略で、EV・PHEVに搭載されているバッテリーを家庭でも活用できるシステムをいいます。V2Hがあれば電気自動車に蓄えられた電力を、自宅の照明や家電で使うことが可能です。近年では電気自動車の普及とともに、V2Hの人気も高まっています。

 

V2Hを利用できるのは対応車種だけ

EVやPHEVに搭載されるバッテリーは大容量で、車が走行していない間でも利用できるほどの電力が蓄えられています。V2Hを導入することで電力の流れが家から車だけでなく、車から家の双方向となるため、車未使用時でも電力が最大限に活用可能です。V2Hを利用できるのは対応車種だけなので、次項からはメーカーごとの対応車種を紹介します。

 

トヨタ自動車のV2H対応車種

トヨタ自動車の主なV2H対応車種はプリウスPHV、bZ4X、MIRAIです。それぞれ解説します。

 

プリウスPHV

プリウスPHVはハイブリッドカーの代名詞ともいえるプリウスの、プラグインハイブリッドカー(PHEV)です。走行にガソリンと電気の両方を活用できるため、37.2km/Lという超低燃費を実現しています。国内だけでなく海外でも人気が高い一台です。プラグインハイブリッドとはハイブリッドカーに、外部からも充電できる機能を加えた環境性能車をいいます。

 

bZ4X

bZ4XはBEV(Battery Electric Vehicle)、つまり充電式の蓄電池のみを電力源とし、モーターを動力に走行する電気自動車をいいます。トヨタ自動車とスバルの共同開発によってbZ4Xは誕生しました。シリーズ名のbZは「Beyond Zero」、つまりCO2排出量ゼロを超えるエコという意味が込められています。

 

MIRAI

MIRAIはガソリンの代わりに水素を燃料とし、酸素との化学反応で電力を発生させる仕組みになっています。量産型として世界に先駆けて発売された燃料電池自動車(FCV)です。ただし、MIRAIは普段からV2Hと接続して使えるわけではなく、あくまで停電時にのみ利用可能となっています。

 

日産自動車のV2H対応車種

日産自動車の主なV2H対応車種はリーフ・リーフe+、アリア(ARIYA)、サクラ(SAKURA)です。それぞれ解説します。

 

リーフ・リーフe+

リーフ・リーフe+は国産のEVの代名詞ともなっており、いずれもV2H対応車種です。リーフは世界初の量産型EVとして発売された、5ドアハッチバックのBEVです。リーフe+はリーフのハイパフォーマンスモデルとしてラインナップされており、バッテリー容量や航続可能距離が伸びています。

 

アリア(ARIYA)

アリア(ARIYA)は日産初のクロスオーバーSUVです。4つのグレードがラインナップされ、バッテリー容量の違うB6(66kWh)・B9(91kWh)と2WD・e-4ORCE(4WD)の組み合わせをニーズにあわせて選べます。アリアは古代ヨーロッパ語で「威厳・賞賛」といった意味合いがあります。

 

サクラ(SAKURA)

サクラ(SAKURA)は「電気自動車になった日産の軽」をキャッチフレーズとする、トールワゴン型の軽EVです。日産自動車と三菱自動車の共同開発によって誕生しました。比較的お手頃な価格で手に入り、気軽に日常使いできることがコンセプトとなっています。日本を代表するモデルを目指し、日本を象徴する花である桜の名がつけられました。

 

Honda(ホンダ)のV2H対応車種

Hondaの主なV2H対応車種はHonda eです。詳しく解説します。

Honda e

Honda eは街乗りを前提とした5ドアハッチバックの都市型コミューターです。丸みのあるボディや丸型のヘッドランプを備え、コンパクトで親しみやすい外見をしています。2グレードがラインナップされていて、標準のHonda eは航続距離が259km、Honda eアドバンスが283kmとなっていて、日常使いには十分でしょう。

 

三菱自動車のV2H対応車種

三菱自動車の主なV2H対応車種はアウトランダーPHEV、エクリプスクロスPHEVです。それぞれ解説します。

アウトランダーPHEV

アウトランダーPHEVとは、三菱自動車のフラッグシップSUVであるアウトランダーのプラグインハイブリッドカーです。7人乗り可能な大人数仕様や本革の3列シート、BOSEプレミアムサウンドシステムなど、多くの魅力が詰まった一台として高い人気を誇ります。

 

エクリプスクロスPHEV

エクリプスクロスPHEVとは、クロスオーバーSUVであるエクリプスクロスのPHEVモデルです。街乗りといった気軽な移動ならバッテリーのみ、長距離移動ならガソリンとのハイブリッドと、用途にあわせた走行方法が選べます。PHEVのシステムは基本的に、アウトランダーのシステムを踏襲しています。

 

マツダ(MAZDA)のV2H対応車種

マツダの主なV2H対応車種はMX-30EVMODELです。詳しく解説します。

 

MX-30 EV MODEL

MX-30 EV MODELとはMX-30をベースにした、比較的小型のハイブリッドクロスオーバーSUVの電気自動車です。発売当初のMX-30はV2Hが使えませんでしたが、改良を経て現在は対応車種となりました。マツダのV2H対応車種としては他にも、CX-60 PHEVというラグジュアリーSUVがあります。

 

SUBARU(スバル)のV2H対応車種

SUBARUの主なV2H対応車種はSOLTERRAです。詳しく解説します。

 

SOLTERRA(ソルテラ)

SOLTERRA(ソルテラ)とは、SUBARUとトヨタ自動車の共同開発によって誕生したクロスオーバーSUVです。FWD・4WDモデルの2種類がラインナップされています。トヨタ自動車のbZ4Xの姉妹モデルです。名前の由来は太陽を意味するSOLと、大地を意味するTERRAとなっています。

 

Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)のV2H対応車種

Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)の主なV2H対応車種はEQSです。詳しく解説します。

 

EQS

EQSはクーペ風の5ドアハッチバックで、メルセデス・ベンツのハイエンドモデルの1つです。ダッシュボード全面に広がる「MBUXハイパースクリーン」が印象的で、洗練された未来的な内装となっています。Mercedes-BenzのV2H対応車種としては他にも、EQEというミドルサイズの4ドアセダンがあります。

 

V2H対応車種のメリット

V2H対応車種の主なメリットについて解説します。

 

V2H対応車種のメリットとは?

V2H対応車種は災害などによる停電時に、非常用電源として活用可能です。また、普段から走行していないときは蓄電池として利用できるため、家庭での節電にも役立ちます。

 

例えば、電気代の安い夜間に充電し、電気代が高い昼間に電力を使えば電気をお得に利用できます。余った電気を貯めておいて売ることも可能なので、電気代の負担を減らせるでしょう。

 

V2H対応車種のデメリット

V2H対応車種の主なデメリットについて解説します。

 

V2H対応車種のデメリットとは?

V2H対応車種は走行時以外でも電気自動車のバッテリーを利用するため、バッテリーが劣化することも考えられます。また、V2Hの導入には電気自動車やV2H機器の代金、設置工事代金といった初期費用がかかります。V2H機器はEVと自宅の中間に置く必要があり、設置場所が限定されるため、条件によってはデメリットとなり得るでしょう。

 

V2H対応車種の選び方

V2H対応車種を選ぶ際は「一充電走行距離」「バッテリー容量」「充電上限」「放電下限」などがポイントです。それぞれ解説します。

 

「一充電走行距離」

「一充電走行距離」とは、一回のバッテリー充電で走行できる距離の指標です。車での長距離の移動を想定している場合は特に、購入前に一充電走行距離をしっかり確認することが大事です。基本的に一充電走行距離はバッテリー容量に比例して長くなるため、バッテリーのスペックもチェックしておきましょう。

 

「バッテリー容量」

前述のとおり「バッテリー容量」は、電気自動車の一充電走行距離を左右する大きな一因です。また、蓄電池としての性能も示す指標にもなり、バッテリー容量が大きいほど自宅で使える電力量も増えます。基本的にピュアEVはPHEVよりもバッテリー容量が大きいので、V2Hに向いているといえます。

 

「充電上限」「放電下限」

「充電上限」とはEVやPHEVのバッテリーに充電できる上限値、「放電下限」とはEVやPHEVのバッテリーから住宅へ放電できる下限値を示します。つまり、充電上限・放電下限をチェックすることで、V2Hで使えるバッテリーの範囲が把握可能です。

 

充電上限は100%、放電下限は0%に近いほど、バッテリー容量を最大限活用しやすいといえます。ただし、放電下限が低く設定されていると電力をV2Hで使いすぎて、電気自動車が走行できなくなる可能性もあるため注意が必要です。

 

V2H対応車種の補助金

V2H対応車種を購入する際には補助金を利用できる場合があります。例をいくつか紹介します。

 

V2H対応車種の補助金の例

V2H対応車種の購入に使える補助金の例は下記のとおりです。

 

・経済産業省「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」

CO2排出量の削減のため、クリーンエネルギー自動車の普及を目指して整備された補助金です。車体の購入だけでなく、その充電インフラにかかる費用も対象となります。

 

・経済産業省「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」

電気自動車やV2Hの設備費・工事費の費用負担を減らせる補助金です。

 

・Sii(環境共創イニシアチブ)「DER補助金」

DER(分散型エネルギー源)、つまり電気自動車や蓄電池、太陽光パネルなどの普及を促す補助金です。

 

・Sii(環境共創イニシアチブ)「DP補助金」

DP(ダイナミックプライシング)補助金はV2Hの導入に活用できます。

まとめ

V2Hを利用できる車種は決まっているため、購入前の確認が重要です。V2H対応車種は幅広く、それぞれ異なる特徴があります。ライフスタイルにあわせて電気自動車の特性やスペックを確認し、自分のニーズにあったものを選ぶことがおすすめです。

 

「エネがえるEV・V2H」を利用すれば、EVやV2Hの経済効果をシミュレーションできます。いまなら【先着50社】に限りエネがえるEV・V2H無料β版の登録が可能なので、この機会に是非お試しください。

 

EV V2H経済効果シミュレーションならエネがえるEV・V2H

太陽光・蓄電池のみの経済効果シミュレーターの場合はエネがえるASPがおすすめ?

【先着50社】エネがえるEV・V2H無料β版登録フォーム?

 

太陽光+電気自動車+V2Hの経済効果徹底解説

太陽光+電気自動車(EV)+V2H+定置型蓄電池の経済効果を電力エリア別に徹底解説したおすすめ記事です。

太陽光+電気自動車(EV・V2H)+定置型蓄電池の経済効果を徹底解説(東京電力エリア編)

太陽光+電気自動車(EV・V2H)+定置型蓄電池の経済効果を徹底解説(関西電力エリア編)

2023年地域別 住宅用太陽光導入による経済メリットまとめ

電力エリア別に住宅用太陽光導入の経済メリットをシミュレーションしてまとめました。

2023年 東京電力エリア(東京都) 住宅用太陽光発電の経済効果シミュレーション

2023年 関西電力エリア(大阪府) 住宅用太陽光発電の経済効果シミュレーション

2023年 東北電力エリア(宮城県)住宅用太陽光発電の経済効果シミュレーション

2023年 北陸電力エリア(石川県)住宅用太陽光発電の経済効果シミュレーション

2023年 中部電力エリア(愛知県)住宅用太陽光発電の経済効果シミュレーション

2023年 中国電力エリア(広島県)住宅用太陽光発電の経済効果シミュレーション?

2023年 九州電力エリア(福岡県) 住宅用太陽光発電の経済効果シミュレーション?

【最新版】2022年度・2023年度太陽光の売電価格

蓄電池購入者1,090人アンケート調査結果 – 太陽光 蓄電池 経済効果シミュレーションで約6割の顧客が販売店への信頼度アップ

 

著者プロフィール(太陽光・蓄電池シミュレーションエキスパート)

会社名:国際航業株式会社
部署名:公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG
執筆者名:樋口 悟

執筆者の略歴:国際航業株式会社エネルギー部デジタルエネルギーグループ。エネルギー診断クラウドサービス「エネがえる」担当。1996年東京学芸大学教育学部人間科学課程スポーツコーチ学科卒業。1997年上場大手コールセンター会社に入社、2000年大手上場小売企業グループのインターネット関連会社で最年少役員に就任。2011年に独立起業。大企業向けにSNSマーケティングやアンバサダーマーケティングを提供するAsian Linked Marketingを設立。30以上の大手上場企業のプロジェクトを担当。5年で挫折。2016年国際航業株式会社新規事業開発部に入社しエネルギー領域の事業開発、エネがえる事業開発を担当。

太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションの国内唯一のエキスパートとして、大手電力・ガス会社、有名太陽光・蓄電池メーカー、全国販売施工店・工務店など約700社以上と、最近ではエネルギー政策立案サイド(国・官公庁・地方自治体)で太陽光・蓄電池推進政策をしている方々へもエネがえるを活用した太陽光・蓄電池経済効果シミュレーションやアドバイスを提供している。

執筆記事:https://energy-shift.com/news/author/71cbba7e-dbbc-4728-9349-9cdbed975c6e

執筆者のSNS:
・Twitter:@satoruhiguchi
・LinkedInプロフィール:https://www.linkedin.com/in/satoruhiguchi/
・Sansan名刺交換:https://ap.sansan.com/v/vc/bu56hqnjvw5upna463tcfvkxka/

著者情報

国際航業株式会社公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業 公共コンサルタント事業部カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG。国内700社以上・導入シェアNo.1のエネルギー診断B2B SaaS「エネがえる」(太陽光・蓄電池・オール電化・EV・V2Hの経済効果シミュレータ)を開発提供。

たった15秒でシミュレーション完了!誰でもすぐに太陽光・蓄電池の提案が可能!
たった15秒でシミュレーション完了!
誰でもすぐに太陽光・蓄電池の提案が可能!