発電量の数字が同じでも、パワコンの前か後かで入力の意味は変わります。エネがえるASPの公開FAQを、資料の確認から結果の説明まで使える12項目の確認表にまとめました。DC・AC、容量・出力、蓄電池の追加効果を分けて整理できます。
まず、どの数字を確認しますか
| 困っていること | 最初に見るもの | 次の確認 |
|---|---|---|
| メーカー資料と発電量が合わない | 資料の年間kWhがDCかACか | 損失・ピークカットの反映範囲、蓄電池の構成 |
| 蓄電池に残量があるのに買電する | 容量kWhと出力kW | 該当月・時間帯の需要と出力上限 |
| 平均グラフで充電と買電が重なる | 平均値か月別値か | 月別グラフの同じ時間帯 |
| 蓄電池の追加効果を説明したい | 比較の基準と帳票の項目名 | 既設PVの効果が含まれるか |
「年間発電量」という名前だけで転記しない
提案書にある数値に「PCS出力」「AC」「損失込み」と書かれていたら、入力前に算定点を確認します。パネルが生んだ電気、パワコンを通った電気、売った電気は同じ量ではありません。
太陽光のみ・非ハイブリッド蓄電池では、損失反映済みのAC値を使う際に例外設定が必要です。一方、ハイブリッド蓄電池は詳細入力のPVパワコン効率を使わないため、同じ100%設定では補正できません。まずDC値を資料で確認し、不明な場合にだけ算定点と機種を添えて確認するのが近道です。
根拠:https://faq.enegaeru.com/ja/articles/5278822 / https://faq.enegaeru.com/ja/articles/4669071
差額を出す前に、比較する範囲をそろえる
既設太陽光に蓄電池を足す相談なら、蓄電池なしでも得られる太陽光の効果を追加投資の回収に含めないようにします。2026年4月1日適用のFAQでは、WEBの主表示・p7と、既設PV自家消費を含む参考値のp9を区別しています。実際の帳票ではページ番号より項目名と注記を優先してください。
根拠:https://faq.enegaeru.com/ja/articles/13366023
12項目の確認表
気になる項目を開くと、対象条件・次に行う確認・避けたい取り違え・根拠FAQをまとめて読めます。すべてを聞き直す必要はありません。既に分かる情報から埋めてください。
年間発電量 ASP-01
対象:年間予測・実績発電量を手入力
原則はパワコンを通る前のパネル側DC発電量を使う。
次の確認:資料の算定点と損失反映の有無を確認する。
取り違えないために:機器容量kW、売電量だけ、自家消費量だけを年間発電量として入力しない。
AC値の二重損失 ASP-02
対象:太陽光のみ・非ハイブリッドで損失反映後のAC値を使う
損失反映済みの入力に同じ損失を重ねない設定が必要。
次の確認:変換効率100%等の例外設定とピークカット済みかを確認する。
取り違えないために:説明用の出力設定を実機容量や施工仕様として使わない。
根拠:https://faq.enegaeru.com/ja/articles/5278822 / https://faq.enegaeru.com/ja/articles/4669071
ハイブリッド型 ASP-03
対象:ハイブリッド蓄電池を選択
詳細入力のPVパワコン効率ではなく、登録された内部の変換効率が使われる。
次の確認:DC発電量を資料から確認する。取得できなければ算定点と機種を添えて相談する。
取り違えないために:効率欄を100%にすればAC値を補正できると案内しない。
効率の定義 ASP-04
対象:メーカー仕様を比較
片道効率と往復効率、PCS単体とシステム全体の効率は異なる。
次の確認:仕様値がどの経路・測定範囲を指すか記録する。
取り違えないために:往復効率を充電と放電にもう一度ずつ掛けない。
容量と出力 ASP-05
対象:蓄電池に残量があるのに買電する
蓄えられる電力量と一度に放電できる電力は別の制約。
次の確認:製品の出力上限と対象時間帯の需要を照合する。
取り違えないために:容量kWhだけから買電ゼロを保証しない。
充電量と放電量 ASP-06
対象:入れた電気と使えた電気が違う
変換損失や待機電力等により、充電量と放電量は一致しない場合がある。
次の確認:同じ期間・計測点で充電量、放電量、損失条件を確認する。
取り違えないために:差があるだけで故障・計算誤りと断定しない。
平均グラフ ASP-07
対象:1日の電気利用の流れ(平均)を読む
各月の時間帯別結果を平均したグラフで、特定の1日の実測ではない。
次の確認:詳細入力の蓄電池タブで月別の該当時間帯を確認する。
取り違えないために:平均上の買電と余剰が同時刻にあるだけで制御矛盾としない。
発電量の合計差 ASP-08
対象:発電量と自家消費・売電・充電の合計が違う
表示する計測点や変換損失、ピークカットの扱いによって合計差が生じる。
次の確認:各項目の損失前後・期間をそろえて比較する。
取り違えないために:異なる計測点の数字をそのまま足して一致を求めない。
既設PVへの追加効果 ASP-09
対象:既設PVに蓄電池を後付け
主表示とp7は蓄電池の追加効果、p9は既設PV自家消費を含む参考値。
次の確認:実際の帳票の項目名と自家消費含むの注記を確認する。
取り違えないために:p9の参考効果で蓄電池の追加投資回収を判断しない。
売電収入の差 ASP-10
対象:蓄電池追加で売電収入がマイナス表示
蓄電に回した分の売電機会の減少が追加効果の差分に現れることがある。
次の確認:買電削減と売電減少を同じ期間・条件で確認する。
取り違えないために:売電減少を無視して放電分をすべて純利益としない。
長期試算 ASP-11
対象:経年劣化の扱いを説明
FAQではASPの試算に経年劣化率を見込まないと案内されている。
次の確認:長期提案に劣化の扱いと電気代上昇率の仮定を明記する。
取り違えないために:電気代上昇率を下げるだけで劣化影響を完全再現できるとしない。
同条件比較 ASP-12
対象:蓄電池の製品・構成を比較
容量だけでなく、発電量、需要、料金、運転条件、導入費をそろえる必要がある。
次の確認:変更する条件を一つ決め、その他の前提を比較表に固定する。
取り違えないために:ハイブリッド型という区分だけで経済効果の優劣を決めない。
説明に使える3つの検算例
すべて仕組みを説明するための仮定値です。顧客実績、業界平均、実機性能、エネがえるの診断結果を示すものではありません。
変換損失を2回掛けた場合
6,000 kWh × 98% = 5,880 kWh。ここにもう一度98%を掛けると5,762.4 kWhとなり、117.6 kWh分の差が生じます。入力値が既に損失を含むかを確認する理由です。
2か月の平均が同時買電・充電に見える例
ある月の同時刻が「買電3・充電0」、別の月が「買電0・充電3」なら、2か月の平均は両方1.5になります。平均で両方が見えても、各月に同時発生したとは限りません。
容量があっても出力で不足する例
PVなし、需要4 kW、蓄電池出力3 kWと置くと、不足は1 kWです。残量が足りていても出力の上限は別に確認します。
確認表と条件シートをダウンロード
会員登録・メール入力なしで利用できます。CSVはExcel等で開けるUTF-8 BOM付きです。
3製品分のデータ・条件シート・検算例をまとめてダウンロード(ZIP)
ZIPには全38ルールのCSV/JSON/JSONL、製品別ルールCSV、空欄の条件シート3種、仮定を明示した検算例9件、出典台帳、データ定義を収録しています。これらは提案・確認用のデータで、Bizへ取り込む需要CSVではありません。
条件シートは、分かっている項目だけ埋める
各項目に「値」「根拠資料」「確認日」「確認状態」の欄があります。不明な値を0や平均値で埋めず、未確認のまま残します。条件が更新されたら、比較に使った版も一緒に保存してください。
| 記録する項目 | 単位・内容 |
|---|---|
| 年間発電量 | kWh/year |
| 算定点 | DC/AC/未確認 |
| 反映済みの損失・ピークカット | text |
| 元資料名・版 | text |
| 蓄電池型式・構成 | text |
| 実効容量 | kWh |
| 放電出力 | kW |
| 月別電力使用量の根拠 | text |
| 料金プラン・適用時点 | text |
| 比較の基準ケース | text |
| 帳票項目・対象期間 | text |
| 未確認の条件 | text |
AI回答や社内検索へ使う場合
製品と適用条件が合う行を選び、「要点」だけでなく「適用条件」「断定できないこと」「出典URL」を一緒に参照します。確認用データの公開であり、Finや他のAIへ自動登録・自動更新する機能ではありません。
お客様へ説明するときの文面
角括弧の箇所を案件の事実で埋めてお使いください。確認していない項目を「確認済み」として送らないようにします。
今回の比較では、発電量と設備の条件をそろえて確認します。 ・年間発電量は[資料名]の[DC/AC]値です。反映済みの損失は[内容]です。 ・今回追加する設備は[機器]です。比較の基準は[既設PVのみ等]です。 ・効果を確認する項目は[項目名]、対象期間は[期間]です。 ・未確認なのは[一点]です。確認後に同じ条件で比較します。 参考:https://faq.enegaeru.com/ja/articles/5278822 参考:https://faq.enegaeru.com/ja/articles/13366023



