2027年度の事業用太陽光をどう提案する?FIT・FIP支援重点化の10類型、設置条件と8つの概算比較

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国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら )

国際航業株式会社「エネがえる」事業開発担当。太陽光・蓄電池・EV/V2Hの経済効果、SaaS・API・BPO、AI活用をつなぎ、顧客との共創による新サービス開発を推進。白書監修、約3年・50件以上の独自調査、官公庁・自治体の経済効果定量化支援にも取り組む。新サービス開発・協業・経済効果試算のご相談を受け付けています。 構想段階からの無料相談、全国訪問、試算の初期レビュー、APIによる事業開発相談も受け付けています。

2026年10月2日更新|EPC・自治体・施設所有者向け

太陽光の設置候補を提案できる案件へ進めるには、制度、設置条件、電力需要、工事費を一緒に確認する必要があります。本記事では、2027年度の支援重点化に関する報道を入口に、確認すべき証憑と収支の比較方法を整理します。

制度の詳細は公式資料の本文照合待ちです。

経産省の2026年9月30日・第5回会合は検索索引で確認しましたが、本文・PDFは取得できていません。10類型の整理は提供記事に基づくもので、確定制度や認定可否の判定ではありません。計算ツールは仮定による独自概算で、エネがえるBizの診断結果ではありません。

まず、設置候補の概算収支を比べる

工場・倉庫・店舗駐車場・公共施設駐車場・上下水道施設・公有地・促進事業・営農型の8例を切り替え、容量、自家消費率、買電回避単価、売電受取単価、設備費を変更できます。回収年数・NPV・感度分析と、前提JSON・年次収支CSVを取得できます。初期値は相場や制度価格を保証するものではありません。

8ユースケースで概算収支を比較する

10の候補類型と確認すべき資料

以下は提供記事の整理です。対象案・継続検討・単独要件として対象としない案を、公式本文照合まで保持します。屋根設置の扱いは、この10類型だけでは説明できません。

候補類型 報道の整理・未照合 確認する資料・条件
国・自治体所有の土地 対象案 所有権・使用許可・貸付期間・公募要件
温対法上の地域脱炭素化促進事業計画の認定事業 対象案 促進区域だけでなく個別事業計画の認定書
ソーラーカーポート 対象案 建築確認・構造・駐車動線・既存用途
インフラ空間 対象案 施設管理者の許可・占用・安全・本来機能
地域新電力・自治体・地元事業者への供給/基金 単独要件として対象としない案 供給契約・地域還元の条件
災害時の電力供給 単独要件として対象としない案 自立運転・切替・非常用負荷
営農型太陽光発電 継続検討 農地一時転用・営農計画・収量・管理
工業団地・商業施設等の敷地内 単独要件として対象としない案 土地用途・自家消費先・構内配線
ゴルフ場・スキー場跡地等の未利用地 単独要件として対象としない案 現況・造成・災害・地盤・系統
耕作放棄地・荒廃農地 単独要件として対象としない案 農地区分・転用可否・土地権利

10類型の確認台帳CSV / 8ユースケースの仮定データCSV

制度・ポテンシャル・収支を読むための8つのポイント

1. 支援の対象と、太陽光を設置できる場所は違う

今回の報道は、事業用太陽光のFIT/FIP制度で支援を重点化する類型の検討についてです。設置許可、建築・農地・環境の手続、系統接続、採算性はそれぞれ確認が必要です。類型に当てはまるという理由だけで「認定される」「建てられる」「利益が出る」と説明しないでください。

提供記事では公有地、温対法の認定事業、ソーラーカーポート、インフラ空間の4類型が対象案とされています。細かな定義、証憑、認定時期、容量区分、経過措置、価格は公式資料・最終制度文書との照合が必要です。営農型は継続検討として扱い、対象外確定と記載しません。促進区域内にあることと、個別の事業計画が認定されていることも同一視しません。

2. 137.2GWを、そのまま営業市場の残容量にしない

経産省に掲載された2024年の推計資料では、公共・非公共施設の屋根を対象に、設置係数の取り方によって137.2〜284.0GWとなる試算が確認できます。数値は建物面積、設置対象面積、容量への換算の条件に依存します。137.2GWは個別物件の構造・所有者合意・改修時期・系統・需要まで保証する数字ではありません。推計資料(2024年、第67回会合・資料3)。検索抽出で確認した値であり、PDF全文は未取得です。

また、報道の6.1GWがFIT/FIP導入量であるなら、非FITの自家消費設備等を含む全国総導入量とは範囲が異なり得ます。137.2−6.1を「残存市場131.1GW」と断定したり、4.4%を全国の屋根利用率と呼んだりするのは避けます。地上20〜107GWも、前提を確認せず地上既設54.6GWから差し引いてはいけません。推計条件と統計対象が揃わない引き算は、営業判断を誤らせます。

3. EPCが最初に集めるのは、面積よりも案件を止める条件

屋根は所有・賃貸借、築年・構造計算、改修予定、防水、屋根材、保守通路を確認します。駐車場は柱と車路、車高、出入口、消防活動、基礎、風・雪荷重、地下埋設物を確認します。公有地は貸付・使用許可の期間と条件、公募、造成、災害リスク、接続費を確認します。インフラは本来機能と維持管理を損なわない計画、管理者の許可、耐食・冠水・安全条件を先に詰めます。これらは実務上の確認事項であり、個別場所の許可を保証する法的判定ではありません。

難易度は類型名だけでは決まりません。既存図面がある平坦な駐車場と、埋設物が不明な駐車場は別案件です。未確認事項を「難易度点数」で隠すより、構造・権利・系統・許認可・需要データの5項目を「確認済/不足/障害あり」に分け、不足証憑を具体化すると次の作業が明確になります。

4. 工場屋根と倉庫屋根で、同じ容量でも採算が変わる

本ツールは、年間発電量=パネル容量×年間発電原単位、自家消費量=発電量×自家消費率、余剰量=発電量−自家消費量と置きます。初年度の純便益は、自家消費量×回避買電単価+余剰量×受取売電単価−年間維持費です。自家消費率は実測値から求めた結果ではなく、入力者が置く仮説です。まず保守的な率から比較し、詳細試算では時間別需要との重なりを計算します。

工場は稼働日と昼間負荷、倉庫は照明・冷凍冷蔵・搬送設備と休日負荷が重要です。営業時間が長い店舗でも、日陰や低需要の日があれば自家消費率は下がります。売電中心案件は売電価格だけでなく、系統費、出力抑制、地代、保険、保守、廃棄費を確認します。FIT/FIP支援があること自体は採算の保証になりません。

5. 回避買電単価に、基本料金を混ぜない

電気代総額を使用量で割った平均単価には基本料金等が含まれる場合があります。太陽光で1kWhの買電を減らした際に避けられる費用とは一致しません。契約プラン、燃料費調整、再エネ賦課金、税区分、時間別単価を確認し、実際に減る従量費用を使います。基本料金の削減は最大デマンドと契約条件を別途検証してから加算します。

FIPの収入を単一の固定売電単価に置くのも概算に限ります。市場価格、プレミアム、インバランス、アグリゲーション費、出力抑制、環境価値の契約帰属を分解する必要があります。このツールの受取単価8円は制度価格ではなく、比較用に置いた仮定です。

6. カーポートと防災は、追加価値を別の欄で示す

駐車場の日よけ、雨よけ、EV充電、防災時の電力には価値がありますが、電気代削減に根拠なく金額を上乗せしないでください。通常利用の経済効果、非常時の供給能力、利用者の快適性、脱炭素の効果を分けて説明します。蓄電池・切替盤・自立運転・保護協調・非常用負荷が必要かは設備設計で確認します。

EV充電を昼間へ移す施策には自家消費を増やす可能性があります。ただしEV台数、駐車時間、走行距離、充電出力、必要SOCの制約があります。EVが不在の時間帯にPVが余る条件も確認します。太陽光・蓄電池・EVの効果を単純に合算せず、同じ余剰電力を重複計上しないことが大切です。

7. PPAは、需要家と事業者の収支を分ける

需要家の削減額は、買電回避額とPPA支払額の差が基本です。事業者は設備費、維持費、資金調達、接続、地代、契約、保険等から収支を計算します。需要家の初期費用がゼロでも、PPA事業者の投資はゼロではありません。本ツールは自己所有設備の簡易モデルで、PPA料金見積にはそのまま使えません。

提案には、①自家消費に絞る容量、②余剰も販売する容量、③蓄電池・EV等で利用を変える容量の比較が役立ちます。目標を設備容量最大ではなく、需要家の利益・事業者の採算・設置条件の成立に置きます。最適容量はこれらの制約と評価指標によって変わります。

8. 営業生産性を高める、前提の引き継ぎ方

初回面談では5項目の確認状況と概算レンジを出し、詳細試算に必要なデータを一度に依頼します。12か月の需要データ、契約電力・料金明細、図面、設備見積、運用予定、売電条件を案件IDに紐づけます。制度の証憑と採算前提を別管理し、どの見積・どの料金・どの版で出した結果かを追えるようにします。

提案速度の改善は、データ整理時間、再入力回数、再見積回数、初回提案までの日数で測れます。「10倍」を成果として先に宣言せず、同一条件の案件で従来業務と比較します。制度チェックと需要・容量比較を入口にし、時間別の詳細計算と前提監査まで一貫して提供することが、エネがえるの事業価値を高める仮説です。独占的に提供できるとの主張には競合比較が必要です。

エネがえるBizにつなぐ詳細試算の準備

詳細試算には、12か月の時間別需要、料金明細、契約電力、地域・方位・傾斜、日陰・積雪、パネル・PCS、設備見積、売電条件、保守・交換費を揃えます。制度証憑と採算前提は別管理し、案件IDと前提の版を揃えると、条件変更時の再提案を進めやすくなります。

本版はBizへの自動入力・直接接続・実診断を実装していません。保存JSONは検討前提の引き継ぎ用で、Bizへ直接インポートできる形式ではありません。

FAQ

4類型なら必ずFIT/FIPを利用できますか?

本記事では判定できません。対象の定義、適用時期、容量区分、認定要件、証憑、経過措置を最終の公式文書で確認する必要があります。

促進区域内なら認定事業ですか?

区域内にあることと、個別の地域脱炭素化促進事業計画が認定されていることは分けて確認します。

同じ容量なら経済効果は同じですか?

自家消費できる量、回避買電単価、売電条件、設置費、保守費等によって異なります。年間消費量だけでなく、発電と需要が重なる時間を確認します。

計算結果はエネがえるBizの結果ですか?

本ツール独自の年単位概算です。時間別需要・発電・蓄電池を計算したBizの診断結果ではありません。

出典・確認状況

2026-10-02 v0.1:概算計算、8例、10類型の照合待ち台帳、検討記事を作成。制度の確定条件・経過措置・価格、全国の場所別候補台帳、Biz実接続は未収録。

詳細試算に必要な条件を確認する / エネがえる公式サイトで相談する

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国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

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国際航業株式会社「エネがえる」事業開発担当。太陽光・蓄電池・EV/V2Hの経済効果、SaaS・API・BPO、AI活用をつなぎ、顧客との共創による新サービス開発を推進。白書監修、約3年・50件以上の独自調査、官公庁・自治体の経済効果定量化支援にも取り組む。新サービス開発・協業・経済効果試算のご相談を受け付けています。 構想段階からの無料相談、全国訪問、試算の初期レビュー、APIによる事業開発相談も受け付けています。

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